奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

出口の見えない「公共温泉」問題。

2023-04-19 23:25:51 | 日記

昨夜は地元「ゆとりおん大雄」にて、市主催の「横手市公共温泉施設に関する意見交換会」が開かれ、某先輩からお誘いを頂きましたので顔を出してみました。

写真では分かりにくいですが、正面は全て青いネットで覆われていました(何年も使われていない2号館まで)。開館から30年、ようやく大規模改修でもしてくれるのかと思ったら、外壁が剥がれ落ちて危ないので、とりあえず人に当たらないようにと応急処置しているだけ(笑)

果たして世の中に、こんな「公共施設」はあるのでしょうか?

こんな状況を放置していて、横手市役所は市民に対して恥ずかしくないのでしょうか?

役目を終えた解体の順番待ちの施設ならいざしらず、料金を頂戴し毎日多くのお客様が利用する「公共施設」の修繕が放置されているという、もはや行政の最低限の責任すら認識していない笑えない我が街…

「予算がない」などとは言えないはずです。

 

さて、その「意見交換会」ですが、市役所からは担当の商工観光部長はじめ商工労働課の皆さんがお越しになり、まずは説明をお聞きしました。わざわざ地域に出向いて下さったことに対しては敬意を表したいと思います。

会場となった和室には、温泉愛好者をはじめとする地域の皆様で埋め尽くされ、関心の高さをうかがい知ることができます。

市の説明は、「①施設の推移・状況」にはじまり、「②施設譲渡後の取り組み」から「③公共温泉施設の方向性案」と資料を元に順を追ってなされたわけですが、平成28年3月策定「公共温泉のあり方・再編方針」に基づき取り組んできたこの大きな課題は、7年という歳月の中で混迷を重ね、もはや出口の見えない状況に陥っている印象を持ちます。

残されたのは、地域社会の崩壊と地域の分断…夢に描いた「均衡ある発展」は一体どこへ?

にもかかわらず、未だ(民間に赤字を背負わせるだけだった)「民間譲渡」なる幻想にすがるのは滑稽で、日々市民に接する現場が気の毒でなりません。

この7年間、根拠のないことをその場しのぎの対応でごまかし、その都度、不必要不適切な公金支出を場当たりで繰り返してきましたから、残念ながらその「方向性案」は全てが矛盾しています。

これまで市民不在・議会無視で、市が勝手に進めてきた「民間譲渡」が失敗したことにも誰一人責任をとることもありませんでした。

市長に突きつけられた「問責決議」は放置されたままです。(改選でリセットされたとでも思っているのでしょうか)

9施設中平成30年に譲渡したのが6施設で、今も民間による経営が続いているのはわずか2施設(雄川荘・えがおの丘)のみ。市に返還された4施設(さわらび・ゆーらく・鶴ヶ池荘・大森健康温泉)は先の見えない休業状態が続いています。

そして、民間の受け手が見つからなかった3施設(ゆっぷる・さくら荘・ゆとりおん大雄)の営業が、市直営で継続されているのいうのは何とも皮肉です。

「温泉施設を市が経営するのは馴染まない」という市の説明は、一部理解できます。

だからこそ、第3セクターが指定管理するというかたちで、行政の責任を明確にしつつ地域ぐるみで温泉という地域のシンボルを守り続けてきたのではありませんか。

確かに、一部経営に問題があったのかもしれませんが、増田・山内・大雄の第3セクターを一方的に解散させたのは他ならぬ市の独断で、出資金も戻らず地域には多大なご迷惑をおかけし不信感を抱かせる結果となりました。

私自身、議決責任と言う十字架を今でも背負っています。だからこそ、自由な立場からこうして発信を続けているのです。

その事実を棚に上げて、今更「民間による運営」だと繰り返すのは矛盾しています。

 

次に、財政的な問題について。

「全ての公共温泉施設は赤字経営となっており、税金から補てんしなければ運営が継続できない」という説明。

市町村合併以降17年間に投じられてきた総額は「44億1000万円」にものぼると強調しますが、体育館・市民会館という大型公共施設に現時点で200億円を投じる一方で、「地域の温泉を切り捨てるのか」という市民の訴えに、納得できる回答を持ち合わせているのでしょうか?

令和3年度に実施した「建物の現状把握調査」によれば、改修工事の総費用を積み上げると10億円に迫り、必要度が高い工事に絞ったとしても、4億円以上の投資が必要となり、これは昨今の物価高資材高等を考慮していないので1.5倍以上になる、だから全ての施設を残すことができないとの説明は、大型公共施設にも言えることです。(200億が300億になるの?)

加えて、人口減少問題。

市内全温泉施設入浴者数の推移から、「平成28年には年間92万人利用していたが、令和3年度には37満員まで減少」している事実は、大型公共施設にも当てはまることです。

そんな大きな矛盾を抱える中で、市が示した「たたき台」は、「一部施設については市の関与を継続」し、市が関与しない施設については「改めて民間譲渡を目指し、令和5年度以降に公募手続きに着手」するというものです。

「市が関与する施設」というのは、建物は市が保有し運営を外部団体に委ねる「指定管理」の手法を検討するとしていて、該当施設は、

 ・ゆっぷる(平鹿)
 ・さくら荘(大森)
 ・鶴ヶ池荘(山内)
 ・ゆーらく(増田)

の4施設。

「市が関与しない施設」は、

 ・さわらび(増田)
 ・大森健康温泉(大森)
 ・ゆとりおん大雄(大雄)

の3施設で、譲渡先が見つからない場合は「施設の温泉以外の活用を検討」した上で、「活用が見込めない場合は、施設を廃止」することとしています。

ここで出てくる課題が、いわゆる同一地域に隣接する2施設の取り扱いです。

平成28年、公共温泉民間譲渡問題に着手した当時は、譲渡できない場合は、まずは同一地域内施設の一方を廃止(施設の総量を圧縮)した上で次の段階に移行する旨の説明がなされていましたから、この点については議会も理解していましたし、多くの方々にもご理解頂けるのではないかと思います。

実際に、昨日の参加者からは「大雄地域には『ゆとりおん』しかないのだ」という切実な訴えがありましたが、なぜ大雄を外したのかについて、残念ながら明確な答えはありませんでした。

根拠のないこと、示せないことを理解しろというのはあまりにも乱暴です。

議員時代、当局の説明で各温泉施設の位置関係と距離を記した地図を見せられた記憶がありますが、昨日は「総合的に判断して…」という何とも端切れの悪い役所言葉に終始していた印象です。

確かに、大雄は横手にも大森にも雄物川にも(大仙市にも湯沢市にも)近い平地にあるので、そちらに行けという認識なのでしょうか?

なぜ市民に対し、「距離だ」とはっきり言えないのでしょう?

特に温泉施設には固有のファンがいます。そこでなければだめだという愛好者がコミュニティをつくり、日々の疲れを癒やす憩いの場となっているのです。

実際に、「市民の健康増進に資する」施設だということは、設置条例に明記されている事実です。

そこに税金を入れることが「無駄」だとどうして言い切れるのでしょうか?

だからこそ、一歩進んで仮に西部とか南部という枠組みから施設の総量を減らしたいと考えているのだとするならば、時間をかけた丁寧な説明と対話は必須です。

いつも、市が勝手に決めた「結果の事後報告」だけでした…

地元紙ですでに「譲渡できなければ廃止」と報道されたことに対し、参加者から「今更何を意見交換するのか?聞く耳があるとは思えない」という指摘があったことが全てを物語っているのではありませんか?

市が関与しない施設として切り捨てることに、納得感が得られる根拠がないことが明らかになった今、「地域の光を消さないでほしい」という切実な訴えを持ち帰った担当課は、次にどんな話を市民にするのでしょうか?議会とどんなやりとりをするのでしょうか?

 

「矛盾」しかないこの方針。

現場はそれをとうに理解しているはずです。

政策判断をした市長、議決した議会、政治責任が問われるこの問題に対し、人一倍問題点を追求し続けてきた私は、もはや政治の現場にはいません。忸怩たる思いです。

「温泉施設」を利用する市民は全体の中ではごく一部かもしれません。それは、図書館にも体育館にも生涯学習施設にも言えることです。

当面は人口減少の傾向が続く日本において、これからの政治は「やめる決断」を避けて通ることはできません。

公約だから大型公共施設を建設する、市長の公約だから、議会はそれを認めるんだというおかしな判断をした横手市政。

「温泉施設を活かす」ことを公約とした私を打ち負かした現市長は、一体「公共温泉」をどうしたいのでしょうか?

現場の職員に丸投げする段階は、とうに過ぎています。

選挙応援など目立つところには出てくる割に…地域のために何をしてくれたのでしょうか?

出口を見えなくしているのも、問題を更にややこしくしているのも全て、矛盾に矛盾を重ね、場当たりの判断に終してきた結果です。

 

たかが「温泉」と思われる方もいるかもしれません。されど「温泉」。

迷走し続ける現在の市政運営を象徴する、重い課題です。

 

変わらずに、今後の動きを注視して参ります…

 


追伸・4000超の長文、失礼しました。

統一地方選の後半戦、全国の仲間が戦っています。同志の必勝を心からお祈りしております。

顔を合わせる方々から「なぜ、県議選に出なかったのか?」と言われますが、私は県議を目指すために市長選挙に立候補したのではないということだけは明確にしておきたいと思います(笑)

土と汗と消毒にまみれる日々は、とても充実しています…


統一地方選、前半戦。

2023-04-08 21:10:28 | 日記

いつもより早い雪解けと連日の好天に恵まれて、春作業が例年より前倒しではかどっていましたので、すっかりご無沙汰してしまいました。

雨が続き外に出られず、こうしてパソコンに向かっております(笑)

 

横手市は「農業産出額8年連続県内トップ、東北で5位」だそうです。見出しだけを見れば嬉しいニュースですが…

1位の弘前市は別格として、一関市・登米市・鶴岡市の背中は近いようでまだ遠く、農業県と言われているはずの秋田県が、県全体では9年連続の東北最下位に甘んじています。

スマート農業の推進、ブランド化、農業産出額の押し上げ…

政治は具体的に何をしているのでしょうか?

農地を手放す方が年々増えていく一方で、担い手の育成が全く追いついていませんし、受け皿となる農家や法人の負担、事業継承にも大きな課題があることを現場において痛感しております。

繰り返し「複合化を図れ」と簡単に言いますが、片手間でできるほど園芸は甘くありません。

仮に稲作を減らしたとして、わずかな作付けのためにフルスペックで高額な農機を揃え続けることは、個人では到底不可能です。

農地の集積大規模化を図ったとしても、人手不足と人件費の負担が重くのしかかります。

人口減少社会における課題だらけの農政に、政治は具体的に何をしているのでしょうか?

 

さて、新年度に入りましたが、役所に出入りすることもなくなった今、いつものようにカレンダーが1枚めくられただけでその実感は全くありません。

しいて言えば、ニュースキャスターの顔ぶれが変わったこと位でしょうか。そういえば、テレビもほとんど視なくなりました。

統一地方選の前半戦、秋田では県議選が繰り広げられています。

正直なところ、地元では全く盛り上がりを感じませんが、私自身若手議員のネットワークで県内限定ではありますが、これまでご支援頂き、共に学び切磋琢磨してきた大切な友人、同志への訪問、激励活動を続けておりました。

若手のチャレンジが、秋田県政界への確かな刺激になっているような気がします。

 

私が全国若手市議会議員の会23代会長を務めたのが、ちょうど前回の統一地方選の年でした。

あれから早4年…

奇しくも今回は、全国各地において多くの仲間たちが道府県議選に挑戦中です。

選挙区事情は具体的に存じ上げませんが、どの地域も「世代交代」の時期に差し掛かっているということなのでしょうか。どんな組織も、将来を見据えるならば「新陳代謝」は必要です。

基礎自治体において二元代表制の一翼を担う議会を経験した上で、都道府県議会へのステップアップを目指すことには大きな意義があるものと思います。

前回「地方分権」について触れましたが、今後権限や財源が移譲されていく前提において、「地方創生」に効果はなかったと言われてしまっている都道府県行政はより主体的なものへと変わっていかなければなりませんし、それをチェックしこれまで以上の政策提案が必要とされる議会には、更なる改革が求められます。

そのような中で、都道府県議会と市区町村議会が繋がる私達全若のネットワーク力は、これまで以上に遺憾なく発揮されていくことでしょう。

故郷を良くしたいという強い気持ち、様々なしがらみを乗り越えて高い壁に挑む仲間たちのチャレンジ、その揺るぎない意思に大いに刺激を受けているところです。

ちなみに、告示日に応援演説のマイクを握った北秋田市で、取材に来ていた記者さん方から「お前は何者だ?」と取材攻勢に合いました(笑)

県内での若手政治家の繋がり、全若の力をもっとPRしていかなければなりませんね。

この国の未来を創るのは、「責任世代」の私達です!

 

明日は、投開票日。

全国各地で戦う皆様の必勝を、心からお祈りしております。