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音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

節分からひなまつりへ歌のバトンタッチ♪

2014-02-06 22:33:42 | 音楽療法実践
今年の2月は‘節分’‘立春’‘冬季オリンピック’‘バレンタインデー’と続き、
ショッピングセンターや街のあちらこちらでは梅の花からチョコレートまで・・
華やかな春の雰囲気が溢れています

3日の節分が終わってからお訪ねするセッションでは
鬼退治の♪一寸法師から3月の♪うれしいひなまつりへ
バトンタッチをしています
少し難しい人もおられますが、それぞれのメロディで
歌詞の交換をしてみると楽しい雰囲気になります。
最後まで交換して歌い終わると拍手する人がいたり、
不思議だね・・という表情の人がいたり、
よく分からないね~・・という人がいたり。
新しい刺激への挑戦を楽しみながら笑いに包まれます。

ちなみに今年初めてという単発の音楽療法では、
♪黒田節(一月)~♪一寸法師(二月)~♪うれしいひなまつり(三月)の
交換唱を行ったところ、笑顔が溢れて雰囲気が和らぎました
一年を通じて歌える季節の歌のバトンタッチが楽しみです

干支(午)の歌・・いろいろ♪

2014-01-24 06:49:23 | 音楽療法実践
二十日正月と大寒も過ぎて・・初めてのブログになります。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします

新春の話題の中で、干支の「午の歌」について皆様にお尋ねしました
真っ先に出てくるのは
♪「おうま」・・おうまのおやこはなかよしこよし・・(昭16)
次に♪「夢のお馬車」・・金のお鞍に銀の鈴・・(昭22)
お一人の方が歌われて分かった歌♪「こうま」
  ・・はいしいはいしいあゆめよ子馬・・(明43)
続いて♪「おんまはみんな」・・おんまはみんなぱっぱかはしる・・(アメリカ民謡)
さらに♪「走れコータロー」・・これから始まる大レース・・(昭45)

参考図書:「日本の唱歌[上]:明治篇.講談社文庫
     「日本のうた」.野ばら社  「こどものうた」.野ばら社
     「歌謡曲のすべて」.全音楽譜出版社

お答えいただいた年齢の幅は広く、60歳代から90歳代までになりますが、
一曲ずつの歌詞や時代背景を調べていくと、なかなか楽しいものです。
実践を通して今年も先輩方から教えていただくことが沢山ありそうです

メロディ交換を楽しみながら秋を歌う♪

2013-11-10 16:42:13 | 音楽療法実践
やっと秋らしくなってきました。
銀杏の実を踏まないように・・・
大小様々などんぐりを拾っている親子の姿が微笑ましいです。

どんぐりの実を実際に見ながら、始まりに♪どんぐりころころを歌い、
どんぐりさんの旅行をメロディ交換して楽しんでいきます。
汽笛笛の音色のインパクトは相変わらずですが、
どんぐりころころの歌詞を♪汽車のメロディに乗せます。
続いて汽車に乗ったら♪うさぎとかめがいたと言いながら、
行き着くところは♪水戸の黄門さんに会いに・・・

秋の旅行気分を♪どんぐりころころの歌詞だけで
楽しめるのはお薦めです。
秋から始まって一年を通して他のメロディを楽しむ
こともできますので、お試しください。

紅葉も見頃になって♪もみじ、♪まっかな秋、♪里の秋・・
いろいろな音楽で秋を満喫しましょう




看取りの歌♪

2013-08-21 06:15:56 | 音楽療法実践
患者さんの暮らし全体を診る総合診療医を目指して
岐阜県の久瀬診療所で後期研修に励んでいる医学生がいる。

総合診療医の志望を固めたのは、二年前に受けた
地域包括ケアセンターの研修の経験だった。
膵臓がん末期の女性の訪問診療に関する事前調査で、
思い出の歌は「♪荒城の月」だと聞き、
「意識がはっきりしているうちに聴いてもらおう」と
スタッフたちで練習して家族と一緒に歌った。
その翌日から昏睡状態になったが、一度だけ目を覚まして
「10点」と言って、また眠りに入った。
看取りの場で涙の斉唱になった。

「スタッフや家族の一体感に感動しました。最初は歌に
ためらいがあったけど、医療以外にもできることがあると
分かりました」と医学生。
高齢者の暮らしを最期まで支える多職種連携。
そのチームの中で「患者さんの役に立つ、敷居の低い
医者であることが大切」とケアセンター長は話す。

・・2013年7月30日「中日新聞」の記事の一部を抜粋・・

看取りの最期に本人の大好きだった思い出深い音楽を
歌う、演奏する、曲を流す行為は、逝く人も、見送る人も
共有する感謝の気持ちを持ち、穏やかな別れにつながると思います。
現場で多くの皆様とお別れをしてきました。
お一人おひとりのその人らしい曲がいつも浮かんできます
音楽療法士はそのお手伝いができる仕事です。

七夕さま♪

2013-07-03 06:13:25 | 音楽療法実践
この時期に施設へ伺うと七夕飾りが出迎えてくれます。
入所の皆様と職員さんがワイワイガヤガヤと賑やかに
笹飾りをされている雰囲気は穏やかな暮らし振りの証です。
その雰囲気に「音楽」を入れて豊かなひと時になればと願います

七夕星物語に耳を傾け、♪七夕さまを歌い、♪星に願いをの演奏を
聞きながら、バーチャイムの音色を一人ひとりが個性溢れる
奏法で響かせます。笑顔とともに目が輝いてきます。
素敵なメロディ、音色、歌詞に心を寄せながら・・・
「音楽っていいなぁ」と素直に思えてきます

義父母が住んでいる田舎では昼時に♪野ばら、夕暮れ時に♪夕焼小焼の
メロディが流れます。義母は♪夕焼小焼がなると合わせて歌い始めます。
可能であれば7月7日だけは♪七夕さまを流して欲しいものです。
高齢者が多く住む集落だからこそ、流れる音楽の共有感は
大きな意味を持つと思うのですが・・・。

ある会社はBGMを心理的サポートとして考え、
季節に合わせた素敵な音楽を適宜流すことによって
社員のストレス緩和に役立つと報告されていました。
メンタルヘルスを考えて役所や地域などでも
音楽利用が広がっていって欲しいと願います

今年もイタドリ(スカンポ)の季節♪

2013-04-23 23:42:41 | 音楽療法実践
週末から吉野へ帰りました。
山桜や山藤が新緑鮮やかな山に彩りを添えて
まさに「山笑う」表情で迎えてくれました。
川沿いの道路にはスカンポ(イタドリ)の葉が見えて、
恒例の季節になったことを実感しました

今日のセッション施設の近くに川が流れており、
行く前にもしかしたら・・・と思って車を止めて歩くと
すぐにイタドリの群集が目に入ってきました。
少し太めで若いイタドリを選んで採ると
「ポン!」と乾いた良い音がしました。

予定になかったお土産のイタドリをお見せすると
「イタドリや」「スカンボとも言うね」「甘酸っぱい味だよ」・・・
など等、口々に懐かしい話が湧き出てきます。
初めての職員さんに裂いて味見をしてもらうと
「美味しいね」「レモンみたいにさっぱりしてる」・・・
少し長けてくると苦味が入ってきますが、新鮮で若いものは
水分も多く、レモンかグレープフルーツのような味がします。

♪スカンポの咲く頃を歌うと、一緒に何人かは口ずさまれました
子どもたちがスカンポをしがみながら土手で楽しそうに
遊んでいる雰囲気が溢れています。
スキップのリズムが聞こえています。
節ごとに切って「スカンポ笛」の挑戦も皆でしました。
いい音が鳴ると拍手がありました。

この季節ならではの、恒例の歌になりました。
今日からあちらこちらでイタドリが主役になります

音楽の社会的側面

2013-03-31 20:25:09 | 音楽療法実践
一昨日の音楽会を終えて思うこと・・・

音楽会を終えた夜に参加していただいた方から感想が届きました
「施設の音楽会だとお聞きして行きましたが、想像以上の
音楽が溢れる素敵な音楽会でした。可愛い子どもの参加もあって
ご老人の方々も楽しまれ、微笑ましい雰囲気で元気をもらいました。」
「盛り沢山のプログラムで大、大満足でした。素敵な時間を
過ごさせていただきました。有難うございます。」

今回の音楽会には音楽の「社会的な側面」があり、図書館を始め3つのホールを持つ
地域のメイン会場のパーティホールにおいて、地域の皆様が音楽を介した
同じ時間を共有する場に集うことです。
グループホームにおける日々の暮らしは自然に囲まれた家で
とても穏やかな雰囲気が溢れています。
その家から外出するという意味
それは「お出かけする」ことになるという意味であり、
少なからず気分が高揚して見繕いをして出かけることになります。
認知症を患う皆様なので、音楽会が記憶には残らない方もおられますが、
満開の桜を愛でながら絨毯敷きの会場へ着き、多くの人と出会い、
音楽を聴く、歌うという時空間を体感し、共有するひと時になります

会場で正面にお顔を向けてご挨拶をすると、いつもの笑顔がかえってきます。
丸テーブルにご家族がご一緒される人、いつもの職員さんが見守っていただく人、
地域の支援員の皆様からお声をかけていただきながら、笑顔が拡がっていきます。
施設とは関りない地域在住の皆様にもご参加いただくことを
施設長は希望されて広く声をかけておられました。
認知症を患っていても音楽をとても楽しまれるお姿を
地域の皆様に知って欲しいと・・・。

音楽会には存分に発揮された音楽の力がありました。
やはり・・・摩訶不思議な魅力で多様な顔を持っていました

介護施設主催の音楽会♪

2013-03-30 06:52:14 | 音楽療法実践
奈良市の桜の満開が発表された昨日、隣り街の
大和郡山城跡の桜も見事でした
その桜を正面に愛でられる「やまと郡山城ホール」で
介護施設主催の音楽会が開催されました。

日頃グループホームとデイサービス、訪問介護などの
本部と分かれているので一同に集うのは一年でこの音楽会のみです。
在宅介護をされているご家族を始め、地域の皆様への呼びかけもあり
行政、地域住民、施設入所のご本人とご家族の皆様が
音楽を介して和やかに交流する場になりました

4回目になる音楽会の特徴は「繋がりの音楽」「多彩な音楽」となり、
職員さん繋がりの和太鼓演奏、ピアノ独奏、フルート&ヴァイオリンデュオ、
独唱と職員さんの合奏、ベル演奏、レク体操、さらに歌声喫茶も入った内容です。

中でも和太鼓演奏時には可愛らしい幼児を始め、子ども達の参加に
皆様の目がハートマークになりました
曲目の合間に和太鼓体験のひと時も設けられて、一つの太鼓を
二人や三人が叩くほど盛況な場になり、最後には予定になかった
「アンコール!」の嬉しいかけ声が出ました。

ピアノ独奏(海外在住の13歳)はショパンの幻想即興曲を弾きこなし、
スポットを浴びた「ピアノと少年」は別世界で圧巻でした
世代間交流の場にもなった和太鼓演奏とピアノ独奏は
音楽がもつ大きな特徴になります。

継続している音楽療法に加えて、このような大きな音楽会の行事を
コーディネートさせていただけるご縁と幸せを実感しました。
音楽会開催のきっかけは、一貫して先導役を担っていただいている
グループホーム長がご両親と一緒に参加された「大正浪漫のひと時♪」です。
♪この道、♪金色夜叉、♪ゆりかごの歌、♪コロッケの歌などの
大正時代の音楽だけの演奏会へお誘いした時に、大変感動されたご両親の姿に
音楽の力をより一層感じられたとうかがっています。
進行役を担いながら、皆様の表情がとても良かったことを思い出します

音楽会に関わっていただいた全ての皆様に感謝をしながら・・・
あらためて音楽の持つ力を実感した昨日でした。

伝承される歌♪「土筆ノ行列」

2013-03-22 23:52:01 | 音楽療法実践
実践において季節感をたっぷり感じる「実物」は
共有感と五感を大いに活性化するものとして欠かせません。
最近は毎回採りたての「土筆(つくし)」を持参しながら
「♪つくしがでたよ」を口ずさんでご紹介しています

ある施設で「土筆の歌をご存知ですよ」と職員さんに
うながされて歌ってくださった方がおられました。

ツンツン ツクツク ツクシンボ
 ツンツン 土筆ハ 原ツパニ
 ツクツク並ンデ 立ツテマス
 帽子モ揃ヒノ 帽子デス
 袴モ揃ヒノ 袴デス
 ツクツク ツンツン ツクシンボ ・・・

とても可愛らしい雰囲気が伝わってきて微笑ましいひと時になり、
「よく歌って、踊りも教えてもらったよ」と話されました。
帰宅してネットで調べると野口雨情さんの歌で
「朝おき雀」の中に入っていました

日々の暮らしの中で支援しておられる職員さんの関わりは
実践の中で大変重要な存在になります。
その人らしい「歌の存在」をキャッチして教えていただき、
私たち音楽療法士は広く知られていない歌を
伝承する役割を持つことになります

施設長のパワー

2013-03-15 22:41:21 | 音楽療法実践
私が実践先としてお訪ねしているグループホームを始めとした
介護サービス会社が主催する音楽会が恒例になり、
今年もこの3月末に開催される運びとなりました
一昨年の3月に音楽会の中で和太鼓演奏があり、
子ども達が「ガンバレ 東北」と声を揃えた姿に
感動したことを思い出します。

大もとの発案者はグループホームの施設長です。
私を含むパーキンソン病患者家族会を支援しているグループが
大和郡山市街づくりアイディアサポート事業として
「大正浪漫のひと時」の音楽療法を開催しました。
施設長はご両親と一緒に参加され、涙を流して感動された
ご両親の姿に音楽の力を感じ、地域の人にこの素敵なホールへ
出かけるきっかけと音楽をお楽しみいただくひと時になればと考えられました

職員さんは舞台の飾りつけから合奏やベル演奏などの練習もあり、
大忙しの日々が続いています。
今回は会社関係の音楽人脈が繋がって盛り沢山な内容になりました。
恒例になった和太鼓演奏と体験を始めとして、ベル演奏と様々な楽器を入れた合奏、
ソロ歌唱、ピアノソロ演奏、寸劇入りの歌謡曲、軽運動の曲・・・
今からワクワクしてきます

先日合わせの時間をいただいた時のことです。
利他的精神が旺盛な施設長はかつらを探して、
重いフライパンを片手に持って・・・大張りきりです。
「喜んでいただけるのであれば何でもする」という気持ちが
リーダーとしての牽引役を担っています。
言うまでもなく、音楽療法へのお力添えはパワーを維持したまま
継続していただいています。心より感謝です。