「まるで48豪雪のようだ」
今年の大雪は昭和48年のそれを彷彿とさせるもののようで、私にとっては生まれる前の出来事ですが、家の2階から出入りしたという当時のようなペースで雪が降り積もり、市街地では雪を寄せる場所がなく道路脇の壁は経験したことのない高さとなっていました。
市役所へ出勤するのに1時間かかるなど道路は大渋滞し、除雪や排雪の遅れに対するご要望も多数頂戴していましたが、そんな短期間の「災害レベルの豪雪」も、自助・共助・公助がそれぞれ120%の力を発揮して頂いていることで、何とか生活が成り立っている状況なんだろうと思います。皆様に深く感謝申し上げたいと存じます。
この1週間は天気が落ち着き積雪は一気に下がった印象ですが、まだまだ長い冬、協働の力で、何とか雪と上手に付き合っていきたいものです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大は日に日に深刻な状況となっており、横手市を含め県内でも再び増加傾向にあります。
忘・新年会は軒並みキャンセルの連絡が入ってきていますし、年末年始にかけて「書き入れ時」の飲食店や宴会場、取引先などの経済的打撃は必至です。
近隣市では、すでに飲食店への補助や地酒購入の支援などをいち早く打ち出していますが、当市では(飲食店への)直接的な支援は行われていないことに、当事者からは切実な声が寄せられています。
さて、横手市議会12月定例会は16日(水)に閉会し、新年1月15日発行の議会だよりの編集も無事校了となり、令和2年の公務はこれでひと段落。
厳しい予算、限られた紙面の中で、広報委員一同、担当事務局や印刷業者さんのご協力を頂きながら、議会を身近に感じてもらえるようにと心を込めて編集作業を行いました。
(広報分科会のメンバー。いつも和やかな雰囲気の中にも「伝わる広報誌づくり」に真剣に取り組んでいます。)
(正副による最終確認。誤字脱字がないか最後までチェックします。いつも、思わぬ発見があります(笑))
中学生議会、小学生の議会傍聴、議会報告会、市民と議会の懇談会など、多くの市民の顔が見える充実した紙面構成となっております。お楽しみに!
さて、久しぶりのブログ投稿は毎度のことですが(汗)…
横手のような全国有数の豪雪地帯において加速する人口減少社会を見据えた時、いわゆる「市民協働」というものをどのように考え市民と共に持続可能なまちづくりに取り組んでいくべきなのか。
現在の市政運営は大いに疑問です。
クリスマスイブの24日(木)は、総務文教常任委員会協議会が行われ、市の今後の方向性を左右する重要なテーマについて白熱した議論が交わされました。
特に、
第2次横手市総合計画後期基本計画
第2期横手市まち・ひと・しごと創生総合戦略
について、議会に対し初めて素案が示されましたが、1月から市民向けにパブリックコメントを募集し、審議会への諮問答申を経て3月に公表するとのことでした。
「議会への説明が遅くなりお詫びする」とは言いますが、市の最上位計画(グランドデザイン?)の取り扱いにしては、あまりにも乱暴な市民不在のスケジュール感ですし、市民や議会との対話により多様な声を反映させる時間的余裕がないことからも、「協働のまちづくり」を進めていこうとする意思が感じられません。
(この計画が「議決事件」となっていないことも一つの要因かもしれませんが…)
私たち総務文教だけに説明して、厚生や産業建設の所管委員会との十分な意見交換もなく、担当課が苦労して「市民が主役」の計画をとりまとめているというのも何だか皮肉なものです。
総合計画における人口減少対策のための個別プロジェクトとして位置づけられている、いわゆる「地方創生」の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に関しては、(私の一般質問で指摘した通り)昨年で4年間の第1期計画期間が満了を迎え、本来は国や県と足並みを揃える形で今年度から第2期に入るべきだったのにも関わらず、「総合計画後期基本計画との時期を合わせるため」という後ろ向きな理由から、第1期総合戦略を1年間延長した経緯があります。
このことをとってみても、1年間じっくりと意見交換をし、市民の声を計画に反映させる時間はあったはずです。
そもそも、横手市に「行政評価」はあっても「政策形成サイクル」はあるのでしょうか?これは、担当者の責任を超えている話です。
(一般論として)「あまり成果が出ていないのではないか?」と言われている「地方創生」にスピード感を持って取り組まなければならないのにも関わらず、既存の政策が軌道修正されることなく1年間延長された事実。結局、人口減少と「東京一極集中」の傾向は加速してきた一方で、コロナ禍により生まれている「地方回帰」の新たな流れ、新たな価値観をどう取り込んでいくのか、政策の組み換えだけで激動する時代に対応できるはずもありません。
これら重要な計画の策定にあたっては、「市民による策定委員会を設置し、多くの委員が自分の意見を述べ、また対話が促進されるよう少人数に別れたテーブルで自由な対話を行うワールドカフェ方式の手法を取り入れるなど、意見を述べやすい環境について工夫」するとしていた議会での市長答弁があったにも関わらず、コロナ禍を理由に市民との意見交換の場が設けられていないのが実情です。
そう言えば、今年、横手体育館と市民会館を建て替えることを念頭に設置された「市民検討委員会」では、短期間ではありましたが、現場の努力もあり一般公募の方々を含め広く市民との対話が行われたようですが…
市長は、年にたった1回地域に出向く「市政懇談会」を早々と中止しました。私達議会は、結果として市内21会場426名の市民のご参加を頂き、「議会報告会・意見交換会」を最後までやりきりました。
どちらが、組織として市民に寄り添い市民の生の声を肌感覚で持っているのか、明らかだと思います。
年末年始のステイホーム中、市の素案を敬意を持って読み込むことで、課題を掘り下げてみたいと考えています。
そして、「横手体育館・横手市民会館の整備に向けた基本構想の検討状況について」の説明もありました。
まだまだ意見交換の段階で生煮えもいいところの内容でしたが、いつもの通り俯瞰したまちづくりのビジョンもグランドデザインもなく、今空いているところにとりあえず点を打っただけの提案に見えます。
借地の解消や既存施設との複合化など、横手市財産経営推進計画(FM計画)の理念もどこかに置き忘れているようです。何よりも、人口減少を前提に市民利用第一の視点から、何のためにどんなコンセプトで建てるのかという肝心要の部分が「これから」になっています。
某議員から指摘があり私も大いに共感していますが、すでに2つ地域局庁舎を建て、新たに土地を取得し十文字統合小学校を建て、民間と共に横手駅東口再開発を行い、また新たに横手体育館と市民会館を別々に建てるという大型プロジェクトを同時期に行うことは、将来世代に、重い維持管理費と次の更新がまた同時に訪れるという負担を、分かっていて強いることになります。
(肝心の市役所本庁舎はもう40年使う?どうやって?いくらかかるの?)
将来世代に負担を先送りしないための「投資の平準化」という考え方よりも、今しかない「合併特例債を100%使い切ることが目的化」していますし、そのことを心配する議会の指摘に対し、それでも「横手市の財政は大丈夫だ」と暖簾に腕押し状態です。
であれば、今後の財政シュミレーションといかに市民からのハード要望に応えきれていないのか、数字を合わせて提示して頂くことがフェアーだと思いますが。
当然のことながら、「横手体育館と市民会館の建て替えを別々に行う」だけで、横手市の公共施設再配置という重い課題が解決するわけではありません。
繰り返しになりますが、2040年人口6万人を切ることが予測されている横手市において、今もなお身近な修繕が行き届かず役目を終えた施設の解体が中途半端なままに、使い道をあいまいにした「投資」をすることが、責任ある市政運営だとはどうしても思えません。
いずれにせよ、市民検討委員会の意見を踏まえ市長が建て替えることを決断したこの課題に関しても、引き続き広く市民に対し丁寧な説明が求められますし、必要性を訴えた市民検討委員会が果たすべき役割もあるような気がしています。
今示されているスケジュール感では、かなり窮屈ではないでしょうか?
年明けの全員協議会では、他にも様々な市の計画が議会に示されることになっているようです。
十分な協議の時間がないままに粛々と「計画」が作られ、多くの市民がその事を知らないままに実行されようとする姿と「市民協働」の理想を照らし合わせると、違和感しかありません。
それでも「主役は市民」の名の下に、重い責任を負わされることになります。
対話を基本に、1人でも多くの市民が関わりを持てるような「市民協働」を進めることでまちづくりが自分事となり、互いの信頼関係に基づく「自助・共助・公助」が初めて成立するのではないでしょうか…
何となく、色々なことがあやふやなままに、自助努力を委ねられているような気がします。
少子高齢化人口減少は「自助の縮小」を意味しています。市職員の減少は「公助の限界」の拡大に直結します。雪対策しかり、待ったなしの課題に対策を打っていく必要があります。