(01)
「算用数字」も、「漢数字」も、「ローマ数字」も、すべて「数字」としては「同じである」とする。
従って、
(02)
A={1,2,3,4}
B={一、二、三、四}
であれば、両方とも、
A={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
B={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
であって、それ故、
A=B である。
然るに、
(03)
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
A={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
B={Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ}
であって、それ故、
A=B ではない。
然るに、
(04)
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
Aの中に、Bの要素はないし、
Bの中に、Aの要素はないため、
AとBは、「完全に、別である。」
然るに、
(05)
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
であれば、
Aは{Ⅲ,Ⅳ}を含んでゐて、
Bも{Ⅲ,Ⅳ}を含んでゐる。
従って、
(05)により、
(06)
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
であれば、
AとBは、「完全に、別である。」といふわけでない。
然るに、
(07)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する。
従って、
(07)により、
(08)
A={1,2,3,4}
B={一、二、三、四}
であれば、
A=B であるが、その一方で、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
A=B でないことは固より、
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
であっても、
A=B ではないし、更には、例へば、
A={1,2,3,4}
B={一、二、三}
であっても、
A={1,2}
B={一、二、三}
であっても、
A=B ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する限り、
① A=B(AとBは等しい。)
② A≠B(AとBは等しくない。)
に於いて、
① は、「唯一無二である」のに対して、
② は、「幾通りも有る」といふことになる。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(Ax→Bx & ~Ax→~Bx) A
1 (2)∃x~(Ax→Bx & ~Ax→~Bx) 1量化子の関係
3 (3) ~(Aa→Ba & ~Aa→~Ba) A
3 (4) ~(Aa→Ba)∨~(~Aa→~Ba) 3ド・モルガンの法則
3 (5) (Aa→Ba)→~(~Aa→~Ba) 4含意の定義
6 (6) (Aa→Ba) A
36 (7) ~(~Aa→~Ba) 56MPP
8 (8) Aa∨~Ba A
8 (9) ~Aa→~Ba 8含意の定義
368 (ア) ~(~Aa→~Ba)&
(~Aa→~Ba) 79&I
36 (イ) ~(Aa∨~Ba) 8アRAA
36 (ウ) ~Aa& Ba イ、ド・モルガンの法則
3 (エ) (Aa→Ba)→(~Aa& Ba) 6ウCP
3 (オ) ~(Aa→Ba)∨(~Aa& Ba) エ、含意の定義
カ (カ) ~(Aa→Ba) A
キ (キ) ~Aa∨Ba A
キ (ク) Aa→Ba キ含意の定義
カキ (ケ) ~(Aa→Ba)&
(Aa→Ba) カク&I
カ (コ) ~(~Aa∨Ba) キケRAA
カ (サ) Aa&~Ba コ、ド・モルガンの法則
カ (シ) (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba) サ∨I
ス(ス) (~Aa& Ba) A
ス(セ) (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba) ス∨I
3 (ソ) (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba) オカシスセ∨E
3 (タ)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} ソEI
1 (チ)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} 23タEE
(ⅱ)
1 (1)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} A
2 (2) (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba) A
3 (3) ∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx) A
3 (4) Aa→ Ba & ~Aa→~Ba 3UE
3 (5) Aa→ Ba 4&E
6 (6) Aa&~Ba A
6 (7) Aa 6&E
36 (8) Ba 57MPP
6 (9) ~Ba 6&E
36 (ア) Ba&~Ba 89&I
6 (イ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx) 3アRAA
3 (ウ) ~Aa→~Ba 4&E
エ (エ) ~Aa& Ba A
エ (オ) ~Aa エ&E
3 エ (カ) ~Ba ウオMPP
エ (キ) Ba オ&E
3 エ (ク) ~Ba&Ba カキ&I
エ (ケ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx) 37RAA
2 (コ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx) 26イエケEE
1 (サ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx) 12コEE
従って、
(10)により、
(11)
① ~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
「十分に説明する」のは難しい(ややこしい)ものの、
① ~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
に於いて、
①=② である。
といふことは、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
といふ場合には、確かに、「当てはまる」が、例へば、
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
といふ場合には「当てはまらない」。
例へば、
(13)
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
に於いて、
x=4=四 であるならば、
xは、A={1,2,3,4}の中にあって、
xは、B={五、六、七、八}の中にないものの、
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax&Bx)}
は、さういふ「意味」である。
然るに、
(14)
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
に於いて、
x=4=四 であるならば、
xは、A={1,2,3,4}の中にも、
xは、B={三、四、五、六}の中にもあるため、この場合は、
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax&Bx)}
といふことには、ならない。
従って、
(01)~(14)により、
(15)
① ~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
③「集合Aと集合Bは等しくない。」
に於いて、
①=②=③ である。
とするならば、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
といふ場合であれば、
③「集合Aと集合Bは等しくない。」と言へるものの、
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
といふ場合であれば、
③「集合Aと集合Bは等しくない。」とは言へない。
従って、
(09)(15)により、
(16)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する限り、
① A=B(AとBは等しい。)
② A≠B(AとBは等しくない。)
に於いて、
① は、「唯一無二である」のに対して、
② は、「幾通りも有る」ものの、
その一方で、
① ~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
といふ「定義」は、「幾通りも」の「それ」には、対応してゐない。
といふ、ことになる。
(17)
といふわけで、うまくは「説明」できなかったものの、
① ~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
③「集合Aと集合Bは等しくない。」
に於いて、
①=②=③ である。
とは言へない。といふのが、「結論」である。
(01)
① A→ B & ~A→~B
② A→ B & B→ A :対偶
③ ~(A&~B)&~(B&~A):条件法の法則
④ (~A∨ B)&(~B∨ A):ド・モルガンの法則
に於いて、すなはち、
① AであるならばBであって、AでないならばBでない。
② AであるならばBであって、BであるならばAである。
③ Aであって、 Bでない。といふことはなく、Bであって、Aでない。といふことはない。
④ Aでないか Bであり、 Bでないか、Aである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(02)
② A→B&B→A
② AであるならばBであって、BであるならばAである。
として、「AとBが集合」であるならば、
② 集合Aと集合Bは等しい。
従って、
(01)(02)により、
(03)
④(~A∨ B)&(~B∨A)
④ AでないかBであり、BでないかAである。
として、「AとBが集合」であるならば、
④ 集合Aと集合Bは等しい。
従って、
(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① A→B & B→A ⇔ 集合Aと集合Bは等しい。
②(~A∨B)&(~B∨A)⇔ 集合Aと集合Bは等しい。
従って、
(04)により、
(05)
① ~(A→B&B→A) ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
② ~{(~A∨B)&(~B∨A)}⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1)~{(~A∨B)& (~B∨A)} A
1 (2) ~(~A∨B)∨~(~B∨A) 1ド・モルガンの法則
3 (3) ~(~A∨B) A
3 (4) A&~B 3ド・モルガンの法則
3 (5) (A&~B)∨ (B&~A) 4∨I
6 (6) ~(~B∨A) A
6 (7) B&~A 6ド・モルガンの法則
6 (8) (A&~B)∨ (B&~A) 7∨I
1 (9) (A&~B)∨ (B&~A) 23568∨I
(ⅲ)
1 (1) (A&~B)∨ (B&~A) A
2 (2) (~A∨B)& (~B∨A) A
3 (3) A&~B A
2 (4) ~A∨B 2&E
2 (5) A→B 4含意の定義
3 (6) A 3&E
23 (7) B 56MPP
3 (8) ~B 3&E
23 (9) B&~B 78&I
ア(ア) B&~A A
2 (イ) ~B∨A 2&E
2 (ウ) B→A イ含意の定義
ア(エ) ~A ア&E
2 ア(オ) ~B ウエMTT
ア(カ) B ア&E
2 ア(キ) B&~B オカ&I
12 (ク) B&~B 139アキ∨E
1 (ケ)~{(~A∨B)& (~B∨A)} 2クRAA
従って、
(06)により、
(07)
② ~{(~A∨ B)&(~B∨ A)}
③ ( A&~B)∨( B&~A)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~(A→ B & B→ A) ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
② ~{(~A∨ B)&(~B∨ A)}⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
③ ( A&~B)∨( B&~A) ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
然るに、
(09)
「集合Aと集合Bの和集合」=
「Aの要素であってBの要素でない要素からなる集合(A&~B)」+
「Aの要素であってBの要素である要素からなる集合(A& B)」+
「Bの要素であってAの要素でない要素からなる集合(B&~A)」。
従って、
(09)により、
(10)
「集合Aと集合Bの和集合」=
「Aの要素であってBの要素でない要素からなる集合(A&~B)」∨
「Aの要素であってBの要素である要素からなる集合(A& B)」∨
「Bの要素であってAの要素でない要素からなる集合(B&~A)」。
に於いて、
「Aの要素であってBの要素である要素からなる集合(A& B)」が、
「空集合(φ)」であるならば、
「集合Aと集合Bの和集合」=
「Aの要素であってBの要素でない要素からなる集合(A&~B)」∨
「Bの要素であってAの要素でない要素からなる集合(B&~A)」。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① ~(A→ B & B→ A) ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
② ~{(~A∨ B)&(~B∨ A)} ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
③ ( A&~B)∨( B&~A) ⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
④「集合Aと集合Bの積集合が、空集合。」⇔(集合Aと集合Bは等しく)ない。
従って、
(11)により、
(12)
「集合Aと集合Bが等しくない。」といふことと、
「集合Aと集合Bの積集合が、空集合である。」といふことは、「同じ」である。
然るに、
(13)
(高等学校数学A/集合と論理)
に於いて、
「xが、Aの要素であって、Bの要素である。」ならば、
「集合Aと集合Bの積集合は、空集合ではなく」、尚且つ、「集合Aと集合Bは、同じではない。」
従って、
(12)(13)により、
(14)
「集合Aと集合Bが等しくない。」といふことと、
「集合Aと集合Bの積集合が、空集合である。」といふことは、「同じ」であって、尚且つ、「同じ」ではない。
従って、
(15)
(01)~(12)と(13)は、「矛盾」するものの、私には、どうしてさうなるのかが、分からない。