長丁場の9月議会が終わって早1週間。またまた台風の直撃?くれぐれもお気をつけ下さい。
稲刈り真っ盛りの中を、広報委員長として議会だよりの執筆を複数手掛けておりました。
今回も、加藤議員が撮影してくれた表紙の写真は迫力がありますし、決算審査や委員会の行政視察の報告については、「作文からの脱却」をテーマに皆さんのご協力をいただきながら、これまでにない紙面構成にチャレンジしているところです。
週明けに最終校正をし、発行は10月15日となります。ぜひご注目下さい!
さて、月曜からは10月。今年もあと3ヶ月、年度も折り返しとなります(^_^;)
改めて9月議会を振り返ってみると、一般質問は見送ったものの、委員会審査で明らかになった疑問点を質すために総括質疑を行い、最終日の本会議では討論に立つなど、今回もひたすら書類に向き合い文章を書き、譲れない信念を貫いた1か月だった。
結果として、全議案可決。
蓋をしていくら取り繕うとも、相変わらず様々な問題が噴出し続ける中、いつものように議会のチェックを通り抜け、いつものように何事もなく終わったというのが事実。
今回私たち新風の会からは、「権利の放棄について(㈱山内観光振興公社に対する貸付金)」、「公の施設の指定管理者の指定について(横手市増田まんが美術館)」、「平成29年度横手市一般会計歳入歳出決算」に対する3つの反対討論と、まんが美術館の指定管理に付随して、一般会計補正予算第2号に対する修正案が出され、私は、これら4つの議案に対し「反対」の意思表示をした。
「反対するのであれば、意思表示=討論をすべきだ」というご指摘をいつも受けているわけであるが、反対討論が出るとするならば、対抗して賛成討論も行われるというのが普通の議会であるはずで、理詰めの反対意見に対し、それでも賛成する根拠を敢えて示さないのだとすれば、それこそ自らを「下駄の雪」と言っているに等しい。
以下、私が行った「平成29年度横手市一般会計歳入歳出決算の認定」に対する反対討論の要点となります。
まず、第三セクター㈱増田町物産流通センター清算に係る補助金支出3000万円の正当性について。
- 本年3月末日をもって解散となった㈱増田町物産流通センターが、退職前の従業員に対し事前に支払った退職金約1400万円について。これまでの勤労に対する対価として当然受け取るべき従業員の権利であるはずの退職金を「前倒しして支払わなければならなかった明確な理由付けと、取締役会に諮らずに支出した点」などに疑問点が残るとする弁護士と市の相談記録が示すように、退職金の支払いについて「市として違法性はない」としている判断は未だ確実性に乏しい。
- 清算に係る公金3000万円の根拠は、28年度実施の財務デューデリジェンス調査を基礎として示されたものだが、3月定例会での議決後、3月30日付で支払われた実際の金額は2000万円になった。
- 7月25日に書面にて受けた報告によれば、「2000万円を支出した清算補助金の内、1500万円は7月末日に返還される予定」。
- 経営状況などギリギリまで精査したはずの清算補助金3000万円が結果として500万円で済んだことになり、経営状況が厳しいことから、「法人単独での債務整理は不可能」だから「市が財政支援を行う」としていた、議決の前提となる当初の説明も根底から覆る。その理由は、民間譲渡決定後の冬期間の営業が「我々が思っていたほどの落ち込みではなかった」。
- ちなみに、今議会に提案された第三セクター㈱山内観光振興公社に対する市の貸付金残高595万5488円の放棄について。「当初は返済可能で、残余財産も出資率に応じて分配できる」としていた約束が反故にされた理由は、「冬季間、思った以上に売り上げの落ち込みがあった。それは、大雪の影響で民間譲渡が原因ではない」。
- 増田は「思ったほど落ち込まなかった」、山内は「思った以上に落ち込んだ」という無責任極まりない他人事の姿勢は一体何なのか?市民の財産を民間譲渡したという決断の重み、結果責任をどう考えているのか?
- 4月6日付契約内容の報告によれば、3月議会議決後に設計業者に依頼した見積もりを市でも精査した結果、3施設合わせて9443万5200円。「工事を平成31年3月31日までに完成させる。機能回復を達せられれば施工方法は自由。仮に、市が負担した金額が余ったとても返還は不要、追加負担もしない」という、公金の支出として明らかに不適切な内容。
- 7月30日産業建設常任委員会協議会「雄川荘及びえがおの丘の空調設備機能回復状況について」の報告。
・雄川荘:議決額3600万円、契約金額3671万8920円、実際にかかった工事費3380万4000円。
・えがおの丘:議決額3900万円、契約金額2478万3840円、実際にかかった工事費3466万8000円。
設計業者に委託し市が精査を行ったはずの見積もりとは違う工事が行われている。 - さわらびは、市が設計した修繕取り換え工事ではなく、企業側の判断で先行して簡易的な冷房設備を整えたという口頭の説明のみで具体的な工事費の報告はない。いくら余っているのかも分からない…
- 公金を支出しておきながら市は説明責任を果たしていないというのは、議会軽視であり市民に対する背任行為だ。行政の見積もりはこんなにも軽いものであっていいのか。この事実は、いまだ全員協議会等で報告されていない。
- 公共温泉民間譲渡の公募要項に「現状のまま引き渡す」との記載があることは消えない。6公共温泉施設の簿価の総額18億2112万7000円を無償譲渡していることから、建物の修理に関しては市として一切の責任を負わないとしていた市の方針が、議会に対し一切の説明がないままに180度方針転換されていることが紛れもない事実である。
以上、1億4100万円という公金の支出の正当性について考えた時、改めて法律に抵触する恐れが含まれており、議会に示してきた数字にその都度ばらつきがあるように、方針にブレがあり、当初の約束と違う結果になっていることが事実だ。
また、地方自治法242条では「違法もしくは不当な公金の支出等に対する住民監査請求」を規定しており、同2項の規定により、1年以内は住民監査請求が提出される可能性がある。
過去にも全国的に違法な補助金交付は枚挙にいとまがなく、当市における温泉施設譲渡先の工事代金の差額が、そのまま譲渡先民間企業の利益になるような公金の支出方法は、まさに不当な公金の支出であり、住民監査請求や住民訴訟に耐えられるものではない。
いずれも市の不作為が招いた不適切な公金の支出であることから、これを容認することはできないし、そもそも今回の事案のように、議決の前提となる数値が変幻自在に変わり、その都度当局の思い込みで片づけられ結果責任を負って頂けないのだとするならば、私たちは今後何を信じ審査に臨み、議決責任を果たしたらいいのだろうか。
当局からの情報提供が著しく不足している中、大多数の議員、そして、市民はこれら一連の事実を知らされていないのにも関わらず、議会がこの決算を認定してしまうことはすなわち、議会も同様にその責任を厳しく問われる事態となる。私たちも議決責任を負う覚悟を突き付けられている。
今回の事案は特に、議決を受けてしまえば「後は野となれ山となれ」という象徴的な議会軽視の姿勢ではないのか。首長と議会の関係性、二元代表制の在り方が問われて久しい今こそ、一地方議会人として、認定第1号は断じて認定すべきではない。そのことを問題提起しながら、何のために、私たちはここに在るのかという、議員各位の信念に訴えかける討論を私は行った。
確かに、温泉施設利用者の事を考えれば、不具合のある空調設備を修理しなければならないのは当然で、公共温泉の譲受者に対する一定の責任を果たすという意味合いもあることだろう。
しかしながら、譲渡に当たって「一切の手を加えない」としていた決してブレてはいけない大方針を何らかの理由で変えなければならないのだとするならば、現場に丸投げをするのではなく、判断を変えたその理由について真っ直ぐに誠実に説明をしなければならなかったはずだ。
しかも、修繕費という名の公金を渡したっきり余っても返さなくていいですよなどというのは、税金を預かる資質を疑う危うい思想だし、市の見積もりがいかに根拠のない数字なのかを身をもって示しているのではないだろうか。
一方で、市民に対する補助金申請には、市民が対応できる範疇を超えている要件を厳格に求めているのにも関わらず…
これからも、議会の度に様々な事業の正当性を、予算の正当性を訴えて、当然のように私たちに議決を求めてくるのだろう。それを私たちは結果として認めていく…
「政策提案」などという綺麗ごとを並べる前に、二元代表制の一翼を担う議会としてここを曖昧にするのであれば、存在価値を自ら否定することになりはしないだろうか。要望を羅列する一般質問に明け暮れ、方や全てフリーパスの審議など、権限にあぐらをかいている単なるパフォーマンスに過ぎない。
それでも、私たち同志は前を向いていく。良いものは良い、だめなものはだめだと。
まんがについては、ちょっと思うところがある…
追伸・秘書時代大変お世話になった馴染みの店が、ビルの解体のため年度末で閉店してしまうという便りが届いた。
永田町霞が関界隈の秋田県関係者で、あの店を知らない人はモグリだと思う。それ程、秋田出身の大将と美人女将には、事あるごとに皆さんお世話になってきたはずだ。
私自身、秋田にUターンしてからも機会の許す限り顔を出していて、東京で味わう懐かしい秋田の味と温かいお人柄に、いつもいつも励まされ背中を押してもらっていた。
歌舞伎座改築の時もそうだった。また一つ、秋田の灯が消えてしまう…