奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

農繁期の中の公務〜4月臨時議会に向けて〜

2021-04-22 22:38:04 | 日記

コロナ禍のこの1年。ありとあらゆるものが中止となった昨年と比べて、地方での感染拡大など事態は明らかに深刻な状況ですが、これも「慣れ」のせいなのでしょうか。

イベントや催しの開催については、市の責任において一定のルールを示すべきと思います。

 

稲作農家の我が家にとって、5月の田植えまでは1年で一番忙しい時期となります。

本日ようやく種まき作業を終え、作業小屋はずいぶん片付きましたが、今年新たに3haの水田を請け負うことになり、大潟村クラスの大台を突破したこの苗箱全てが田植えを経てここに戻ってくるのかと思うと、気が遠くなりそうです。

家族経営(父・母・妻・私)ではありますが、農地を守る地域の担い手としての責務を最後まで果たして参ります。

 

さて、公務最優先とはいえ農繁期のこの時期の日程のやりくりは正直キツイものがありますが、20日(火)は、新年度に入り初めて全員集合。26日(月)に臨時議会がセットされたため、議案説明会など諸々の会議が行われました。

3月定例会で新年度予算案が成立して間もなくの4月臨時会というのは記憶にありませんが、国の事業として、新型コロナ対策の子育て世帯給付金が再度支給されることになったためです。

他にも、横手市としての新型コロナ対応独自事業が補正予算案として提出されますが、基本的に「一律給付は行わない」との市長の方針のもとで様々な支援策、経済対策の事業が予定されていますが、相変わらず目的がはっきりしない、組織が迷走する意味不明の事業が目につきます。

昨年度実施しほとんど予算が使われなかった事業も、予算の減額補正という財政上のテクニックで辻褄合わせが横行していますが、事業の効果・検証などはほとんど聞いたことはありません。

そこが、議会の役割なんだと思いますが…

ワクチン接種については、やれることをやれる範囲で着実に進めているようですので、市民の皆様には市役所からの情報にご注目ご対応頂ければ幸いです。

 

議案説明会の後は、行政課題説明会。

ここぞとばかりの詰め込み日程ですから、最後の最後に説明のあった「横手体育館・横手市民会館整備基本計画策定に向けた検討状況」については、経営企画課からの説明の後の質疑はありませんでした(笑)

当局が勝手に窮屈なスケジュール設定をした上で議会の意見を求めようとしていますが、議会の決定として、所管する総務文教常任委員会ではなく、敢えて議員全員協議会の場で協議が進められていくことになった?ようです。

そもそも、3月議会の委員会審査において指摘した既存施設との調整などの懸念事項に一切答えず、つまみ食いで自らの提案を正当化するだけの説明だったように受け止めています。

そうですか…問題提起に応えて頂けないのだとすれば、次の発言のしようがありません。

24名の議員が一同に介する大人数の協議の場において、今後議論が深まっていけばいいのですが…

 

追伸・県内では知事選をはじめ地方選がありましたが、この間、全国若手市議会議員の会の仲間も各地で戦いに挑んでいます。

コロナ禍の難しい選挙ではありますが、「責任世代」としての想いを懸命に訴えた同志各位のご奮闘に心から敬意を表します。

首長選挙に挑み一歩届かなかった方々もいらっしゃいますが、ご自身の想いを貫き住民に選択肢を示したチャレンジを誇りに思います。

応援に駆けつけることもできないことがもどかしく、会いたい人に会いにいけない新型コロナの一日も早い収束を願うばかりです。

 


3月議会を振り返ってPart3〜「問責」の重み〜

2021-04-08 23:54:04 | 日記

新年度になりました。張り切って、任期最後の令和3年度に向かいたいと思います。

最高気温がすでに20℃に達するなど、田んぼの雪も一気になくなり春作業が例年以上に急ピッチで進んでいることから、パソコンを開くタイミングがありません(汗)

何事もなかったかのように今年もまた季節は巡り、現場では、被災したパイプハウスを撤去し真新しいものに組み替える作業に追われる姿を目の当たりにしながら、いつものように慌ただしくなりつつあります。

稲作一本の我が家は今年、また新たに農地を請け負うことになりました。

様々な理由で離農せざるを得ない農家が増え続けているこの事実。それは必ずしも「小規模・家族経営」に限ったことではありません。

受け皿となる地域の担い手をどう育てていくのか…

横手市農政が標榜する「農家所得の向上と担い手の育成」。

広大な平鹿平野の水田をいかにして維持しながら、エリア全体が多品目であるという強みを活かしつつ全国有数の食糧生産基地としての責務を果たしていくのか…

このことをとってみても、まさに課題山積です。

 

さて、「今更!」とは思わないで頂きたいのですが、先の3月議会のクライマックス「市長問責」について申し述べて、私自身、気持ち新たに新年度の議会活動に向かいたいと思います。

まず、「問責決議」というのは、「国や地方自治体の議会において、市長など特定の地位にある者について、その責任を問う議決」のことを言い、横手市政において問責が可決されるのは初めてのことのようです。

ちなみに、私の国政秘書経験は自民党・公明党連立政権が下野した時期と重なりますが、第一次安倍政権時代の平成19年参院選敗北から、衆議院と参議院で与野党の議席数が逆転するいわゆる「ねじれ国会」下において、法案が通らない、そして、内閣不信任決議案の提出権を持たない参議院において、福田総理、麻生総理への問責が可決し(総理への問責決議の可決は史上初)、皆様ご承知の通り歴史的な「政権交代」へと続いていきます。

その後、民主党政権下においても閣僚への問責連発により政権の体力がじわじわと失われていく姿を目の当たりにしてきました。

実際に、その資質が問われ問責が可決された大臣が出席する委員会では「審議拒否」という行動がとられてきましたし、(議論をしないということについて賛否両論あることは承知していますが)「決められない政治」は何ら国民生活の為になりません。

「問責」を突きつけられるというのはそれなりの理由があり、実際に法的拘束力は伴わないものの、長に対し政治的責任を問おうとする議会の意思表示が「問責決議」であって、それが可決されることの意味の重さは言うまでもありません。

 

横手市政初の問責可決の背景にあるのは、市民の皆様の関心が高い「公共温泉民間譲渡」の結果責任についてです。

横手市では、少子高齢化人口減少などにより市の財政は厳しくなることが予想されていることから、平成28年3月策定の「公共温泉施設の在り方・再編方針」に基づき市有9温泉施設の民間シフト化を進めてきました。

その根底には、民間事業者が存在し需要規模も縮小していることから、市が温泉経営を続けていくことは「民業圧迫」で、行政として「役目を終えている」(=横手市に公共温泉は不必要)という市長の政治判断があります。

結果として、9施設中民間譲渡できたのは6施設で、そのうち「さわらび」「ゆーらく」「鶴ヶ池荘」は市に返還されましたから、地元企業のご厚意によって民間経営されているのは「雄川荘」「えがおの丘」「大森健康温泉」の3施設だけです。

一方、譲渡できていない「ゆっぷる」「さくら荘」「ゆとりおん大雄」は市の直営での営業が続いていることから、市長の言葉を借りれば「民業圧迫」が放置され続けている状況です。

「民間譲渡の取り組みに関する検証報告」に記載されている通り、仮に譲渡できなかった施設をどうするのかを想定していなかったことを反省点として挙げているようですが、閉鎖する決断を下す覚悟もない「公共温泉の民間シフト化」など所詮綺麗事だったと言わざるを得ません。

地元企業の頑張りでなんとか経営が続いている3施設は、「地域貢献」の名のもとに巨額の営業赤字を強いることをいつまで続けるのでしょうか?しかもこのコロナ禍に。

そもそも「さわらび」「ゆーらく」がちょうど1年前に休業となった際には、「鶴ヶ池荘に絞れば経営を立て直すことができる」との運営会社の申し出を受け入れた経緯がありますが、結果として約束は果たされず、4月1日付けで市に返ってきました。やらないといっていたはずなのに、税金をつかって施設の維持管理をしています。

結局のところ、カッコよく「民間シフト」と言いながら、譲渡できない3施設は直営を続ける「民業圧迫」。

譲渡した3施設に対しては、土地の無償貸付期間を延長する形で続けられている「公的支援」。

そして、第3セクターを一方的に清算してまで民間譲渡し、結果として雇用も守られず関係者の人生を大きく変えた3施設は、あっさりと市に返されて営業再開の見通しが立っていない「地域の破壊」。

何をもって、この自己矛盾極まりない「公共温泉の在り方・再編方針」を評価することができるのでしょうか?私には分かりません。

結果として、市民に与えた影響の重さと結果責任を問う今回の問責決議案は、(私を含め)賛成14、反対9により可決となりました。市議会ホームページと4月15日発行の議会だよりで、決議の全文と詳細をお知らせしています。

 

冒頭述べたように、「問責決議」の可決は、結果責任はもちろん長としての資質が問われるものです。

翌日の地元紙報道では、

 「市民や議会に真意が伝わらなかったと思い猛省している」

 「この厳しい激励と温かい叱咤をしっかり受け止め、今後も丁寧な市政運営に努める」

との市長コメントが紹介されていましたが、どこに「真意」があったのでしょうか?そもそも、問責を「温かい叱咤」と受け止める感覚だから、それが伝わってこない気もしますが…

まさしく真似のできない「たぐいまれ」な政治センスです。

繰り返しになりますが、「公共温泉民間譲渡」を通して、地域を破壊し多くの方々の人生を変えた結果責任が問われているのです。

問責可決という重い事実を踏まえてどんなアクションがあるのか分かりませんが、他にも課題山積の横手市政において、それでも私達は残されたわずかな任期を「前向き」に議論をしていかなければなりません。

 

明日は、広聴分科会。新年度初の公務となります。

市民と対話する今年度の議会広聴活動について、ご議論頂く予定となっています。