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発見

2011-04-08 18:02:33 | 日記
以前、といってももう20年以上も前になるが…、に読んだ本で
芥川也寸志さんの本がある。タイトルも忘れたが父親の書棚に
あったのを読んだので、これはそうとう前に書かれた本だと思う。

確か「これからの音楽は細分化の方向に向かう」というような
ことが書いてあったと記憶している。

当時の私に理解できるはずもないのだが、最近になって少しは
理解できるようになってきたと同時に氏の先見的な思想につくづく
感銘をうけている次第である。

ブログで何度も書いていることだが、今「クロマティシズム」の
研究をしているが、半音階とは12平均律、つまり現代音楽における
最小単位である。

その芸術的価値はともかく、現代において音楽が、
ドレミファソラシドだけで表現されると思っている人がいたら
よっぽど幼稚な人だ。

ピアノの鍵盤を見ればわかるように、

ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ソ、ソ#、ラ、ラ#、シ、ド

の半音で平均化された音が並んでいる。

ドレミファソラシドは数あるモードのうちのひとつにすぎない。
経過音的な意味合いしかなかった半音(ド#やレ#)に主音と
同じくらいの比重をもたせたのが半音階である。
まあ、こんなこといちいち人に説明する意味もない。

私がいいたいのは、発見の多くは様式の内部にあるということである。
発見は、ある日突然、宇宙からふってくるわけではない。
それは木からリンゴが落ちるように、自然の営みの中にこそ見出されるものだ。
そしてそれは、事物を新しい視点から見つめ、新たにカテゴライズすることである。

行き詰った時こそ、自然を感じてみよう。
答えはすぐそこにある。

我々が心を閉ざさない限り、自然は常に我々に心をひらいてくれているのだから。


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