―「昨日(令和元年11月15日)の記事」を補足します。―
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{Fx→[∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)]} A
1 (2) Fa→[∃y(Gya&Hy)&∀z(~Gza→~Hz)] 1UE
3 (3) Fa&[∃y(Gya&Hy)→∃z(~Gza& Hz)] A
3 (4) Fa 3&E
3 (5) [∃y(Gya&Hy)→∃z(~Gza& Hz)] 3&E
6 (6) ∃y(Gya&Hy) A
36 (7) ∃z(~Gza& Hz) 56MPP
8(8) ~Gba& Hb A
8(9) ~~(~Gba& Hb) 8DN
8(ア) ~(~~Gba∨~Hb) 9ド・モルガンの法則
8(イ) ~(~Gba→~Hb) ア含意の定義
8(ウ) ∃z~(~Gza→~Hz) イEI
36 (エ) ∃z~(~Gza→~Hz) 78ウEE
36 (オ) ~∀z(~Gza→~Hz) エ量化子の関係
13 (カ) ∃y(Gya&Hy)&∀z(~Gza→~Hz) 24MPP
13 (キ) ∀z(~Gza→~Hz) カ&E
136 (ク) ~∀z(~Gza→~Hz)&∀z(~Gza→~Hz) オキ&I
13 (ケ) ~∃y(Gya&Hy) 6クRAA
13 (コ) ∃y(Gya&Hy) カ&E
13 (サ) ~∃y(Gya&Hy)&∃y(Gya&Hy) ケコ&I
1 (シ) ~{Fa&[∃y(Gya&Hy)→∃z(~Gza& Hz)]} 3サRAA
1 (ス)∀x~{Fx&[∃y(Gyx&Hy)→∃z(~Gzx& Hz)]} シUI
1 (セ)~∃x{Fx&[∃y(Gyx&Hy)→∃z(~Gzx& Hz)]} ス量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{Fx&[ ∃y(Gyx&Hy)→ ∃z(~Gzx& Hz)]} A
1 (2)∀x~{Fx&[ ∃y(Gyx&Hy)→ ∃z(~Gzx& Hz)]} 1量化子の関係
1 (3) ~{Fa&[ ∃y(Gya&Hy)→ ∃z(~Gza& Hz)]} 2UE
1 (4) ~{Fa&[~∃y(Gya&Hy)∨ ∃z(~Gza& Hz)]} 3含意の定義
1 (5) ~Fa∨~[~∃y(Gya&Hy)∨ ∃z(~Gza& Hz)] 4ド・モルガンの法則
1 (6) Fa→~[~∃y(Gya&Hy)∨ ∃z(~Gza& Hz)] 5含意の定義
7 (7) Fa A
17 (8) ~[~∃y(Gya&Hy)∨ ∃z(~Gza& Hz)] 67MPP
17 (9) ∃y(Gya&Hy)&~∃z(~Gza& Hz) 8ド・モルガンの法則
17 (ア) ~∃z(~Gza& Hz) 9&E
17 (イ) ∀z~(~Gza& Hz) ア量化子の関係
17 (ウ) ~(~Gba& Hb) イUE
17 (エ) ~~Gba∨~Hb ウ、ド・モルガンの法則
17 (オ) ~Gba→~Hb エ含意の定義
17 (カ) ∀z(~Gza→~Hz) オUI
17 (キ) ∃y(Gya&Hy) 9&E
17 (ク) ∃y(Gya&Hy)&∀z(~Gza→~Hz) カキ&I
1 (ケ) Fa→[∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)]} 7クCP
1 (コ) ∀x{Fx→[∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)]} ケUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{Fx→[∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)]}
② ~∃x{Fx&[∃y(Gyx&Hy)→∃z(~Gzx& Hz)]}
に於いて、
①=② である
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、 あるyがxの鼻であって長いならば、 あるzがxの鼻でなくて、長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
「二重否定(DN)」により、
② ~~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
③ ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、 あるyがxの鼻であって長いならば、 あるzはxの鼻でなくて、長い。
に於いて、
① の「否定」が ② であり、
② の「否定」が ① であるため、
①=② ではない。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(07)
(ⅰ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、問題になっている変数が現れる少なくとも2つの箇所を含むであろう(その1つの箇所は量記号そのもののなかにある);
(ⅱ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、同じ変数を用いたいかなる他の量記号も含まないであろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、183頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}≡ 象は鼻が長い。
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}≡ある象は鼻も長い。
に於いて、
① ∀x の「作用範囲(scope)」は、
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}の「全体」であって、
② ∃x の「作用範囲(scope)」は、
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}の「全体」である。
然るに、
(09)
ここで、「∀x(Fx→P)」における「普遍記号(∀x)」は「Fx→P」の全表現(whole expression)に作用を及ぼすのに対して、「∃x(Fx)→P」における「存在量記号(∃x)」は、全体の条件法の前件のみ作用を及ぼすことに注目することが大切である。
(E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、161頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}≡ 象は鼻が長い。
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}≡ある象は鼻も長い。
であるため、
① P≡∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
② P≡∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)
であるとして、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→P}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&P}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(11)
簡単に言うと論理式(Wffs)からそのはじめにある量記号を除去した結果えられる式は命題関数である。
(E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、182頁)
従って、
(11)により、
(12)
① P≡∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
② P≡∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)
といふ「式」は、「命題関数(Propositional functions)」である。
従って、
(10)(12)により、
(13)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→P}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&P}。
といふ「等式」が、成立し、
① P≡∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
② P≡∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)
は、「命題関数(Propositional functions)」である。
然るに、
(14)
③ 象は動物である≡∀x{象x→P}。
に於いて、
③ P≡動物x
は、「命題関数(Propositional function)」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
③ 象は動物である≡∀x{象x→動物x}。
といふ「日本語」は、その「右辺」からすれば、飽く迄も、
① 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
② 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
③ 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
であって、
① 主語(Subject)+述語(Predicate)。
② 主語(Subject)+述語(Predicate)。
③ 主語(Subject)+述語(Predicate)。
ではない。
然るに、
(16)
③ 象は動物である≡∀x{象x→動物x}。
といふ「タイプ」の、
③ 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
であれば、「英語」にもあるものの、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
といふ「タイプ」の、
① 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
② 主語(Subject)+命題関数(Propositional function)。
は、「英語」にはない。
然るに、
(17)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う(三上文法! : wrong, rogue and log)。
然るに、
(18)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
に於いて、
① x,y,z は「主語」であり、
② x,y,z は「主語」である。
(19)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
に於ける、
①{ [ ( )( ) ] }
②{ [ ( )( ) ] }
といふ「括弧」は、「入れ子」になってゐる。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
「複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技」とは言ふものの、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
② ある象は鼻も長い≡∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}。
といふ、「述語論理(Predicate logic)」からすれば、「複数主語と、主語の入れ子」は、「奇妙な技」であるとは、言へない。
cf.
一、總主トハ如何ナル者ゾ
動詞、形容詞ニ對シテ其主語アルト同ジク、主語ト説語(動詞或ハ形容詞)トヨリ成レル一ノ説話(即チ文)ニ對シテモ更ニソノ主語アルコト國語ニハ屡々アリ。例ヘバ「象は體大なり」ノ「象」、「熊は力強し」ノ「熊」、「鳥獸蟲魚皆性あり」ノ「鳥獸蟲魚」、「仁者は命長し」ノ「仁者」、「賣藥は效能薄し」ノ「賣藥」、「慾は限無し」ノ「慾」、「酒は養生に害あり」ノ「酒」、「支那は人口多し」ノ「支那」ノ如キハ、皆、「體大なり」「力強し」等ノ一説話ニ對シテ更ニソノ主語タル性格ヲ有ス。何トナレバ「象は體大なり」「熊は力強し」等ヨリ「象」「熊」等ノ再度ノ主語ヲ取去ル時ハ、殘餘ハ「體大なり」「力強し」等トナリテ、文法上ノ文ノ形ハ完全ニ之ヲ具フルニモ拘ラズ、意義ニ不足ヲ生ジ、其事ノ主トアルベキ「象」「熊」等ノ名詞ヲ竢ッテ始メテ意義ノ完全ナル一圓ノ説話ヲ成サントスル傾アルコト、ナホ普通ノ動詞、形容詞ノ名詞ヲ竢ッテ始メテ一ノ完全ナル説話ヲ成サントスル傾アルト同趣味ノモノアレバナリ。殊ニ「性有り」「限無し」等ノ一種ノ説話ニ對シテハ、實用ノ際ニ再度ノ主語ノ必要アル事ハ頗ル顯著ナルニアラズヤ。コレハ「うら(心)やまし(疚)」「て(質)がたし(堅)」ナドノ一説話ノ轉シテ一ノ形容詞トナリ、然ル上ハ實用ノ際ニ更ニソノ主語ヲ取ルト一般ナリ。サレバ「富貴は羨し」ノ「うらやまし」ニ對シテ「富貴」ヲ主語トイフヲ至當トセバ、「體大なり」「力強し」ニ對シテ「象」「熊」ヲソノ主語トイフモ亦不當ニハアラジ。斯カレバコノ類ノ再度ノ主ヲ予ハ別ニ「總主」ト名ヅケントス。
(草野淸民、國語の特有セル語法 ― 總主、『帝國文學』五卷五號、明治三十二年:大修館書店、日本の言語学 第3巻 文法Ⅰ、1978年、533頁)
(01)
118 ∀x(Fx→P)┤├ ∃x(Fx)→P
(a)
1 (1)∀x(Fx→P) A
2 (2)∃x(Fx) A
3(3) Fa A
1 (4) Fa→P 1UE
1 3(5) P 34MPP
12 (6) P 235EE
1 (7)∃x(Fx)→P 26CP
(b)
1 (1)∃x(Fx)→P A
2 (2) Fa A
2 (3)∃x(Fx) 2EI
12 (4) P 13MPP
1 (5) Fa→P 24CP
1 (6)∀x(Fx→P) 5UI
(E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、160頁)。
然るに、
(02)
ここで、「∀x(Fx→P)」における「普遍記号(∀x)」は「Fx→P」の全表現に作用を及ぼすのに対して、「∃x(Fx)→P」における「存在量記号(∃x)」は、全体の条件法の前件のみ作用を及ぼすことに注目することが大切である(E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、161頁)。
然るに、
(03)
「∀x(Fx→P)」における「普遍記号(∀x)」は「Fx→P」の全表現に作用を及ぼす。
といふことは、Pは、あるいは、「xに関する命題関数(Propositional functions)」である。
従って、
(03)により、
(04)
例へば、
① ∀x(象x→P)
に於いて、 Pは、あるいは、「xに関する命題関数」である。
然るに、
(05)
② 動物x
③ ∃y(鼻yx&長y)
③ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
は、三つとも、「命題(Prposition)」ではなく、「xに関する命題関数」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∀x(象x→P)
に於いて、
② P=動物x
③ P=∃y(鼻yx&長y)
④ P=∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② ∀x(象x→動物x)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「三つ」は、すなはち、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長い。
④ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「三つ」は、「命題(Propositions)」である。
従って、
(06)により、
(07)
② 象は動物である=∀x(象x→動物x)。
③ 象は、鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
④ 象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「命題(Propositions)」に於いて、
② 動物である(動物x)
③ 鼻は長い{∃y(鼻yx&長y)}
④ 鼻が長い{∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「所謂、述語(Predicates)」は、三つとも、「命題関数(Propositional functions)」である。
従って、
(07)により、
(08)
② 象は動物である=∀x(象x→動物x)。
③ 象は、鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
④ 象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
②「象は」は、「主語(Subject)」であり、
③「象は」は、「主語(Subject)」であり、
④「象は」は、「主語(Subject)」であり、
②「動物である」は「命題関数(Propositional function)」であり、
③「鼻は長い」 は「命題関数(Propositional function)」であり、
④「鼻が長い」 は「命題関数(Propositional function)」である。
従って、
(08)により、
(09)
② 象は動物である=「主語」+「述語(Predicate)」。
は兎も角。
③ 象は、鼻は長い=「主語」+「述語(Predicate)」。
④ 象は、鼻が長い=「主語」+「述語(Predicate)」。
とすることに、「不都合」があると言ふのであれば、
③ 象は、鼻は長い=「主語」+「命題関数(Propositional function)」。
④ 象は、鼻が長い=「主語」+「命題関数(Propositional function)」。
であると、すれば良い。
従って、
(10)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う(三上文法! : wrong, rogue and log)。
と言ふのであれば、
④ 象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
であるため、すなはち、
④ 象は、鼻が長い=「主語」+「命題関数(Propositional function)」。
であるため、必ずしも、「英文法」等で言ふ所の、
④ 象は、鼻が長い=「主語」+「述語(Predicate)」。
ではない。といふ風に、述べれば良い。
然るに、
(11)
① 象は動物である。
① Elephants are animals.
に関しては、両方とも、
① ∀x(Fx→Gx)
① ∀x(Fx→Gx)
である。
従って、
(12)
① Elephants are animals=∀x(Fx→Gx).
に於いて、
① animals が「述語(Predicate)」である以上、、
① 動物 も、 「述語(Predicate)」であると、せざるを得ない。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3 (3) 象a A
13 (4) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 23MPP
13 (5) ∃y(鼻ya&長y) 4&E
1 (6) 象a→∃y(鼻ya&長y) 35CP
1 (7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 6UI
13 (8) ∀z(~鼻za→~長z) 4&E
13 (9) ~鼻ba→~長b 8UE
1 (ア) 象a→~鼻ba→~長b 39CP
イ(イ) 象a&~鼻ba A
イ(ウ) 象a イ&E
1 イ(エ) ~鼻ba→~長b アウMPP
イ(オ) ~鼻ba イ&E
1 イ(カ) ~長b エオMPP
1 (キ) 象a&~鼻ba→~長b イカCP
1 (ク) ∀z(象a&~鼻za→~長z) キUI
1 (ケ) ∀x∀z(象x&~鼻zx→~長z) クUI
1 (コ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x∀z(象x&~鼻zx→~長z) 7ク&I
(ⅱ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x∀z(象x&~鼻zx→~長z) A
1 (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 1&E
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 1UE
4 (4) 象a A
14 (5) ∃y(鼻ya&長y) 34MPP
1 (6) ∀x∀z(象x&~鼻zx→~長z) 1&E
1 (7) ∀z(象a&~鼻za→~長z) 6UE
1 (8) 象a&~鼻ba→~長b 7UE
9(9) ~鼻ba A
49(ア) 象a&~鼻ba 49&I
14 (イ) ~長b 8アMPP
14 (ウ) ~鼻ba→~長b 9イCP
14 (エ) ∀z(~鼻za→~長z) ウUI
14 (オ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 5エ&I
1 (カ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 4オCP
1 (キ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} カUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x∀z(象x&~鼻zx→~長z)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長い。すべてのxとzについて、xが象であって、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長い。すべてのxとzについて、xが象であって、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふことは、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長い。象は、鼻以外は長くない。
といふ、ことである。
然るに、
(03)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長い。象は、鼻以外は長くない。
といふことは、
① 象は、鼻が長い。
といふ、ことである。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長い。象は、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
一、總主トハ如何ナル者ゾ
動詞、形容詞ニ對シテ其主語アルト同ジク、主語ト説語(動詞或ハ形容詞)トヨリ成レル一ノ説話(即チ文)ニ對シテモ更ニソノ主語アルコト國語ニハ屡々アリ。例ヘバ「象は體大なり」ノ「象」、「熊は力強し」ノ「熊」、「鳥獸蟲魚皆性あり」ノ「鳥獸蟲魚」、「仁者は命長し」ノ「仁者」、「賣藥は效能薄し」ノ「賣藥」、「慾は限無し」ノ「慾」、「酒は養生に害あり」ノ「酒」、「支那は人口多し」ノ「支那」ノ如キハ、皆、「體大なり」「力強し」等ノ一説話ニ對シテ更ニソノ主語タル性格ヲ有ス(草野淸民、國語の特有セル語法 ― 總主、『帝國文學』五卷五號、明治三十二年:大修館書店、日本の言語学 第3巻 文法Ⅰ、1978年、533頁)。
(06)
一、総主とはどのようなものか。
動詞、形容詞に対してその主語があるように、主語と説語(動詞、形容詞)からなる一つの説話(すなわち文)に対しても、更に、その主語がある、ということが、しばしばある。例えば「象は体大なり」の「象」、「熊は力強し」の「熊」、「鳥獣虫魚みな性あり」の「鳥獣虫魚」、「仁者は命長し」の「仁者」、「売薬は效能薄し」の「売薬」、「欲は限無し」の「欲」、「酒は養生に害あり」の「酒」、「支那は人口多し」の「支那」は、「体大なり」「力強し」等は、一つの説話に対して、更にその主語である、という性格がある。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② 象は、鼻は長い。象は、鼻以外は長くない。
に於いて、
②「鼻は長い。」 の「主語」は「象」であって、
②「鼻以外は長くない。」の「主語」は「象」である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① 象は、鼻が長い。
に於いて、「象は」は、
① 象は、鼻が長い。
といふ「文全体の、主語」である。
然るに、
(09)
① 鼻が長い。
に於いて、「鼻が」は、
① 鼻が長い。
といふ「文全体の、主語」である。
然るに、
(10)
① 象は、鼻が長い。
に於いて、
①「象は」に「注目」するならば、
①「象は」は、
① 象は、鼻が長い。
といふ「文全体の、主語(総主)」であり、
①「鼻が」に「注目」するならば、
①「鼻が」は、
① 鼻が長い。
といふ「文全体の、主語」である。
(01)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
② 目黒のサンマは美味く、目黒以外のサンマは美味くない。
③ 目黒のサンマは美味い。目黒以外のサンマは美味くない。
といふことは、
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
③ 目黒のサンマならば美味い。目黒でないサンマは美味くない。
といふことである。
然るに、
(02)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
③ 目黒のサンマならば美味い。目黒でないサンマは美味くない。
といふことは、
① すべてのxについて、xがサンマならば、xが目黒ならば美味く、xが目黒でないならば美味くない。
② すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味く、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
③ すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味い。すべてのxについて、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
といふことである。
然るに、
(03)
① すべてのxについて、xがサンマならば、xが目黒ならば美味く、xが目黒でないならば美味くない。
② すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味く、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
③ すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味い。すべてのxについて、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
といふことは、「記号」で書くと、
① ∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}
② ∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x}
③ ∀x{目黒x&サンマx→美味x}&∀x{~目黒x&サンマx→~美味x}
といふことである。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} A
1 (2) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 1UE
3 (3) 目黒a&サンマa A
3 (4) サンマa 3&E
13 (5) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 24MPP
13 (6) 目黒a→美味a 5&E
3 (7) 目黒a 3&E
13 (8) 美味a 7MPP
1 (9) 目黒a&サンマa→ 美味a 38CP
ア(ア) ~目黒a&サンマa A
ア(イ) サンマa ア&E
1 ア(ウ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 2イMPP
1 ア(エ) ~目黒a→~美味a ウ&E
ア(オ) ~目黒a ア&E
1 ア(カ) ~美味a エオMPP
1 (キ) ~目黒a&サンマa→~美味a アカCP
1 (ク) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 9キ&I
1 (ケ)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} クUI
1 (〃)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。 クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} A
1 (2) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 1UE
3 (3)サンマa A
1 (4) 目黒a&サンマa→美味a 2&E
5 (5) 目黒a A
35 (6) 目黒a&サンマa 35&I
135 (7) 美味a 46MPP
13 (8) 目黒a→美味a 57CP
1 (9) ~目黒a&サンマa→~美味a 2&E
ア(ア) ~目黒a A
3 ア(イ) ~目黒a&サンマa 3ア&I
13 ア(ウ) ~美味a 9イMPP
13 (エ) ~目黒a→~美味a アウCP
13 (カ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 8エ&I
1 (キ) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 3カCP
1 (ク)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} キUI
(ⅱ)
1(1)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} A
1(2) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 1UE
1(3) 目黒a&サンマa→美味a 2&E
1(4)∀x{目黒x&サンマx→美味a} 3UI
1(5) ~目黒a&サンマa→~美味a 2&E
1(6) ∀x{~目黒x&サンマx→~美味x} 5UI
1(7)∀x{目黒x&サンマx→美味x}&∀x{~目黒x&サンマx→~美味x} 56&I
(ⅲ)
1(1)∀x{目黒x&サンマx→美味x}&∀x{~目黒x&サンマx→~美味x} A
1(2)∀x{目黒x&サンマx→美味x} 1&E
1(3) 目黒a&サンマa→美味a 2UE
1(4) ∀x{~目黒x&サンマx→~美味x} 1&E
1(5) ~目黒a&サンマa→~美味a 4UE
1(6) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 35&I
1(7)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} 6UI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}
② ∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x}
③ ∀x{目黒x&サンマx→美味x}&∀x{~目黒x&サンマx→~美味x}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
② 目黒のサンマは美味く、目黒以外のサンマは美味くない。
③ 目黒のサンマは美味い。目黒以外のサンマは美味くない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふ「日本語」は、
③ 目黒のサンマは美味い。
③ 目黒以外のサンマは美味くない。
といふ「日本語」に、「分ける」ことが出来る。
然るに、
(08)
③ 目黒のサンマは美味い。
③ 目黒以外のサンマは美味くない。
に於いて、
③「美味い」 のは「目黒 のサンマ」であるため、「サンマ」であって、
③「美味くない」のは「目黒以外のサンマ」であるため、「サンマ」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
に於いて、
① の「美味い」 の「主語」は「サンマ」であり、
① の「美味くない」の「主語」も「サンマ」である。
従って、
(09)により、
(10)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
に於いて、「サンマは」は、
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふ「文全体の、主語」である。
然るに、
(11)
① サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことは、
① サンマは、目黒が美味い。
といふ、ことである。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① サンマは、目黒が美味い。
に於いて、「サンマは」は、
① サンマは、目黒が美味い。
といふ「文全体の、主語」である。
然るに、
(13)
① 目黒が美味い。
に於いて、「目黒が」は、
① 目黒が美味い。
といふ「文全体の、主語」である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① サンマは、目黒が美味い。
に於いて、
①「サンマは」に「注目」するならば、
①「サンマは」は、
① サンマは、目黒が美味い。
といふ「文全体の、主語」であり、
①「 目黒が 」に「注目」するならば、
①「 目黒が 」は、
① 目黒が美味い。
といふ「文全体の、主語」である。
(01)
(ⅰ)
1 (1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 A
1 (〃)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} A
1 (2) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 1UE
3 (3) 目黒a&サンマa A
3 (4) サンマa 3&E
13 (5) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 24MPP
13 (6) 目黒a→美味a 5&E
3 (7) 目黒a 3&E
13 (8) 美味a 7MPP
1 (9) 目黒a&サンマa→ 美味a 38CP
ア(ア) ~目黒a&サンマa A
ア(イ) サンマa ア&E
1 ア(ウ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 2イMPP
1 ア(エ) ~目黒a→~美味a ウ&E
ア(オ) ~目黒a ア&E
1 ア(カ) ~美味a エオMPP
1 (キ) ~目黒a&サンマa→~美味a アカCP
1 (ク) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 9キ&I
1 (ケ)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} クUI
1 (〃)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。 クUI
(ⅱ)
1 (1)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。 A
1 (〃)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} A
1 (2) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 1UE
3 (3)サンマa A
1 (4) 目黒a&サンマa→美味a 2&E
5 (5) 目黒a A
35 (6) 目黒a&サンマa 35&I
135 (7) 美味a 46MPP
13 (8) 目黒a→美味a 57CP
1 (9) ~目黒a&サンマa→~美味a 2&E
ア(ア) ~目黒a A
3 ア(イ) ~目黒a&サンマa 3ア&I
13 ア(ウ) ~美味a 9イMPP
13 (エ) ~目黒a→~美味a アウCP
13 (カ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 8エ&I
1 (キ) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 3カCP
1 (ク)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} キUI
1 (〃)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 キUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}
② ∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xがサンマならば、xが目黒ならば美味く、xが目黒でないならば美味くない。
② すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味く、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
に於いて、すなはち、
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
といふことは、
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことである。
然るに、
(04)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
と言ふ場合は、
④ サンマは、目黒が美味い。
と言ふのであって、
⑤ サンマは、目黒は美味い。
とは、言はない。
従って、
(04)により、
(05)
「番号」を付け直すと、
① サンマは、目黒は美味い=サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒が美味い=サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことになる。
従って、
(02)(05)により、
(06)
「右辺」を「記号」で書くと、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒が美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふことになる。
然るに、
(07)
三上章先生の説によると、
「Aは」は「主題は」であって、
「Aが」は「主格が」である.
従って、
(08)
三上章先生の説に従ふならば、
① サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒が美味い。
といふ「日本語」には、それぞれ、
①「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主題2」があり、
②「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主格1」がある。
然るに、
(09)
おそらくは、三上先生は、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒が美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふ「等式」に、気付いてはゐない。
(10)
③ サンマは魚である。⇔
③ ∀x(サンマx→魚x)⇔
③ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚である。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
(11)
{サンマ、象、自転車、PC}を{対象}とするならば、
④ サンマが魚である。⇔
④ ∀x(サンマx→魚x&~サンマx→~魚x)⇔
④ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚であり、xがサンマでないならば、xは魚ではない。
といふ「命題」も、「真(本当)」である。
然るに、
(12)
三上章先生の本(「象は鼻が長い」等)を読んでも、
③ AはBである。⇔ ∀x(Ax→Bx)。
④ AがBである。⇔ ∀x(Ax→Bx&~Ax→~Bx)。
といふ点に言及してゐる箇所を、見付けることは、出来ない。
(01)
1 (1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 A
1 (〃)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} A
2 (2)あるサンマは日本橋であって目黒ではない。 A
2 (〃)∃x(サンマx&日本橋x&~目黒x) A
1 (3)サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 1UE
4(4)サンマa&日本橋a&~目黒a A
4(5)サンマa 4&E
1 4(6) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 35MPP
1 4(7) ~目黒a→~美味a 6&E
4(8) ~目黒a 4&E
1 4(9) ~美味a 78MPP
4(ア) 日本橋a 4&E
1 4(イ)サンマa&日本橋a 5ア&I
1 4(ウ)サンマa&日本橋a&~美味a アイ&I
1 4(エ)∃x(サンマx&日本橋a&~美味a) ウEI
12 (オ)∃x(サンマx&日本橋a&~美味a) 24エEE
12 (〃)あるサンマは日本橋であって美味くない。 24エEE
従って、
(01)により、
(02)
(1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。然るに、
(2)あるサンマは日本橋であって目黒ではない。故に、
(オ)あるサンマは日本橋であって美味くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
日本橋魚河岸から取り寄せた新鮮なさんまが、家臣のいらぬ世話で醍醐味が台なしにされて不味くなった。食したさんまが不味いので「いずれで求めたさんまだ」と殿さまが尋ねると、家臣は「はい、日本橋魚河岸で求めてまいりました」答えた。殿さまは「ううむ。それはいかん。さんまは目黒に限る」と、海と無縁な場所である目黒で捕った魚が美味いと信じて断言する、というくだりが落ちである(ウィキペディア:目黒のさんま)。
然るに、
(04)
① さんまは目黒に限る。
といふことは、
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
といふことである。
然るに、
(05)
① サンマは目黒に限る。⇔
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
とい言ふ場合に、
③ サンマは目黒が美味い。
とは言っても、
④ サンマは目黒は美味い。
とは言はない。
然るに、
(06)
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
といふことは、
② サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ サンマは、目黒が美味い。
② サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
に於いて、
③=② である。
従って、
(07)により、
(08)
③ Aは、BがCである。
② Aは、BはCであり、B以外はCではない。
に於いて、
③=② である。
従って、
(08)により、
(09)
③ 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
③=② である。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1 (2) 象a→[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 1UE
3 (3) 象a&[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] A
3 (4) 象a 3&E
3 (5) [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] 3&E
6 (6) ∃y(鼻ya&長y) A
36 (7) ∃z(~鼻za& 長z) 56MPP
8(8) ~鼻ba& 長b A
8(9) ~~(~鼻ba& 長b) 8DN
8(ア) ~(~~鼻ba∨~長b) 9ド・モルガンの法則
8(イ) ~(~鼻ba→~長b) ア含意の定義
8(ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イEI
36 (エ) ∃z~(~鼻za→~長z) 78ウEE
36 (オ) ~∀z(~鼻za→~長z) エ含意の定義
13 (カ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 24MPP
13 (キ) ∀z(~鼻za→~長z) カ&E
136 (ク) ~∀z(~鼻za→~長z)&∀z(~鼻za→~長z) オキ&I
13 (ケ) ~∃y(鼻ya&長y) 6クRAA
13 (コ) ∃y(鼻ya&長y) カ&E
13 (サ) ~∃y(鼻ya&長y)&∃y(鼻ya&長y) ケコ&I
1 (シ) ~{象a&[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]} 3サRAA
1 (ス)∀x~{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]} シUI
1 (セ)~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]} ス量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x&[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} A
1 (2)∀x~{象x&[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a&[ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]} 2UE
1 (4) ~{象a&[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)]} 3含意の定義
1 (5) ~象a∨~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 4ド・モルガンの法則
1 (6) 象a→~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 5含意の定義
7 (7) 象a A
17 (8) ~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 67MPP
17 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 8ド・モルガンの法則
17 (ア) ~∃z(~鼻za& 長z) 9&E
17 (イ) ∀z~(~鼻za& 長z) ア量化子の関係
17 (ウ) ~(~鼻ba& 長b) イUE
17 (エ) ~~鼻ba∨~長b ウ、ド・モルガンの法則
17 (オ) ~鼻ba→~長b エ含意の定義
17 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) オUI
17 (キ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
17 (ク) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) オキ&I
1 (ケ) 象a→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} 7クCP
1 (コ) ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} ケUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzがxの鼻でなくて、長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzがxの鼻でなくて、長い。といふことはない。
といふことは、
③ 象(x)は、鼻(y)は長く、鼻以外(z)は長くない。
といふことである。
然るに、
(04)
③「私はあなた以外は好きではない。」と言ふのであれば、
③「私はあなたが好きです。」と、言ふのであって、
④「私はあなたは好きです。」とは言はない。
(05)
③「日本は東京以外は首都ではない。」と言ふのであれば、
③「日本は東京が首都です。」と、言ふのであって、
④「日本は東京は首都です。」とは言はない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
③「象は鼻以外は長くない。」と言ふのであれば、
③「象は鼻が長い。」と、言ふのであって、
④「象は鼻は長い。」とは言はない。
従って、
(02)(03)(06)により、
(07)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
③ 象は鼻が長い(象は鼻は長く、鼻以外は長くない)。
に於いて、
①=②=③ である。
(01)
「お前は言うな」で「検索」しても、
「お前が言うな」に関する「サイト」しか、「検索」されない。
然るに、
(02)
例へば、
Aが、万引きの常習犯であるならば、
その場合は、
A:万引きは重大な犯罪である。
B:お前が言うな。
といふ「会話」は、成立する。
然るに、
(03)
Aは、万引きなど、絶対にしないのであれば、
その場合は、
A:万引きは重大な犯罪である。
B:お前が言ふな。
といふ「会話」は、成立しない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
「お前が言うな」といふ「日本語」は、
「(他ならぬ)お前には、それを言ふ資格はない。」といふ「意味」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「(他ならぬ)AがBである。」であって、
「(他ならぬ)AはBである。」ではない。
(01)
例文
白雪のまだふるさとの春日野にいざうちはらひ若菜摘みてむ
▽「ふる」 → 「降る」「(故郷の)ふる」
立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む
▽「まつ」 → 「松」「待つ」
花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに
▽「ふる」 → 「経る」「降る」
▽「ながめ」→ 「眺む」「長雨」
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ
▽「たつ」 → 「立つ」「(龍田山の)たつ」
というわけで、まぁ、掛詞というのは、簡単にいえばダジャレなわけで、一つの言葉に二つの意味があるわけですね!
(Study Supportキミの学習を支えるスタサポ)
然るに、
(02)
「文字列の中のある部分」を「強調」する。といふことは、
「文字列の中のその部分」を「目立たせる」ことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
例へば、
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ。
に於いて、「たつ」といふ「語」は、「それが掛詞である」といふことを示すために、「強調」されてゐる。
従って、
(03)により、
(04)
① われが身は竹の林にあらねどもさたの衣を脱ぎかくるかな。
に於いて、「さた」といふ「語」は、「それが掛詞である」といふことを示すために、「強調」されてゐる。
然るに、
(05)
例へば、
① 私の家=My home
② わが家=My home
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① さたの
② さたが
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
① さたの
② さたが
に於いて、
①=② であるが故に、
① われが身は竹の林にあらねどもさたの衣を脱ぎかくるかな。
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
「さた・の(清音)」であって、
「さた・が(濁音)」である。
然るに、
(09)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2115年、13頁)。
従って、
(08)(09)により、
(10)
「さた・の(清音)」であって、
「さた・が(濁音)」であるが故に、
「さた・の(清音)」の「心理的な音量」より、
「さた・が(濁音)」の「心理的な音量」の方が、「大きい」。
従って、
(04)(10)により、
(11)
① われが身は竹の林にあらねどもさたの衣を脱ぎかくるかな。
ではなく、
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
に於ける、「さたが(濁音)」といふ「語」は、「それが掛詞である」といふことを示すために、「強調」されてゐる。
とすることは、「不可能」ではない。
然るに、
(12)
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
に於いて、
②「さたが」といふ「語」が、「掛詞」である。といふことは、
②「さたが」といふ「語」が、例へば、
②「しちが」であったり、
②「すつが」であったり、
③「せてが」であったりすれば、「掛詞」としては、「成立」しない。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(12)により、
(13)
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
に於いて、
②「さたが」といふ「語」が、「掛詞」である。といふことは、
②「(さた以外ではない所の)さた」が・・・・・・・。
といふ、ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
に於いて、
②「さたが」といふ「語」が、「掛詞」である。といふことは、
②「(他ならぬ)さたが」・・・・・・・。
といふ、ことである。
従って、
(14)により、
(15)
② われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
といふ「歌」は、
② 私の身は竹の林ではないのに、(他ならぬ)さた(さった太子)が衣を脱ぎかくるかな。
といふ「意味」になる。
然るに、
(16)
これはよく引かれる有名な話である。『宇治拾遺物語』に佐太という侍の話が記されている。たいした身分でもない佐太は自分の着ていた水干のほころびを直せと、無造作に物縫いの女房のところへ、投げ込んだ。ところが、もと京女であったのに、だまされて田舎に居ついたその女房は、水干を直しもせずに投げ返した。直せといったほころび目には歌が書いた結びつけてある。その歌には、
われが身は竹の林にあらねどもさたが衣を脱ぎかくるかな。
と書いてあった。この歌は、故事をふまえてつくられている。薩埵太子が、餓えた虎に自分の身をあたえて虎を救ったという仏教の有名な話がある。太子は自分の衣を竹の林に脱ぎかけ、虎の前におのが身を食わせたという。
説教を聞いてその説話を知っていた女房は、「薩埵」と、「佐太」との音がかようところから、その故事をふまえ、「自分の身は、あの薩埵太子が衣を脱いでかけたという竹の林でもないのに、佐太が衣を脱いでかけてくること」という、この歌を作った(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、162頁)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
②(他ならぬ)さたが衣を脱ぎかくるかな。
と言って、「水干を直しもせずに投げ返した」といふことは、
②(さた以外)であれば、水干は直しても良い。
といふ「意味」に、取れないこともない。
然るに、
(18)
②(さた以外の)水干であれば、直しても良いが、さたの水干は直さない。
といふことは、
② お前(さた)の水干など、誰が直すものか。
といふ「意味」になる。
従って、
(18)により、
(19)
女房は、「さたが=さった太子が」の「意味」で「(他ならぬ)さたが」と言ってゐるにも拘らず、
さたは、「お前の水干など、誰が直すものか。」といふ「意味」で、「(他ならぬ)さたが」と言ってゐるといふ風に、「誤解」してゐる。
といふことになるし、「お前の水干など、誰が直すものか。」と言はれたとしたら、「さたが怒る」のも、「無理は無い」。
(01)
Most theorems of interest are obtained in fact by application of CP. For example:
興味のある定理の大ていのものは、事実上CPを適用することによって導かれる。たとえば、
38 ├ P→P
1(1)P A
(2)P→P 11CP
39 ├ P→~~P
1(1)P A
1(2)~~P 1DN
(3)P→~~P 12CP
40 ├ ~~P→P
1(1)~~P A
1(2) P 1DN
(3)~~P→P 12CP
41 ├ P&Q→P
1(1)P&Q A
1(2)P 1&E
(3)P&Q→P 12CP
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、64頁改)
然るに、
(02)
(ⅰ)├ P→(Q→P)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨ P 1∨I
3 (3) Q&~P A
4 (4) ~Q A
3 (5) Q 3&E
34 (6) ~Q& Q 45&I
4 (7)~(Q&~P) 36RAA
8 (8) P A
3 (9) ~P 3&E
3 8 (ア) P&~P 89&I
8 (イ)~(Q&~P) 3アRAA
1 (ウ)~(Q&~P) 2478イ∨E
エ (エ) Q A
オ(オ) ~P A
エオ(カ) Q&~P エオ&I
1 エオ(キ)~(Q&~P)&
(Q&~P) ウカ&I
1 エ (ク) ~~P オキRAA
1 エ (ケ) P クDN
1 (コ) Q→P エケCP
(サ)P→(Q→P) 1コCP
(ⅱ)├ (P→Q)→((P→(Q→R))→(P→R))
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→(Q→R) A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) Q→R 23MPP
123(6) R 45MPP
12 (7) P→R 36CP
1 (8) (P→(Q→R))→(P→R) 26CP
(9)(P→Q)→((P→(Q→R))→(P→R)) 18CP
(ⅲ)├ P→(Q→P&Q)
1 (1)P A
2(2)Q A
12(3) P&Q 12&I
1 (4) Q→P&Q 23CP
(5)P→(Q→P&Q) 14CP
(ⅳ)├ P&Q→P
1(1)P&Q A
1(2)P 1&E
(3)P&Q→P 12RAA
(ⅴ)├ P→P∨Q
1(1) P A
1(2) P∨Q 1∨I
(3)P→P∨Q 12CP
(ⅵ)├(P→R)→((Q→R)→(P∨Q→R))
1 (1) P→R A
2 (2) Q→R A
3 (3) P∨Q A
4 (4) P A
1 4 (5) R 14MPP
6(7) Q A
2 6(8) R 27MPP
123 (9) R 34578∨E
12 (ア) P∨Q→R 39CP
1 (イ) (Q→R)→(P∨Q→R) 2アCP
(ウ)(P→R)→((Q→R)→(P∨Q→R)) 1イCP
(ⅶ)├(P→ Q)→((P→~Q)→~P)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7) ~P 36RAA
1 (8) (P→~Q)→~P 27CP
(9)(P→ Q)→((P→~Q)→~P) 18CP
(ⅷ)├ ~~P→P
1(1)~~P A
1(2) P 1DN
(3)~~P→P 12CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(ⅰ)├ P→(Q→P)
(ⅱ)├(P→Q)→((P→(Q→R))→(P→R))
(ⅲ)├ P→(Q→P&Q)
(ⅵ)├ P&Q→P
(ⅴ)├ P→P∨Q
(ⅵ)├(P→R)→((Q→R)→(P∨Q→R))
(ⅶ)├(P→Q)→((P→~Q)→~P)
(ⅷ)├ ~~P→P
は全て、「CPを適用することによって導かれる」所の「定理(Theorems)」である。
従って、
(03)により、
(04)
PをAに置き換へ、
QをBに置き換へ、
RをCに置き換へ、
&を∧に置き換へ、
~を¬に置き換へた、
(ⅰ)├ A→(B→A)
(ⅱ)├(A→B)→((A→(B→C))→(A→C))
(ⅲ)├ A→(B→A∧B)
(ⅵ)├ A∧B→A
(ⅴ)├ A→A∨B
(ⅵ)├(A→C)→((B→C)→(A∨B→C))
(ⅶ)├(A→B)→((A→¬B)→¬A)
(ⅷ)├ ¬¬A→A
は、すべて、「定理(Theorems)」である。
cf.
「論理学の記号」は、「数学の記号」とは異なり、統一されてゐない。
然るに、
(05)
公理
(1) A→(B→A)
(2)(A→B)→((A→(B→C))→(A→C))
(3) A→(B→A∧B)
(4) A∧B→A
(5) A→A∨B
(6)(A→C)→((B→C)→(A∨B→C))
(7)(A→B)→((A→¬B)→¬A)
(08) ¬¬A→A
(吉永良正、ゲーデル・不完全定理、1992年、204頁)
― 中略、―
図1-6 推論を行うための論理法則(ヒルベルト=アッカーマンの公理系による)
(吉永良正、ゲーデル・不完全定理、1992年、204頁)
然るに、
(06)
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系Lは、証明の構文規則に関する次のような「10個の基本的規則(10 Primitive rules)」だけを持つ。
仮定の規則(A)
肯定肯定式(MPP)
否定否定式(MTT)
二重否定(DN)
条件的証明(CP)
&-導入(&I)
&-除去(&E)
∨-導入(∨I)
∨-除去(∨E)
背理法(RAA)
(ウィキペディア改)
従って、
(01)~(06)により、
(07)
「ジョン・レモンが開発した体系L」には、「公理(axioms)」が無くて、その代はりに、「10個の基本的規則(10 Primitive rules)」が有るため、
(1) A→(B→A)
(2)(A→B)→((A→(B→C))→(A→C))
(3) A→(B→A∧B)
(4) A∧B→A
(5) A→A∨B
(6)(A→C)→((B→C)→(A∨B→C))
(7)(A→B)→((A→¬B)→¬A)
(08) ¬¬A→A
といふ「ヒルベルト=アッカーマンの公理(axioms)」は、「ジョン・レモンが開発した体系L」に於ける「定理(theorems)」である。
然るに、
(08)
axiomの意味 - 小学館 プログレッシブ英和中辞典
1自明の理
2(確立している)原理,原則,格言,金言;《論理学・数学》公理,公準
従って、
(08)により、
(09)
「公理(axioms)」には、「自明の理(おのづから明らかな、ことわり)」といふ「意味」が有る。
然るに、
(10)
例へば、
(2)(A→B)→((A→(B→C))→(A→C))≡
(〃)(AならばBである)ならば((Aならば(BならばCである))ならば(AならばCである))。
といふ「言ひ方」は、「自明の理(おのづから明らかな、ことわり)」であるとは、言へないはずである。
然るに、
(11)
その一方で、「ジョン・レモンが開発した体系L」の「10個の基本的規則」は、概ね、
(2)(AならばBである)ならば((Aであるならば(BであるならばCである))ならば(AならばCである))。
よりは「分りやすく」、それ故、「自然な演繹(Natural deduction)」といふ「名前」で、呼ばれてゐる。
然るに、
(12)
いま、「├ A→A」(A→Aは証明可能)」を公理から導いてみましょう(図1-7)
通常の解釈では「A→A」は、要するに「AならばA」のことにほかならないので、「自明の理」のように思われます。
しかし、ここで採用した公理に「A→A」は入っていないので、形式的には証明の可能性は保証されてはいず、ご覧のようにかなり複雑な手順を踏んで証明しなければなりません。
(吉永良正、ゲーデル・不完全定理、1992年、205頁改)
然るに、
(01)(06)により、
(13)
もう一度、確認すると、
38 ├ P→P
1(1)P A(仮定の規則)
(2)P→P 11CP(条件的規則)
従って、
(13)により、
(14)
1(1)A A(仮定の規則)
(2)A→A 11CP(条件的証明)
従って、
(06)(14)により、
(15)
「ジョン・レモンが開発した体系L」であれば、
「A→A(AならばAである。)」は、「10個の基本的規則(10 Primitive rules)」の内の「2つ」によって、「証明される」。
(01)
公理
(1)P→(Q→P)
(吉永良正、ゲーデル・不完全定理、1992年、204頁)
従って、
(01)により、
(02)
① P→(Q→P)≡Pであるならば(QであるならばPである)。
は「(ヒルベルト・アッカーマンの)公理1」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨ P 1∨I
3 (3) Q&~P A
4 (4) ~Q A
3 (5) Q 3&E
34 (6) ~Q& Q 45&I
4 (7)~(Q&~P) 36RAA
8 (8) P A
3 (9) ~P 3&E
3 8 (ア) P&~P 89&I
8 (イ)~(Q&~P) 3アRAA
1 (ウ)~(Q&~P) 2478イ∨E
エ (エ) Q A
オ(オ) ~P A
エオ(カ) Q&~P エオ&I
1 エオ(キ)~(Q&~P)&
(Q&~P) ウカ&I
1 エ (ク) ~~P オキRAA
1 エ (ケ) P クDN
1 (コ) Q→P エケCP
(サ)P→(Q→P) 1コCP
(ⅱ)
1 (1) P A
1 (2) Q∨ P 1∨I
3 (3) ~Q&~P A
4 (4) Q A
3 (5) ~Q 3&E
34 (6) Q&~Q 45&
4 (7)~(~Q&~P) 36RAA
8 (8) P A
3 (9) ~P 3&E
3 8 (ア) P&~P 89&I
8 (イ)~(~Q&~P) 3アRAA
1 (ウ)~(~Q&~P) 2478イ∨E
エ (エ) ~Q A
オ(オ) ~P A
エオ(カ) ~Q&~P エオ&I
1 エオ(キ)~(~Q&~P)&
(~P&~P) ウカ&I
1 エ (ク) ~~P オキRAA
1 エ (ケ) P クDN
1 (コ) ~Q→P エケCP
(サ)P→(~Q→P) 1コCP
従って、
(03)により、
(04)
「自然演繹の規則」により、
① P→( Q→P)≡Pであるならば(QであるならばPである)。
② P→(~Q→P)≡Pであるならば(QでないならばPである)。
といふ「命題」は、二つとも、「恒真(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
① Pであるならば(QであるならばPである)。
② Pであるならば(QでないならばPである)。
に於いて、二つとも、「真(本当)」である。といふことは、
③ Pであるならば(Qであっても、Qでなくとも、いづれにせよ、Pである)。
といふ、ことである。
然るに、
(06)
③ Pであるならば(Qであっても、Qでなくとも、いづれにせよ、Pである)。
といふことは、「誰が考へても、正しい」。
然るに、
(07)
① Pであるならば(QであるならばPである)。
といふ「(ヒルベルト・アッカーマンの)公理1」であっても、仮にそれが、
③ Pであるならば(Qであっても、Qでなくとも、いづれにせよ、Pである)。
といふことであるならば、「誰が考へても、正しい」。
(01)
① Pが本当ならばQはウソである。
といふことは、
② Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
といふことである。
然るに、
(02)
② Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
といふことは、
③ PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
といふことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① Pが本当ならばQはウソである。
② Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
③ PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(03)により、
(04)
「記号」で書くと、
① P→~Q
② ~(P& Q)
③ ~P∨~Q
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)
② ~(P& Q)≡Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
③ ~P∨~Q ≡PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
に於いて、
②=③ は、「ド・モルガンの法則」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① Pが本当ならばQはウソである。
② Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
③ PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことを、「理解」出来るのであれば、その人は、「ド・モルガンの法則」を、「日本語」として「理解」してゐる。
然るに、
(07)
「高校数学」では、
② ~(P& Q)
③ ~P∨~Q
に於いて、
②=③ であることを「説明」する際には、「日本語の問題」としてではなく、「集合の問題」として、「ベン図」を用ひる。
然るに、
(08)
② ~(P& Q)
③ ~P∨~Q
に対応する「ベン図」は有っても、
① P→~Q
に対応する「ベン図」は、無いはずである(?)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① P→~Q =PならばQでない。
② ~(P& Q)≡Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
③ ~P∨~Q ≡PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
に於いて、
①=②=③
であるといふことを「証明(説明)」する上で、「ベン図」だけを用ひることは、「適当」であるとは言へない。
(10)
① P→~Q =PならばQでない。
② ~(P& Q)≡Pが本当であって、Qも本当である。といふことはない。
③ ~P∨~Q ≡PとQの、少なくとも、どちらか一方は、ウソである。
に於いて、
①⇒②⇒③ を「証明」し、
③⇒②⇒① を「証明」すると、次(11)のやうになる。
(11)
(ⅰ)
1 (1) P→~Q A
2(2) P& Q A
2(3) P 2&E
12(4) ~Q 12MPP
2(5) Q 2&E
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7)~(P& Q) 26RAA
(ⅱ)
1 (1) ~( P& Q) 26RAA
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 29&I
2 (イ) ~~Q 8RAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (カ) ~( P& Q)&
( P& Q) 1エ&I
1 (キ)~~(~P∨~Q) 2カRAA
1 (ク) ~P∨~Q
(ⅲ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78&I
7(ア)~(P& Q) 29RAA
1 (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
(ⅳ)
1 (1)~(P& Q) A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P& Q 23&I
123(5)~(P& Q)&
(P& Q) 14&I
12 (6) ~Q 35RAA
1 (7) P→~Q 26CP
(01)
(ⅰ)
1 (1) P&~Q A
2(2) P→ Q A
1 (3) P 2&E
12(4) Q 13MPP
1 (5) ~Q 2&E
12(6) Q&~Q 45&I
1 (7)~(P→ Q) 16RAA
(ⅱ)
1 (1) ~(P→ Q) A
2 (2) ~(P&~Q) A
3 (3) P A
4(4) ~Q A
34(5) P&~Q 34&I
234(6) ~(P&~Q)&
(P&~Q) 25&I
23 (7) ~~Q 46RAA
23 (8) Q 7DN
2 (9) P→ Q 38CP
12 (ア) ~(P→ Q)
(P→ Q) 19&I
1 (イ)~~(P&~Q) 2アRAA
1 (ウ) P&~Q イDN
従って、
(01)により、
(02)
① P&~Q ≡PであってQでない。
② ~(P→ Q)≡Pならば、Qである。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅰ)
1 (1) P&~Q A
2 (2) ~P∨ Q A
1 (3) P 1&E
4 (4) ~P A
1 4 (5) P&~P 34&I
4 (6)~( P&~Q) 15RAA
1 (7) ~Q 1&E
8(8) Q A
1 8(9) ~Q&Q 78&I
8(ア)~( P&~Q) 19RAA
2 (イ)~( P&~Q) 2468ア∨E
12 (ウ) ( P&~Q)&
~( P&~Q) 1イ&I
1 (エ)~(~P∨ Q) 2ウRAA
(ⅲ)
1 (1)~(~P∨ Q) A
2 (2) ~P A
2 (3) ~P∨ Q 2∨I
12 (4)~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
7 (7) Q A
7 (8) ~P∨ Q 7∨I
1 7 (9)~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 18&I
1 (ア) ~Q 79RAA
1 (イ) P&~Q 6ア&I
従って、
(03)により、
(04)
① P&~Q ≡PであってQでない。
③ ~(~P∨ Q)≡PでないかQである。といふことはない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① P&~Q ≡PであってQでない。
② ~( P→ Q)≡Pならば、Qである。といふことはない。
③ ~(~P∨ Q)≡PでないかQである。といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
Q=~Q
といふ「代入(substitution)」を行ふと、
① P& Q ≡PであってQである。
② ~( P→~Q)≡Pならば、Qでない。といふことはない。
③ ~(~P∨~Q)≡PでないかQでない。といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~(P& Q)≡PであってQである。といふことはない。
② P→~Q ≡Pならば、Qでない。
③ ~P∨~Q ≡PでないかQでない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
① ~(P& Q)≡PであってQである。といふことはない。
③ ~P∨~Q ≡PでないかQでない。
に於いて、
①=③ といふ「等式」は、「ド・モルガンの法則」である。
然るに、
(09)
① ~(P& Q)≡PであってQである。といふことはない。
② P→~Q ≡Pならば、Qでない。
③ ~P∨~Q ≡PでないかQでない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふ「等式」に対しては、「ド・モルガンの法則」のやうな、「・・・・・の法則」といふ「名前」が、無い。
(01)
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)
12_(6) ~~Q 35背理法(RAA)
12_(7) Q 6DN
(ⅱ)
1_3(6) ~P 25背理法(RAA)
(ⅲ)
_23(6)~(P→Q)13背理法(RAA)
といふ、「3通りのRAA」が、成立する。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「背理法(RAA)」により、
① P→Q, P├ Q
② P→Q,~Q├ ~P
③ P,~Q├ ~(P→Q)
といふ「連式」、すなはち、
① PならばQである。然るに、Pである。故に、Qである。
② PならばQである。然るに、Qでない。故に、Pでない。
③ PであってQでない。故に、PならばQである。といふことはない。
といふ「連式」が、「証明」できる。
然るに、
(04)
① PならばQである。然るに、Pである。故に、Qである。
② PならばQである。然るに、Qでない。故に、Pでない。
といふ有名な「連式(MPPとMTT)」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(05)
③ PであってQでない。
といふのであれば、
③ PならばQである。といふことはない。
といふことは、「当然」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
といふ「計算の続き」として、「背理法(RAA)」により、
① P→Q, P├ Q
② P→Q,~Q├ ~P
③ P,~Q├ ~(P→Q)
といふ「3つの連式」が「証明」でき、これらは、明らかに「妥当」である。
(01)
の場合は、「縦書き」であるものの、「横書き」であっても構はないので、「返り点」が付いてゐない「漢文」を、「自分で、用意する」。
(02)
① 楚人有鬻盾與矛者。
といふ「漢文」の「訓読」を行ふ。
(03)
① 楚人有鬻盾與矛者。
といふ「漢文」を、「訓読」出来ない。
のであれば「左側」にある、
① 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。
を見て、「訓読」を確認する。
(04)
次に、
① 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。
といふ「訓読」を、「頭の中」で、
① 楚人有鬻盾與矛者。
といふ「語順」に「並び変へ」て、
① ソジンイウシュクヨジュンヨムシャ。
といふ「日本漢字音(漢音や呉音)」等で、「声に出して読む(音読する)」。
(05)
① 楚人有鬻盾與矛者。⇒ 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。
といふ「訓読」と、
① 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。⇒ ソジンイウシュクヨジュンヨムシャ。
といふ「音読(復文)」を、「何回か、繰り返す」。
(06)
① 楚人有鬻盾與矛者。⇒ 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。
① 楚人に盾與矛とを鬻ぐ者有り。⇒ ソジンイウシュクヨジュンヨムシャ。
といふことを、「何回か、繰り返す」と、その内に、
① 楚人有鬻盾與矛者。
といふ「漢文(原文)」を、
① ソジンイウシュクヨジュンヨムシャ。
といふ「日本漢字音」で、「暗唱」出来るようになる。
(07)
① 楚人有鬻盾與矛者。
といふ「漢文(原文)」を、
① ソジンイウシュクヨジュンヨムシャ。
といふ「日本漢字音」で、「暗唱」出来るようになったら、
① と「同じ方法」で、「一行づつ」、
② 譽之曰、吾盾之堅、莫能陷也。
③ 又譽其矛曰、吾矛之利、於物無不陷也。
④ 或曰、以子之矛、陷子之盾、何如。
⑤ 其人弗能應也。
に関しても、
② ヨシヱツ、ゴジュンシケンバクノウカンヤ。
③ イウヨキムヱツ、ゴムシリ、オブツムフツカンヤ。
④ ワクヱツ、イシシム、カンシシジュン、カジョ。
⑤ キジンフツノウオウヤ。
といふ「日本漢字音(漢音や呉音)」等で、「暗唱」出来るように、努力する。
(08)
ある程度、「暗唱」が出来るようになった時点で、例へば、「旺文社、漢文の基礎、1973年(31~35頁)」等の、「解説」を読んで「納得」する。
(09)
理想としては、古音の研究をどしどし進めて古音を復活することだ、併しそれは云う可くして容易に行われまい。兎に角、支那でも目下読音の統一と云う事が識者間で問題となっていて、頻りに研究されつつあるから、将来何等かの適当な標準を見出すことができよう。過渡時代に於ける第二案としては従来の漢音呉音何れかに拠るしかあるまい。・・・・・・ただ支那音に比して遜色あるは、四声の別が明らかに発音できない点だ。・・・・・・(『支那学』第一巻5号、1921年、12~14頁)
漢音や呉音で直読するというのは、現代中国語の学習とはまったく離れてしまうので問題外にする(牛島徳治、中国古典の学び方、1977年、14頁)。
といふ「意見」が有ったことに関しては、「気にしない」。
(10)
日本語や英語、中国語(現代でなく、過去の中国語も含む)は、自然言語である。しかし漢文は、自然言語を土台にした人工言語だ。― 中略 ―、また「聞いて話す」音声言語ではなく、「読んで書く」ための書記言語である。漢字の習得者だけが、漢文を学習できる。「ネイティブライター」は、原理的に存在できない(加藤徹、白文攻略 漢文ひとり学び、2013年、8頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「現代中国語の発音」が出来なければ、「書記言語(人工言語)を理解できない。」といふことは、有り得ないが故に、「(漢文を学習する際に、)漢音や呉音で直読するというのは、現代中国語の学習とはまったく離れてしまうので問題外にする。」といふのは、「正しく」ない。