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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

♪つくしがでたよ

2013-03-12 22:03:06 | 音楽療法実践

いつもながらブレてしまっていますが、土筆発見です
昨年より2週間ほど早い収穫になります。
土筆の便りが聞こえてくるようになって気にはなっていましたが、
ちょうどセッションに行く途中に土手があって、
車を止めて歩いてみると固い頭を出していました。
ここ数日の暖かさで確実に季節が早まっています。

今日のプランの中に「♪つくしがでたよ」を入れていました。
歌をご存知なくても実物を見ながら季節を共有でき、
「あらぁ~」と口を揃えて春を実感していただきました。
我が家には子どもがまだ幼稚園の頃に歌ったこの歌のテープがあり、
時々聞く機会を持ちながら、回想をしています。

歌の本にはなかなか掲載されておらず、ネットで調べると
作詞、作曲者は不詳だということですが、
ユーチューブで聞けますので、是非可愛い歌を口ずさんでください
気持ちが軽くなる春の歌は一年の中で最も多く、
花や草などの実物を五感豊かに感じながら音楽が寄り添える季節です



認知症患者・家族会の音楽療法♪

2013-02-06 07:12:36 | 音楽療法実践
吉野に住んでいる義母がアルツハイマー型認知症を患ってから
近隣や親戚の皆様のご理解を始め、ケアマネージャーさんなど
多くの関係者の方々にご支援をいただいています。
家族だけがケアを抱えないことが重要なポイントになります

そんな時に在住の地域において認知症家族会があることを知り、
3年前に参加させていただきました。
症状もケアの段階もお一人おひとり異なりますが、
なぜかホッとした気持ちが溢れてきたことを思い出します
「他人事として聞いていた時とは全然気持ちが違う・・・」
と言われたご家族の言葉が実感として残りました。

認知症の皆様への音楽療法の実践と研究が多いこともあって、
地域の包括支援センターよりご依頼をいただき、
認知症患者・家族会への音楽療法を担当しました
「認知症を理解している仲間」の共有感が醸し出すのでしょう。
温かい、優しい心遣いが溢れた空間でした。
患者さんご本人が楽器活動や歌唱される姿を見守る視線など、
利他的な精神が伝わってきました

不安感や焦燥感がいっぱいの介護者にとっても
リフレッシュする時間が大切になります。
集中すること、身体を動かすこと、楽しむこと・・・
日々の暮らしに音楽を利用していただければ幸いです

パーキンソン病患者・家族の会の「場所」

2012-04-13 06:53:01 | 音楽療法実践
手が細かく震えたり、歩く時の一歩が出難いうえに
突進型の歩みが転倒につながることが多くみられる
難病のパーキンソン病の患者・家族会が昨日開催されました

この集まりは10年あまりに亘って地域の同じホールで
継続されています。パーティも可能なホールでシャンデリアもあり
絨毯敷きで丸デーブルという豪華な雰囲気があります。
一見贅沢そうに見えますが、参加されている皆様の声は
「柔らかい絨毯なので転んでも安心感があります」
「この雰囲気を楽しみたいので出かける気持ちになります」
「地下の駐車場から近いので便利です」
「広い入り口だから歩き易い」

いろいろな症状をお持ちだからこその「場所選択」が
垣間見えてきます。場所代を皆様で負担してでも「来たい場所」であり、
外出する気持ちになる大きな「構造的な要因」になっています。

昨日はクラリネット奏者と研究をされている大学の講師と学生さんの
お客様3名をお迎えする社会的な場所になりました。
ご自宅でお客様をお迎えされているような温かい眼差しがありました。
一緒にテーブルの輪に加わって音楽療法と交流会をお楽しみいただきました。
参加していただいた感想は「温かい雰囲気で心が豊かになりました」
「患者さんの前向きな姿に感激しました」「素敵な会でした」・・・

患者・家族会の会長は「家族風呂」の雰囲気をとても大切にされています。
構造的な場所は華やかですが、ご一緒している雰囲気は囲炉裏端に
座っているように感じています

グループホーム主催の「春の音楽会」

2012-04-03 20:59:05 | 音楽療法実践
今年も恒例の「春の音楽会」が地域のホールで開催されました
音楽療法を担当させていただいているグループホームの施設長が
音頭を取られて100名以上の皆様が交流する音楽のひと時になりました。

参加者はグループホーム入所の皆様、そのご家族様、職員さんとそのご家族、
地域の他施設の関係者、行政関係者、デイサービスの皆様、
施設へ音楽ボランティアとして訪問されている皆様、施設職員さんが
所属されている和太鼓グループの子どもたち・・・

多くの皆様にご参加いただいた春の音楽会は、職員さん参加の木琴合奏や
コーラスを始め、尺八、三味線、和太鼓の演奏などの
様々な音楽を楽しむ社会性のある場として企画されました

素敵なホールの雰囲気を楽しむ以上に、当日の会場の雰囲気から、
3歳のお子様から90歳代のお年寄りまでの「世代間交流の場」となり、
地域在住の皆様のご参加によって「地域交流の場」となり、
増え続けている認知症とその社会的な施設のグループホームの理解に
繋がる「知見の場」となり、施設にお勤めの職員さんとご家族が
一同に集まる「交流の場」となっていることを感じ、
あらためて「意義深い大きな活動」だったと思います。

音楽会の準備に粉骨砕身のご努力をいただきましたホーム長と
音楽担当の職員さん、お忙しい日々の仕事を終えてから
自主練習をされてこられた職員さんに心より敬意を表します。

最後は会場一つになって「歌声喫茶」をお楽しみいただきました
日常の「心温まる場」「居心地の良い場」のホームからお出かけされた
音楽のひと時が多くの皆様との笑顔の交流の場になっていただけましたら幸いです。
「心に太陽を 唇に歌を!」
日々の暮らしを音楽とともに楽しみながら・・

難病のALSと27年間闘われた方との思い出♪

2012-02-24 06:28:46 | 音楽療法実践
意識はしっかりある中で全身の筋肉が失われていくという
「難病の中の難病」ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されてから27年・・・
残された僅かな口びるの筋肉でパソコン画面の文字を作って出来ていた
コミュニケーションも取ることが難しくなってから19年・・・
想像を絶する「闘病」生活を送られてきたAさんと奥様。
先月がお誕生月だったこともあり奥様にメールでご連絡をした所、
お誕生日前に亡くなられた旨のお返事がありました。

予想もしていなかった訃報に言葉を失い、力が抜けていきました。
何とお声かけをしたら良いのか・・・
心がざわざわとして落ち着かない中で、
とにかくお訪ねしたいという気持ちになり、
音楽療法を一緒に担っていただいた仲間と二人で
ご自宅へ伺わせていただくことにしました。

音楽療法でお訪ねした時にBGMとして流れていた
様々な分野の音楽は無くなり、静寂の空間になっていました。
天性の明るさと気さくなご性格の奥様は変わりなく迎えて下さいました。
「楽しかったわね~。あの時・・」と言っていただいて
胸がいっぱいになりました。

届いていましたか?
クリスマスの時・・部屋中に歌声が響いた♪ホワイトクリスマス
お誕生月の時・・カープファンだった貴方へ♪がんばれカープ
英語が得意だったとお聞きして・・♪イエスタディ
息子さんにプレゼントされたギターの音色・・奥様の演奏で♪悲しみの涙
お父さんとの思い出の曲・・息子さんと奥様もハモりながら♪思い出

iPS細胞の研究のニュースに敏感になり、いつしか治療されたAさんから
奥様と息子さんと私たちの「音楽のひと時」の感想を聞いてみたかった・・・
難病であるALSの啓発の為であればという思いが伝わってきました。
学会発表や講義などでお伝えさせていただきたい旨のご連絡をすると、
いつも快諾のお返事でお力添えをいただきました。

今でも・・あの時のあの雰囲気を思い出すと温かい気持ちになります。
有難うございました。

グループホームのクリスマス会♪

2011-12-18 19:41:43 | 音楽療法実践



今日はいつも音楽療法にご理解とお力添えをいただいています
認知症対応型グループホームのクリスマス会がありました
恒例になり、ご家族や地域の皆様のご参加が増えて
益々賑やかで華やかなひと時になっていました。

平屋の昔ながらの木造建築の良さを存分に活かして
温もりと穏やかさが溢れる素敵な居住空間です。
木造の飾り付けにもお迎えの気持ちが溢れています。
職員さんのミュージックベル演奏を始めコーラス、
踊りなどの熱演に笑いあり、涙あり・・の一日でした

仕事のローテーション上、一斉に合わせることが難しいなかで
素晴らしいステージでした。
感動の涙が溢れるのも無理はありません。

その仕上がりも見事でしたが、何より「皆様に喜んでいただきたい
という同じ気持ちを持ったチームワーク感が築かれたことと思います。
施設の介護の仕事はチームとして情報を共有しながら、
日々の変化をしっかり記録し、次の介護者に引き継ぐことで、
皆様の平穏な日常生活が途切れることなく継続されていきます。

その意味においても、大きな行事を協力して終えたという
気持ちが明日からの活力になることでしょう。
今日は私自身もパワーを沢山いただきました







「パーキンソン病と音楽療法」講演のお知らせ

2011-11-01 12:40:15 | 音楽療法実践
穏やかな11月を迎えました

地域においてパーキンソン病患者・家族会の支援グループが2000年11月2日に発足し、
初めて患者・家族会の活動に参加したのは翌週の芋掘りでした。
12年目に入りましてもお一人おひとりの病気の現状を理解しながら、
寄り添える活動をしていきたいと思っています。
病気を忘れる会話や活動をともにする「仲間」としての
繋がりを多く感じるようになりました。
支援活動が始まった時には考えられない「思い」です。

この会において音楽療法の実践が始まったのには
偶然の重なりがありました
支援グループに3名の音楽療法関係者がいたこと、
翌年にコンサートホールの完成記念として無料使用できたこと、
保健所、患者・家族会の全面的な支援をいただいたこと・・

多くの皆様にお力添えをいただきまして継続するに至っています。
改めて心より感謝を申し上げます。

そんな活動が少しでもお役にたてればと講演依頼を受けることに致しました。
内容はパーキンソン病と音楽療法に関する現状と研究及び実践の予定です。
パーキンソン病関係者の皆様にご参加いただければ幸いでございます。

講演内容:『「パーキンソン病と音楽療法」~12年目の患者・家族会の活動から~』
日時:11月6日 午後1時半~午後3時 (午後3時15分~4時:和太鼓演奏)
場所:ハートピア京都 大会議場 (烏丸丸太町)
費用:500円(お付き添いお一人は無料)
主催:NPO法人パーキンソン病支援センター

十三夜を愛でながら歌う♪

2011-10-11 19:49:24 | 音楽療法実践
日本人が共有できる類に季節感があります。
一昨日の9日は「十三夜」という日本ならでは風習の日でした
実践で十三夜を楽しむ♪「十三夜」♪「月の法善寺横丁」を
用意すると、70歳代後半の大半の方は「懐かしいなぁ~」と・・
日本の季節を共に感じて歌われるその表情はとても味があり、私は好きです。

下手な三味線の音色に誘われながら口ずさまれる、
まったりとした雰囲気はなかなか情緒があります。
満月には少し満たない月を愛でる感覚が日本人らしく、
空気が澄んだこの時期の月は取分け美しいと言われています。

今月は鉄道が開通された日やりんごの歌が主題歌だった
映画「そよ風」が封切られた日などの記念日があり、
実践において多様な音楽を共有する季節でもあります。
回想的には「東京オリンピック」がありますが、現実の季節感では
稲刈り後に行われる地域のお祭り太鼓の音色が聞かれ、
学校の運動会から活気ある音楽が聞こえてきます

気持ち良さそうに飛んでいく赤とんぼ、夏とは異なる夕映えの空、
紅葉などの木々が色づいていく街並みから幸せを感じる秋があります。
一昨日、生かされている命に感謝を伝えながら、
90歳を越えた義母が♪十三夜を口ずさんでいました

音楽療法の見学実習

2011-09-16 22:11:44 | 音楽療法実践
音楽療法を実践しているグループホーム(認知症対応型)や施設などでは
看護学、医学系を始め社会学や福祉学を学ばれている実習生の方に
見学していただくことが意外と多くあります

現場の実習として経験されることが多い中で、薬学部の学生さんが
実習先として病院や調剤薬局の他にグループホームを選択して来られました
以外な気持ちもしますが、実際に薬をお渡ししている相手の方が
どのような生活をされておられ、その施設では薬がどのように管理されて
服用されているのかという生活の現場を体感することになります。

音楽療法の見学はホーム長のお薦めからですが、
学生さんが薬を利用されている方の日常とは違う一面に出合えるとともに、
ホリスティックな視野を持つことを望まれているように感じます。
学生さんを指導されている先生も楽しみにしていただいているようで、
学生さんからは「聞いているだけかと思っていましたが、
参加型で皆さん楽しそうでした」と感想をいただきました

活気ある歌唱のお姿や楽器活動に対して積極的に参加されている時に、
私自身も、ふと・・グループホームであることを忘れてしまうほどです。
地域で活動されている「高齢者対象の歌声喫茶」と同じように感じられます。
音楽を介した人間の奥深いところで共有する世界ができているのかもしれません

現実のお別れと永久の存在

2011-09-11 19:34:35 | 音楽療法実践
パーキンソン病患者・家族会の音楽療法の集いがありました
残念ですが、今夏訃報をいただいた方のお姿が無いのは寂しい限りでした。
今となっては最後の参加になってしまいましたが、
昨春の集いでリクエストされた♪「野風増」の思い出語りと歌唱、
それまでにも歩行困難を伴う中で、ゆっくり一歩ずつ歩いて、
皆様の前で演奏されたハーモニカの音色・・・思い出は尽きません

本当に頑張ってこられたお姿と笑顔が鮮明に甦ります。
・・というより、私の心の中では永久の存在になり励ましていただきます。
いつもご一緒に参加されていた奥様がご挨拶に来られました。
最後の壮絶な闘病生活のお話に涙がこみあげてきました。
「語れる場」、「共有する場」、「心温まる場」としての患者・家族会は
貴重な存在であることを痛切に感じました

パーキンソン病に関して言えば寿命をまっとうできるとお聞きしています。
ただ、多くの患者さんは様々な病気を併発しながら闘っておられます。
支援させていただいているつもりの私たちに、実はいつも「生きる力」を
強く、重く伝えていただいていることを実感します。

地域における支援活動として始まった「パーキンソン病患者・家族会」との
繋がりは11年目に入っています。永久のお別れをしたお一人おひとりの
笑顔と♪音楽が脳裏に甦ってきます。
あらためて・・寄り添う活動を大切にしていきたいと思います。