下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

2007-05-15 23:32:43 | パンのパレット

千住一帯、午前11時過ぎから1時間以上に渡って
雷と強い風雨にヒョウまで混じって降られて
昼食を買いに家や会社から外に出る人は激減しました。

暇な昼時でしたけど午後は製パン関連の会社から
二組の訪問者があって、その内の一組の方々は
その機械では日本のトップブランドの会社から尋ねてこられたんです。
最初の一組目は若い部下が僕に話している時に上司はよそ見していたので
3分で仕事に戻りました。
二組目の上司はつまらないギャグで僕を凍らせ、
部下までも慌てさせましたが、飛びぬけた氷温さに免じて
話しを聞きました。
僕が麻布で働いている時に社長は彼らの会社の機械を日本一だと
蛸が耳になるほど僕達に言っていたのを思い出しました。
その事を伝えると二人とも満面の笑顔になったのですが、
氷の微笑上司のお話に今度は僕が驚きました。
15年前に脳梗塞で倒れた経験があり、半身不随と言語障害の
リハビリに数ヶ月かかって会社に復帰したそうです。
貴方も頑張ったと思いますが、貴方を雇い続けた会社は
やはり社長の言っていた通り業界のトップブランドですねと
話し、また良いご家族を持たれ幸運だとも僕は言いました。
上司は「今でも私の言葉は聞き取りにくく電話では酔っているのかと
お叱りを受けることもあるんですよ。」
僕の意見は「ダカラコソ!!!」です。
だからこそ僕は上司の話を聞き漏らすまいと一所懸命に
聞いていたのです。上司が話す間に流れていた音楽さえ
聞こえないほど集中して彼の言葉を聞いていたのです。
若い部下の話は歯切れよく聞き取りやすいのですが
内容も当たり前の事だから聞き流す事もあるけれど、
僕は貴方の言葉は集中して聞いてたと伝えました。
貴方の言葉はハンディどころか大変な武器でアドバンテージです。
貴方の顔と言葉で貴方の人柄までもよく解かったような気がしたと伝えました。
流暢な言葉やスムースな会話が真意を相手に伝えるとは
限りません。言葉は意思を伝えるに充分であれば結構。
でも貴方は貴方の人柄まで僕に伝えましたよ。
上司が気とお金を使って飲み物を2本部下に買わせましたので、
僕は金額に関係なくお釣を50円渡しました。
部下は「お釣無しのチョウドですが・・」
当然僕は「牛丼屋に負けてらんねぇよ」なんて言ってみました。(馬鹿なんです)
上司は別れ際に振り向き戻って僕に握手を求めてきました。
「ありがとうございました。自信が持てました。」と客に対する遠慮がちな
握手だったので僕は上司の目を見てギュッと強く握り返しました。
凍るような冗談に始まり、キモイ行為で終わる。
何とも不思議で温かい出会いでした。

以前、ツイスターの追っかけをしてる方に会った事を思い出しました。
やはり聞き取りにくい言葉だったのですが彼が如何にツイスターとの
出会いを楽しみにしているのか僕にはよ~く解かりました。
営業職の方が言語障害になった苦しみや美人が顔に傷を負う悲しみは
当事者でない僕には正確には理解できませんが、想像することはできます。
結局大切なのは流暢な言葉だけでも美しい顔だけでもなく、
温かい「何か」なんですね。

陸奥の酵母は驚くばかりの醗酵力を維持しています。
コナは最近絶好調。元気にぐいぐい歩きます。
僕の気功もパワーアップしているのだろうか?


2 コメント

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感銘深い訪問記 (kensyonan)
2007-05-21 17:27:33
あの日、土砂降りの雷雨の日で、一番売れる時間帯をふいにされた後に訪問を致しました二人です。突然に訪問した私たち二人に、貴重なお時間を長々と頂戴致しまして恐縮しながらの訪問でありました。

初めての訪問で、あれほど感銘深いお話をお聞きできたことは、私ども営業マンの表敬訪問機会にとってはとても嬉しい記憶となりました。パレットさんのようなベーカリーのお客様は心のこもった商品を買うことができ幸せと思いました。
訪問後の私たち二人の気持ちは大変すがすがしいものでありました。(少し年上の方でした。)


「下町のパン」で検索させていただきました。
先日は貴重なお話をありがとうございました。私はまだ入社間もなく、製パンの知識もまだまだなので毎日が勉強です。いい上司に恵まれたと思っておりますので今後も頑張りたいと思っております。(30半ばの新人の方でした。)
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こちらこそ (kona)
2007-05-22 20:03:21
こちらこそ、ありがとうございました。
お二人とお話しできてラッキーでした。
まあ過去の記事を読んでいただけましたら
いかに至らない点多き店主であるのかが
ご理解いただけたかと思います。
自分の思ってる半分も結果を出せずにいる
テイタラク・・・今後ともお近くに
おいでの時にはまた僕に勇気を分けて下さいね。
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