奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

秋田の教育力。

2016-10-24 22:09:27 | 日記

今日は午前中、総務文教常任委員会の協議会が行われた。

と言っても、終わったのは1時。昼休みをまたいでしまったことは恐縮に感じている。
やろうと思えば1日がかりの重たい案件ばかりだったように思う。

往往にして、新しいことを始めるよりも今まで続いてきたことに終止符を打つ時の方が大きなエネルギーを必要とする。

決断したことは、確かに立派だとは思う。

しかし、地域づくりに特効薬はないし正解もない。

自分たちにも責任があるし、率先してやらなければならないことも多分にあるであろうことは申し添えた上で、どうやってレールに乗せていくか。持続可能な「地域づくり」を行っていくのか。

評論家でいてはいけないのである。


さて、昨日は恒例の地元3福祉施設合同によるふれあい祭りが行われた。

次の予定があったため、残念ながら少しだけの滞在ではあったが、利用者の方々や職員の皆さんの手作り感満載のお祭りに、いつも元気を頂いている。

最近はどういう訳か、地元小学生の出番が無くなってしまっている。

大和更生園・ユーホップハウスについては、民間運営の方向性が示されている中で、やはり地域の施設、地域で支え合うという気持ちを大切にしながら、これからも関わりを持っていかなければならないと思っている。


そして午後からは、「平成28年度学力向上フォーラム」に途中参加。



この取り組みは、秋田の教育力発信事業として県教委の主催、市教委との共催というかたちで行われているもので、横手市内4小中学校での公開授業、秋田ふるさと村ドーム劇場を会場に行われた講演・パネルディスカッションという2部構成となっており、全国各地より1000名を超える小中学校の先生方をお迎えして盛大に開催された。

私は所要のため、パネルディスカッションだけ聞かせて頂いたが、実際に授業をみて講演を聞いて、全日程を通して学ぶことによって、「秋田の教育力」の本質を肌で感じることができたのだろうと、とても残念に思っている。

現在オール秋田で取り組んでいる「探求型授業」は、これまでの講演型授業から脱却し、自ら学ぶ主体性を育むもので、次期学習指導要領に盛り込まれるこの「アクティブラーニング」においては、すでに秋田はその先頭を走っているということである。

実際、山梨から参加された先生からは、「主体的な授業を心がけているもののなかなか児童生徒の発言が出てこない」といった実情が紹介されていたが、

・まずはグループ分けして少人数から始めること。

・子どもたちの主体性に任せて広がりすぎた議論をどうやって絞り込んでいくか。

・エラーの中にもキラリと光る発言がある。教師自身がそれに気付いて拾い上げることができるのか。

・みんながうなずいて聞いてあげるなど、温かく受け止めてくれる雰囲気をつくりながら、聞き手を育てていくことも必要。

ということである。

大阪の先生からは、「公開授業をみていて授業力の差をあまり感じられなかった」というご発言があり、先生方の大量退職による世代交代をどのようにスムーズに進めていくかということに関しては、

・各学校における共通実践が徹底されている。

・課題に応じて今年何をやっていくのか、板書構成も含めた共通実践を行っている。

・秋田はいち早く少人数学級が進められており、より良い授業を行うために、教科の壁を越えた協同研究を行っている。

ということなど、授業づくりについて個人から多くの人が関わりを持てるようにすることによって、確かに存在する「授業力」の差を、one for all all for one の精神で作り上げているのだと感じた。小中連携についても確かな成果に繋がっている。

「沖縄の学力が向上したのは、平成21年から行っている人事交流の成果だ。秋田の先生方は『探求型』という意思統一が徹底されている」というのは、沖縄からお越しになった先生の言葉である。

中学校での「講義型」が多い理由としては、出口である高校入試対策のために、そもそも入試問題そのものが基礎基本を問うものとなっている関係で、どうしてもそうせざるを得ないようであるが、県教委では、入試問題にもPDCAサイクルを徹底していて、せっかくの「探求型授業」が高校入試にも繋がっていけるような改革にも着手しているようだ。

学ぶことによって、子どもたち自身が自分たちの手によって秋田の未来を創り出していくんだという意識づけ、郷土への誇りを持つことに繋がっていかなければならないし、まさに秋田の教育が日本をリードしているんだということを改めて再認識させられた貴重なお話だった。

秋田のとっておきは、「学び」だと思う。

秋田で学ばせることの価値に自信を持って、山村留学を地域を巻き込みながらやっていくこと。目先の人口増減に一喜一憂することなく歩んでいくことが大切である。

そういうことも踏まえた上で、やはり午前中の授業もみたかったなとすごく後悔している。

我々の時代とは確かに違っている。秋田の教育は物凄いことになっている。


ペーパーレスへの道。

2016-10-22 23:11:57 | 日記

昨日は、栃木県小山市議会と野木町議会から4名の公明党議員会の皆様が横手市にお越しになり、「コミュニティFMを利用した市議会の紹介について」と題し、行政視察が行われた。

広報広聴委員会広報分科会として、佐々木分科会長と私、事務局の担当職員と3名で対応をさせて頂いた。

私自身、このテーマでのプレゼンは2回目ということではあったが、分かりやすくご説明できたかなと反省しきりである(汗)

せっかく遠路わざわざお運び頂いた議員の皆さんが、地元に帰って政策提言をする際の一助に少しでもなれたらなという思いで、できるだけ生の声をお伝えしながら精一杯務めさせて頂いた。

プレゼン力の向上を目指し、日々勉強である。


さて、県内2例目として、横手市議会にタブレット端末が導入されてから早1か月。

17日(月)には、会議システムを運営する企業の担当者をお招きし講習会が行われた。

実際に本会議場で行うことによって、通信状況の確認も含めて雰囲気を味わうことができた。

実は、すでに行われている様々な会議ではペーパーレスとして動き出しており、これまで郵便やFAX、電子メール等でやりとりしていた事務連絡も、タブレットを活用したグループウェアシステムに変更され、今のところ大きなトラブルもなく順調に進んでいるやに見受けられる。

慣れている人もそうでない人も、とにかく毎日触ること。

ベテラン議員が、出欠連絡の返信にしっかりコメントを残されているのを見ていると、改めて「慣れること」の大切さを実感している。

広報分科会では、議会だよりの編集作業は、半ば強引に(笑)完全ペーパーレスに移行した。



これ、この間の編集会議の様子。

これまでは、校正作業に必要なゲラ刷りをその都度8人分準備して、約2時間の会議が終わればその紙はもう使い道がなくなるわけである。

裏返して自宅のプリンターに入れて、FAXの受信に活用したりはしていたが、そもそも最近はFAXのやり取りもめっきり減ってきていて、他にもメモ用紙にしたりなど、配られる膨大な紙をいくら再利用しようとしても追いつかない状況だということは、皆さん共通の認識であると思う。

一部、まだ開催通知や式次第がプリントアウトされている会議がないことはないが、こういうものこそ真っ先に無くしていかなければならない。

タブレットを導入した一番の成果として言われるのが、「紙がいくら減ったのか」ということだと思う。実際、小山市議会の方々からも、私がタブレットを使って説明していたのをご覧になられて質問されたのはこの部分であった。

電子化によって削減できる紙・印刷代、郵送費等々の年間の見積もりは150万円程としているが、形式を重んじれば残さなければならないたった一枚の紙を無くすこと。そのことをゼロベースで思い切って断行するということを積み重ねていかなければ、目に見える効果としてお示しすることは難しいのだと思う。

もちろん、これまでの議論の中で、本会議でいきなりペーパーレスというのは無理があるだろうということは話し合われてきた。

先進地では、どこも最初は紙とタブレットを併用しているし、移行期間というものは必ず必要である。

横手市の場合、議会が先行導入で当局はまだというイレギュラーな状況でもあり、いつどのタイミングでというのは、今後の経緯を見守る必要がある。

ただ、私たちが導入したシステムは、「議会」での使用が前提のかなり使い勝手がいいものになっていて、実際に使ってみての声を集めながら、まだまだ進化の途中である。

せっかくの大きな画面。1つの端末で2つの資料を同時に見比べられたら・・・ということは、要望として言わせて頂いた。

近い将来訪れるであろう、完全ペーパーレスの議会に向けて、もしかしたら、今は想像もつかないような新しい技術が生み出されるかもしれないということを前提にした上で、恐れず怯まず、減らせるものから減らしていく。そういう姿勢が大切なんだと思う。


もう一点、タブレットを導入した効果として付け加えるべき大切な要素は、「速やかな情報共有」である。

これまでは、所属していない委員会での議論は数日後に資料が配られるだけで、やりとりの詳細までは、情報を得ようとしなければ入ってこなかったのが実態である。

現在は、事前に会議資料が見られるようになっていて、前もって準備をして会議に臨むことができるようになっている。

(もっとも、この部分については、紙媒体の時からできるだけ会議資料は事前に配布するよう徹底されてきてはいるが・・・)

私は、以前から他の委員会ではどんな議論をしているんだろうな、誰がどんなことを話しているのかなと興味津々だったし、今後調整が必要だとは思うが、当局からの情報提供も含めて、みんなが等しく情報を得ることができるようになったら素敵だ。

私みたいに知らないことが多い議員にとっては尚更である。


検索機能。

配られたっきりで説明を聞いていないことも、「検索」をかけることによって「発掘」できるかもしれない。

過去に、いつ誰がどこで何をしゃべったのか?

逃げも隠れもできない状況が、タブレットを手にすることによって、今この瞬間に生み出されるのである。

議会としてのチェック機能を最大限発揮しダイナミックな議論を展開していくことによって、タブレットを導入したことの意義、その「費用対効果」を、白日の下にさらすことができるものと思う。

私たち「タブレット端末導入推進会議」の役割も、これで終わりではない。

益々意義深いものになっていくだろう。そうしていかなければならない。







文化は人生を面白くするスパイス~若市議東北ブロック研修Part2~

2016-10-17 21:48:38 | 日記

今日は、午前中に横手かまくらFM「もっと教えて、横手市議会」の収録があり、午後からは本会議場にてタブレット端末の操作講習会が行われた・・・

詳細は改めるとして、まずは前回の続き。


仙北市役所田沢湖庁舎での研修を終え、宿泊地であり翌日の会場でもある、あきた芸術村「温泉ゆぽぽ」へ移動。

秘書時代から何かとお世話になっていて、いつも来る度ごとに感じていたことであるが、わらび座の皆さんのおもてなしの心、さりげないお心遣いにはいつも感動させられる。

「たざわこ芸術村」から「あきた芸術村」へと名称が変わったことからも、この場所は秋田の財産であり、お客様に自信を持ってお勧めできる郷土の誇りである。

2日目の研修は、あきた芸術村・㈱わらび劇場の山川社長のご講演。



「今、地域劇場がおもしろい。」

東京からくる文化でなければ価値がないという時代は終わりを迎え、クリエイティブに表現する力、そのセンスを地域がどうやって身に着けるのかが重要だということである。

そういう意味でも、秋田人というのは四季の移ろいを体質として備えており、わらび劇場のモットーは、「衆人愛敬~心を育てるビジネスを通じて社会に貢献」ということで、「奇人」、「変人」こそが時代を突破できるのだという山川社長の熱い想いに、序盤からすっかりと引き込まれてしまった。

わらび座の歴史を紐解くと、さかのぼること1953年。

東京や大阪でなければ文化は成功しないと言われていた時代に、9名のパフォーマーが東京から秋田へ移り住んできたことがすべての始まりである。

地域に溶け込み、地元農家の方々の作業を手伝いながら、歌踊りを習ったというのがわらび座の原点とも言える。

全国800万人からの寄付を下に、田んぼの真ん中に建てられた「奇跡の劇場」は、今や年間200ステージ、5万人の来場者を誇る。

修学旅行の受け入れも年間150校を越えていて、観劇だけでなく受け入れ農家700軒と連携した農業体験も一体的に行っているそうだ。

インバウンド対策というものは、全国の地方の奪い合いに他ならない。だからこそ、周遊観光という意味でも北東北、東北一円がまとまっていくことが大切だということである。

地域連携、広域連携・・・

課題は明白、それしかない。

㈱わらび劇場が現在、ホテル経営や温泉、地ビールやブルーベリーの生産、工芸館の運営などを行っている理由はただ一つ、公演活動、劇団を守るためだそうだ。

それが、あきた芸術村の「芯」なのだ。

地方の第三セクターが行き詰まりつつある理由も、地方創生の名の下に、それぞれのまちが何をオンリーワンとして売り込んでいったらいいのかということを考えた時、よくよく考えていかなければならない大切な視点であるように思う。

「文化劇術と教育」というお話では、発達障害やひきこもりなどの問題というのは、言わば現代の社会構造が引き起こした産物であり、「演劇情動療法」という考え方の下、例えば認知症患者に演劇を観せることによって、「楽しかった」という感覚が脳の奥底を刺激し、豊かな表情を取り戻しているという事例も実際にあるようだ。

また、民間企業と業務提携を結び、社員教育を行っている点については、人気番組「カンブリア宮殿」でも取り上げられている通りである。

「コミュニケーション力とは、空気を読む力ではなく、互いの差異をすり合わせること。考える力より感じる力。喋る力より聞く力」という言葉がとても印象に残っている。

学力日本一と言われている秋田の子どもたちに、この感じる力が加わったら・・・

考えるだけでワクワクしてくるではないか。

物を売る物販があるように、感動を売る、文化を届けるというしかけをわらび劇場は取り組んでいるのである。

最近は「地域の宝物シリーズ」ということで、大曲の花火や、今冬には横手のかまくらを題材にした小劇場公演も予定されており、ぜひとも地域の子どもたちには、地元の宝をわらび座のミュージカルを通じて感じてほしいし、そのことによって更なる「感じる力」を育むことができるものと確信している。

私も小学生の頃、母校の小さな体育館のステージで、わらび座の劇を観させて頂いたことが、今でも強烈に印象に残っている。

本物を味わう経験というのは、人が豊かに育っていくうえで欠かせないスパイスなんだと思っている。

山川社長がおっしゃっていた、「地域に根差し、東北が一つになって」という理念は、私ども若市議の活動と一致している。

このご縁を大切に、これからも様々な場面でご指導頂きながら、東北の活性化のために共に歩んでいければと思っている。


午後からは、現在公演中の「ハルらんらん♪」のご案内を頂いていたが、地元行事のために失礼させて頂いた。

想えば、3年半前に秋田に帰ってきてからもここしばらくは、わらび座のミュージカルから遠ざかってしまっている。

そういえば、妻にもまだ観せたことがない。久しぶりに時間をつくって楽しませて頂こうと思っている。


改めまして、わらび劇場の身様には、心温まるおもてなしを頂きましたことに深く感謝申し上げます。
仙北市の地方創生特区の取り組みと同様に、わらび劇場の挑戦に、これからも心を寄せて参りたい。



追伸・昨日、横手市民会館を会場に行われた「第1回横手市子ども伝統芸能発表大会」。

地方創生事業の一環で今年度から始まった「横手を学ぶ郷土学」を具現化させる取り組みの一つである。

地域の祭りや伝統芸能というものは、それぞれの地域に根差したものである。

ともすれば、同じ横手市と言えども別の地域のそういった歴史伝統文化には、これまであまり関心を寄せてこなかったのかもしれない。

横手市民一人ひとりが、横手を改めて見つめ直すこと、横手の魅力を改めて深く知ることに繋がるとても大切な取り組みであると思う。

これからも、皆さんに支えて頂きながら、意義深いものに育てていかなければならないと思っている。

ありがとうございました。








特区は首長のやる気から~若市議東北ブロック研修会Part1~

2016-10-15 21:58:54 | 日記

一面に広がる刈取りの終わった田んぼをみていると、確実に近づいてくる冬の足音を気にせずにはいられない。

本当に、季節の移ろいは物凄く早い・・・


さて、11日(火)と12日(水)は、「全国若手市議会議員の会東北ブロック」研修会のため、仙北市田沢湖へ。
済んだ空気と抜けるような青空で、秋田駒ケ岳の山頂まではっきりと望むことができた。

研修に先立ち開かれた臨時総会では、これまで代表として私たちの先頭に立ってこられた青山先輩が、この8月末をもって2年間の任期を終えられたことで、会員の総意で「顧問」に就任いただくべく規約の一部改正を行った。

青山顧問には、引き続き大所高所からご指導頂ければ幸いです。



私自身9月1日付でブロック代表という要職を仰せつかってから初めての催しを迎えるにあたり、会計の年度締めが終わっていなかったこともあって、新事務局長の佐々木にかほ市議との引継ぎが十分にできておらず不行き届きの点もあり、会員の皆さんには色々とご迷惑をおかけしてしまった。

しかしながら、全国会長である伊藤香取市議には、超多忙を極める中を千葉県からわざわざお運び頂き、遠路福島や宮城はじめ、県内の多くの同志が参集し盛会裏に開催することができたことは本当に有難く思っている。

特に、庁舎建設問題で揺れる中、特別委員会や決算審査が同時に行われていたのにも関わらず、仙北市議会の若手三羽烏には何から何までお世話になった。

特に、お二方には前年度まで監事を務めて頂いた関係で、東北ブロックの運営に多大なるご貢献を頂いた。

皆さんのご協力に、改めて深く感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。


研修の1コマ目は、「仙北市地方創生・近未来技術実証特区~農林・医療などの総合的な交流拠点を目指して~」と題し、仙北市役所の小田野地方創生・総合戦略統括官よりご説明を頂いた。



3町村合併から11年目に入った仙北市においても、ご多分に漏れず、少子高齢化による過疎化の進展が大きな課題となっている。

国においても、様々な岩盤規制を突破するための実験的な取り組みとして「特区」制度を用いており、平成27年3月の国家戦略特区2次指定から、「地方創生特区」ということで仙北市の取り組みが始まっている。

ちょっと驚きだったのは、特区に指定されたからといって手厚い交付金がきているわけではないということである。

特区に指定されただけでは何も起きない。あくまでも、やる気のある地方自治体が規制改革を行っていくことで地方創生に結び付けていくことがねらいなのだ。

この「やる気」というのがなかなか難しいところだそうで、新しい提案というのはこれまでの行政からは出てきにくい状況があり、むしろ首長自身のやる気に市役所職員がついてこれない位の勢いがないと、新しい取り組みは評価されず、特区に指定されることも難しいようだ。

そして、いざ指定されたとしても、規制緩和された状況の中で事業を展開していくことは思ったよりも難しく、基本的に自治体が自らやるというよりも、民間事業者がやりたいことを、規制緩和をうまく活用していく中で事業の幅を広げていくことが望ましい。

具体的に仙北市が取り組んでいる事業(総理大臣から認定された事業)としては、

1.「国有林野の活用促進」として、600㎢にもおよぶ国有林と民有林を併用した効率的な林業経営や、家畜の放牧・加工施設や農家レストランの経営、ネイチャーゲーム等自然と触れ合うための環境整備を行っている。

2.「農業法人経営多角化等促進事業」として、農業法人に係る農地法の特例を活用した株式会社が、特産品の加工販売を行うことで、6次産業化を加速させている。

3.「高齢者退職者就業事業」として、県のシルバー人材センター連合会と連携して、元気で意欲のある高齢者に仕事を提供し、1次産業の労働力確保を目指している。

4.「NPO法人の設立手続きの迅速化」ということで、規制緩和を活用してこれまで認証に2か月ほどかかっていたものを2週間に短縮させることによって、地域活動・コミュニティビジネスの担い手と市が連携し、協働したまちづくりを加速させようとしている。

他に、現在調整中の新規事業としては、

「温泉活用・湯治型ヘルスケアの推進」を目指して、北投石が存在し湧出量日本一を誇る強酸性泉の玉川温泉での湯治をさらに進化させようとしている。

同じく北投石を持つ台北市と協定を結び、外国人医師等が行う臨床修練等に係る特例を活用した医療と国際交流。

ヘルスケアツーリズムということで、一度医療機関で体調チェックを受けて頂いたお客様が、温泉に入り、ウォーキングをしたり地元の健康食を味わう等々の指導プログラムの構築。厚労省が指定する「温泉利用型健康増進施設」の規制緩和も視野に入れつつ、市内の施設を活用して、市民の健康増進を図ることによって、医療・介護費の削減に繋げていく取り組みも模索しているようだ。

横手市の「健康の駅事業」においても大いに参考になる部分であると感じた。

また、農家民宿が個々で行うサービスには旅行業法が適用されないが、まとまったかたちで商品企画や料金徴収を行おうとすると同法に抵触してしまうため、「農家民宿等の団体が行う農林業体験サービスにおける旅行業法の適用除外」についての規制緩和も提案しているようだ。

グリーンツーリズムを戦略的に行うことによる交流人口の拡大、インバウンドの取り込みによって地域全体の活気につなげていくという部分についても、大変興味深い取り組みである。

「ドローン」については、西明寺小学校と中学校の間を飛ばして図書輸送の実験をしたり、「ドローンインパクトチャレンジアジアカップ2016」を開催したほか、「近未来産業振興への道」というお話が興味深かった。

門脇市長は、この地を「ドローンバレー」にしたいということを常々おっしゃっているそうで、先日テレビのニュースで取り上げられていたが、子どもたちへのプログラミング学習やドローン操縦者の育成講座、関連産業の新規参入の受け入れ等、長い目で見て、ドローンを学んだ子どもたちが、その経験を地元で活かせるようにするための取り組みも行っている。

「Senboku flight Planning」ということで、新たな産業づくり支援協議会を立ち上げたり、9月から12月にかけては、「近未来産業体験プログラム」を実施し、ドローンに対する知識と操縦を学ぶ機会を提供するなど、まさに「日本再興戦略2016」にも掲げられている「第4次産業革命」の先端を走る可能性が、ここ仙北市に秘められているのだ。

農林業や温泉等、地域資源をフル活用する一方で、しっかりと将来を見据えた成長産業にも力を入れている仙北市における地方創生特区の取り組みは、地域に根差しながら非常に夢のある取り組みであると感じた。

首長の突破力。

想いをカタチにすること。

「やる気」を「政策」に変えること。

改めて政治家の存在意義、大切なことを教えられた、とても刺激的な研修であった。

次回に続く・・・


ランナー・ファースト~横手ファンを増やすために~

2016-10-10 21:40:54 | 日記

先月17日に始まった今年の稲刈りも本日無事終了。

最終盤は雨との戦いでもあった。想定よりも収量が多く、実際にコンバインで刈り取れなかった1本の稲穂を手に取ってみても、ずっしりとした重みを感じた。

豊かな実りに感謝、感謝である。


さて、昨日行われた第1回よこてシティハーフマラソン。



まずは、ご参加頂いた皆さん、運営に携わってこられたすべての方々に心から感謝を申し上げ、敬意を表するものである。ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。

全国各地から1200名の市民ランナーが、秋の横手路を爽やかに駆け抜けた。

私も陸協の一員として運営のお手伝いをさせて頂いたが、今回のコースは田園地帯が多く遮るものもないため、ランナーにとっては強い風と時折降りしきる冷たい雨がさぞかし苦しかったに違いない。

私が担当した地元八柏交差点付近には、近所の皆さんはもちろん、車でわざわざ応援に駆け付けて下さった方もいて、沿道からの温かい声援が向かい風に立ち向かうランナーたちの背中を押してくれているようだった。

これが、シティマラソンの醍醐味である。

地元出身で、アテネパラリンピック金メダリストの高橋勇市選手、そして、お隣大仙市出身でこの度のリオデジャネイロオリンピック日本代表の佐々木悟選手には、大会に花を添えて頂いた。

全国各地、数多のマラソン大会の中から、これからも全国の市民ランナーに「よこて」を選択して頂くために必要なこと。

今後もこのマラソン大会を続けていくためには、よく反省し改善しなければならない点も多いように感じる。

これはお祭りイベントではない、「ランナー・ファースト」の視点。

私自身、横手市陸協の末端の一員として協力は惜しまないつもりである。


この3連休、各地で様々なイベントが行われていたようであるが、日程を調整せよなどと言うつもりはない。運営主体が違うのだから仕方ない部分もあると思う。

しかし、外から来るお客様にとっては横手市内でイベントをやっていることに変わりない。

だからこそ、きちっと連携することが大切である。そうすることによって集客や売上の意味でも相乗効果が高まるし、何よりも横手を好きになってくれるお客様を増やすことに繋がる。

それを主導するこそが、行政の役割だと思っている。無関心ではいけない。

先日、人気テレビ番組で「横手やきそば」が取り上げられていたから尚更のことである。

横手市民が横手を深く知ること。そして、横手の魅力を発信し「横手ファン」を増やしていくこと。

全てはそこに繋がるのだと思う。繋げなければならないのだ。


追伸・ハーフマラソンのお役目を終え、冷え切った体にカップ麺の温かいスープを流し込んで(笑)、湯沢市へ移動。自衛隊出身者で組織する、隊友会秋田県南支部協議会の懇親会へ参加。

会長には秘書時代から可愛がって頂いており、皆さんお世話になっている方々ばかりである。

湯沢ということもあってか、横手市議会防衛議員連盟からは私1人であった。

いざという時に、何かあった時に頼りになる存在、それが自衛隊であるということは国民共通の認識だと思う。

これからも、防衛省自衛隊と国民を繋ぐ架け橋として、隊友会の皆さんの活動が益々地域に根差したものとなっていくことを願ってやまない。