奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

年度末。~3月定例会員会審査を振り返ってPart2~

2018-03-31 22:53:41 | 日記

今週は、4月15日に発行される横手市議会だより「あなたと市議会」の最終校正でした。
議員各位には、原稿締め切りの期日を厳守して頂くなど、ご協力に深く感謝します。

今議会は会派代表質問と一般質問に15名の議員が登壇したこともあり、16ページしかない限られた紙面の中で、1月臨時議会の概要や多岐にわたる新年度予算の審議、修正案が2本出された経緯など、お伝えすべきことが盛りだくさんであった。

議会だよりの在り方については、いよいよ議論が必要であると感じている。場合によっては予算もからんでくる話ではあるが、広報公聴の連携も含め考えていきたいものだ。


さて、年度末。

昨日の地元紙に、公共温泉が民間譲渡されることによって解散となる第三セクター、鶴ヶ池荘を運営してきた㈱山内観光振興公社についての記載があった。

同様に横手市のホームページには、「温泉譲渡施設の開業日(予定)について」のお知らせがあり、我々議会に対してもタブレット端末を通じて淡々と情報提供がなされている。

http://www.city.yokote.lg.jp/shoko/page000092.html

おおむねゴールデンウイークあたりにグランドオープン予定とのことで、「開業に向けた動向」については、3月9日に議会に示していた状況に変化があったとのことであるが、こういう説明の仕方が「丁寧さに欠ける」と繰り返し指摘され続けてきたはずである。

我々は議会としての意思を示した上でもはや横手市のものではなくなっている今、何を言っても仕方がない訳であるが、正直違和感しかない。だいぶ話が違うでしょうよ。

これまで繰り返し「市民のため」、「利用者のため」であることを強調してきた以上、民間譲渡がゴールであってはいけないはずだ。

全ては押し切った当局の、議決した議会の結果責任が問われている。

ということで、今議会の産業建設常任委員会では、温泉民間譲渡が大きなテーマであったことは事実ではあるが、新規事業はじめ特筆すべき事業が盛りだくさんなので、遅ればせながら、29年度のブログは今日中にということで(笑)、若干強引な流れから、委員会審査を振り返ってみたい。

相当なシュミレーションを重ねてきているのだろう、説明の仕方にそれぞれの部長のカラーがあって、時には担当係長から専門的な説明もあり、この経験が近い将来の議会対応の訓練にもなっているのだろう。

そういう意味でも、私としては、もっと時間をかけて一つ一つの事業を掘り下げていく日程的余裕があれば有難いのであるが、当局の皆さんはどうなんでしょう(笑)

私たちが議論している委員会室は手狭であることから、案件によって担当部署が入れ替わって審査が行われているが、農林部と商工観光部が互いの議論を聞いていないことがすごくもったいないように感じる案件がいくつかあった。

やはり、物産やマーケティング、6次産業化などは農商工が連携し産業全体としてとらえるべきであり、縦割りの弊害を感じている。商工観光部横手の魅力営業課と、農林部農業ブランド創造課の位置づけが相変わらず分かりにくい。

農商工だけでなく観光文化スポーツを含めて、本来横断的に取り組むべきである横手版DMOに関して言えば、目立った動きが見えてこないし、この1年議会では話題にも挙がっていない状況で、果たして広く多種多様な方々を巻き込むことはできているのだろうか。

それでいて、各部署に縦割りで観光系の予算が置かれているなど、これまでの延長線上にある政策は何ら変わりなく進んでいるようで、時期も含めて行政の関わりがあいまいなままだと、いつまで経っても地域の「稼ぐ力」を高めることはできない。

大きな可能性を秘めている「応援人口拡大事業」については、ご好評を頂いている「よこてfun通信発行事業」に留まっていることは明白で、なぜ7款商工費に予算が置かれているのだろうか。このままでは地方創生系の広がりは生まれにくいのではないか。

いつかの一般質問で指摘させて頂いたが、やはり「応援人口」に登録するメリットを具体的に発信する必要性を感じている。

農業政策では、農業用ドローン導入支援や、横手市大雄はビールの原料として欠かせない「ホップ」の産地として日本一であることから、「横手のホップ」ステップアップ事業が新設されることに注目している。

いわゆる減反政策の廃止はすなわち、農家が主体性を持って取り組まなければならないという時代の転換期にあるのだ。

農家の意欲を後押しするために行政の果たすべき役割は何なのかという視点で、農林部の働きに大いに期待しているところだ。

このように、ごく一部ではあるが、横手市が打って出るための農林商工観光系の話題について触れさせて頂いたが、この分野は特に、費用対効果という観点から、税金の投入が最大の効果を発揮できるようなアイデアと仕掛けづくりが必須である。

行政が事業を行うことが目的化してしまっては本末転倒であり、そういう意味で議会のチェックを怠ってはいけないし、広く市民の声を聴き具体的に政策提言していくという議会の在り方も、我々の責任において同時に模索していかなければならない。

やるべきことがたくさんあるというのは、ワクワクする。


話題は少し変わって人事の話。

横手市役所新年度の目玉が、産業建設の所管でいえば「よこて農業創生大学事業推進室」と、「まちなか再生推進室」の新設であろう。

「農業創生大学・・・」については、現在の担当が農業ブランド創造課であることから、住み分けをどうするのだろう?農ブラは今後どんな事業を主体的に行うのかということが、新年度予算審議においてなぜか明らかにされなかったのである。

「まちなか再生・・・」については、都市計画課に代わり立地適正化計画の策定に動き出しながら、横手駅東口再開発の在り方を模索するという役割を担うようだ。

相当に重たい案件を、一体どうやって議論していくのだろう。

なぜ、新年度の目玉である組織の話と予算案が一体的に議論できない横手市役所になっているのか。

この点は以前も指摘したことがある。

誰がそのポストに就くのかは別に時期が来るまで示して頂かなくて結構なわけで、それを先に言えといっているのではない。

新しい組織がどんな役割を担うのかということが、組織全体で共有をされていないことに大きな問題を感じている。だからおかしな話が独り歩きするのだ。

一部人事に関わる人たちだけの秘密事項で、何をやるかは4月になってみなければ誰も分からない。異動する人たちもそこに行ってみなければ分からなくしていることに何の意味があるのだろう。

「まんが美術館事業室」を設置した時もそうだった。

人事は議会には関係ないし口を挟むべきでもない。当然のことだ。しかしながら、政策と予算の土台となる組織の在り方を一体で議論しましょうよということがなぜ受け止められていないのか不思議でならない。

「何のために専門部署を設置して、そこで何をやるかは言えません。でも予算は認めて下さいね」というのは筋が違うように感じるのは私だけだろうか。

しかも、この3月に定年退職された方が再任用として「室長」に就かれるというのもこれまでにない取り組みである。

室長といえば課長級ポストである。今後も議会に出てこられて、また一緒に議論をさせて頂けるということなのだろうか。そうだとするならばとても楽しみである。

「2040年70万人社会」が、「2045年60万人社会」に下方修正された。

もしかしたら、国の仕組みそのものを変えない限り、この問題に答えは見えてこないのかもしれない。

ハコを造ることがにぎわいを生み出すのではなく、造らなければならないハコをどうやって活用していくのか、私たち地方自治体にできることを精一杯やっていかなければならないのである。

新たな気持ちで新年度、しっかりと仕事をしていきます。


追伸・市役所では、今年もお世話になった多くの方々が定年退職を迎え、人事異動により他の部署に移られます。

今議会、私の一般質問において、締めの言葉として退職される方々に対し、「自分のことをどう思っていたかは存じ上げませんが、皆さんと一緒に仕事をさせて頂いて大変勉強になりました」と感謝の気持ちを申し上げたつもりが、時間切れで言葉足らずになってしまい、自分の本心を伝えきれていいなかったように感じています。

激動の時代。市町村合併を経験し今の横手市を築いて下さった皆さんのご功績は計り知れないものがあります。

人生100年。一億総活躍社会だそうですが、これからも健康に留意され、卓越した経験と知識をぜひとも地域に還元して頂き、オール横手の一員として、これからもそれぞれのフィールドでご活躍頂ければと思います。

大変お世話になりました。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。


議会人の責任と、修正案の意味。

2018-03-26 21:48:02 | 日記

あれだけ固く降り積もっていた雪がみるみる融けていって、ところどころ田んぼが顔をのぞかせている。

季節はすっかり春である。

さて、今議会では、補正予算に対する修正案の提出者になるという初めての体験をさせて頂いた。

私を含め、市が進める公共温泉民間譲渡に関する公金の支出のあり方について「意義あり」と訴える9名の議員が連名で提出し、所管である産業建設分科会で反対の意思を示した私が、言わば栄えある提出者の役目を担わせて頂いたわけであるが・・・

果たして、公金の支出は認められないという正論を、ど真ん中のストレートを放り込むだけでいいのだろうか?

正直な話、いろいろな方々の顔が脳裏をよぎった。

最後は、これまでしてきた市民に対する説明と、今実際にやろうとしていることに大きな齟齬があるという当局の理論が破綻していることを、それと同時に、市政の最高責任者としての政治責任を指摘するという、議会人としての立場を貫くことしかないのだろうと心に決めた。

それにしても、議事進行のまずさにまたもや立ち合いで待ったをかけられたようで(一般質問の時は映像システムだったが)、それでも動じることなく、議員として何のためにここにいるのかという心の根っこに訴えかけようとしたのであるが、結果は見事に予想通りで、提出者9名を超える支持を頂くことはできなかった。

この修正案の趣旨説明が、賛成討論が、どれだけ議場にいた方々の心に届いたのだろうか?

議員間討論なり自由討議なり、最近の議会改革の議論でキーワードになっている手法を取り入れるなりして、事前に議会全体での意思確認をすべきだったんだろうなと今さらながら思っている。

まあ、13号補正に修正案が出されることすら議会の中で意思統一されていなかったことを、あの議場の喧騒が物語っている。

以下、長文ですが私が読み上げた原稿をそのまま掲載します。

~~~~~~~~~~

次に、その主な理由についてですが、

まず、市が約74%出資する第三セクター(株)増田町物産流通センターは、就業規則を改正して退職金規定を廃止したのち、個人負担無しで会社名義として積み立てていた養老保険を解約し、昨年6月と10月の2回に分けて1400万円程を退職していない社員に対し、退職金という名目で支払ったという事実があります。取締役会への事前報告の規定がなかったことから、この措置は社長の判断で行われており、1回目の退職金支払いの事実を後から確認した横手市は、2回目の支払いを黙認したことになります。

従業員のこれまでの勤労に対する対価として退職金を支払うこと、それを求めることは長年に亘り「さわらび」を支えて頂いた方々の権利であることは言うまでもありません。

しかしながら、今、会社清算のために市が3000万円の補助金を市民の血税から投入しようとしている時に、会社の資産1400万円を意図的に流出させた行為は、法律に抵触する恐れがあるのではないかという3月6日の会派代表質問での指摘に対し、当局の答弁は、「可であるとも、非であるとも市としては判断しかねる状況である」とのことでありました。

その後、議会の調査権に基づき3月12日に提出された資料の説明によれば、「退職金は取引先よりも優先される従業員の権利であり、退職金の支払い自体が会社に損害を与えるものとは言えないと考える。労使交渉に基づき従業員保護という理由で双方の同意の上で行っていることから、自己の利益のためとは言い切れないものと考える」。よって、1400万円ほどの支出は、会社法960条が規定する「背任行為」にはあたらないというのが市としての公式見解のようでありました。

3月13日に行われた産業建設分科会において、改めて、「市側の調査検討で違法性はない。弁護士に確認して、仮に争ったとしても背任を問えるものではないだろう」という当局側の答弁を確認した後に行われた採決で、賛成4反対3でこの補正予算は可決成立となりました。

その後、根拠となる「弁護士との相談記録について」の資料を要求し、3月14日に提出された内容によれば、「退職金を前倒しして支払わなければならなかった明確な理由付け」、「取締役会に諮らずに支出した点」などに疑問点が残るという内容でありました。よって、産業建設分科会での採決の前提であった、「市として違法性はない」との判断は確実性に乏しいことが明らかになったわけであります。

このことから、今の状況では、増田町物産流通センターの清算に3000万円の公金を支出することに、議会としてお墨付きを与えることはできかねるというのが、修正案を提出した理由であります。

次に、民間譲渡する温泉3施設の現状復旧費用相当額の負担金、合わせて1億1100万円の支出についてですが、昨年10月31日の譲渡候補者としての正式決定を経て、関連議案の上程を目指していた中、12月20日に雄川荘の室外基5基の内1基、その後1月16日にはさらに2基、加えて、えがおの丘の空調設備が故障し、その後、その他の譲渡予定施設に関して調査を行った結果、1月22日にはさわらびの空調に不具合が発生していることが判明したようであります。

さわらびの故障については、1月24日に開かれた臨時議会の産業建設分科会において、さわらびを譲渡する議案が可決した後に、「雄川荘とえがおの丘以外の故障はないのか」という議員からの質問に答えるかたちで、その事実が発覚しました。

「市として空調設備が譲渡前にこのタイミングで壊れることは想定外であった」と、「3月31日までの市による運営という点から必要な投資であること等について熟慮を重ね、市が負担すべきという判断をした」ということを、市長は3月9日の一般質問の答弁でおっしゃっておりますが、平成29年3月に公開された公募要項によれば、「30年4月1日に現物のまま引き渡す」との記載があります。

また、28年3月に示された「公共温泉施設の在り方・再編方針」において、当初のスケジュールが29年9月に譲渡実施、第二段階として「数値基準達成度等の評価による存廃決定」を30年9月に行うとしていた予定が、土地の問題と一斉公募を理由に後退させることになった理由を議会に対し説明するため、28年12月7日と13日に示した資料によれば、

「大規模修繕等に係る支援制度に関する要望については、次の理由により講じないこととしたい。

①建物を無償譲渡とするため。

②土地の貸付料または固定資産税に対する支援施策を講ずるため。

③施設の老朽化の度合いや事業の性質を考慮すると、継続的な投資が必要なことが明らかであることから、リスクを織り込み済みで相当の覚悟を有する事業者でなければ、安定的な施設運営に不安があるため。

④後年度の市財政負担リスク(投資費用や瑕疵等不透明要素)を可能な限り回避するため。」

と説明しております。

この記載を見る限りでは、6公共温泉施設の簿価の総額18億2112万7000円を無償譲渡していることからも、建物の修理に関しては市として一切の責任を負わないという強い市長の覚悟が込められているものと思いますが、この方針が議会に対し一切の説明がないままに180度方針転換されています。

一定程度市が直すのであれば、初めから公募要項にそう明記するべきであって、施設の老朽化というリスクを理由に、地域の温泉経営に名乗り出ることを断念した方々の思いをどのように考えていらっしゃるのでしょうか?

また、今回示された1億1100万円は「各施設空調の故障部分を現状復旧するため、譲受者に工事負担金として支出する」との説明を繰り返されておりますが、その金額の根拠を、未だ明確にお示し頂いておりません。

何らかの理由によって、どうしても不具合を修理しなければならなくなったと言うのであれば、議会を開くいとまがないことを言い訳にし、正規の手続きを取らずに改修工事に必要になるであろう大まかな概算金をお渡しするのではなく、工事にかかった実費を後からお支払いする方法も考えられるのではないでしょうか?「熟慮」したとは言いますが、この点についても、議会との協議がなく一方的に決められています。

「財政負担の抑制」が、市民の財産である公共温泉施設を民間譲渡する理由だとしていた根幹が、大きく揺らいでいるように感じます。

市長が、公共温泉施設の民間譲渡を決断した瞬間、母体である第三セクターの清算が一番の課題になることは容易に想定できたはずです。

ただでさえ経営状況が芳しくなかったことは、平成26年夏頃には市としても把握していたようですし、27年10月に市が策定した、「第三セクター等の関与に関する指針」では、「財政関与の見通し」の中で「損失補填等の廃止」をうたっていながら、この間、筆頭株主である市が適切な対応を行ってこなかったツケを最後の最後にぎりぎりになってから議会に苦渋の判断を委ね、自らの責任をうやむやにしたまま、何の躊躇もなく、巨額の市民の血税を投入しようとしています。

このように、市長は「民間譲渡でしか温泉施設を残すことはできない」と勇ましいスローガンを掲げながら、やるべきことをやらず先送りし続けてきた結果招いている1億4100万円もの血税の支出であって、地域のにぎわいづくりのために、温泉施設の経営に手を挙げて頂いた譲受者の方々の思いには敬意を表しつつも、全ては、市に大きな責任があるということを指摘させて頂きます。

誰のための、何のための民間譲渡なのでしょうか。軸がブレています。

市民からお預かりした税金を、先輩方が努力して積み重ねてこられた結晶である財政調整基金を取り崩し、この1億4100万円を支出することを議会が認めるか否かはすなわち、議会のチェック機能、二元代表制の真価が問われているのであります。

以上、法的に懸念が残る公金の支出は今の時点では認められないということ。改修工事にかかった実費を後から支払うべきであるという理由から、この修正案を提出した次第であります。

委員各位の賛同を切にお願いし、趣旨説明といたします。

~~~~~~~~~~

次に、もう一本出された修正案。

これは、平成30年度一般会計予算案から、十文字庁舎多目的施設の設計費6121万9000円を予備費に組み替えるというもので、この課題はたびたびこのブログでも取り上げてきており、総務文教分科会での当初予算案否決を受け4名の議員から提出されたもので、私も賛成した。

改めて申し上げると、60年を迎える十文字庁舎の建設に反対するものではないし、むしろもっと早く取り組むべきまったなしの大きな課題であったはずだ。

ところが、この度提案された内容は、同じく老朽化の著しい幸福会館の検診機能と文化センターが持つ生涯学習機能(ホールと体育館は先送りのようだ)を複合化させたものである。

「十文字エリア一体のまちづくり方針と横手市全体として公共施設をどう配置するか、グランドデザインが定まってこそ初めて複合化の議論が出てくるものであって、合意形成が図られていない現段階の複合化案には疑問を感じる」というのが趣旨説明の内容で、この視点は、私が今議会に一般質問で指摘した、「横手市のグランドデザインが描く地域の未来について」そのものである。

この十文字の多目的施設の機能に影響は及ぼさないという、今秋示されるグランドデザインとやらに今から大いに期待しているところであるが、この「多目的」でいいのであれば、もう数年前倒ししてやれたはずである。

住民による庁舎検討委員会もすでに解散された今、どうやって地域の声を反映させているのだろうか?

そもそも、今後平成31年度には大きな組織機構再編を予定しているようで、地域局の在り方も、地域の拠点にどれだけの職員を配置するのかも何もかもが不透明な状況にある。

まだ何も決まっていない中で、財源ありきの理由でとりあえず庁舎を建ててしまいたいという理屈は、大局観がなく目先のことしか考えていないと言われても仕方がない。

しかも、その根拠が議会の公共施設特別委員会が提言した「複合化」だというのだから・・・普段は無視するのに、こういう時だけ議会の意思を切り取られてもねぇ。

もう一度言う。だったら、「均衡ある発展」を掲げた4年前に建てればいいではないか。

11対13で修正案は否決され、当局の原案に基づき、粛々とこの十文字庁舎プロジェクトは動き出していくことになる。

わずか1人の差で、総務文教常任委員会の意思をひっくり返したことの意味は我々議会に重くのしかかっている
のである。


追伸・昨日の北秋田市議会議員選挙において、佐藤光子さん、大森光信さんが見事3期目の当選を果たされました。おめでとうございます。全体的な投票率の低下の流れは大きな課題です。そういう意味でも、責任世代が果たす役割は益々大きくなっていくことでしょう。今後ともよろしくお願いいたします。



前を向いて。

2018-03-23 22:25:00 | 日記

昨日、長丁場の3月議会が閉会した。
いろいろあったが、結局は市長提案の議案全てが可決成立となった。

この1か月間、来る日も来る日もパソコンに向かい、これ程文章を書いたことはなかったように思う。

一般質問にはじまり、膨大な議案審査のために資料を読み込み質問項目をまとめ、広報委員長という立場もあり、3つの原稿を手掛けている。そして、昨日は議員として初体験であった修正案の提出。

おかげで、ブログに手がまわっていないことを言い訳にしつつ(笑)、それが自分の仕事なのだから、使命なのだからと与えられた立場を精一杯全うしようとしている。

書きたいことは山ほどある。

委員会審査のこと、昨日の修正案のこと・・・

市長提案が全て可決したという現実。

結局は、どれだけ議会改革の議論をしようが、二元代表制の意義を学ぼうが、「原案」からは決してはみ出すことができない方が、いつものように過半数以上いるというのが、悲しいかな横手市議会の現実である。

それが議員の役割だと思っているのか、突き抜ける勇気がないのか、そもそもの矜持がないのか。

タテ・ヨコ・ナナメから検討を加え、いくら筋道を立てて「何のためか」ということを訴えても、魂の言葉を発しても、初めから「原案」ありき、何かに忖度して聞く耳を持っていないのだろう。

地方議会ではありえない「与党」にあるとするならば、与党なりに後押しをする討論の一つでもぶちかましたらいいではないか。それもしない。何もしない。全て賛成するだけ。

地元?のことだからか、自分なりの信念に基づき筋を通しているつもりなんだろうが、全くもって理解に苦しむ。だとしたら、間髪入れずにその役職を返上するなり、議会人としての「筋」を通したらいいではないか。

最低限のマナー、議事進行・・・本会議場というのは、もっと格調高く誉れ高き場所であるべきだ。

4年前の我々は、分からないことは事前に聞いて、しっかり準備をして議会に臨んでいたように記憶している。

発言ができないということは、その準備をしていない。

それはすなわち勉強をしていないということである。

勉強をしないということは、何も疑問に感じていない。

それはすなわち、何のために議会にいるのかということである。

当然のように、委員会で否決されたものが最後の本会議にひっくり返る現実。

委員会での詳細な審査の結果導いた結論を尊重するという文化は、いつの間にかすっかり消え失せているようだ。

最初からこうなることは分かってはいたけれど、この大いなる無力感、そして脱力感。

それでも、自分が気が付かない変化に助言をして下さる方が周りにいるというのは有難いことである。

自分が自分として、今ここにある意味を見つめ直し、腐らずに前を向いて歩いていこうと思う。

気持ちを整理して、次回から今議会の出来事を振り返っていきます。


追伸・今日は横手かまくらFMの番組「もっと教えて、横手市議会」の収録があり、私自身今回は出演者ではないのですが、総監督?として(笑)様子を見守りました。

昨日の今日で今議会を振り返るという内容となっており、慌ただしいスケジュールの中ご協力頂いた皆さんに感謝します。

4月以降、もう一歩踏み込んだ番組にしようと目論んでいるところです。乞うご期待!


「説明不足」。~委員会審査を終えてPart1~

2018-03-18 22:43:32 | 日記

16日(金)は地元大雄小学校の卒業式、



17日(土)はたいゆう保育園の卒園式に参加させて頂きました。



子どもたちの成長には目を見張るものがあり、改めて時の流れの速さを痛感している。

卒業生の語る将来の夢は、その時々の世相を色濃く反映しているように思う。

高い壁に何度も跳ね返されて、それでも諦めずに一つ一つハードルをクリアしていくその先に君たちの夢がある。近道や特急列車などない、そうすることでしか夢を掴むことなどできないのだ。

大雄小学校の教育目標である「ホップ・ステップ・ジャンプ」。

土台を築く時期である今を大切に過ごしてほしい。遠回りすることはあっても、決して無駄なことなどないのだから。


さて、開会中の横手市議会3月定例会は週明け22日(木)の最終日を残すのみとなり、明日は議会運営委員会が開かれ、私たちは議会だよりの編集を予定している。

12日(月)~14日(水)の3日間に亘り行われた各常任委員会に分かれての審査では、厚生が全案件全会一致での可決、総務文教と産業建設では採決が分かれ否決される案件が出るなど、当初予想されていた通りの展開となったようだ。

まず、総務文教では、新年度予算案が否決されるという事態となり、会場にいた訳ではないので詳しい状況は存じ上げないが、十文字地域局庁舎の建設に関する議論が最後まで平行線だったようである。

議会の特別委員会が「多目的化」を提言しているからだとか、あの時この議員がこう言ったからだとか、そういうやり取りを予算審議の中でせざるを得ない状況にしてしまっている責任は誰にあるのだろう。

私もこの件については一般質問で多少取り上げているが、なぜ言った言わないを議案を上程してからやらされているのだろうか?

不思議でならない。

前から申し上げている通り、老朽化がひっ迫している十文字庁舎を建ててはいけないなどと考えている議員は一人もいないはずで、にも関わらずこのような結果に至る要因を生み出しているのは、毎度おなじみの「説明不足」である。

この1年間、どんな説明をしてきましたか?合意形成が図られていましたか?

すれ違いのままにいきなり聞いたこともない提案をしてくるというのは、議案を通しさえすればいいという丁寧さを欠いた思惑が透けて見える。

いずれにせよ、新年度予算案が一部否決されている異例の状況の中で、議会として次の行動がなされるものと思う。

なぜそうなったのかを正しくお伝えすることも、我々の責務である。


さて、私たち産業建設。

迷走する公共温泉施設の民間譲渡に関わる案件で、やはり賛否が分かれた。

「山内地場産品直売施設」の指定管理者を指定する条例について。つまり、譲渡される鶴ヶ池荘の向かいにある「山菜恵ちゃん」の運営を譲渡先の企業に指定管理するという案件である。

賛成2反対5(私は反対)で、「否決すべきもの」という結果となり、あの説明で賛成せよという理屈に無理があるのでは?議会のチェック機能が問われる象徴的な事例である。

そもそも、これまで一体的な運営がなされていたこの施設が、経営母体が変わることによってどうなるのかという議論をほとんどやってこなかったように記憶している。

そうではないと言われる方もいるかもしれないが、私は、温泉施設とこの直売所はこれまでそうであったように一体的な施設であって、これからもそうあるべきだと思っている。

まさに、この議案も説明不足というか、初めて聞きましたよ。

議論すればするほど矛盾や疑問が沸き上がってきて、論理が崩れていくのである。

公共温泉民間譲渡を統括している責任者不在の中で、担当だからという理由で地域局に丸投げをし、苦しい説明を現場にさせているこの組織。

事前のシュミレーションをどれ程やっているのだろうか?全く持ってトータルディフェンスができていない、全てはその無関心体質が招いた結果である。


注目の、1億4100万円の補正予算について。

これは、「第3セクター・(株)増田町物産流通センター清算に係る補助金及び、譲渡施設(雄川荘・えがおの丘・さわらび)について空調室外機等の現状復旧相当額負担金を増額補正するもの」である。

採決の結果は、賛成4反対3(私は反対)となり、可決すべきもの、1億4100万円の支出を認めるべきだという結論を分科会は導いたわけである。

私を含め、反対した3名はなぜこの支出が問題なのかを指摘し続けたが、議論は交わることなく平行線のままだった。これまでと変わらない、市として支出しなければならない理由を繰り返し繰り返し述べるだけだった。

第3セクターの清算に今回だけで3000万円もの血税を投入しなければならなくなった理由は、市としての「設立の経緯やこれまでの経営に対して、一定の責任を果たすための財政支援」だそうだ。

会派代表質問でのやりとり。その後14日(水)に議会へ提出された顧問弁護士とのやりとりの記録を見ていると、当局の判断に「議会としてお墨付き」を与えることには慎重でなければならないという認識を強くしている。非常に危うい部分が含まれている。

4月1日の現状で温泉施設を引き渡すことを公募の段階から確認していたのにも関わらず、1月24日の臨時議会以前に3施設の空調不具合を把握していたものの、議会の手続きを理由にして3月末までは工事が完了できないことから、改修に係る「相当額」1億1100万円を「負担金」として拠出せざるをえなくなった理由としては、

「空調設備が譲渡前のこのタイミングで壊れることは想定外だった」などという異次元の責任逃れの答弁をし、

「利用者の利益」を盾に「3月31日までの市による運営という点から必要な投資」であるということを、議会を蚊帳の外に置いて「熟慮」した結果の答えだから認めてくれということであった。

だとするならば、譲渡が叶わなかった3施設も「利用者の利益」を考えれば、仮に致命的な故障が発生した場合に大規模改修を行うのかという問いかけに、最後まで言質を与えることはなく、「その都度議会と相談」するらしい。

「福利厚生と健康増進の観点から活用する」としていた「にぎわいの創出」のための2期目の公約はどこに行ってしまったのだろう?

温泉特別会計の予備費はわずかな金額であることからも、仮にもし大掛かりな改修工事が必要となれば、確実に営業が止まることは目に見えている。「利用者の利益」が第一ではないのだろうか。論理が矛盾している。

全ての要因は、どんな理由があってか知らないが、今の今まで譲渡を先送りをし続けてきたことからきているように思う。

平成という時代のレガシーである公共温泉施設を、財政効率化の一点で民間に無償譲渡するという決断をされたこと。それ自体は覚悟を決めた重い決断であり、評価されるべきでなのだろう。

しかし、それから先の進め方があまりにも優柔不断である。

平成28年3月に策定した「公共温泉の在り方・再編方針」には、平成29年9月に譲渡を実施、平成30年9月には残りの施設の存廃を判断するとしていた当初のスケジュールを先送りしてきたがために、多額の公金支出をせざるを得ない状況を招いてしまったのではないのか。

民間譲渡を決めた瞬間、母体である第3セクターの清算が一番の課題になることは容易に想定できたはずである。

ただでさえ経営状況が芳しくなかったことは、26年夏頃には市としても把握していたようで、この間、最大出資者である市が適切な対応を行ってこなかったツケを最後の最後にぎりぎりになってから議会の判断を委ね、これまでの市としての責任をうやむやにしたまま巨額の血税を投入しようとしていること。

老朽化が進む施設はいつ不具合が起こるかわからないリスクと隣合わせだったはずなのに、「譲受者はリスクを承知の上だ」と強弁をし、いつの段階まで市として修理をしなければならないのかという、一番のポイントを曖昧にしていた結果がこの有様である。結果論かもしれないが、初めから、3月末までの不具合は市が責任をもって直しますと公募要項に書いておけばよかった話である。

譲渡のスケジュールが大きく後退しているのは「土地の所有者の問題」だというのも、民間譲渡を決めた瞬間に想定できる、解決すべき課題であるはずだ。

このように、「民間譲渡でしか温泉施設を残すことはできない」と勇ましいスローガンを掲げながら、詰めるべきところを詰めずにいたずらに時間だけが経過してしまった結果招いている事態であって、地域のにぎわいづくりのために経営に名乗り出て頂いた譲受者の方々の思いには敬意を表しつつも、市として大きな責任があるということだけは指摘させて頂きたい。

誰のための、何のための民間譲渡なのか。軸がブレ、根幹が大きく揺らいでいる。

今思えば、委員会での各議員のやりとりからは、なぜ賛成なのかが全くもって理解できなかった。正直採決の結果にはとまどいさえある。賛成なら、納得できる理由を述べて頂きたかった。会議録には賛成の理由は見当たらないのではないか。


産業建設常任委員会・分科会におけるその他の議論は次回に。
ひたすらバッティング、打って出るためのアイデアをぶつけ合う産業建設は、やはり面白い(笑顔)


追伸・本日、北秋田市議会議員選挙が告示となり、全国若手市議会議員の会の同志である佐藤光子さんの出陣式に駆け付けました。





「私の政策の基本は地域の皆さんの声にある」と、2期8年徹底して子育て支援に特に力を入れてきた光子さん。

東北ブロック代表として応援演説のご指名を頂き、「市の予算や政策が地域の皆さんのためになっているのかという視点で、ふるさとの未来はこうあるべきだと語ることのできる議員を、皆さんの代表として議会に押し上げて下さい」と、心を込めてエールを送りました。

その後鷹巣地区に車を走らせ、大森光信さんの選挙カーを何とかキャッチすることができ、ラガーマンのいで立ちで爽やかに駆け回る若手議員の先輩ともがっちり握手。

責任世代のネットワークで、故郷秋田を前に進めるために・・・必勝をお祈りいたします。




 


3月11日。

2018-03-11 19:43:46 | 日記

未曾有の東日本大震災から7年。

あの日を境に人生観が大きく変わったということを、我々は絶対に忘れてはならない。

福島第一原発事故の影響により、放射線量の高い帰宅困難区域は町を分断して残されており、いつ帰れるのか、その見通しすらたっていない状況だ。

この時期になればテレビも特集番組を編成し、その中であの日の惨劇を繰り返す映像が流れることから、「もう見たくない」というご意見も寄せられており、あの日を思い出し、情緒不安定になるという事例もたくさんあるようだ。

そういう意味で、まだまだ何も解決していないのである。

1年1年状況が良い方に向かって行ければいいのだが、吉野大臣が「心の復興」という言い方を繰り返されているように、目に見えて復興が進んでいる一方で、課題はより複雑するなど新たな局面を迎えていることも事実である。

「風化させてはならない」というありきたりな言葉以上に、別の問題が積み重なっている現状に目をそらすことなく、日本人として何をすべきかということを考えて行動していかなければならない。

同時に新たな震災のリスクが迫っていることも肝に銘じながら。


さて、昨日は地元横手明峰中学校の卒業式に参列。

6期生の卒業ということで、一人ひとりの名前が呼ばれるのを聞いていて、この間小学校を卒業したと思っていた地元の子どもたちが、春からはもう高校生なんだと思うと、時の流れの速さを改めて感じている。

威風堂々たる姿。みんな立派な中学生だ。

「迷ったときは、人として正しい方に、難儀だと思う道を進め・・・」

共に卒業を迎える校長先生からのはなむけの言葉には、我々全ての大人に対するメッセージが込められているように感じる。



明峰清冽。

151名の未来に幸あれ。


追伸・開会中の横手市議会3月定例会は、明日から各常任委員会に分かれての審査となる。

国政も混迷を極めているようだが、我々も重たい案件を抱えている。

「人として正しい道に」

それを貫かずして、子どもたちの未来を語ることなどできない。