奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

広報・広聴活動の融合、市民参加の新たなステージへ~ウェブマガジン「議員NAVI」で紹介~

2020-06-28 22:29:22 | 日記

各地で、新型コロナウイルスの新たな感染者が増加傾向にあります。
19日に都道府県をまたぐ移動自粛要請が解除されたことも影響しているのでしょうか?

私も例年であれば、そろそろ東京の友人たちに会うことを楽しみにしている時期なのですが、さすがに今ではないだろうと…

世の中には、会いたい人に会いに行くことをグッと我慢している人がたくさんいるはずです。

文明の利器、オンライン〇〇で済ませられるのであれば…「withコロナ」において、その出張は本当に今なのかを考えなければいけないと思います。

そういえば、前市長を「過剰な出張」だと痛烈に批判していた方がいましたね(笑)


さて、議会だよりの編集ですが、先週25日(木)の広報分科会での全体校正と、26日(金)、私と大日向議員の正副分科会長最終確認を経て、無事校了となりました。



定例会閉会からわずか1週間、全体スケジュールも1ヵ月というスピード編集は、どうやら全国的にも早い部類に入るようです。

議員各位には、一般質問登壇の2日後というあわただしい原稿締め切りを厳守していただいていますし、事務局の支えもあり、まさに広報担当だけでなくチーム一丸となって取り組んでいます。

3年前?からは印刷業者さんにも編集会議に加わっていただき、細かなデザインの助言、市民目線での分かりやすい表現方法などを話し合いながら、共によりよいものを創り出すための「対話」を大切にしています。

多くの方々のご協力のお陰で、今回も無事に発行できそうです。深く感謝申し上げます。

今号から、イメージカラーは「青」となります。全体的な雰囲気も変わりましたし、表紙の写真にもご注目下さい。7月15日の発行です!

各家庭にお配りいただく市政協力委員の皆様にも感謝しなければなりませんね(笑顔)


(横手市議会広報広聴委員会・広報分科会のチームメイト。空席はカメラを持つ事務局職員です。前のめりな若手とベテランの経験値ががっちりかみ合った、いつも笑いの絶えない編集会議です!)


前回の投稿は、広報広聴活動の更なる充実により議会改革を推し進めていきたいと申し述べました。

そんな、私たち横手市議会の広報広聴活動を全国に発信するありがたい機会を頂戴しましたので紹介させていただきます。

第一法規株式会社さんが自治体議会向けに運営する有料サイト、議員のためのウェブマガジン「議員NAVI」に寄稿致しました。

「伝える・伝わる議会広報」という特集の中で、

「開かれた議会」を目指す、チーム横手市議会の広報広聴活動
~コミュニティFMによる市議会紹介番組の放送~

と題し、私たちが取り組んでいる広報広聴活動全般について紹介しております。

FM放送を活用した情報発信の取り組みの一環で、市議会独自の番組を持っているという事例は大変珍しいことから、今回お声がけをいただきました。

(新型コロナにより自粛中ですが、)これまでも全国各地の議会からの行政視察を多数受け入れているテーマですから、私たちが自信を持って取り組んでいる強みの一つです。

横手コミュニティFM放送株式会社・横手かまくらFMさんの地域貢献活動の一環として「もっと教えて!横手市議会」が始まってから8年目。

番組への市民参加が進んでいることが最近の良い傾向で、そのことは即ち、市政への市民参画が進んでいることの現れでもあります。

「もっと教えて…」があることが、市民と議会を近づける強力なツールになっていますし、私たちの議会広報広聴活動をより充実させる潤滑油でもあります。

今回の寄稿をきっかけに、よりよい番組づくり、「開かれた議会」を目指した広報広聴活動の更なる充実に向け努力を重ねて参ります。

何と、来月には「200回記念放送」が迫っています。お楽しみに!




※有料サイトとなっております。





議会改革ランキング。

2020-06-22 21:20:01 | 日記

6月議会が終わりましたが、議会だよりの編集が続いているためまだまだ気が抜けません。一般質問をしなかったのに、別件の執筆もあり書いて書いて書きまくる日々が続いています。

いつもと違うのは、新型コロナの影響により消防訓練大会が中止となったため、早朝練習がなく物足りなさを感じている今年の夏です。

さて、17日(水)、嬉しいニュースが飛び込んできました。

早稲田大学マニフェスト研究所が、全国の都道府県・市区町村議会への調査をもとに毎年発表していいる「議会改革度調査2019」の総合ランキングトップ300が発表され、なんとなんと、私たち横手市議会が14位にランクインしました!

前年度は255位でしたから、驚くべき急上昇です。

10日(水)には、事前に分野別ランキングが発表されており、

情報共有 39位
住民参加 29位
議会機能強化 21位

ということで、こちらも県内断トツの結果が出ていたことから、ついにトップ30入りか?と大いに期待していたところですが、それにしても驚きました。

トップ300のランク外だった年もあり、一喜一憂するわけではありませんが、それにしても全国の地方議会から8割を超える1433議会から回答があったうち、参考にしてきた全国の名だたる改革議会に肩を並べることができて大変嬉しく思っています。

ランキングを眺めていると、教えを請いに行政視察でお伺いした議会、共に活動する若手議員の仲間たちの顔が脳裏に浮かびます。

昨年、全国若手市議会議員の会会長を務めていた際によく申し上げていましたが、若手議員というのはそれぞれの議会において議会改革の牽引役、リードオフマンであるべきだと、政策の勉強のみならず、議会運営一つとっても様々なやり方があることを懇親の場などにおいて意見交換を重ねてきました。

議会が地域住民にとってなくてはならない存在で在り続けるために…

この度の結果を励みに、私自身広報広聴委員長としてチームの皆さんのご指導ご協力をいただきながら、市民との対話を基本姿勢に、議会広報広聴活動を更に充実発展させることで議会改革に貢献し、「開かれた議会実現」に向けて汗をかいていきたいと思います。


ラスト・サムライ~6月定例会閉会~

2020-06-20 22:26:25 | 日記

負けると分かっていても、戦わねばならない時がある…

18日(金)、横手市議会6月定例会が閉会となりました。

採決で分かれる場面が多く、「賛否一覧」を掲載する議会だよりの紙面づくりに頭を悩ませているところです(笑)

結果として、当局提案の議案は全て可決となりましたが、個人的には、またしても市民不在、議会無視の強引な市政運営をまざまざと見せつけられた印象です。

市当局は、事の重大さを正しく市民や議会に対し説明をしていないのではないでしょうか?

不都合なことこそ誠心誠意、たとえ賛成してもらえなくても理解してもらう努力は果たして頂かなければなりません。それが、絶大な執行権についてまわる義務だと思います。

センセーショナルな見出しに、「何事か?」と驚かれた読者の方も多いことでしょう。

平成30年4月1日に民間譲渡された公共温泉施設「さわらび」、「ゆーらく」、「鶴ヶ池荘」を運営する企業から市に対し、「さわらび」、「ゆーらく」の2施設について、令和2年6月をもって市へ返還したい(協定を解除したい)旨、口頭にて申し出があったのが3月30日、その後5月7日に書面での協議書が提出されたとの説明を受けています。

一般会計補正予算(第4号)の歳出7款1項5目「温泉観光施設費」499万7000円は、「さわらび」、「ゆーらく」が返還されることを前提に、その後の維持管理費を補正するものですが、民間譲渡により名実ともに市の手から離された温泉施設が、市民に対する説明と議会の了承なく、一方的に市に返還されることを受け入れ、今後の維持管理費に躊躇なく税金を投入することは、簡単に認められる性質のものではありません。

この部分を削除する修正案を、私たち会派新風の会3名で提出しました。

本来予算の修正というのは、所管する常任委員会分科会において「否決すべきもの」となった場合、認められない部分を削除した予算案を、審査した委員会の意思として一般会計予算特別委員会→本会議に提出するというのがこれまでの流れでした。

今回のケースは、所管委員会で起立多数により「可決すべきもの」と決定した予算案に対しての敢えての修正案ですから、結果は見えています。

最も、委員会制をとりながら、委員会で「否決すべきもの」と決定したものが、本会議で平気でひっくり返される場面を何度となく目にしてきましたが(笑)

通らないことが想像できていて、私たちはなぜ修正案を提出したのか…

「公共温泉施設民間譲渡」を進めるにあたり、市はこれまで数多くの矛盾を繰り返し、市長は何ら説明責任、結果責任を果たして頂けない中にあって、本来運営会社が維持管理すべき経費を、市が肩代わりしなければならない道理はないと考えたからです。

一般会計予算特別委員会に修正案を提出した趣旨説明、修正案に対する賛成討論、そして、本会議の最後、原案に対する私の反対討論(46:45~58:05)に、その想いが込められています。

録画をご覧いただきたいのですが、内容をかいつまんでお知らせします。

民間譲渡を進める上での大原則、平成28年3月に示された「公共温泉の在り方・再編方針」によれば、「温泉施設運営は民間シフトに向けて取り組む」ことを第一に、公募結果を受けて平成29年9月に民間への無償譲渡を実施し、「譲渡が不可能だった場合は、隣り合う施設は廃止し、保有する施設を圧縮」した上で、「施設配置のバランスと明確な目標数値基準に基づき、施設の存廃を平成30年5月に決定する」という、揺るぎない方針が掲げられています。

しかしながら、勇ましい言葉を書き連ねた「再編方針」はスピード感を失ったばかりか、見るも無残に「形骸化」されているではありませんか。

市の対応が、どれだけ一貫性のない根拠が不明確なその都度の判断で、場当たりの対応に終始してきたのか、象徴的な事例が「公募要項の使い分け」と、「不適切な公金支出」です。

「公募要項」とは、市民の財産である公共温泉施設の民間譲渡を進めていく上で、途中で変えてはならないルールであるべきです。経営がうまくいかなければ2年で返還できるというのは、「公募要項」のどこに書いているのでしょうか?
「現状のまま引き渡す」と明記しておきながら、譲渡後に支出した空調設備「原状復旧費用相当額の負担金」も同様です。

要綱の解釈を、議会との協議、市民への説明がないままに180度方針転換することは、フェアーではありません。
「施設の老朽化」という明らかなリスクが見えていて、公募に手を挙げることを断念した民間事業者の方々の想いを考えれば、試合開始後のルール変更は決して許されるものではありませんし、ましてや、根拠なき税金の投入はこれまで示してきた市の方針と大きく矛盾するものです。

「公共温泉施設民間譲渡」というのは、6公共温泉施設の簿価の総額18億2112万7000円を無償で差し出した政治決断でした。「道義的責任」で済まされるような軽いものではないはずです。

まさに、平成時代のレガシーとして、地域の交流拠点、住民の健康増進を目的に建てられたそれぞれの地域の公共温泉施設に対し、「行政が温泉経営をする役目は終わった」と、「運営コストの圧縮と市の財政負担リスクを減らすための民間譲渡」だと散々きれいごとを並べておきながら、場当たりの判断により、市民の財産、市の財政に損害を与えている結果責任は、重く問われて然るべきです。

第三セクターを清算するために血税を投入し、結果として、出資者への配当はありませんでした。従業員を含め、多くの方々の人生を大きく変えてしまったのが、「公共温泉施設民間譲渡」だったのではありませんか。

今議会一般質問の市長答弁において、「今後、市民や議会と協議を重ねることで責任を果たしたい」という発言がありましたが、その感覚は理解に苦しみます。いつまでに何をどうするのでしょうか?

本当にこの道で間違いはないのか?これまでの進め方、手続きに問題はなかったのかを検証し、第三者の視点を入れるなど、反省すべきは反省した上で、期限を区切って、今後の方向性を示すべきです。

地元増田の方々には、「当面休館したい」旨の説明しかなされていませんし、これまでの一連の政治判断、政策決定のプロセスに議会は関与していません。
市民も議会も蚊帳の外で、決まったことを事後報告し予算を認めろという議会無視の姿勢が繰り返されています。

このように、筋の通らないことを繰り返していたら、市政に対する信頼は失われるばかりですし、矛盾に矛盾を重ねたその先に描かれる横手市の未来など、子どもたちに誇れるはずはありません。

それを違うと言えないのであれば、私は、政治に関わる意義はないものと思います。

負けると分かっていても、戦わねばならない時がある…

私たちは、補正予算案に反対することで、議会人としての責任を果たしました。賛同頂いた議員各位にはただただ感謝です。清々しくさえあります。

筋の通らないことを押し通してきたことが、無かったことになる訳ではありません。今回の私たちの問題提起を受けて、説明責任・結果責任はより重くのしかかっていくことになるでしょう。




(↑はめ込みの画像ですので、動画は流れません)演壇では、タブレットの画面が反射しますし、マスクを着けての叫びは酸欠になります(汗)


議会のオンライン化。

2020-06-15 22:56:30 | 日記

昨日、小中学校のICT化について申し述べましたが、地方議会におけるオンライン化の取り組みが注目されています。

議会におけるタブレット端末の活用は、どうしても紙資料の削減とペーパーレス化が注目されがちですが、「議会活動の充実」を図ることも大切な視点だということは、タブレット端末導入から4年になる私たち横手市議会の取り組みを紹介する際にも強調しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、3密回避の徹底や外出の自粛「ステイホーム」が促されてきましたが、自宅にいながら会議に参加できる「議会のオンライン化」は、まさに新型コロナというピンチをチャンスに変える、議会改革を推し進める上で強力なツールになるものと思います。

茨城県取手市議会の取り組みが、Yahoo!ニュースで紹介されていましたので、シェアさせていただきます。

取手市議会さんとのご縁は、横手市議会として昨年の冬に広聴分科会の行政視察でお世話になっていますし、「議会愛」の下に議員と議会事務局職員が強力なスクラムを組んで「開かれた議会」実現に向け様々な取り組みを実践している全国有数の改革議会、「チーム議会」のお手本だと思っています。

また、昨年私が全国若手市議会議員の会会長を務めていた際には、「女性活躍推進部会」を新設し、この記事で紹介されている石井議員に部会長をお願いしました。
女性が政治に参画しやすい社会のあり方を模索しつつ、議員活動と家庭の両立という課題を通して、働きやすい議会とはどうあるべきかを共に考えてきた同志です。

議会活動が、出産や子育て、介護などと両立できる環境が整っていけば、多種多様な人材がプレーヤーとして議会に参画できる門戸が広がっていくものと思います。

まさに、「議員のなり手不足」という深刻な課題を即解決に導けるものではないのかもしれませんが、議員に挑戦するためのハードルの一つを多少は下げてくれる要因になり得るのではないでしょうか。

総務省においても新型コロナ感染拡大を受け、この4月に「委員会のオンライン化は可能」という見解を示していますし、各自治体において条例や会議規則など環境を整備していけば今すぐにでも取り組むことが可能のようです。

秋田では感染が抑えられていることから、直ちに取り組むべき雰囲気にはありませんが、災害時など物理的に集まれない状況でも会議を開くことのできる環境整備を行っておくことが、議会としての危機管理ですし、またBCP(事業継続計画)策定による対応力向上のために必要な視点でもあります。

society5.0において当たり前になるかもしれない、この「議会のオンライン化」。

タブレット端末を活用した行政運営を行うことがその第一歩となりますし、まずはやってみるという姿勢が大切だと感じています。

横手市の課題は、やはり議会だけでなく執行部側も導入することです。

議会内に立ち上げた私たち「ICTプロジェクトチーム」は、こうした環境の変化にフットワーク良く対応するために組織されていることから、せっかくのタブレット端末の有効活用のために調査研究を重ねていきたいものです。



委員会審査を終えて~課題山積の小中学校ICT化~

2020-06-14 23:04:53 | 日記

北東北が梅雨入りしたようです。

横手ではすでに30度オーバーの日が続いており、じめじめしたうっとうしい気候に今年は特にマスクが手放せませんから、熱中症には十分に気をつけなければなりません。

昨日は久しぶりに外での作業を行いましたが、汗びっしょりになりました。

皆様もどうぞご自愛下さい。


さて、開会中の横手市議会6月定例会は、12日(金)、3つの常任委員会に分かれての詳細な審査が行われ、いずれの委員会も当局提案の議案を全て「可決すべきもの」という判断が下されました。



注目の「産業建設」では、議論の詳細を承知しておりませんが、どうやら採決が割れたようです。

私たち「総務文教」も長時間に亘る審査となりましたが、前日に議員が集まって「論点整理」を行ったことにより、共通の問題意識をもって深い議論ができたものと感じています。

全ての議案に共通するのですが、提案理由の裏付けとなる資料提供が不足していることも、議員同士の対話の中で浮き彫りになってきた課題です。

提出者からすれば、地方自治法の規定だから議会の議決が必要だということに尽きるのかもしれませんが、役所言葉を連ねた文章よりも、たった一枚写真や図面があるだけで理解度は劇的に変わってきます。

それは、地域の方々に説明をする際にも同様です。

審査する議案の多い少ないに関わらず、まずは集まって話をすること、対話の重要性を改めて感じました。これぞ「チーム」なんだろうと思います。

当委員会の活動テーマの一つに掲げている「横手市財産経営推進計画(FM計画)」について、今議会も関連議案が提出されました。

3月議会においてすでに予算としては認めている「旧大森中学校・大森武道館等解体工事」に関する工事請負契約について。

2億7797万円で地元企業が受注した訳ですが、この議案名だけを見ると、閉校して8年となる旧大森中学校周辺一帯の施設を解体するんだろうなというふうに思いますが、実は体育館は今回の工事からは切り離されることになります。

大森地域づくり協議会が平成24年11月に提出した要望書を受けて、地域の声として体育館は「コミュニティ交流センター」として、フットサルや野球、ソフトテニスなど、(床が傷むから?)他の施設では敬遠されがちなスポーツの受け皿となってきたことは事実ですし、よくご利用いただいている施設の一つです。

しかしながら、体育館を切り離した解体工事だということは積極的にアナウンスされていませんでしたし、私自身議案として上がってくるまで理解していませんでした。

また、「利用者がいるので『当面』は継続する」という当局の説明は、「旧耐震基準であることから市民利用は不可」としてきた他施設との整合性がとれていません。

もし何か起こったら、責任の所在はどうなるのでしょうか?

記憶に新しい「旧黒川小学校の教訓」は、解体することが地域にうまく伝わっていなかったことでしたし、水害が起こるエリアであることから避難所として整備してほしいという地域の方々の声は、「旧耐震基準」を理由に受け入れられませんでした。

誰しもが思い入れのある学校解体は、特に丁寧に説明をしてほしいという議会からの指摘がきちんと受け止められていないような気がしています。

いずれにせよ、新しい施設を建てたいというのであれば、既存の施設をどうやって畳んでいくのか、順番に解体していくのか、そのためにはどれだけのお金が必要なのか、そういった全体像を早急に明らかにした上で、住民の理解を得ながら丁寧な議論をしていく必要があります。

解体後更地となった土地の活用もまた課題として残りますし、このこともFM計画を進めていく上で大きな課題だと言えます。


補正予算では、「小中学校ICT環境整備事業」5億7403万5000円が特に議論となりました。

要は、国の「GIGAスクール構想」を受けて、市内小中学校全児童生徒一人一台にタブレット端末を配布するというものです。全ての小中学校に高速大容量のWiFi環境を整備する予算も見込まれています。

国は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け前倒しで進めようとしており、1台あたり45000円を負担するという国の補助制度は今年度限りということもあり、この流れに乗り遅れてはならないと全国の自治体が競い合うように導入に向けた動きが加速している状況です。

今後第2派第3派が起こりうることを想定し、自宅でのオンライン授業を行うための環境整備という位置づけもあることから、現場の理解度が深まらないままに急転直下で整備が進められていることは、当局側の説明からも感じ取ることができます。

「9月入学」は流れるようですが、学校が3ヵ月遅れている地域での課題、全国大会が軒並み中止となるなど部活動が抱えている課題など、現場ではこれまでになかった課題への対応に注力しなければならない中で、どうやってタブレット端末を行き渡らせ活用していったらいいのか。

セキュリティ対策やランニングコスト、端末更新時の財政負担など、課題を上げたらきりがありません。

横手市としては、まずは「家庭よりも学校で使う」ことをメインに端末の購入を考えているようです。

society5.0という社会の在り方、新学習指導要領による新しい教育観の下で子どもたちにどんな学びの場を提供していくのかを考えた時、タブレット端末は「普段使いの文房具の一つ」として、なくてはならない位置付けとなっていくことでしょう。

どんな端末でどんなアプリを入れてどんな活用をしていくのか、各市町村に委ねられているのが秋田県の実態で、市町村をまたいだ人事異動があることから、先生方の負担というのも容易に想像できる大きな課題です。

横手市教育委員会では「インターネット利用環境実態調査」を行っており、各家庭におけるネット環境の状況を把握しています。割合としては少ないとはいえ、ネット環境がない家庭に対する手当は今後の課題として残りますが、仮にまた一斉休校措置となった場合には、すぐに家庭での活用が突き付けられることになります。

私自身事例発表を行ってきていることから、横手市議会は有数のICT推進議会だという自負がありますが、議会のみのタブレット導入で当局は持っていないという事例は、もはやかなり稀になっています。

タブレットを持たない市当局の想像力よりも、4年間積み上げてきた私たちの経験値を今こそフルに活用することで、教育現場が混乱なくICT環境に入っていけるものと思います。

「これで決めました」ではなく、ここも、当局と議会の丁寧な協議、キャッチボールが大切です。

私自身、ありとあらゆる関連資料をクラウド上に保存し、過去の議事録や説明資料をベースに議案審査にのぞんでいることから、もはやタブレットがなかった時代に戻ることなど想像できません。

これからの時代の必須アイテムを、どうやって日常生活に根付かせていったらいいのか、課題は山積しています。


もう一つ、予算審査の中での特記事項をあげるとするならば、地域の方々が自主防災組織を立ち上げて何か防災備品を購入しようとしても、市独自の補助金制度はないということです。(ビックリ!!)

補助金として有利な「宝くじ助成」の順番待ちをしているようでは、いくら市が「自助・共助の重要性」を説いたとしても、説得力はありません。

これも、横手市のお金(税金)の使い方として象徴的な事例です。


今回も人一倍発言し、抱えている課題に対する指摘と問題提起を行いました。
マスクは息苦しく、汗だくになりながらの全力投球でした。

本来であれば、現場をみてから判断すべき議案が多かった委員会審査。新型コロナの影響により「所管事務調査」を自粛している状況が続いています。

現場に負担がかからない範囲で、議会活動の基本となる常任委員会の日常活動も元に戻していきたいものです。

週明けは、議会運営委員会、広報分科会、最終日の本会議と続きます。


追伸・己の無力さを思い知る修行の日々…