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サービス業

2010-02-21 15:24:29 | 日記
以前、ある有名なラーメン屋に入った。

その頃は日本中空前のラーメンブームがおきていた時で、
日本中でいろんなラーメン屋がしのぎをけずっていた。

いわゆる「こだわりのラーメン屋」というやつで、
店内にも、そしてお店の外にもズラッと行列ができているところだ。
お店によっては行列についているお客様にメニューを見せて
あらかじめ注文をとっておくというスタイルのところもあったが、
そこのお店はカウンターに着席したと同時に店員が注文を聞きに来る、
というスタイルだった。

あるお客がまだ、カウンターに着く前に、

「ラーメンください」

といったところ、

「ぐちゃぐちゃ、いわないでもらえます?!
こちらから聞きに行くんだから…」

と店員のたもうた。

傍で見ていて、ものすごくいやな気分になった。

たかだかラーメンごとき…、あんなお店、二度と行かない。

私はおいしいラーメンは時折たべたいと思うが、
ゆっくりご飯を食べたい性質なのでちょっとでも行列が
できているともういやになってしまい、食べることすらあきらめることもある。
(もちろん、ひととの付き合いの時はがまんしているけど)


昔は、店主が頑固者で、初めてのお客にはとっつきにくいお店というのが
沢山あったのだと思う。
そういう「粋」を楽しむのも、おそらく風情のひとつではあっただろう。

現代はどうか…。
先日、全国展開をしているカフェに入ろうとカウンターにならんいたのだが、
1階がどうも満杯状態なので、

「2階はあいてますか」

と店員に確認したところ、

「自分で見てきてもらえます!?」

といわれた。

悔しいが実際、見に行くと満席ですわる場所がない。

それなのにその馬鹿店員は、次のお客に、

「店内でお召し上がりですか?」

とやっていた。

もう、これは詐欺に近い。


(…)要するに、昔から日本のサービス業はちっとも変わっちゃいないのだ。

「いらっしゃいませ」を「こんにちは」に変えたところで、
それは店主の価値観の押し付けにすぎない。

こんな不況でも、食産業だけは賑やかだという。
でもマスコミが取り上げているのは、おいしい店よりも格安のお店ばかりだ。

日本人は本当の意味でサービスを理解できていないのだ。
一流メーカーですら「プロダクトアウト」からは抜けきれていない。
ただ、大規模なコマーシャルをぶつばかりだ。

「マーケットイン」という言葉がもてはやされて早久しい。
結局、言葉上だけの問題だったのか。

最近、ぱったりと声を掛けてくれないお客様の懐を察知してか、
それとも離れて行っちゃったことに全く気がついていないのか、
ただ、現状を嘆いたり、社会や政治のせいにしたところで、
どうにもなりませんよ!


昔の酒屋にならって、御用聞きでもしたらどうか…。


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