君は転んで血を流す

もう僕は夢のあとが見たいから

Rainy merry-go-round/FANATIC◇CRISIS 12.2.27

2012-03-05 23:23:17 | 今日の好きな歌




ここ数日間、昔のⅤ系アーティストの音源を聴きあさってた。




ビジュアル系っていうのはいかにも顔のいいバンド集団って捉えられがちですけど
ただ単に顔がいいだけだったらアイドルにも何にでもなれば良い訳で。
そうじゃなくて、ビジュアル系はそこに耽美とか醜悪っていう要素が絡まってくるんですよね。
美しい身なりで、汚らしいものを歌ったり、歪んだ愛情を歌ったり、本当に顔がいいだけのバンドは実はいなくて
その耽美な世界観を表現する為に歌唱力や演奏力も必要になってくるっていうのもあって
実は中々のオールマイティ集団ってイメージが自分の中では強いですね。

ただ、なんだろう、時が経つにつれて歪んだ愛情だとか醜悪要素がどんどん薄れてきてしまって
今はパッと聴き普通のアイドル集団と変わらないんじゃないのっていうのも多いですね。
それじゃ意味ないだろ、とも思うんですが
それを考えるとBUCK-TICKとか本当に偉大だよなあ、って思います。Ⅴ系界のthe pillowsとも言っていいような。
今のⅤ系ってあんま聴いてないんですけど、元々そのⅤ系バンド中心に音楽にハマっていった人間なので
ルーツって観点でもそっち系の記述はたまにしていきたくはあるかも。

というか、
正直9mmとか時雨の方がⅤ系の要素をきっちり受け継げてる感はありますよね(笑)。
結構どこでも言われる事ですけど。
9mmの「sleepwalk」とか「次の駅まで」とか世代的にピンと来ますもん。
懐古的かもしれませんがあの頃のⅤ系の方がコンセプトにブレがなくてやっぱり面白いなって思います。
ブレーク中と共に円熟期だったかな、とも今になって感じる。





【第178回】 Rainy merry-go-round/FANATIC◇CRISIS




個人的に聴き漁って思ったのは歌唱力あってのⅤ系なんだ、って事
ある種の怖さみたいなものは必要なんだって事
だから正直親しみやすさとか全然必要なくてただ単にユーモアを薄めるだけだって思ってるんですけど
そこを行くと適度に近づきにくくて歌唱力に関しては最高レベルの石月さんは凄いですよね。
正に模範となるべきバンドです。
今聴くと歌詞の面でやや幼さが残るものの、あの時代ならではの絶妙な哀愁とビート感が鳴ってて面白い。
ギターのフレーズもいちいち泣いてるしで作りこまれた楽曲観は未だに普通に聴けちゃうくらいには良いと思う。
蜃気楼の中でただ打ち上げ花火みたい、ってフレーズとか良い具合に退廃的で素敵ですねえ。
そういう失われた退廃的な感触も味わえる一角度として秀逸な名曲。
売り上げ的には他のシングルの方が高いんですけど
今の気分はこの曲かな、って。
余談ですけど合間の「◇」はどう考えても某つのだ☆ひろ的で微妙に滑稽ですよね(笑)。Cが重なるから仕方なかったんでしょうけど。

ちなみに、今は解散して石月さんは石附さんと本名に名前を戻して
普通のおじさんみたくなってて微妙にショックでした(笑)。でもまあ自然と言えば自然ですよね。
ファナティックの他にもラクリマの「Without You」、マリスミゼルの「ILLUMINATI」なんかも最高です。
ただ、行き過ぎてオカマみたいになってるのは個人的範疇ではⅤ系には含みたくない。
だって中性的なのがⅤ系でしょ、とも思うから。