下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

材料の値段

2007-05-18 00:05:55 | パンのパレット

同じ食材が数社の食材会社から手に入ります。
商品が同じ物で品質も同程度ならば金額が低い会社から
納入するのが当たり前なんですが、僕の考えは違います。
自転車屋さんでも安い自転車を売るお店とそうではないお店の
違いは自転車の使い方を教えてくれる処なんです。
確かな技術とノウハウを持ち、なおかつ使い方、使う機会を
設けてくれるんです。
模型屋さんも同じようだと思います。
ラジコンの飛行機を飛ばす場所まで確保してお客さん達を
連れて行く店もありますし、オヤジは奥さんに店を任して
自分はお客様に操縦などを教えに遠征するのです。
話しが逸れましたが、パンの材料を配送する係りと営業が別の会社と
一人で兼任する配送営業を置く会社があります。
僕は配送営業が好きです。
常日頃顔を会わせていますから、お互いの状況をリアルタイムで
知っているのです。食材を置いて伝票にサインをもらって帰るだけの
配送営業はあまり好きではありません。
一つの食材の可能性を提案し、メーカー、会社の指示以外に
自分なりの意見を持って僕と話し、その気にさせてじゅれる
配送営業の人と取引をするのが理想です。
時に真剣のあまりぶつかり合う事も嫌いじゃありませんが、
そこまでの意見を持っている営業社員は稀です。
常にお店の立場に立ち、時には自分の上司にも掛け合って
店の代弁をしてくれた営業もいました。
大きな店には遠慮やモラルを持って接する材料会社も小さな個人店の
激戦区では双方に武器を売る死の商人まがいの行為をしてる会社もあります。
店の代弁者を上司に逆らう悪い社員だなんて思う会社だったら危ないですね。
そんな社員こそが、お客から最も信頼され、会社の力に育っていくのです。
上司の言いなり、使いやすい社員は客からの信頼もソレナリなんです。
自分を勘定に入れて保身を第一に考える社員にどんな魅力を
感じますか?客以上にわが身の保身第一なんて愛のカケラも感じないでしょ!
納入商品の知識や可能性を説明してこそ見えない付加価値が
発生するのだと思います。その話しから発展して別の新たな商品が
生まれる可能性もあるのですから。
そんな訳で僕は数%納入金額が高くても付加価値を加味して
商品の価格を判断しています。
僕の理想の営業がどんな会社に属していても関係ないのです。
常に僕は彼が売りに来た会社から買います。彼から買うのです。
商品知識も提案も無く、お客様に対する愛も感じられない営業に
当たると精神的なスランプに陥るような気がします。

叱るには愛が必要ですし、二割叱るには八割のフォローと励まし、
目標をクリアーした時のご褒美も必要だと考えています。
それでも底辺に流れる価値観に同じ匂いを感じれば実行しますが、
価値観の違う営業には閉口しがちになってしまいます。
最初は異質な価値観に惹かれもしますが、どうにも平行線が
続くと感じた時には叱る労力を惜しみ、挨拶程度の会話になってしまいます。
根底にある価値観があまりにも違うことに気が付きます。
僕が年をとったせいかも知れませんが何千年もの間、世界の火薬庫と
称されている地域が在るように宗教、民族が違うからなのか
理解しにくい人種に会うこともあります。
彼らとは婚姻の契約もカスガイもシガラミもありませんから
遺恨などのワダカマリもなく遅かれ早かれ別れることになりますね。
エース級の営業社員は売り上げの多い大規模な店や老舗の担当になるのが
常識ですが、新人が小さな個人店回りからそのポジションに上り詰める様を
見る事もあります。会社が違っても彼らに共通してるのはリカバリーに
対する執念、お客を守る気持ちの強さです。
失敗にもメゲナイでそれ以上の成果を上げてきます。
だから僕は彼らの失敗を願う事もあるんです。
売れそうに無い商品も購入しますし、キャンペーン商品も応援して
購入します。(少量ではありますが)売れなくても僕は楽しみなんです、
彼らが僕の店の損害をドウ撮り返してくれるのかが楽しみなんです。
客の出す無理難題をモガキながらもことごとくクリアーして這い上がって
くるのです。精神的にもギリギリの処まで追い詰められたと思いますが
倒れません。胃潰瘍、円形脱毛も経験したと思います。
そんな新人は店のドコに何があるのかを覚えます、次に自分の持っている
商品と同じ物がナゼ他社から納入されているのかを突き止めたり
お店にアドバイスができるようになります。
彼に難問珍問を出題していたお店も彼に緊張感を持って接するように
なります。笑顔で打ち解けてお互いに同じ方向を見ての切磋琢磨が
始まればしめたものなんです。
その頃になると新人だった彼は小さい個人商店から卒業するんです。
僕は何人かの最前線で陣頭指揮をする彼らの新人時代を知っています。
作業服で汗をかいていた彼らがビシッとスーツを着ている姿を
見るのはいいもんです。僕はそんな彼らに決まって思う言葉が
あります。「気持ちまで偉くならないでね。」
勿論、そこまで行った奴らは当然その事を理解しています。

三社祭りが始まります。
東京の各地で祭りや縁日が始まりました、もう初夏ですね。


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