奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

「暑い年」の締め括りに〜ちっぽけな一農家の「声なき声」〜

2023-12-31 22:00:18 | 日記

ご無沙汰しております。奥山豊和です。

 

間もなく、「最も暑い年」が終わろうとしています。(平地には)雪のない横手のお正月というのもいつ以来でしょうか?

専業農家として、まさに自然に翻弄された1年でもありました。

作況「やや不良」が示す通り米の収量は減りましたし、1等米比率が6割を切るというのは猛暑の影響でしょう。

高温障害により米が白く濁り等級が下がってしまうというのは、農家の収入に直結する問題です。

我が家は自らの努力・設備投資で、数年前からドローンと色彩選別機を導入しカメムシ対策は万全なのですが、お天道様のご機嫌で経営に影響が生じるというのはいかがなものでしょうか?

もっと言えば、「等級」なるものに何の意味があるのでしょう?

おかげさまで親戚や友人から、我が家の米は「おいしい」という評判を頂いております。

経費をかけて土づくりや除草をし丁寧な仕事を心がけ、「求められる米づくり」にプライドを持って取り組んでいる自負があります。

大雨被害や水不足の影響により収穫ができなかったという農家さんに比べればまだ、恵まれていると言えるかもしれません。

現場にいる名もなき一人ひとりの農家は、物価高、燃料費高騰という外的要因も続いている中で、歯を食いしばって生きているのです。

そこにきて「水田活用直接支払交付金」、いわゆる「5年水張りルール」を徹底しようという動き。

「米依存の脱却」を上から押し付けてきたのはどこの誰でしょうか?

「米依存だから人口が減る」と言い放った政治家もいましたね。

人口減少により、米の消費は年間約10万トンずつ右肩下がりだと言われていますが、今年も市場では「米が足りていない」ようです。

そりゃそうでしょう。

手間暇(+経費)をかけなければ、絶対に収量は確保できません。植えて放置しているだけの、雑草だらけの田んぼの米が美味しいはずもありませんし。

市場では、作付面積から上がってくる米の量を想定するのでしょうが、この暑さの影響、高齢化や担い手不足の影響もあり一枚一枚の田んぼから微妙に収量が減っていけば、売る米が足りなくなるのは必然です。

そういえば、農村では朝晩に自転車に乗って「田まわり」をするおじいちゃんの姿がめっきり減ってしまったような…

現場に人が足りない。気候や生態系を含めて、農村の風景というものは以前と全く違ったものになってしまいました。

 

田んぼに人がいないということは、「担い手の育成」が全く追いついていないということを物語っています。

広大な農地を守る担い手の育成、そのために具体的に何をしているのでしょうか?

我が家は来年も作付面積が若干増える予定です。離農する方の農地を請け負うことになります。

小規模零細の兼業農家で後継者はいるのですが、機械が壊れてしまい更新できないのが要因です。

離農しても近くに受けてくれる農家がいてくれるというのは、幸運なことなのかもしれません。大規模農家はどこも目一杯で人件費負担が重くのしかかります。

家族経営でなんとか回せている我が家もまた、まだ恵まれているのかもしれません。

意欲のある小規模零細農家に手を差し伸べているのか(支援メニューがあるのか)?

作付面積が増え続ける大規模農家は何を求めているのか?

カーボンコピーの前例踏襲の農政ではもはやどうにもなりません。

「スマート農業の推進」はその解ではありません。所詮一部分の手段に過ぎない…

平地でも「耕作放棄地」が目に見えるように増えてきています。

すでにタヌキの住処になり、畑のとうもろこしなどはほぼ全滅ですが、今年異常発生のクマが住み着くことも想定されるのではありませんか?

「農地を守る」ということの意味をもっと真剣に考えていかなければなりません。そこに暮らす人の命に直結する問題です。

 

そして、「あきたこまちR」の問題。

我が家は稲作の専業ですが、この話は最近になって報道で知りました。

「カドミニウムをほとんど吸収しない品種に全面切り替え」をしたいということで、ビラ一枚で「住民説明会」を開いて頂いているようですが、あまりにも唐突ですね。

国内消費が右肩下がりの中で輸出拡大のための「世界基準」だということのようなので、その点だけは理解します。

そもそも、「瑞穂の国」日本において、もともとは熱帯植物だった稲を北海道で作付けできるようになるまで品種改良を繰り返してきた先人たちの努力を忘れてはいけませんし、全国津々浦々、各地域に根ざしたお祭りは豊作への感謝が込められているように、「米は日本の魂」だと言われ続けてきました。

今回の「R」も、冷害に強いコメ、病気に強いコメ、その品種改良の一環だという話であれば理解しますが、どういう訳か「風評被害」なる文言が聞こえてきます。

そこは言い出しっぺ?の県の責任において、現場が路頭に迷ううことのないようにしていただくことに尽きるのではないのでしょうか?

私自身、政治行政から距離を置くようになって、いわゆる「丁寧な説明」というものが所詮政治行政用語に過ぎないものだということに気づきました。

かく言う自分も、当局とのやりとりの中でその言葉をくりかえし使用してきた記憶があります。

再来年度から全面切り替えするんでしょう?

決定事項を事後報告されて、私達はいったいどうしたらいいのでしょうか?

この点からも、政策決定のプロセスにおける「対話の重要性」というものを痛感しております。

そんな中でのいわゆる「ブランド米」と言われるものは、何を目指しどこを見据えているのでしょうか?

縮小市場でのパイの奪い合い、「地域間競争」を煽っているにすぎないのではありませんか?

 

もう一点、秋田県内全域でのJA一本化が頓挫しましたね。

例えば、秋田で市町村合併が一気に進んだのは、県のトップが現場に足を運んでそれを促したことが大きな要因だと思います。

このJA一本化に政治の動きや発信は見えませんし、少なくとも当地域においては、末端の農家の意向を聞くという動きは残念ながらありませんでした。

「何のためか?」という議論も不足していますね。

もはや「総合商社」と化している昨今のJA組織において、県内一本化のスケールメリットが受けられる部分は多々あるような気がしていますが…

そのことも含めた議論が、政治主導で必要なのではありませんか?

 

〜信なくば立たず〜

残念ながら暮れのニュース、相変わらず「政治不信」を助長するものでいっぱいです。

 

身近な横手市政。

市民不在、議会無視は私がいたころからそうでしたから別に驚きはしませんが、ついに「自らの思い」を優先し条例などの根拠すら無きものにし出しているようですね(笑)

議会は最後の砦ですよ。

 

それでも私達は、日々の生活を一生懸命に生きているのです。明日を信じて…

信じられる「明日」をつくるのは、政治の役目ではありませんか?

 

改めまして、こんな私に声をかけて下さり、気にかけて頂いている方々がたくさんいらっしゃることに感謝しながら、来る年も地に足を付けて、私は現場で汗を流していきたいと思っております。

燃料資材高騰の中での低米価では、「もっと働け」と言われているようですので…農家に「働き方改革」は関係ないのでしょうか?

 

ブログでの市政評論が全くできておりませんが、今後ともよろしくお付き合い下さいませ。

ネタはたくさんあるのです…

 

 

よいお年を!

 


実りの秋に。

2023-09-07 21:46:59 | 日記

皆様どうもご無沙汰しております。奥山豊和です。

今年の夏は過去に経験のない酷暑となりましたね。

横手市は観測史上最高の39.2度を記録するなど、もはや真夏日・猛暑日が何日続いたのかわかりません。ジリジリと日差しが肌に突き刺さり、外にいると命の危険を感じる程でした。

そんな訳で、私自身かつてないほどにキンキンに冷えた麦茶とスイカ(+缶ビール)を補給する毎日でした(笑)

マイペースで農作業をしている自分たちは暑さから逃げることができましたが、工期に追われる現場をはじめ、相手のあるお仕事をなさっている方々は、とてつもなく大変な夏だっただろうと推察いたします。

この暑さですから作物の生育も早くそれに負けじと雑草も頑張ってくれるものですから、草刈りは本当にしんどい作業で、圃場を一巡したと思ったらちょうどいいタイミングで草が生い茂っていく…まさに「草刈り無限ループ」を満喫しました。

極力自走式で仕上げは刈払機を使う【二刀流】で。

刈払機のスイングはハンマー投げのそれと通じるものがあって、手先でちょこまか動かすのではなく、腰を落とし体感を意識し上体はリラックスして大きく動かすときれいに仕上がるような気がします。

(最も、振り回しすぎは危険行為なので、近くに人がいないか注意が必要です)

毎日毎日燃料もガンガン減っていきますから本当に大変で、政府はガソリン価格を「175円程度に抑えたい」と訳の分からないことを言っているようですが、世の中ガソリンの単価を気にしなくてもいいような人は一握りです。

子どもの送迎で月3回ガソリンを入れているという話も聞きますし、現場が動くということはそれだけ燃料を使います。我が家も春からどれだけ使ったでしょうか?

燃料代がもったいないからといって手を抜くと、それは品質の低下、収量の低下、ひいては所得の低下に直結します。

人手不足に加え、昨今の燃料費高騰・物価高は全ての国民生活に直撃しています。

何とか、対応をお願いしたいものです。

 

さて、ようやく朝晩は涼しくなり、若干ですが過ごしやすくなったような気がします。実りの秋です。

そんな訳で、我が家も1週間前倒しで稲刈り作業に入ります。

圃場をまわっていると、とっくに刈り頃を迎えている田んぼを多くみかけますが、なぜか現場の動きは鈍いですね。

もはやカレンダーは関係なく、去年までどうだったのかという議論は意味がありません。

出穂からの積算気温到達日がすでに示されていますから、出荷体制も前倒しで進めていかなければ、刈り取りの遅れにより品質が低下し、農家の所得低下に直結します。

この辺りの見極めと適切な指導もぜひお願いしたいものです。

 

「農業は基幹産業」?

補助金を出し手厚く保護していくことだけが全てではないはずです。

生産者の背中を押し、個々の農家にいい仕事をしてもらうためのサポートが十分にできているのかという視点も必要なのではないでしょうか。

 

今年も、各地で災害が多発しています。

身近なところでは、秋田市や県北地域をはじめ記録的な大雨による被害は甚大です。お見舞い申し上げます。

方や、少雨と高温によってまともな収穫が見込めない地域もあるようです。

私達は、高温障害がどの程度出てくるのか刈ってみなければ分かりませんが、たまたま被災せずに「実りの秋」を迎えることができました。

これを「幸運」という言葉で片付けてはいけない程に、いつどこで発生するか分からない激甚化する自然災害。

地球温暖化時代に生きている私達にとって、(繰り返し言われ続けていることですが)住民の命と財産を守るための防災減災対策、国土強靭化対策の優先順位を上げていく必要があります。

 

国、県、市ともに課題しかない中にあって、政治の果たす役割は重要です。

議論しなければならないこと、行動に移さなければならないことは山積しています。

もはや、いつまでも「まったなし」だと言っていられるほど、残された時間はそんなに多くはないはずです…

 

横手市政、揺れていますね。

降って湧いた東口再開発ビルの問題に加えての大型公共施設整備。

「公共温泉」の問題は泥沼です。まぁ、そうなってしまったのは、場当たりその場しのぎの対応を繰り返してきた結果ですが…

 

9月議会が行われているようです。

とても興味深い議論も展開されています。

注目しています。

 

「グランドデザイン」あるのか? ← No

 


出口の見えない「公共温泉」問題。

2023-04-19 23:25:51 | 日記

昨夜は地元「ゆとりおん大雄」にて、市主催の「横手市公共温泉施設に関する意見交換会」が開かれ、某先輩からお誘いを頂きましたので顔を出してみました。

写真では分かりにくいですが、正面は全て青いネットで覆われていました(何年も使われていない2号館まで)。開館から30年、ようやく大規模改修でもしてくれるのかと思ったら、外壁が剥がれ落ちて危ないので、とりあえず人に当たらないようにと応急処置しているだけ(笑)

果たして世の中に、こんな「公共施設」はあるのでしょうか?

こんな状況を放置していて、横手市役所は市民に対して恥ずかしくないのでしょうか?

役目を終えた解体の順番待ちの施設ならいざしらず、料金を頂戴し毎日多くのお客様が利用する「公共施設」の修繕が放置されているという、もはや行政の最低限の責任すら認識していない笑えない我が街…

「予算がない」などとは言えないはずです。

 

さて、その「意見交換会」ですが、市役所からは担当の商工観光部長はじめ商工労働課の皆さんがお越しになり、まずは説明をお聞きしました。わざわざ地域に出向いて下さったことに対しては敬意を表したいと思います。

会場となった和室には、温泉愛好者をはじめとする地域の皆様で埋め尽くされ、関心の高さをうかがい知ることができます。

市の説明は、「①施設の推移・状況」にはじまり、「②施設譲渡後の取り組み」から「③公共温泉施設の方向性案」と資料を元に順を追ってなされたわけですが、平成28年3月策定「公共温泉のあり方・再編方針」に基づき取り組んできたこの大きな課題は、7年という歳月の中で混迷を重ね、もはや出口の見えない状況に陥っている印象を持ちます。

残されたのは、地域社会の崩壊と地域の分断…夢に描いた「均衡ある発展」は一体どこへ?

にもかかわらず、未だ(民間に赤字を背負わせるだけだった)「民間譲渡」なる幻想にすがるのは滑稽で、日々市民に接する現場が気の毒でなりません。

この7年間、根拠のないことをその場しのぎの対応でごまかし、その都度、不必要不適切な公金支出を場当たりで繰り返してきましたから、残念ながらその「方向性案」は全てが矛盾しています。

これまで市民不在・議会無視で、市が勝手に進めてきた「民間譲渡」が失敗したことにも誰一人責任をとることもありませんでした。

市長に突きつけられた「問責決議」は放置されたままです。(改選でリセットされたとでも思っているのでしょうか)

9施設中平成30年に譲渡したのが6施設で、今も民間による経営が続いているのはわずか2施設(雄川荘・えがおの丘)のみ。市に返還された4施設(さわらび・ゆーらく・鶴ヶ池荘・大森健康温泉)は先の見えない休業状態が続いています。

そして、民間の受け手が見つからなかった3施設(ゆっぷる・さくら荘・ゆとりおん大雄)の営業が、市直営で継続されているのいうのは何とも皮肉です。

「温泉施設を市が経営するのは馴染まない」という市の説明は、一部理解できます。

だからこそ、第3セクターが指定管理するというかたちで、行政の責任を明確にしつつ地域ぐるみで温泉という地域のシンボルを守り続けてきたのではありませんか。

確かに、一部経営に問題があったのかもしれませんが、増田・山内・大雄の第3セクターを一方的に解散させたのは他ならぬ市の独断で、出資金も戻らず地域には多大なご迷惑をおかけし不信感を抱かせる結果となりました。

私自身、議決責任と言う十字架を今でも背負っています。だからこそ、自由な立場からこうして発信を続けているのです。

その事実を棚に上げて、今更「民間による運営」だと繰り返すのは矛盾しています。

 

次に、財政的な問題について。

「全ての公共温泉施設は赤字経営となっており、税金から補てんしなければ運営が継続できない」という説明。

市町村合併以降17年間に投じられてきた総額は「44億1000万円」にものぼると強調しますが、体育館・市民会館という大型公共施設に現時点で200億円を投じる一方で、「地域の温泉を切り捨てるのか」という市民の訴えに、納得できる回答を持ち合わせているのでしょうか?

令和3年度に実施した「建物の現状把握調査」によれば、改修工事の総費用を積み上げると10億円に迫り、必要度が高い工事に絞ったとしても、4億円以上の投資が必要となり、これは昨今の物価高資材高等を考慮していないので1.5倍以上になる、だから全ての施設を残すことができないとの説明は、大型公共施設にも言えることです。(200億が300億になるの?)

加えて、人口減少問題。

市内全温泉施設入浴者数の推移から、「平成28年には年間92万人利用していたが、令和3年度には37満員まで減少」している事実は、大型公共施設にも当てはまることです。

そんな大きな矛盾を抱える中で、市が示した「たたき台」は、「一部施設については市の関与を継続」し、市が関与しない施設については「改めて民間譲渡を目指し、令和5年度以降に公募手続きに着手」するというものです。

「市が関与する施設」というのは、建物は市が保有し運営を外部団体に委ねる「指定管理」の手法を検討するとしていて、該当施設は、

 ・ゆっぷる(平鹿)
 ・さくら荘(大森)
 ・鶴ヶ池荘(山内)
 ・ゆーらく(増田)

の4施設。

「市が関与しない施設」は、

 ・さわらび(増田)
 ・大森健康温泉(大森)
 ・ゆとりおん大雄(大雄)

の3施設で、譲渡先が見つからない場合は「施設の温泉以外の活用を検討」した上で、「活用が見込めない場合は、施設を廃止」することとしています。

ここで出てくる課題が、いわゆる同一地域に隣接する2施設の取り扱いです。

平成28年、公共温泉民間譲渡問題に着手した当時は、譲渡できない場合は、まずは同一地域内施設の一方を廃止(施設の総量を圧縮)した上で次の段階に移行する旨の説明がなされていましたから、この点については議会も理解していましたし、多くの方々にもご理解頂けるのではないかと思います。

実際に、昨日の参加者からは「大雄地域には『ゆとりおん』しかないのだ」という切実な訴えがありましたが、なぜ大雄を外したのかについて、残念ながら明確な答えはありませんでした。

根拠のないこと、示せないことを理解しろというのはあまりにも乱暴です。

議員時代、当局の説明で各温泉施設の位置関係と距離を記した地図を見せられた記憶がありますが、昨日は「総合的に判断して…」という何とも端切れの悪い役所言葉に終始していた印象です。

確かに、大雄は横手にも大森にも雄物川にも(大仙市にも湯沢市にも)近い平地にあるので、そちらに行けという認識なのでしょうか?

なぜ市民に対し、「距離だ」とはっきり言えないのでしょう?

特に温泉施設には固有のファンがいます。そこでなければだめだという愛好者がコミュニティをつくり、日々の疲れを癒やす憩いの場となっているのです。

実際に、「市民の健康増進に資する」施設だということは、設置条例に明記されている事実です。

そこに税金を入れることが「無駄」だとどうして言い切れるのでしょうか?

だからこそ、一歩進んで仮に西部とか南部という枠組みから施設の総量を減らしたいと考えているのだとするならば、時間をかけた丁寧な説明と対話は必須です。

いつも、市が勝手に決めた「結果の事後報告」だけでした…

地元紙ですでに「譲渡できなければ廃止」と報道されたことに対し、参加者から「今更何を意見交換するのか?聞く耳があるとは思えない」という指摘があったことが全てを物語っているのではありませんか?

市が関与しない施設として切り捨てることに、納得感が得られる根拠がないことが明らかになった今、「地域の光を消さないでほしい」という切実な訴えを持ち帰った担当課は、次にどんな話を市民にするのでしょうか?議会とどんなやりとりをするのでしょうか?

 

「矛盾」しかないこの方針。

現場はそれをとうに理解しているはずです。

政策判断をした市長、議決した議会、政治責任が問われるこの問題に対し、人一倍問題点を追求し続けてきた私は、もはや政治の現場にはいません。忸怩たる思いです。

「温泉施設」を利用する市民は全体の中ではごく一部かもしれません。それは、図書館にも体育館にも生涯学習施設にも言えることです。

当面は人口減少の傾向が続く日本において、これからの政治は「やめる決断」を避けて通ることはできません。

公約だから大型公共施設を建設する、市長の公約だから、議会はそれを認めるんだというおかしな判断をした横手市政。

「温泉施設を活かす」ことを公約とした私を打ち負かした現市長は、一体「公共温泉」をどうしたいのでしょうか?

現場の職員に丸投げする段階は、とうに過ぎています。

選挙応援など目立つところには出てくる割に…地域のために何をしてくれたのでしょうか?

出口を見えなくしているのも、問題を更にややこしくしているのも全て、矛盾に矛盾を重ね、場当たりの判断に終してきた結果です。

 

たかが「温泉」と思われる方もいるかもしれません。されど「温泉」。

迷走し続ける現在の市政運営を象徴する、重い課題です。

 

変わらずに、今後の動きを注視して参ります…

 


追伸・4000超の長文、失礼しました。

統一地方選の後半戦、全国の仲間が戦っています。同志の必勝を心からお祈りしております。

顔を合わせる方々から「なぜ、県議選に出なかったのか?」と言われますが、私は県議を目指すために市長選挙に立候補したのではないということだけは明確にしておきたいと思います(笑)

土と汗と消毒にまみれる日々は、とても充実しています…


統一地方選、前半戦。

2023-04-08 21:10:28 | 日記

いつもより早い雪解けと連日の好天に恵まれて、春作業が例年より前倒しではかどっていましたので、すっかりご無沙汰してしまいました。

雨が続き外に出られず、こうしてパソコンに向かっております(笑)

 

横手市は「農業産出額8年連続県内トップ、東北で5位」だそうです。見出しだけを見れば嬉しいニュースですが…

1位の弘前市は別格として、一関市・登米市・鶴岡市の背中は近いようでまだ遠く、農業県と言われているはずの秋田県が、県全体では9年連続の東北最下位に甘んじています。

スマート農業の推進、ブランド化、農業産出額の押し上げ…

政治は具体的に何をしているのでしょうか?

農地を手放す方が年々増えていく一方で、担い手の育成が全く追いついていませんし、受け皿となる農家や法人の負担、事業継承にも大きな課題があることを現場において痛感しております。

繰り返し「複合化を図れ」と簡単に言いますが、片手間でできるほど園芸は甘くありません。

仮に稲作を減らしたとして、わずかな作付けのためにフルスペックで高額な農機を揃え続けることは、個人では到底不可能です。

農地の集積大規模化を図ったとしても、人手不足と人件費の負担が重くのしかかります。

人口減少社会における課題だらけの農政に、政治は具体的に何をしているのでしょうか?

 

さて、新年度に入りましたが、役所に出入りすることもなくなった今、いつものようにカレンダーが1枚めくられただけでその実感は全くありません。

しいて言えば、ニュースキャスターの顔ぶれが変わったこと位でしょうか。そういえば、テレビもほとんど視なくなりました。

統一地方選の前半戦、秋田では県議選が繰り広げられています。

正直なところ、地元では全く盛り上がりを感じませんが、私自身若手議員のネットワークで県内限定ではありますが、これまでご支援頂き、共に学び切磋琢磨してきた大切な友人、同志への訪問、激励活動を続けておりました。

若手のチャレンジが、秋田県政界への確かな刺激になっているような気がします。

 

私が全国若手市議会議員の会23代会長を務めたのが、ちょうど前回の統一地方選の年でした。

あれから早4年…

奇しくも今回は、全国各地において多くの仲間たちが道府県議選に挑戦中です。

選挙区事情は具体的に存じ上げませんが、どの地域も「世代交代」の時期に差し掛かっているということなのでしょうか。どんな組織も、将来を見据えるならば「新陳代謝」は必要です。

基礎自治体において二元代表制の一翼を担う議会を経験した上で、都道府県議会へのステップアップを目指すことには大きな意義があるものと思います。

前回「地方分権」について触れましたが、今後権限や財源が移譲されていく前提において、「地方創生」に効果はなかったと言われてしまっている都道府県行政はより主体的なものへと変わっていかなければなりませんし、それをチェックしこれまで以上の政策提案が必要とされる議会には、更なる改革が求められます。

そのような中で、都道府県議会と市区町村議会が繋がる私達全若のネットワーク力は、これまで以上に遺憾なく発揮されていくことでしょう。

故郷を良くしたいという強い気持ち、様々なしがらみを乗り越えて高い壁に挑む仲間たちのチャレンジ、その揺るぎない意思に大いに刺激を受けているところです。

ちなみに、告示日に応援演説のマイクを握った北秋田市で、取材に来ていた記者さん方から「お前は何者だ?」と取材攻勢に合いました(笑)

県内での若手政治家の繋がり、全若の力をもっとPRしていかなければなりませんね。

この国の未来を創るのは、「責任世代」の私達です!

 

明日は、投開票日。

全国各地で戦う皆様の必勝を、心からお祈りしております。


地方の時代、地方政治に期待。

2023-03-17 22:01:23 | 日記

地方分権一括法が施行されたのが今から23年前、2000年4月。

これにより国と地方の役割分担が明確化され、「機関委任事務制度の全廃」により、これまでの上下関係から対等な関係となったと言われている訳ですが、地方議会に身を置いていた私自身、残念ながらその実感はあまりありません。

地方自治体は「自らの判断と責任により、地域の実情に沿った行政を展開」することが期待されており、この表現は、2015年からの「地方創生」にも重なります…

この20年。私が政治の世界に足を踏み入れた時から「地方の時代」だと言われ続け、この動きは「政治主導」により進められてきたはずですが、一向に「東京一極集中の是正」が進展しません。

道州制の議論、首都機能移転の議論…

リスク分散、災害に強いしなやかな国造りのためには避けて通れないはずですが、具体的な動きは見えません。

政府予算はいつの間にか100兆円をゆうに突破していますが、膨張し続ける政府機能をいかに縮小し最適化していくのか。

「官から民へ」という流れにも、同じ目的があるはずです。

人口減少社会という右肩下がりの時代に、地方が変わり、地方自治体が自ら考え自ら行う「自己負担・自己決定・自己責任」の組織に生まれ変わらない限り、この国の将来はないものと思います。

くしくも統一地方選挙の年。

地方政治を志す方々によって、地方から「国のかたち」を議論する大きなうねりを起こして頂きたいものです。

 

そこで、いわゆる「三位一体改革」の流れから見直しの議論がある地方交付税制度について。

これまでの交付税は計算式が複雑なため、面積と人口を基準とする新型交付税に見直し、総額の縮減を目指そうとする国の動きに対し、地方六団体は、国税5税の法定率を引き上げ「共有財源」とする、「地方共有税」制度の創設を提唱しています。

しかしながら、地方公共団体といっても大小様々ですし、いわゆる都市と農村、不交付団体もあることから一枚岩となってはおらず、今後の議論を注視していくといったところでしょうか。

ちなみに私は秘書時代、地元のために、特交(特別交付税)の獲得に全力でお手伝いをしてきました。首長さん方を役所にご案内し、地元の実情を真剣に訴える姿をいつも横目でみていました。地方が生きていくために、自治体運営に必要な財源だし、その先に、市民生活の充実に繋がると信じていたからです。

交付税のあり方についてもう一点。

合併自治体は多くの旧役場庁舎、支所を抱えており、それが交付税算定基準の一つになっていますが、方やデジタル化自治体DXの時代、マイナンバーカード半強制の流れの中で、証明書発行で窓口に行く必然性はなくなります。

支所が不要になるような政策誘導をする一方で、それを維持し続けることが財源確保に繋がっているこの矛盾。

やはり、交付税制度は分かりやすいものに改め、財源と権限をセットで移譲していくことが望ましいのではないでしょうか。

 

その平成の大合併は、国が「合併特例債」というアメをぶら下げることで市町村合併を推進するものでした。

合併による一体的まちづくりのために必要な事業を行うために、後で国から7割が交付税で面倒をみてもらえることから、合併自治体は自分で返せないのに国が返してくれるからと目一杯の借金をし、それが「有利な財源」だという錯覚を起こしています。

一方で、そもそも自主財源の乏しい地方自治体が、これを断る理由がないというのも悩ましいところです。

今でこそ、PFI方式など民間資金の活用による公共施設整備の手法もありますが、基本的に、国の補助金を取りに行くことが目的化し、地方議会もそれを良しとしてきた事実が、金太郎飴のようなまちづくり、身の丈以上のハコモノ整備へと突き進んだのではありませんか。

これが、「地方分権」が目指した理想、新しい時代の国のかたちと言えるのでしょうか。

いわゆる「地方創生」関連の地域活性化策についても、十分な検証が必要です。

 

そこで、首長と対等な唯一の政治機関、「議会」の出番です。

議会=「チェック機関」

かつての議会は、執行部を監視する役割のみが重要視されてきました。

いわゆる夕張市の財政破綻。

赤字を短期借入金で見えなくしていた財政運営に対し、議会は「チェック機能」すら果たせなかったと指摘されています。議会が機能しなければ、こうした結果を生む、破綻の責任は議会にもあると言われる所以です。

議会の強みは、地域密着で地域の顔役でもある議員が、住民の多種多様な意見を吸い上げる点にあります。

(年齢や性別も含め、議会に多様性が求められているのは、より幅広い民意を反映させるためです。)

まさに、私が4年間の広報広聴委員長在任時に特に力を入れたのは「開かれた議会」づくり、徹底して市民の声を聴くという活動でした。それを政策立案に繋げる、「政策形成サイクル」の構築が道半ばだったのが唯一の心残りです。

かつて、条例制定権も予算の減額修正権も持ち合わせていなかった地方議会でしたが、分権改革によりこの縛りは全廃され、年4回と決められていた定例会開催の縛りもなくなりました。

自己負担・自己決定・自己責任が求められている地方政治において、議会はそれを動かす中心的存在になっているはずです。

議員定数や議員報酬を減らすことだけが、「議会改革」ではありません。

政策や予算をつくる力を磨くこと。

(若手議員の仲間の話。修正案の提出を考えていたところ、なんと議会事務局の反対にあったそうです。)

「チーム議会」の力をいかに高めていくのか、本当の「議会改革」はこれからです。

私が横手市議会に在籍していた8年間。

議会として、執行部側との関係性がどんどんどんどん疎遠になっていったような気がします。

合併直後の先輩方は職員とたくさん話をし、政策を磨いていたと聞いています。

地方分権時代の二元代表制は、緊張感を持ちつつも執行部と議会がいたずらに対立をするのではなく、切磋琢磨しそれぞれの強みを活かしながら、まちの将来のためにいい政策を創っていく。

そんな関係性でありたいものです。

 

時は人口減少社会、厳しさを増す財政運営の中で、いわゆる「地方消滅」、財政破綻というものが現実的になるかもしれません。

そうならないように、自治体運営の手綱をしっかりと握る、地方政治における一つ一つの判断が、自治体の将来を左右する…

被害者は、真実を知らされていない市民なのです。

私が、古巣の市議会に期待している点は、まさにそこにあります。

今日は3月議会最終日。

「議会の意思」というものに、大いに注目しています。