音楽療法のライブ日記

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‘ASMR’とゆらぎの音楽

2022-07-12 17:12:07 | 研究関連
最近「ASMR」という言葉を聞く機会が増えています

ローマ字読みで「エー・エス・エム・アール」と読まれています。
ASMRとは、「Autonomous Sensory Meridian Meridian
オートノマス・センサリー・メリディアン・レスポンス」の略で、
日本語では「自律感覚絶頂反応」と訳されていますが、意味が分かり難いです・・

「Autonomous」は自主的な、主体的な  「Sensory」は感覚の 
「Meridian」は最高点、全盛期      「Meridian」は反応
という意味がありますが、
主体的に感じる最高な反応・・・自分で最も良いと感じる反応とでも言えるでしょうか?

何気ない日常の生活音や耳に届く音色、緩やかな心地良い動作などが
例えとしてあげられています。
木のまな板で野菜を刻む音、パリパリ食べた時の咀嚼音、炭酸の泡の音、
風鈴の音色、ミシンの音、石鹸泡を包む動き、ロウソクの炎のゆらぎ、等々・・

単音の楽器で言うと、木魚、リンの音、ツリーチャイム、マラカス、ハンドベル、波音・・
耳に届く心地良い音色が体感として感じ、心が癒される・・

99才と100才という長寿だった義父母は自宅にいる限り、
毎日お仏壇の前でお経をあげていました。
義父は無口な方でしたので、自ら「お経をあげているうちに声が出てくるので
良いと思う」と話していました。
お線香の香りと煙のゆらぎ、リンの音色に包まれながら自分の声を自分で感じ、
心穏やかに過ごしていたのではと思います。

1/fゆらぎ(エフぶんのいちのゆらぎ)とは、パワー(スペクトル密度)が周波数fに
反比例するゆらぎのこと。ただしfは 0より大きい、有限な範囲をとるものとする。
(出典:Wikipedia)

『1/fゆらぎ』とは・・心地よさとの関係
空間情報クラブ編集部 のHP参照しました。
ゆらぎの歴史、 1/fゆらぎが心地良いのはなぜか、他、丁寧に記載されています。

論文としては、後藤 幸生さんの『「1/fのゆらぎ」の秘密』
書籍としては、
武者利光 著 『ゆらぎの世界 : 自然界の1/fゆらぎの不思議』 講談社 1980年
武者利光さんの本はかなり専門的な内容で、230ページ余ありますので、
じっくり読んでいただければと思います

「ASMR」は「1/fのゆらぎ」の日常版として多くの人が利用できる
個人的に癒されるひと時のことなのではと分析しています。
コロナ禍が続いている今は特に自分だけの‘ゆらぎのひと時’を大切にしてください
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