日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(409)∃x∀y(愛xy)├ ∀y∃x(愛xy)

2019-11-28 14:20:39 | 論理

(01)
{変域(ドメイン)}を{人間}とすると、
① ある人はすべての人を愛してゐる。
② すべての人はある人を愛してゐる。
といふ「命題」は、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀x∃y(愛xy)
といふ風に、書くことが出来る。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)∃x∀y(愛xy) A
 )  ∀y(愛y) A
 2(3)     愛ab  2UE
 )  ∃y(愛y) 3EI
 2(5)∀x∃y(愛y) 4UI
1 (6)∀x∃y(愛xy) 125EE
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y(愛xy) A
1 (2)  ∃y(愛ay) 1UE
 )     愛a  A
 3(4)  ∀y(愛a) 3UI
 3(5)∃x∀y(愛xy) 4EI
1 (6)∃x∀y(愛xy) 135EE
然るに、
(02)により、
(03)
(ⅰ)は「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐるし、
(ⅱ)も「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
② すべての人はある人を愛してゐる。
に於いて、
① ならば、② であるとは、限らないし、
② ならば、① であるとは、限らない
(05)
{変域(ドメイン)}を{人間}とすると、
① ある人はすべての人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
といふ「命題」は、
① ∃x∀y(愛xy)
③ ∀y∃x(愛xy)
といふ風に、書くことが出来る。
cf.
② ∀∃y(愛xy)と
③ ∀y∃(愛xy)の「違ひ」に注意せよ。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1)∃x∀y(愛xy) A
 (2)  ∀y(愛a) A
 2(3)     愛ab  2UE
 )  ∃x(愛x) 3EI
 2(5)∀y∃x(愛x) 4UI
1 (6)∀y∃x(愛xy) 125EE
(ⅲ)
1 (1)∀y∃x(愛xy) A
1 (2)  ∃x(愛xb) 1UE
 )     愛a  A
 3(4)  ∀y(愛a) 3UI
 3(5)∃x∀y(愛xy) 4EI
1 (6)∃x∀y(愛xy) 235EE
然るに、
(06)により、
(07)
(ⅰ)は「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐないが、
(ⅲ)は「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐる。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、
ならば、③ であるが、その一方で、
③ ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(09)
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y(愛xy) A
1 (2)  ∃y(愛ay) 1UE
 )     愛a  A
 )  ∃x(愛x) 3EI
 3(5)∀y∃x(愛x) 4UI
1 (6)∀y∃x(愛xy) 235EE
(ⅲ)
1 (1)∀y∃x(愛xy) A
1 (2)  ∃x(愛xb) 1UE
 )     愛b  A
 )  ∃y(愛y) 3EI
 3(5)∀x∃y(愛y) 4UI
1 (6)∀x∃y(愛xy) 235EE
然るに、
(09)により、
(10)
(ⅱ)は「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐるし、
(ⅲ)も「UI(普遍量記号導入の規則)」に「違反」してゐる。
従って、
(01)(05)(09)(10)により、
(11)
② すべての人はある人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、
② ならば、③ であるとは、限らないし、
③ ならば、② であるとは、限らない
従って、
(04)(08)(11)により、
(12)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
② すべての人はある人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、いづれにせよ、
ならば、③ であるが、
③ ならば、① であるとは、限らない。
といふ、ことになる。
然るに、
(13)
{変域(ドメイン)}を{人間}として、
{人間}={aさん、bさん、cさん}
であるとする。
(14)
(α)aはa(a自身)を愛してゐて、
(β)aはbを愛してゐて、
(γ)aはcを愛してゐる。
ならば、
(δ)aは{aさん、bさん、cさん}を、すなはち、{すべての人}を愛してゐる。
然るに、
(15)
(δ)aは{aさん、bさん、cさん}を、すなはち、{すべての人}を愛してゐる。のであれば、
(ε)ある人(a)は{すべての人}を愛してゐて、尚且つ、
(〃){すべての人}は、ある人(a)に愛されてゐる。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、
ならば、③ である
といふことは、「真(本当)」である。
然るに、
(17)
(α)aはbを愛してゐて、
(β)bはcを愛してゐて、
(γ)cはaを愛してゐる。
のであれば、
(δ){bさん、cさん、aさん}={すべての人}は{ある人}によって、愛されてゐる。
然るに、
(18)
(α)aはbを愛してゐて、
(β)bはcを愛してゐて、
(γ)cはaを愛してゐる。
としても、例へば、
(ε)ある人(a)は{すべての人}を愛してゐて、尚且つ
(〃){すべての人}は、ある人(a)に愛されてゐる。
といふことには、ならない
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、
③ ならば、① である。とは限らない。
といふことは、「真(本当)」である。
従って、
(16)(19)により、
(20)
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、
ならば、③ であるが、
③ ならば、① である。とは限らない。
といふことは、「真(本当)」である。
従って、
(12)(20)により、
(21)
① ある人はすべての人を愛してゐる。
② すべての人はある人を愛してゐる。
③ すべての人はある人に愛されてゐる。
に於いて、少なくとも、
ならば、③ であるが、
③ ならば、① であるとは、限らない。
といふことは、「真(本当)」である。