みちのくは例年より少し遅めの梅雨入りとなりました。これから特に、豪雨災害に気をつけなければならない季節となります。
横手市議会6月定例会は17日(木)に閉会となりましたが、私達広報委員は、議会だよりの作成にしばらくは慌ただしくしております。
今議会を振り返ってみると、(広報委員長としての分析ですが)議会だよりに大見出しで掲載するような特筆事項がなく全体的に議論も低調で、採決が割れたのは一般会計補正予算(4号)のみでした。
その中で、温泉観光施設費613万4000円の追加補正は、丁寧な議論がなされないままに議会を通過しました…
私は一般質問でも触れていますが、「公共温泉5施設の建物の現状把握調査」をすることを名目にいたずらに時間稼ぎをはかろうとするこの予算は認めるべきではないと考え、議会人としての矜持から、魂を込めた反対討論を行いました。
結果は、賛成18・反対5で撃沈しましたが、ご理解ご賛同いただいた議員各位に深く感謝申し上げます。
よろしければ、動画をご覧下さい。
繰り返しになりますが、この予算は無責任極まりない、税金を使った単なる「時間稼ぎ」です。
以下、討論原稿の全文を掲載します。
私は、議案第68号「令和3年度横手市一般会計補正予算第4号」に反対の立場で討論いたします。
歳出7款1項5目温泉観光施設費613万2000円は、民間譲渡したものの市に戻された「鶴ヶ池荘」と「さわらび」、譲渡が叶わず市の直営が続いている「さくら荘」「ゆっぷる」「ゆとりおん大雄」の5施設について、今後の在り方・方向性を検討する上で、判断材料の一つとするための施設の現状把握調査に係る経費を補正するもので、今後のスケジュールとしては、補正予算案が可決成立した場合、入札手続きに着手し、8月には、改修工事コンサルティング業務委託契約の締結、11月〜12月にかけては、必要な改修工事、投資コストなどが判明したことを受け、各施設の方向性案を作成し、年明けの1月から年度内に議会との協議を行うとの説明を受けております。
市長は、今定例会冒頭の所信説明において、市民に対し「公共温泉施設に関する施策につきましては、今後も民間譲渡の手続きを進める方向で協議しておりましたが、これまで地域の皆様や議会の皆様より頂戴しましたご意見、ご指摘を重く受け止め、個々の施設の位置づけや方向性案等について改めて検討することといたしました。」
と「方針転換」したかのように見せかけた一方で、私の一般質問おいて、
「今後につきましても、行政の施策として経営に関与し続けることの妥当性や市財政への影響、また、公金を投入しての温泉経営は民業圧迫の側面が残ることなどを考慮し、運営の民営化を推進するという基本的なスタンスについてはこれまでと同様」とはっきり答弁されていることから、政治判断により進められてきた公共温泉施設民間譲渡については、何ら「方針転換」するものではないということが明らかとなりました。
市長、市民に対し、議会に対し、あなたのこの不誠実なふるまいは一体何なのでしょうか?
また、市長は自らスピード感を持って取り組むとして平成28年3月に策定した「公共温泉の在り方・再編方針」において、「今後5年間で全ての施設を維持するために必要な当市的経費は8億円近くにのぼることが予想」され、単年度の財政負担として3億円を超える負担が必要になることを試算しており、「今後の市の財政状況を考慮すれば、その負担は物理的に困難であることが予測される」と名言していることからも、今回の補正、新たな公金の支出は明らかに矛盾しています。
今後投資はできないと政策決定していたはずなのに、その事について方針転換したわけでもなく、この期に及んで一体何を調査するのでしょうか?
わざわざ税金を使ってコンサル調査を行った結果、どの程度であれば改修を行うのか、今後の投資の判断基準、上限を全く想定していないという驚くべき事実も明らかとなりました。
本来は、これまでの民間譲渡の進め方について、反省すべきは反省し、正々堂々、施設ごとの方向性をきちんと示した上で、施設の現状を把握するための調査を行うというのが筋ですし、そもそも、改めて調査をする前に、すでに分かりきっている直営3施設の老朽化について、現場から上がってきている修繕の要望に答える方が先ではありませんか?
自らの政治判断により招いた結果責任を一切とることもなく、またしても市民の血税を利用し、何とかして秋以降に結論を先送りしたいという姿勢が見え隠れするこの補正予算、613万2000円の支出は認められません。
市長。税金を、市の予算を、政治利用することは許されませんし、結論の先送りによって振り回される市民の気持ちをどのようにお考えでしょうか?
議会は、あなたの姑息な時間稼ぎに利用されるために存在しているのではないということを申し上げ、私は、議会人としての責務を果たし、本補正予算案に反対します。
何度読み返しても、市長所信で述べられていたのは「方針転換」だと理解します。なぜ、「民間シフト化を基本に」というような文言を入れなかったのか、この点をとってみても誠実さを欠いているのではありませんか。
3月議会にて突きつけられた「問責決議」という議会の意思をスルーして、躊躇なくまた税金を投入する政治姿勢は全くもって理解不能です。
一体、いつまで結論を先送りし続けるのでしょうか?横手市政、これでいいの?
追伸・本会議の最後の方で、所属する総務文教常任委員会・青山委員長から「所管事務調査の報告」がありました。
災害時の避難行動についてということで、議員間討議によって導き出した以下の論点
①避難方法・避難所の在り方について
②備蓄の在り方について
③災害時の情報伝達手段について
④防災リーダーの育成について
⑤災害弱者の不安解消について
私達の委員会が1年以上をかけ、避難所の視察や青年会議所の皆さんとの意見交換会、地域での議会報告会など、対話をベースにとりまとめた即実行すべき重厚な内容となっております。
詳細については、今後の議会だよりや市議会ホームページにてお知らせいたします。