奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

一方的な「横手スキー場廃止」事案から、「公共施設の最適化」を考える。

2018-11-29 23:18:47 | 日記

12月議会が開会し、昨日は一般質問の通告日。そして今日は、第1回目の議会だよりの編集会議を行った。

かつては、紙面をどう埋めるのかという議論をしていたような気がするが、今は何をどう割り当てるかという紙面構成に苦慮する傾向が続いている。

というのは、一般質問の登壇者が想定に近い人数を維持していることと、「Y8サミット」や「議会報告会」の概要報告には大きくスペースを割きたいし、せっかくの小学生による議場見学や行政視察報告もきちんとお知らせしたい…

次第に広聴活動も充実してきていることから、今後紙面を持て余すことはないかもしれない。限られた予算、限られた紙面の中で、いかに分かりやすい議会広報活動を展開していくかが目下の課題だし、先般の行政視察で学んだことをさっそく紙面づくりに反映させたいと考えているところだ。

先月の議会報告会では、ある会場で「議会だよりが読みやすくなった」という有難い言葉を頂いていることからも、常に意識高く、広報広聴活動を充実させようとしていることは確実に市民に届いているものと励みになっている。

改めて、議員各位のご協力に深く感謝申し上げたい。

立ち止まることのない私たち広報広聴委員会の活動に今後ともご注目頂き、忌憚のないご意見ご要望をお寄せいただければ幸いに存じます。


さて、12月定例会開会日の27日(火)。

今議会も市民生活に密着した様々な議案が提案されているが、特に、「平成31年度組織機構再編案」と「横手スキー場の廃止」がクローズアップされていて、私を含め4名の議員からは、市民不在で一方的にスキー場を廃止しようとする当局の姿勢に厳しい指摘が相次いだ。

横手市財産経営推進計画(FM計画)によれば、横手スキー場は「平成33年度で廃止」することとしており、昨年7月の大雨により一部斜面が崩落し復旧には多額の費用を要することからも、「前倒しで廃止」したいというのが、市の考えのようだ。

既に営業が停止されている大森スキー場と山内スキー場の廃止条例案も、どういう訳か今議会に提案されており、これで横手市内のスキー場は、増田の「天下森スキー場」ただ一か所となる。

そもそも、FM計画で「横手スキー場は廃止」になっていることが、どれだけの市民に浸透しているのだろうか?廃止することを「決定事項」として当局は粛々と仕事を進めているつもりなのかもしれないが、公共施設の再配置の議論に広く市民が絡んでいくことの重要性は様々な場面で指摘されていることで、住民協議会開催の事例は全国に広がっている。

「今後あらゆる機会をとらえて市民説明を行う」というが、すでに議案として上程され所管委員会に付託された今になって、何をどう「説明」して歩くというのだろうか?そういう姿勢こそ、これまで繰り返し議会で指摘され続けてきたことであって、市民に対する決定事項の押し付けではないか。

しかも、スキー場を所管しているスポーツ振興課は、現在は市長部局のまちづくり推進部に所属しているが、機構再編案が可決されれば、来年度からは教育委員会の所管に戻ることとなる。

責任の所在は一体どうなるのだろう?

意思決定前の平場のオープンな議論がいかに大切であるか。近隣の事例として、湯沢市の取り組みが地元紙で度々紹介されているが、先般の県南議員研修会で学んだことを改めて振り返ってみることにしたい。

「公共施設の最適化に向けて~議会としての関わり~」と題し、湯沢市のアドバイザーでもある川嶋氏の講演。



少子高齢化社会によって人口構造が変化してきている中にあって、「公共施設そのものが高齢化」しているというのは共通の課題であり、合併市町村であればなおさら、縦割りで造り続けてきた似通った施設が乱立していることからも、「十分に使い切れている施設であるか」というのがまずは大切な視点であると言えよう。

県南4市の共通項として、市民一人当たりの抱える公共施設の面積が広いことと、30年経過した施設が40~50%を占めていて、耐用年数が迫る中で「今どうするか」が問われているのだ。

国は全ての自治体に対し、そういった公共施設の管理計画を策定することを促していて、今から具体的な行動に移していかなければ、将来世代に対し老朽化した大量の公共施設をそっくりそのまま引き渡すことになる。

だからこそ、横手市においては財産経営推進計画(FM計画)において「総量の4割削減」という果てしない目標を掲げているものと理解している。

しかしながら、
目の前の施設を具体的に減らしていく時に、そこに暮らす住民にしてみれば、行政の一人よがりで進められてはたまったものではない。たからこそ、広く「合意形成を図る」ことの重要性が指摘されている。

横手市では確かに全体計画はできている。今後残していく施設のマネジメント計画をいかにしてつくっていくかが課題であって、まずは行政としてどうしたいのかということを、議会はもちろん広く市民に理解していただくプロセスを経なければ、議論がかみ合うはずもなく、「総論賛成、各論反対」に陥るのが関の山だ。

そういう意味では、前提として、市民アンケートに最低限FM計画を理解しているかどうかの設問がない横手市の今後の施設展望など、何ら具体性のない夢物語だという指摘を受けるのだと思う。そもそも、FM計画の理解度を深める努力がどれ程なされているのかも疑問だ。

よって、「横手市のスキー場は、『天下森』一本でいきたい」というのも、何ら合意形成が図られていない「行政の都合」の域を出ていない。

今後新しくハコモノを建てたいのだとするならば、まずは各施設の利用状況、維持費、どこに課題があるのかということを点検しながら、全ての情報を広く市民と共有を図らなければならない。

「施設カルテ」を作成する事例というのは、各施設において客観的な評価をしなければ課題は見えてこないからであって、今まではいつ建てて耐震ができているかどうかが判断基準の大部分を占めてていたが、利用状況についての「機能評価」をきちんとしていくことが求められている。

行政はそういった情報をフルオープンにした上で、「全体像をみた中で行政としての説明責任」を果たしていかなければならない。グランドデザインを語れというのは、そういう意味なのだ。

「点ではなく面」で捉え、一つ一つは必要な施設だとしても、徒歩圏内に同じような建物は無いか?「時間と空間を使い切る」姿勢。

「機能と性能」で施設を評価した上で、ふさわしい管理手法を模索していくことが大切で、施設を無くした場合の「代替案」を示すことなく突き進んでしまえば、それが住民との対立の元となり、「行政の思い上がりでつくられた計画」の押し付けは、結果としてまわり道になるのだという。

ありがちなアンケート調査だけでは、施設の管理計画をつくるプロセスの中にどれだけの住民の意思が反映されているかはなはだ疑問だし、「パブリックコメントにおいて特に反対意見はなかった」からといって、市民が承知しているという認識や、「市報やホームページ等あらゆる媒体を通じて周知した=住民から承認されている」という感覚こそ、大いなる思い込みと勘違いなのだろう。

ユーザー(使用者)の声を大事にする一方で、オーナー(納税者)の声を、いわゆるサイレントマジョリティーの意識をどう反映させていくのかということも、個別施設の方向性を語る上で行政の大きな責任となってくる。

市民参加を促していくことはすなわち、これまでは「他人事」だったまちづくりを「自分事」にしていくための入り口であって、行政側がひな壇に座って決定事項の説明会を開き、対面に座る住民からの突き上げが起こるというやり方から、ワークショップや「公開型事業仕分け的手法」などのように、意思決定の前に幅広い方々が集まって住民同士で話合いを行う手法にかえていくことこそ、これからのスタンダードにしていかなければならない。

以上のことを踏まえて、果たして横手市における住民との向き合い方はどうだろうか?

ユーザーだけで、大規模開発を推し進めようとしてはいないか?

「議会の議決」を盾にして、「決定事項」を住民に押し付ける市民説明会を開こうとしてはいないか?

議会改革を突き詰めていくと、「参考人制度の活用」というところに行きつく。

陳情者を委員会にお呼びして意見を聞くというケースは度々行われているが、議会としての政策提案や意思決定の過程に、専門家や当事者の声を聴くことの必要性が促されている。ホワイトボードを活用した議員間討議による議論の見える化を進めるなど、目下、改革意識が加速している横手市議会では、現在具体的な話し合いをしていることを付け加えておきたい。

公共施設を有効的かつ効率的に使用する手法としてすっかり定着している「指定管理者制度」。

これはあくまでも「手段」であって、「目的」であってはいけないとの指摘がある。

今議会は大量の指定管理議案が提案されているが、最近の横手市の手法では公募しても申し込みが1者だけだったり、そもそも非公募であったりすることからも、「選定手続きの透明化」を図りながら「外部評価」を加えるなどきちんとした検証を重ねていくも、公共施設の統廃合を考えていくうえで大切な視点だという。

公共施設の再配置と公共交通の充実はセットで議論していかなければならない。

議会報告会でも毎回強く指摘されている通り、高齢化社会を住み慣れた地域で豊かに暮らしていくために待ったなしの課題だし、「駅前ににぎわいを生み出したい」とする一方で、免許を返納して足のない人たちがどうやってそこまでたどり着いたらいいのかというフォローが一切示されていないのが実情だ。

建てることがまず先にあり、中身の議論が後回しにされている。「総量の4割削減」といいながら、既存施設はどうなるのだろう?

どのような施策を実現させるために、そのハコモノが必要なのかを示していただけないのだとするならば、新しく建てる根拠が土台から崩れることにもなる。

この分野について学べば学ぶほど、横手市の進め方は逆行していると言わざるを得ない。財産経営の担当部局はこういった手法について十二分に研究しているはずなのに、それが組織全体で撤退されていないのだろう。

そんな中で、今回の私の一般質問は、組織の視点から市役所庁舎のあり方について切り込んでみたいと考えている。

すっかり長文となってしまい恐縮ですが、以下、通告内容をそのまま掲載します。

~~~~~~~~~~

1.「平成31年度組織機構再編方針」に込められた市長の政治姿勢について

今後の地域局体制と市民協働のあり方について。
この度の組織機構再編に当たり、第一案として「地域局を廃止する」方向性が唐突に示されたことからも、現在の市政運営には、現場を軽んじている印象を受ける。
地域の特性を活かしながら市民と共に協働のまちづくりを進めていく上で、本庁と地域局における人員配置や予算と権限のあり方をどのように考えているか。
あわせて、拠点となる庁舎整備の方向性を踏まえたグランドデザインを問う。

~~~~~~~~~~

12月4日(火)の2番目。おそらく11時過ぎ位になるものと思われます。

議場での傍聴、ネット配信にご注目いただければ幸いです。

 


気仙沼から戻り、明日から12月議会。

2018-11-26 23:57:30 | 日記

22日(木)~23日(金)は、全国若手市議会議員の会東北ブロック臨時総会と研修会に参加するため、宮城県は気仙沼市へ。



横手でも初雪を観測した23日朝は、気仙沼もチラチラと白いものが舞っていた。冬の風が冷たく、防寒着を持っていかなかったことを少し後悔…

前回7月の塩竈・岩沼研修から新たに全若の仲間に加わって頂いたご縁での気仙沼開催。改めて、未曽有の震災から7年と8か月。瞼の裏には、テレビ画面を通しての大津波と海が燃えている衝撃的な景色が蘇ってくる。



地元の方の話を聞き、三陸の海を眺めていると、復旧と復興は別問題であるということを実感する。

菅原気仙沼市長との意見交換も大変貴重な経験となった。振り返りは後日にします。


そして、車を走らせ大仙市へ。

母校・大曲高校陸上競技部OB会総会に出席。予定より出発が遅れたために大幅に遅参してしまったが、7年ぶりの都大路出場をお祝いするためにも、何としてでも駆け付けたかった。

中締めをせよとの有難いご指導。気仙沼の話をさせて頂いた。

校舎の4階まで浸水したという気仙沼向洋高校。震災遺構として保存工事が進められていて、来年3月からは一般公開されるようだ。

今は少し離れた高台に新校舎が整備されていて、3年間プレハブで学び卒業していった生徒たちも多いと聞いた。

リアス式の三陸は平地が少ないことから、平らな場所はほとんど仮設住宅が建てられたそうで、学校の校庭やグランドというのは真っ先に候補地となる。

一方で、何不自由なく学業はもちろん好きな競技に打ち込むことのできる環境というのは、それだけで有難いことだし、感謝をしなければならないと思う。

全国大会というのは、郷土の誇りはもちろん、そういった全国各地の仲間たちの様々な想いを背負って挑む舞台なのだ。

最後まで喰らいついてほしい。卒業生はもちろん、地域の方々も応援しています。頑張れ大曲!


これで、1か月続いた出張(北・東日本ツアー)は一区切りで、明日から12月議会に突入します。

震災から立ち上がった自治体というのは、そもそものまちづくりに対する覚悟が違うし、「市民と一緒に」という意識が徹底されている。そうしなければ、共に未来を創ることなどできないからなんだろう。


消防議連研修会。

2018-11-21 22:59:15 | 日記

今日は、横手市議会の消防団関係者で組織する消防議員連盟の研修会が行われ、まずは現在建設中の仮称・南分署の視察を行った。



増田・十文字地域をカバーする新しい消防署は、女性署員の勤務を想定した施設整備が行われていて、年度末の完成に向け順調に工事が進んでいるようだった。

また、今議会には現在の8消防団体制を統合し、横手市消防団として一本化する条例改正案が提出される運びとなっている。

消防本部から詳細の説明をお聞きし、各消防団長さんを交えて意見交換を行った。基本的に8消防団は「師団」として存続することとなり、我々の活動自体大きく変わるものではない。

市町村合併から13年。県内で唯一統合ができていなかった消防団が歴史的な局面を迎える。

丁寧な議論を進め、現場が混乱せず新たなスタートを踏み出せるように、行政と現場を繋ぐ消防議連の役割をしっかりと果たして参りたいと思っている。


さて、昨日の12月議会議案説明会に引き続き行われた、行政課題説明会。
建て替えが予定されている十文字地域局庁舎と雄物川庁舎の図面が提示された。

両施設共に、「建てる方向」で着々と手続きが進められており、現場の地域局としては「必要な機能」を盛り込んだ提案を一生懸命にされているが、地域の拠点として無くてはならない庁舎整備を進める上で、エリアはもちろん、市全体のグランドデザインがあいまいであることによって、「必要だ」としている根拠がどうしても後付けに聞こえてしまうのは私だけではないはずだ。

「地域局機能を充実させてほしい」という私たちの想いと「ハコモノを建てる」という行為については、切り離した慎重な議論をしていかなければならないと思っている。

8月21日に示された「横手市の施設展望」について、あれから早3か月。

住民理解が深まっている形跡はないし、私たちは、要求している資料を基にした取捨選択のための突っ込んだ議論を求められてもいない。「それ以上でも以下でもない」という「たたかれ台」のままに、新年度当初予算にぶち込んでくることだけはやめて頂きたい。

「最優先」としている横手駅東口再開発に市がどのように関わって、どんな公共機能を持たせたいかという議論をする前提として、影響が出てくるであろう施設の全体的な調整は、当たり前に行わなければならない。

ただ単に必要な機能を積み上げただけのハコモノの連発で、どうやって市民の理解を得ながら「総量の4割圧縮」が実現できるというのか?

あれもこれもで、調整機能が働いていないと指摘せざるを得ない。そういえば、「部局横断」という言葉を一切聞かなくなった。

議員全員協議会という、部長以下幹部職員が勢ぞろいしている中で、議員として多角的な議論ができる数少ない機会…

現場の地域局が答える範疇にないことなど理解した上で、しかるべき方に対し、あえて市全体の施設のあり方について問うているのにも関わらず、「担当が答えられる質問をしなさい」と縦割りの議論を強要されることには戸惑いを感じている。

であれば、「関係のない職員」をわざわざ貴重な時間を費やして全協に拘束する理由などない。所管する委員会において、関係する人たちだけで「狭い議論」をし続けたらいいではないか。

そんなことで、ライフスタイルが多様化し複雑になっている住民ニーズに対応できるはずもなく、地域に根差した「市民協働」など夢のまた夢…

ただ「やりたい」だけの提案をスルーしてしまう議会は、「足を引っ張って」はいないのかもしれない。しかしそれは、政治家として未来への責任を果たしているとは言えないと私は思う。

「やりたい」と「やらなければならない」は似ても似つかない話。そもそも、切実な地域要望にきめ細かく応えきれているのか?

時計の針は止まってくれない。

目の前の施設が無くなり、新しくなる市役所組織はどちらを向いているのか。そのことについて正面から議論しなければならない12月議会は来週に迫っている。


議会愛。~クロスロード体験ワークショップ~

2018-11-19 23:01:00 | 日記

一応タイヤ交換を済ませたものの、冬将軍の気配はまだ先かな?

ゆるきゃらグランプリに輝いた「カパル」君。先日お伺いした埼玉県志木市のキャラクター。そういえば、「なぜカッパなんですか?」と質問させていただいた。何はともあれナンバーワンというのは素晴らしいことです。おめでとうございます。


さて、北海道から帰り先週は宇都宮へ。

13日(火)は、全国若手市議会議員の会災害対策研究部会と女性活躍推進部会共催による研修会が行われた。
統一選の年ではあるが、こうして部会主催による研修を積極的に開いて頂けるのはありがたいことだし、関東ブロックを中心に北は東北、南は九州と、各地から多くの仲間がかけつけてくれた。

翌日開かれた全国市議会議長会フォーラムに参加された方も多かったようで、ナイスタイミングの企画だったと思う。まずは設定頂いた両部会長に感謝申し上げたい。

研修の内容は、「クロスロード体験ワークショップ」。

この「クロスロード」とは、阪神淡路を教訓につくられた災害対応のカードゲームで、様々な設問に対し自らの問題として置き換えてYesかNoかをカードで示し、正解のない難しい判断をどんな理由で下したのかという意見を発表し合うことで、「様々な意見や価値観を参加者同士で共有」することが目的のようだ。

避難所に集まっている住民に対し、全員に行き渡る備蓄食料はない。配るか配らないか、さてどうする?

出産や介護を理由に議会を欠席するかどうか、その理由は?

といったような設問に対し数秒でジャッチを下さなければならず、必ずしも議員という立場ではなく、様々なシチュエーションが設定されているものだから、悩ましい判断の連続であった。

災害時は特に、市民の立場、行政の立場、議員の立場というように、立ち位置が変わった時に果たして同じ判断をするのだろうか。自分にとって正しい道だと信じて下した決断が、相手の立場になってみれば、それが果たして正解なのだろうかということを大いに考えさせられた。

だからこその、日頃からの対話と真の協働が重要なんだと思う。

一つ一つの設問に対し、わが市の防災計画上どんな行動をとるのだろうかということを、少なくともチェックしていかなければならないし、想定外を埋めていくためにも、それでいいのかという問題提起もしていかなければならないだろう。

また、今年度全若に新たな部会として「女性活躍推進部会」を新設したのは、女性が政治に参画しやすい社会のあり方を模索しつつ、議員活動と家庭の両立という課題を通して、働きやすい議会とはどうあるべきかを具体的に提言できればとの思いからだ。

議会運営上様々なケースを想定し、今の時代にあった会議規則に改正していくことが、政治に対する門戸を広げ、幅広い人材が政治の世界にチャレンジできるきっかけにも繋がっていくのだろう。

今回ファシリテーターを務めて頂いたのは、茨城県取手市議会事務局の局長補佐。

先般のマニフェスト大賞で2年連続の優秀賞を獲得したという「議会愛」を前面に出した秀逸のプレゼンは、議会と事務局の関係性としての鏡だったように思う。

常に対話を重視した「チーム議会」としての様々な取り組みは、ぜひとも議会改革の参考にしていければと思っている。

新たな出会いもあり、多くの学びと気付きがあった、有意義な時間であった。受け入れて頂いた関東ブロックの皆さまもありがとうございました。






翌14日(水)は、地元大雄地域局との懇談会。

大雄地域局独自の取り組みである、全集落を巡回して行っている座談会にて出された様々なご要望を共有させて頂いた。

地域局という立場から、出来る事とそうではない事があるのにも関わらず、現場の最前線で、額に汗して市民に寄り添う姿勢というのは本当に頭が下がる思いだ。

今後の活動の土台としていければと思う。


16日(金)。

午前中の議会改革推進会議に引き続き、午後からは「Y8サミット創快横手市議会」。夜のNHKニュースでも取り上げられていたようだ。

市内7中学校の生徒代表が、「いじめ等を学校からなくし、快適な学校生活の創造を目指した『横手市中学校創快宣言』に基づくこれまでの取り組み」について発表し、議員が質問をするというスタイルで行われた。

私は出番なしではあったが、約3分で質問し中学生の答弁を受け、一言感想を言って終わるという流れ。それが淡々と繰り返されていく…

基本的に教育委員会マターで行われている現在の中学生議会について、必ずしも横手市の手法が正解という訳ではないだろう。少なくとも、生徒が市長に質問するケースと議員が生徒に質問するケースと大きく2つに分けられるし、聞くところによると、各地で様々な興味深い取り組みも行われているようだ。

全若でも結構話題になる「子ども議会」のあり方。

これも、我々広報広聴の課題だと思っている。


17日(土)は、地元たいゆう保育園の発表会。大盛況でした!




明日は議案説明会など。いよいよ難問山積の12月議会に突入します。


議会広報で先進地視察。~戸田・柏・志木~

2018-11-11 21:45:48 | 日記

例年よりは暖かい日が続いているのでしょうか。5日連続の出張から戻りました。

5日(月)と6日(火)は、広報委員会の行政視察で首都圏方面へ。

視察団団長として冒頭にご挨拶の機会を頂くというのも、ありがたい経験です。感謝の気持ちを表しながら、短時間で横手のPRもしなければなりません。



まずは、埼玉県戸田市。

荒川を境に東京都と隣接する18.19㎢に約14万人が暮らし、新宿まで電車で20分というアクセスの良さから、県内一人口が増えている、ボートで有名なコンパクトなまちである。

また、年間約10,000人の人口が入れ替わり、高齢化率16%で平均年齢は40.6歳という我々とは真逆の傾向にあり、子育て世代をターゲットにした様々な施策を展開する「若いまち」でもある。

やはり表紙の写真はそれを前面に出しており、題字の「とだ」は、市内小中学校をローテーションして子どもたちが書いているんだそうだ。



「常任委員会の年間活動成果」という特集コーナーがとても興味深く、それぞれの委員会が一年間の活動テーマを設定し、月に1回程度調査研究を行い、執行部に対し具体的な提言書の提出まで繋げているという活動の成果が大変分かりやすくまとめられていた。



決まったことだけを羅列する議会だよりではなく、こうした日常の議会活動の成果をしっかりとアピールしていくことも議会改革の一環として物凄く大切な要素なんだろうと思う。ぜひ参考にしていきたい。

議会モニター制度については、導入してはいるもののやはり共通の課題があるようだ。モニターさんの声を議会だよりに反映させるという意味では、上記した委員会活動報告の掲載に結びついているようで、読み手の立場にたった紙面づくりを進めるために大きな意義があるのだろう。

オプショナル研修としてお願いした、「戸田市シティセールス」も秀逸の内容。

広報戦略一つとってみても、血税を投入するにあたり明確なターゲティングと戦略が感じられる。

呼び込んだ人をどうやって定着させていくかという明確な課題に対し一つ一つが具体的だし、何より緻密な分析に裏付けられた覚悟を感じさせる取り組みの蓄積があって初めて、「選択されるまち」に「市民が誇りを持って住み続けられるまち」になるのだと痛感した。

目的、政策効果、責任、全てが曖昧な「シティセールス」など、単なる自己満足だと笑われてしまう。


続いて、千葉県柏市。

都心へのアクセスが抜群によく114.74㎢に424,000人が暮らす、こちらも人口が増加しているまち。

2020東京オリンピックのホストタウンとして、ラグビー・ニュージーランド代表、あのALL BLACKSの事前合宿誘致に成功した何ともうらやましいまちでもある。人脈に加え、施設が整っていることと、民間企業の協力も大きいようだ。まさに、オール柏。

こちらが議会だより。



左はよくあるザ・議会だよりで、これを「より見やすく読んでもらいやすいデザイン」とするために、平成29年に大きなリニューアルを行ったそうだ。

「Gikai-plusかしわ」のプラスとは、「見やすく・わかりやすく・読みやすく」という3つをプラスしたいという思いを込めたロゴマークのようで、中核市議会議長会で表彰を受けている、まさに「議会をもっと知りたくなる情報誌」と言えよう。

編集作業を外部委託しているというのが大きな特徴で、各社から完成形のイメージを提案してもらうプロポーザル方式により業者選定をしており、「職員からではこんなアイデアは出てこない」というのが、議会事務局の方々の率直な感想であった。

1面には定例議会で話題になった案件を一つピックアップし、従来型の文章中心ではなく、「写真やイラスト・図等のビジュアルを多用し『読み見せる』市議会だよりにシフト」。縦書きから横書きにリニューアルしたことによって、傾向として横文字や数字が多い紙面が格段に読みやすくなっている。

いわゆる概要の記載はどこにもなく、議案のピックアップと各議員の一般質問、そして議決結果の一覧の掲載が中心で、とてもシンプルな内容。

「文字の羅列」からの脱却は私たちも課題であり、「いつ会議を開いて、それから委員会に付託をして…議案〇〇号〇〇の条例…」というような一方通行の表現を乗り越えて、今議会では具体的に何が決まって市民生活にどんな影響があるのかということをピンポイントでお知らせすることも、読み手の立場を考えた議会だよりの役割であるような気がしている。


最後に、埼玉県志木市。

9.05㎢に約35,000人が暮らす県内最小の市。市役所の窓から見えた大きなマンション群は富士見市だそうで、志木駅も住所としては新座市にあるという、人口は微増中のまち。

議会運営委員会が議会だより編集委員会を兼務しているというのが特徴的で、表紙にやはりインパクトを感じる。



左が市報で、右が議会だより。とても似ている…

何でも、「Shiki」の文字は議会がオリジナルなんだそうだ。

私たちと同様に表紙の写真は議員自ら撮影していて、議会中話題になったテーマに出来るだけ沿うかたちで題材が決められている。

ちなみに、この定例会では「男性が家事に関わる取り組みについて」という一般質問をした方がいて、「おんどり料理教室」という男性が調理する姿を取材されたそうだ。

私たちは市内7中学校の取り組みを絶賛紹介中だが、今後の展開としてこういった視点で表紙を考えていくというのも、大変おもしろい取り組みだと思う。

3市議会共通の課題としては、配布方法が挙げられる。

全戸配布をしようとしても低い自治会の加入率が根底にあって、新聞折込の他、公共施設、スーパーやコンビニ、金融機関など人が多く行き交う場所に置かせてもらうなど様々な手段で配布を行っているようだ。

そうした背景から、議会活動を広く市民にお知らせするために、いかにして多くの市民の「目に止まる」議会だよりにしていくかという切実な想いが、様々な改革に取り組む原動力でもあるようにも感じた。

「良いとこ取りでいいんです」。

私も全く同感だ。これまでの経験から、町村議会は総じて広報の充実に取り組んでおり、全国町村議会議長会でコンテストを行っていることからも、意欲が高いように感じている。

そうした興味深い取り組みを参考にしながら、分かりやすい表現に積極的にチャレンジしていきたいし、ネット全盛の時代にあって、敢えて紙でお知らせすることの意義を意識しながら、引き続き双方向の紙面づくりに取り組んでいきたいと思う。

様々な視点から「広報広聴の充実」を突き詰めていくことはすなわち、議会改革そのものであるということも、改めて感じたところだ。

移動、移動で息つく暇のない慌ただしい日程ではあったが、お陰様でとても充実した視察研修を行うことができた。どこの議会も定例会の狭間に行政視察に出かけているであろう大変お忙しい中をご対応下さった皆様に、改めて深く感謝申し上げます。

学んだことを共有しながら今後の紙面づくりに活かすため、さっそく振り返りのための委員会をセットしたい。


追伸・そして、北の大地へ。

ゆうばりから、始めよう…

地方自治に携わる全ての人に捧げる、夕張市で見て聴いて感じたこと。