奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

横手市議会は、「持続的な農業の発展に取り組む」。

2014-09-24 22:15:58 | 日記

稲刈り5日目。天気に恵まれて今日まではほぼ予定通りにきているのではないか。明日の天気予報は雨。すでに降り出しているから明日は無理だろうな。刈れなくても他の仕事はあるし、午前中は議会広報委員会も行われる。議会が終わっても公務は続く。


さて、前回の続き、「政府による緊急の過剰米処理を求めることについて」の請願が横手市議会に提出され、結果から申し上げれば、賛成8、反対17で不採択となった。

請願や陳情は、それぞれ所管する委員会で審査と採決が行われ、最終的に本会議で議員全員による採決が行われるが、この請願は付託された産業建設常任委員会でも不採択となった。通常、委員会で通らなかったものが本会議で逆転可決するケースはあまり聞いたことがない。そういう意味も含めて成立しなかったと言えるのだろうか。

委員会審査(9.8~9.10に開催)の中では、

「米価の動向が気になるところであり、現状を考えれば意見書を出すことは有効である」との意見や、

「農家はこれまで減反など生産調整に応じてきた。米価の下落は農家にとって大変悲惨な状況をもたらす。今年産米への影響を考えれば、緊急的に過剰米の市場隔離と需給調整を国の責任においてきっちりと行う必要がある」との賛成討論があったようである。

反対意見は報告されていない。

もちろん、未来永劫国がダブついた米を買い続けることによって、農業を取り巻く課題が解決し、疲弊した農村をよみがえらせることができる。そんな単純な話ではないことは承知している。しかし、「緊急に」今やらなければいけないことであり、それを求めることは当然だろうと私は思う。

私は産業建設常任委員会所属ではないので、どういう雰囲気で議論が展開されたのかは深く存じ上げていないし、もちろん採決に加わることもできない。

しかし私は、この問題については「委員会で否決だから、本会議でも否決だろう」と単純に考えることはできなかったし、そんなに安易な話ではないだろうと思う。

だから、本会議では「賛成」を表明した。

主義主張とか党派云々の話ではない。「現場の農家への影響が大きいから、何とかするべきじゃないか」。そういうシンプルな思いからである。

農家の方たちと顔を合わせると、挨拶代わりに米の値段の話になる。それくらい、生産現場には衝撃とダメージの大きい話なのだ。

大仙市議会ではこの請願を可決しているし、山形県知事は農水大臣に直訴している。
こういう急激な価格の下落に生産者はついていけない。稲作を続ける意欲を失ってしまう。だから皆さんアクションを起こしているのだ。


タイトルのとおり横手市議会は、議会最終日に「将来に希望の持てる農業政策を推進する決議」を全会一致で可決した。
「米価下落は横手市の農業や地域振興に大きな影響を及ぼす。横手市議会は一丸となって地域を守り、持続的な農業の発展に取り組む」という揺るがない決意を表明したのである。

であるならば、この請願はまさしく決議したこの趣旨に沿ったものであり、「採択」すべきだったんじゃないのかなあ...
採択した上で決議した方がすっきりすると思うのだが...


いずれにせよ、「地域の農業を守る」と大局的視点から横手市議会は決議したわけであり、請願者のみならずすべての農家の思いを受け止めながら、きっちりと行動を起こしていくことが求められている。

以下、決議文を全文掲載します。

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 将来に希望の持てる農業政策を推進する決議

JA全農あきたは9月12日、2014年産米の概算金を決めた。全国的な消費低迷や過剰在庫などを受け厳しい販売環境が見込まれることから、あきたこまち1等米(60キロ当たり)は前年より3000円低い8500円で過去最低となり、農家に衝撃を与えた。

日本の農業は、安全安心な食料の供給をはじめ、国土保全や環境維持などの多面的機能を担うことで生活の基盤を形成してきた。加えて、地域コミュニティの形成にも極めて重要な役割を担っている。

横手市農業は、水稲を基盤に様々な部門や作物を組み合わせ、県内トップクラスの複合産地としての地位を確立している。しかし、今回の採算ベースを割り込む価格決定は、特に、担い手や大規模な農家ほど打撃が大きく、当地域の農業経営の基盤をも揺るがすものであり、ひいてはこれまで推進してきた複合化の取り組みに大きな影を落とすことも懸念され、農家所得の減少から地域経済に与える影響が大きいと思われる。

現在、国では「強い農林水産業」と「美しく活力ある農山村」を実現するため、農政改革を進めているが、米の売渡価格が生産費を大幅に下回ることになれば、今後の再生産ができなくなることが危惧され、担い手の確保育成や農地の集約化など農政改革の停滞も心配される。

今まさに、将来に希望の持てる持続可能な農業の確立に向けて、あらためて真剣に取り組む必要がある。

よって本市議会は、横手市及びあらゆる関係者と連携し、地域を守り、将来にわたって持続的に農業を発展させるため全力を尽くすものである。

以上、決議する。

 平成26年9月19日 横手市議会

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9月議会閉会、そして稲刈り。

2014-09-21 22:35:22 | 日記

我が家では昨日から稲刈りが始まった。





雨が降ると絶対できないのが稲刈りだし、朝露で濡れている稲が乾かないと作業を始められない。
昨日今日は良いお天気だったが、順調にいって10日くらいはかかりそうなので、台風の予報もあるが好天が続いてほしいと願っている。

父と交代でコンバインに乗っているが、稲刈りは田植えの一発勝負のような緊張感はない(笑)曲がることもほとんどないし、曲がっても後で修正(ごまかし?)がきくからプレッシャーがない(笑×2)
でも、埃でかゆくなるのだけが辛いところだ。

コンバインの上でふと考えてしまう。

手間暇かけて毎年こんなにいい米ができているのに、今年は去年より3000円安い。
目に見えない努力をしてどんなにいい米をつくっても、同じ釜に入れて、「秋田県産あきたこまち」として売られている。

「自分で売ればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうであるが、これまで国の農業政策に従い、JAの指導と協力の下でコツコツと米作りをしてきたのが、地域の零細農家である。

結果として、後継者が育たない、若者がいないという農村を招いてしまった事実。
疲弊する農村、特に人口減少の加速が著しい地方の衰退をこのままでは食い止めることはできない。

だから農政の大改革だと国は言うのだろう。このままではいけない、確かにそうだと思う。

でも、こんなにいい米がなんで3000円も下がるんだ?
ある人が言っていたが、「8500円じゃない。消費税8%分を引けば8000円を切ってしまう・・・」。

米依存の脱却、多品目も取り入れた複合経営。まとまってやる、法人化。6次産業化の追求。
目指すべき地域農業の姿だと思う。

5年後に生産調整(減反)が廃止され、米の直接支払交付金(かつての戸別所得補償)も半減、いよいよ生産現場に自己責任、経営感覚がつきつけられることになる。
その前に、TPPで万が一外国産の安いコメがどっと入ってきてしまえば、そこで「THE END」だと思うが...

地域農業の基盤を強化しながら、個々の農家の足腰を強くし、付加価値を高めて所得を上げていく。みんなで協力して、農村に暮らす私たちの生活が成り立つようにしていかなければならない。それが、今後5年間でやらなければいけないことなんだと思う。

しかし、こういう値段が示されては5年と持たない。来年大幅に米価が上がる保証などどこにもない。その前に潰れてしまう。肌で感じる現場の状況である。

モノの値段は需要と供給によって決まるのは当たり前のこと。米の値下がりは言わずもがな、在庫過剰だからである。消費拡大と合わせ、この問題に手をつけずして、米価下落に歯止めをかけることなどできない。


ということで、おととい閉会した9月議会にも「政府による緊急の過剰米処理を求める請願」が上がっていた。

この続きはまた次回...


総括質疑をやってみて。

2014-09-18 21:58:18 | 日記

横手市議会9月定例会は明日最終日を迎える。

8月25日(月)に始まって26日目。前半は上着を着るのがきつく感じる残暑であったが、ここ数日はすっかり秋の空。朝晩は、もう半袖短パンではいられないような肌寒さを感じている。

決算議会ともいわれる今議会は中身の濃い1か月であった。
会派代表質問4名、一般質問8名、そして昨日行われた総括質疑では私を含め3名。総勢15名の議員が登壇し、とても活発な議論が展開されたものと思う。

ということで、昨日は年に1回、9月議会でしか行われない「総括質疑」に初めてチャレンジした。議員になって1年、過去3回の定例議会ではずべて一般質問というかたちで出番を頂いていたが、今回は初めての経験であった。

以下、通告した内容をそのまま掲載します。

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人口減少社会を見据えた農業問題について

加速する少子高齢化・人口減少社会に歯止めをかけるための具体策を見出せておらず、また、政府による農政の大転換やTPPへの対応など、農業を取り巻く環境が依然として厳しく先行きの見えない状況の中で、これからも私たちの地域社会を守りながら次世代へと引き継いでいくために、基幹産業たる農業をどのように維持発展させていくのか。
これまで行ってきた農業政策について、農業という職業が雇用の受け皿として成り立つような所得、年間を通じて安定した収入を得ることに繋がっているのだろうか。農業に将来性や新たな魅力を感じられるようなものになっているのだろうかという視点から、次のことについて伺う。

1、平成25年度決算のうち、6款農林水産業費・1項農業日の分析について、具体的にどのくらい農業所得の向上や就農人口の拡大に結びついたのか。

2、農業という視点からの移住促進対策について。

3、市長の考える「ブランド力」と、それを高めていくためのマーケティング政策について。

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質疑の様子は、市議会ホームページで録画をご覧頂けます。
 → http://www.city.yokote.lg.jp/gikai/movie000474.html


2014年産あきたこまちの概算金8,500円という過去最低の金額が示されされ、稲作を続けていく意欲を失ってしまうような発表がされた中で、「農業に力を入れる」と言っている横手市にどんな取り組みができるのだろうか?個々の生産者の士気が高まるような、農家が奮い立つメッセージをいかに発信していけるのだろうか?という問題提起はできたと思っている。

正直、今回の総括質疑。

一般質問と総括は何が違うのだろうか?市長・当局に対して質問をぶつけるという点では、そんなに違いはないのだろう。
しかし、あくまでも決算審議。これまでの政策を問い、反省点を今後にどう生かしていくのかを問うことが主題であり、自分の思いを滔々と述べたり提案するということが趣旨にあっているのだろうか?という疑問がふつふつと湧いてきてしまって、いまいち追及不足に映っただろうし、私自身、不完全燃焼というか、最後まで訳が分からないままに終わってしまった。

いずれにせよ、「農家の後継者として地域農業を守っていきたい」という自分の意思、そのために東京から帰ってきたんだという思いを伝えることはできたので、これから先、突っ込んだ話というのは、やはり一般質問でとことんやっていかなければいけないのだと思う。

終わってみても、いまいちピンとこなかった総括質疑。
チャレンジすることに意義があったと自分に言い聞かせながら(笑)、しかし、議員として当局に質問ができるという意味。きっちりポイントを抑えて議論を深めていくテクニックというか、まだまだ全然足りないということを痛感したし、当たり前のことながら、経験不足。

質問は、ただやればいいってもんじゃないということに気付いたし、一方で、やり続けることで見えてくるもの、チャレンジしなければ分からないことも実際にあるのだと思う。

自分の思いを述べるだけだったら誰でもできる。自分の考える方向にしっかりと導いていけるような質問、相手の心に残る質問、市民の皆さんに分かりやすい質問、そういうものを追及していきたいし、そのための経験、準備を貪欲に一歩一歩行っていきたいものである。

明日の最終日は、追加議案や議会からの提案も予定されているようだ。

議会が終われば我が家は稲刈り。昨日あたりから近くでコンバインの動く音が聞こえてきている。昨年のちょうど今頃はいろいろあって(もちろん自分の選挙)、稲刈りはほとんどできなかった。

「農家の後継者だ」と公衆の面前で言った以上、今年はがっつりやりたいと思う。現場を知らなければ、現場の声や思いを届けることなどできないし、当事者が言うことこそ説得力があり、人を納得させられるのだということを肝に銘じてやっていきたいと思っている。


地元小学校の学習発表会。

2014-09-14 22:12:04 | 日記

先週は田根森小学校、そして昨日は母校阿気小学校の学習発表会が行われた。
来春からは統合し新しい大雄小学校としてスタートする両校にとって最後の発表会。多くの地域の皆さんの出席を頂きながら盛大に開催された。



田根森小学校の1年生。4月から同じクラスになる阿気小学校の児童一人ひとりの似顔絵を紹介していた。
「友達が増えるのが楽しみ」という元気な声。

新しい学校の見学に阿気小の子どもたちが田根森小学校を訪問しているようで、4月からスムーズな学校生活が始められるような取り組みがされているようだ。




阿気小学校全校児童によるフィナーレ。
「夢見るジャンプ」という歌と「校歌」の合唱。正直感動してしまった。

この子たちは、夢をつかむために何が必要かちゃんと分かっている...


140年の歴史に幕を下ろすこの節目に、綺羅星の如く輝く個性が集結した両校。
2つが1つになれば、きっとより素敵なものが生まれるだろう。
そう確信した、素晴らしい学習発表会であった。


決算特別委員会で総括質疑。

2014-09-12 23:13:25 | 日記

今日は、来週17日(水)の決算特別委員会で行われる締めくくりの総括質疑通告書を届け出る日であった。

年4回の定例議会ごとに行われる一般質問は持ち時間60分であるが、今回の総括質疑は年1回、9月議会でしか行われていないもので質問時間は30分。
市政全般について質問できる一般質問と違い、あくまでも決算審議の一環で行われる質疑だと理解している。

昨年の録画や過去の総括質疑要旨を参考にしてはいるが、いまいちどう進めたらいいのか掴み切れていない。
いわゆる一問一答方式でのやりとりになると思われるが、取りあえずチャレンジしてみる。

テーマは「人口減少社会を見据えた農業政策について」。

衝撃的な米価の情報が入ってきているが、これまで行ってきた政策が、農業に将来性や新たな魅力を感じられるようなものになっているのだろうかという視点から、農業予算の分析と今後の展望について、率直な気持ちをぶつけてみたい。