奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

陸前高田の今。~北東北若手議員の会研修会Part1~

2016-09-30 22:23:43 | 日記

稲刈りが始まって2週間。

何日か雨に見舞われた日があったものの、今のところ完全休止は1日だけ。

おおむね順調に進んでいる中を一時離脱し、27日(火)に行われた北東北若手議員の会・わらし塾定例会に参加するために、岩手県は陸前高田市へ。

秋田からは私一人。初めての地ではあったが、横手からは2時間半ほどで到着。以外に近かった。

市役所庁舎は仮設のプレハブ。



研修会場の議場もこんな感じ。



2期目までの議員はかつての庁舎を知らないそうである。

あの日から5年半。今も、幹線道路は土砂を摘んだダンプカーが砂煙を上げてひっきりなしに走っていた。

震度6弱、最大17.6Mもの津波が市の総面積の5.5%を襲い、死者行方不明者は1759名(全人口の7.3%)、家屋の被害は8029世帯(市内総世帯数の99.5%)という甚大な被害に見舞われた陸前高田市。

元の生活を一刻も早く取り戻すため、そして、災害に負けない安全なまちづくちのために、防潮堤を整備し、新たな高台住宅の整備や、高さ120mの山を半分以上削って、その土で浸水区域のかさ上げを行っている。



その、削った山の上から見た景色。

約300ha、総事業費は1200億円、対象世帯2000戸の被災市街地復興土地区画整理事業。

中央に流れる川の手前側が、削った部分。そして、奥の方に見える茶色い部分が浸水域で、すべて盛土を行っている最中。

小さく見える重機は海外のもので、50トンダンプは公道を走れないらしい。総延長約3kmのベルトコンベアを導入することで、手前の高台部から川を渡ってかさ上げ部へ1日20,000㎥、10トントラックで4000台分もの土を運ぶことができ、これによって工期が6年短縮できたそうである。



車窓からみた様子。この高さまで盛土している。

何度も現地に足を運んでいるという地元県議の言葉が印象的だ。

「それでも、よくここまで来たよ・・・」

いわゆる「奇跡の1本松」。

過去の度重なる津波から高田のまちを守ってきたという、約7万本の高田松原の松は震災により流失し、その中で唯一残ったのがこの「1本松」である。

何度も報道されていたのでご存知の方も多いことと思うが、枯れてしまったこの松を復興の象徴として後世に受け継ぐためにモニュメントとして保存され、この場所には、国立の追悼施設がつくられることも決まっている。

どんなに強固なハード整備を行ったとしても、100%被害を防ぐことはできない。
それが、この度の教訓である。

だからこそ、避難する時間を確保することが大切で、消防団から50人もの犠牲者を出してしまったことから、団員自身も高台に避難するルール、20分経過したら浸水域から必ず脱出するというルールを決めて、これを徹底しているようだ。

現在、どこの自治体でも作成しているいわゆる災害弱者の名簿についても、援護者の自宅を民生委員の方々がまわっている最中に津波にのまれてしまったという傷ましい教訓から、その方たちを誰が支援するのかというのが大きな課題である。

昼間は若い人がいないことから、やはり自主防災組織をきちんと立ち上げて頂き、相互の助け合いに委ねる部分も多いようだ。


最後に、今回私たち12名の若手議員をお出迎え頂いた、及川副議長の言葉を紹介したい。

・津波の被害にあった他の地域では、浸水域で商売を始めて潤った人も多い。しかし、高田では1人たりともそんなことをしている人はいない。高台につくられたプレハブ商店街で、みんなで商売をしている。

(この仮設商店街の解体費は、国で面倒をみてくれないというおかしな制度になっている。)

・やはり財産権、きちんと登記されていない土地の問題。これによって復興に大きな時間を要している。

(土地のかさ上げをするのにも、一軒一軒ハンコを押してもらわなければならない。一時的に市が所有者から土地を借り上げられるような措置を、国が特例で一時的に被災自治体に権利を認めるなどの法整備が、やはり必要である。)

・この地域だから、この位の被害で済んだ。東海・東南海・南海トラフの巨大地震が発生したら、そこに暮らす人の数も世帯数も比較にならない。今回のことを良く検証し、それぞれの立場で発信をしてもらいたい。

教え子を何人か無くしているという副議長の言葉は、私たちの心に重く響いてきた・・・

あれから5年半、まだ、何も終わっていないのである。


そして、2011年4月。当時大学生だった熱い男が東京から乗り込んできてどんなことをしたのか、次回に続く・・・


議会の活性化~タブレット端末の導入~

2016-09-25 22:22:24 | 日記

最近、かなり厳しい言葉を使い過ぎたと思っている。少し控えよう・・・


さて、横手市議会では議会改革の一環として、木村議長より諮問を受けて平成27年3月よりタブレット端末導入にむけての議論を重ねてきた。

同年4月には先進市視察として、東京都立川市と埼玉県飯能市を訪問。実際に議会に導入している様子をじっくりと学ばせて頂いた。

その後、情報政策課の協力を頂きながら全議員を対象とした勉強会を開くなど、タブレット端末への理解を深めながら、その必要性についての意思統一を図ってきた。

そして、これまでの議会改革推進会議で積み重ねてきたものを引き継ぐ形で、同年12月「タブレット端末導入推進会議」が設置され、これまで14回、当局側とすり合わせをしながら、プロジェクトチームで導入に向けての詰めの作業を行ってきた。

そしてこの度、21日(水)。ついに、全議員に対しタブレット端末が配付(貸与)された。

県内では五城目町議会に次ぐ導入で、まずは、来月末に予定されている全員協議会・行政課題説明会に向け、ペーパーレスが進められていくことになる。

議会最終日では会議規則も改正され、次の議会からは、本会議場でタブレットを使用することができるようになった。

普段触っている人も、そうでない人も、まずは慣れること。

早速、議会事務局との連絡はグループウェアで行われていて、会議の開催通知や出欠確認が迅速に行えるようになるなど、早くもその効果が表れ出している。

膨大な会議資料をデータ化し、さらに会議システムとして共有されることによって、どこにいても必要な情報を瞬時に取り出すことができるという意味では、日々の議員活動が劇的に変わるものと思う。

本会議等での議論においても、そういった裏付けとなる数字、文言、過去のやりとり等をしっかりと示すことができることによって、議論に深みと重みが出てくるものと思うし、「言った」だの「言わない」だのが無くなり、思い込みの質問も少なくなっていくものと思う。

だからこそ、早く当局側も導入して頂き、本会議でも委員会でも、お互いが同じ環境でしっかりとした議論ができる環境を整えていかなければならない。

単なる紙の削減だけではない。

何のためにやるのか。

私自身、これまで一貫してこのプロジェクトに携わってきており、常にそういう視点を外さないよう心掛けてきた。

実際に動き出してみて、色々と詰めていかなければならない部分も見えてきてきた。確かに前例があまりない。しかし、これからの議会活動の必須アイテムになりうると思っている。

議会の活性化と見える化。

横手市がこの分野の先進地だと言われるように、これからの運用面についても深めていかなければならない。

最近、地方議会を取り巻く不祥事がまた続出している。

各々がきちんと使いこなすことによって、その「効果」を、合わせて議員としての「責任」もお示ししていかねばならない。


追伸・先週始まった我が家の稲刈り。中盤戦に差し掛かったかなという本日、やっと現場に降りました。



感覚を取り戻すまでは、まあ下手くそですね・・・

今のところ、昨年悩まされたカメムシ被害もなく上々の出来です。心なしか、稲穂もずっしり重いような気もします。

週明けも結構忙しいのですが、ここしばらくは田んぼ中心の生活となります。




総括質疑、裏話。

2016-09-24 23:08:11 | 日記

決算議会とも言われる9月議会は昨日閉幕を迎えた。

平成27年度一般会計歳入歳出決算の認定については、賛成13、反対9という僅差での「認定」となった。
(私は反対)

数字的には問題のない決算認定がこれほどの僅差だったというケースは、極めてまれなことであり、異例なことであると感じている。

「重く受け止めて・・・」というようなことをおっしゃっていたが、そのことについて私からどうこう申し上げるような立場ではない。もしもその気があるのなら、きちんと態度と結果で示して頂ければいいだけの話である。


私の総括質疑。様々な反響があった。

一つだけ付け加えさせて頂くとするのならば、9月30日、何ともいえない絶妙なタイミングで、増田庁舎のグランドオープニングセレモニーが行われるようである。

このことはいつ決まったのだろうか?

20日付の開催通知が関係議員に配布されたのは、21日の昼休み。そう、私が質問を行う直前である。

そうしないと、午後からの市長答弁との整合性がとれませんからね(笑)

誰の判断で、どういう意思決定のプロセスを踏んで、あのタイミングでお知らせしたのだろうか?

質問が終わった後に通知すると「聞いていない!」と言われるからなのか?そもそも、私が質問通告していなければ、このお知らせは無かったのだろうか?

あまりにもひどい、その場しのぎの対応と、責任回避の自己防衛本能。

年長者に対して発してはいけない言葉であることは十二分に理解しつつも、人間対人間の筋道の話であえて言わせて頂ければ、「なめるなよ」という気持ちである。

実はこの瞬間、すでに血圧MAXだった(笑)

当然のことながら、増田地域の関係者の方々、地域の皆さんにも広くお知らせしていますよね?

地域に渦巻く「不信感」を払しょくするためにも、改めて地域の方々にしっかりと頭を下げるべきである。そうしなければ、信頼を回復することも、これから先、みんなに愛される施設にしていくことも不可能であると思っている。

これと似たような経験、実はつい最近もあって、3月議会の際、補正予算の審議の中でDMOについて噛み付いた直後に、勉強会の開催案内ビラが控室に配られていた(笑)

お蔭で、貴重なお話を聞くことができたことについては感謝してますが。


私は今回の質問で、「聞かれなければ答えない姿勢」について鋭く指摘させて頂いた。

担当者は、「そう言われても・・・」という心境なんだろう。

1から10まで説明せよと言っているつもりはないし、何をいつどのタイミングで、どういう言い方で発信するのかというのは、マネージする立場にある方々の「感性」の問題である。もちろん、正解はない。

その部分が著しく欠けていることが、末期的なこの状況を招いている証であるように感じている。

その答弁、本当に本当にそれでよかったんですか?
「無視」されたのは、そういうことだったんですね・・・

これ以上は書かない。


誰がどこで何を決めているのか分からないという、今の横手市役所で巻き起こっているこの非常事態に対し、視点を変えて必ずまた挑む決意を申し上げて、通告に代えます。



本当に、いろいろあった9月議会でした。そして、多くの事を学びました。



「丁寧な説明」とやら~決算特委・総括質疑を終えて~

2016-09-22 22:53:26 | 日記

長丁場だった9月議会も明日が最終日となる。

開会当初から中盤にかけてあれだけ厳しかった残暑が、今やすっかり肌寒ささえ感じる。


さて、昨日行われた決算特別委員会での総括質疑。

はい。時間切れでした。もう30分あってもよかったです。
最後の5分は個人演説会になってしまいました(猛烈に反省)。

それにしても、質問を無視するということが実際にあるんですね。
いい勉強になりました(笑)

普通は、「誰が答弁するの?」という感じで関係する人同士がお互い顔を見合わせて、必ず誰かが手を上げる。副市長や市長が答えるというのが普通のパターンだったのに、私の追質問の1回目、みんな無反応でビクともしなかったから驚きだ。

その間、およそ10秒程、横手市議会議場は時が止まった。

持ち時間30分のカウントダウンは止まりませんが・・・

1秒でも惜しい私は一気に血圧が上がってしまい、自分で手を上げてまた質問をし出してしまった。
あれだと議事録が繋がりませんね(反省)。

当局側の「執行権」の過大解釈。

それに尽きるんだと思う。

繰り返し繰り返し言われてきた「説明不足」という言葉。

当局に少しでも政治センスがあれば解消できる問題である。

いつも手続き論で物事の本質にたどり着かない理由が、この「説明不足」というフレーズだった。

当局と議会に「信頼関係」というものがあったとして、それを徹底的に壊したいのであれば、かつてあったどこぞの市長のように、議会を開かず「専決処分」を連発したらよいではないか。

その方が逆にすっきりすると思いますよ。

「丁寧な説明」とやらを実行するつもりがないのなら、上っ面の言葉など発するべきではない。吐き気がする。

「オープンリノベーション事業」とは、「公共施設を有効活用することで地域の活性化に結び付けて、若手のクリエーターを育てたい」ということが、横手市としてのねらいの一つであり、増田庁舎1階にフリースペースができたというのが、この事業の大きなポイントの一つである。

当初、3月31日までに工事を終えて、にぎわいを生み出したいとおっしゃっていたものの、図書館がオープンしたのは7月20日、カフェは9月11日から、貸事務所に入るはずの事業者は、契約が成立しているとはいうが、今日現在まだ入居していない状況である。

その理由が驚きだった。

「一部屋全部は広すぎて必要ない」

必要ないものをなんで作ったんですか?

需要のないものを、補助要件を満たすために無理やりくっつけた。地域が望んでいないことをいくらやったって、それでどうやって地域に愛される施設になどなり得るのだろうか?

確かに、きれいな図書館は完成した。7000万円かけたのだから当然と言えば当然である。
しかし私には、誰のため、何のためのリノベーション事業だったの?という印象だ。


ここからは、前回のブログでも触れたように、議場で約束したことと結果が違っているということについて。
この部分が、今回の質問のクライマックスだった。

まず1点目、「エレベーター設置工事は外付けで行う」という約束。

まず、その答弁に噴飯した。

「現在設置した階段の場所に、認めて頂いた予算の範囲内で工事が完了できる見込みという提案が設計業者からあったので・・・」

「市民が2階に上がることが目的であって、エレベーターの設置場所を事細かく説明する必要はない」

「丁寧な説明」はどこにいったんですか?そこまではっきり言い切りますか、普通。

外付けでやるといったのにやっていない。なぜそうなったのかを説明しないということが大きな問題ではないか。
その認識が当局には全くないのである。


もう1点は、1階での総合窓口について。

リノベーション事業によって行政機能が全部2階に上がることになったため、1階に総合窓口を設け、市民の皆様にはその場所でワンストップで対応するという約束だった。

決して、エレベーター設置とバーターではなない。

常に、総合窓口でお客様対応をするということが約束であったはずだ。

しかし、エレベーター工事が終わった8月末以降現在に至るまでの窓口対応状況は「職員不在」である。「都合により窓口業務は2階で行う」という、ずいぶん冷酷で上から目線な対応である。

少なくとも、私が先日増田庁舎に行ったときはそういう状況であった。

「そういう日も実際にある。職員が休暇を取る場合がある。他の会議に出てその場所を空ける場合もある。どうしても1階に下りてくる職員が不足する場合がある。」

これは答弁か?ただの子供じみた言い訳ではないか。

「1階でワンストップでやる」と言ったんだから、貫いて下さいよ。

しかも、「初めてのケースであるこの増田庁舎の総合窓口が指針となって、他の地域局にも広がってくれることを期待する」ということを、副市長が地域の方々にお約束をしている事実もある。

できない理由を並べることほど、見苦しいことはない。

できないんだったら、初めから、こんな「リフォーム事業」などするべきではなかった。このことを一体誰が責任を取るのか?

ブレすぎ、場当たり、その場しのぎを繰り返す今の対応・・・

みなさんがおっしゃる「丁寧な説明」という言葉は、もう信じないことにする。

部局横断?

地域局全体を統括するための「まちづくり推進部」?

看板倒れ、ここに極まれり。


横手市役所組織の状況は、いよいよ土俵際である。

それでも私は、「こうすればいいんじゃないか」ということを徹底的に訴え続けていく所存である。
立ち止まっている暇はない。


30分1本勝負です。ぜひ録画をご覧下さい。
(ユーチューブですので、スマホからでもご覧いただけます)

→ http://www.city.yokote.lg.jp/gikai/movie000687.html










総括質疑の通告内容~増田庁舎リノベーション~

2016-09-19 21:30:34 | 日記

30キロの米の重さがずっしりと体に染みる。

現役のころは片手でヒョイヒョイやってた感じだったのに(笑)


さて、21日(水)に行われる決算特別委員会総括質疑の通告内容をお知らせします。

~~~~~~~~~~

「増田庁舎オープンリノベーション事業」にみる現在の市政運営について

1)増田庁舎を「リノベーション」したことによって、何が生み出されたか。同事業の成果と進め方についての総括を問う。

2)平成27年11月臨時議会での議決以降、グランドオープン(エレベーター工事の完成)に至るまでの事業に進捗状況について問う。

3)総事業費71,771,480円の内、国庫支出金は34,600,000円となっている。横手市としての国の補助事業等に対する考え方について問う。

4)地域局とは、市民にとってどんな存在であるべきか。

~~~~~~~~~~

以上です。おそらく、午後イチになるんじゃないかなと予想しています。


この増田庁舎の改修は、このブログでもたびたび取り上げてきた。

皆さん、すでに完了した事業という受け止め方なのかもしれないが、ここで指摘しておかないとうやむやになってしまう感じがして、あえて、総括質疑としてやらせて頂くことにした。

議場で答弁したことと、実際に起こっていることが違う・・・

その1点で挑みたい。

現在の横手市政を象徴している事案だと思っている。どうぞご注目下さい。