音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

連休になると・・

2020-05-08 09:56:19 | ひとりごと
4月の終わりから5月の始めの清々しい季節の連休になると
義父の事が思い出されます

筍堀りを家族で楽しんで帰ってきたら、義父が少ししんどいからと
ベッドに寝ていて、すぐに熱を測ったら高くて病院へ電話しましたが、
あいにく連休でかかりつけ医の病院も休みになっており、
救急車をお願いして入院しました。
肺炎になっており、2週間後にはお別れすることになってしまいました。

義父が90歳の頃は持病の薬は飲んでいましたが、畑に足を運びながら、
クロスワードパズルやテレビのスポーツ観戦を楽しみに生活をしていました。
田舎の小さな集落で最高齢の夫婦が仲良く散歩し、途中で休憩して
おしゃべりする姿は微笑ましく、ご近所の方からもよく声をかけて貰っていました。

その後、義母が認知症を患い始めると徐々に散歩は難しくなり、
今までの会話のひと時も内容がすれ違うことが多くなり、
怒りっぽくなってきたことから、義父の不安が増していたと思います。
仲良くベッドを並べて寝ていましたが、夜中のトイレの回数が増えてきて
別々の部屋で寝ることにしました。
長年の夫婦感覚なのか義母はすぐに夫が気になって覗きにいき、
頻繁に声をかけることもありましたが、70年近くも一緒に暮らしてきましたので
無理もありません。

私が羨むほど仲の良い夫婦でしたが、亡くなってから更に認知症が進んでいくと
義父の話題が殆ど出てこなくなり、自分の幼い頃の家族の話をよくするようになりました。
勿論、嫁の私のことは理解していなかったように思います。
ただ、お世話をすると、「優しい人で嬉しいわぁ」と笑顔で話しかけ、
持ち前のコミュニケーション力に感心し、私も見習えればと思いました。

文字を読むことは出来ていましたので、好きだった短歌を見せたり、
歌詞を見て一緒に歌うことをとても楽しみました

認知症の症状は個別性がとても高く、その人に合わせた介護力が必要になり、
家族同士の話し合いや関係者の方からのアドバイスや援助を受けて
出来ることを悩みながらするしかありませんでした。
認知症の人との関わり方をテレビや講演、講習会などで聞いていましたが、
日々の介護の生活の中では思うようにいかないことの方が多く、
夜中の介助を入れると睡眠もままならなくなり、今思えば家族内で常に話し合いながら
共有できていたことが一番の助けになったかもしれません。

認知症専門家のお一人が「個人的にですが、介護度3以上で
認知症を患っている人を一人で介護する自信はありません」と。
その時の私にとっては共有の言葉でもあり、少し安堵したことを思い出します。

一人で介護をされている方への援助は生活に関わる技術だけではなく、
頻繁に話を聞いて共有してもらうことが大切なのではと感じています。
田舎へ帰ると仲良かった二人の写真が並んでいます。










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