奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

消防分署統合の経緯から、「公共施設マネジメント」を考える。

2020-04-03 22:56:34 | 日記

春の火災予防の季節となりましたが、約693㎢という広大な面積を持つ合併横手市において、老朽化の進む消防署をどのように更新し、どこに配置していくのかという議論が長い時間をかけて行われてきました。

3月26日(木)、関係職員や消防団幹部、市議会に見守られ、横手市消防署西分署の開署式が執り行われました。





改めて消防分署整備の経緯を振り返ると、平成25年3月に「山内分署」、平成29年11月に「平鹿分署」が、老朽化していたそれぞれの地域局庁舎の改修と合わせて多目的施設として合築されました。

昨年平成31年3月には、十文字分署と増田分署の統合により増田高校近くの国道沿いに「南分署」が開設され、この度の「西分署」は大森大雄分署と雄物川分署の統合による新設となります。

以上で、計画されていた横手市の消防署整備は終了したことになりますが、条里北庁舎にもなっている「消防本部」は平成5年の建設で一番古い建物となりました。

新しい分署には女性職員の勤務に配慮した施設整備がなされていますし、働く環境としては見違えるように改善されました。地元の私たち消防団員にとっても、小型ポンプ操法の練習場所が確保されているなど、これまで以上に地域にとって身近な施設となっています。

「火事は最初の5分…」と言われるように、救急救命を含め消防署が近くにあることは、安心安全な日々の生活を送る上で欠かすことのできない視点であることは理解しています。

市の東側に山間部を抱える「山内分署」の整備は必須ですし、広い横手市のちょうど真ん中に位置する「平鹿分署」は、地域の消防署としてはもちろん、地の利を活かし分署の境界を越えて出動できるように機能が強化されました。

いずれも、老朽化の進む地域局庁舎の改修というタイミングに合わせることができたのは、公共施設マネジメントの視点からも意義深い建設事業だったと理解しています。

昨年の「南分署」は所在地が「増田」になりましたから、「十文字」からは消防署が無くなりました。この度の「西分署」は「雄物川」地域ですので、「大森」と「大雄」からは消防署が無くなることになります。

(ちなみに、地元の「大雄分署」は横手平鹿広域市町村圏組合の時代になりますが、平成12年に大森分署と統合されています。)

今後、全体総量の4割圧縮を目指し施設の統廃合を進めていく上で、消防署のように全ての市民の命に直結する施設を統廃合するケースはもちろんですが、仮に普段使わない人たちにとっては「無くても構わない」という認識が持たれるような施設であったとしても、あらゆる機会を捉えて地域の方々との丁寧な議論、広く市民の理解を得るための努力は欠かせません。

改めてこの消防分署の統合に向けた合意形成を図る取り組みというのは、大いに参考になるものだったと分析しているところです。

「MUST(必ず)」と「WANT(したい)」、統合する場合のメリットとデメリットを明確にした上で、将来の人口推計を含めた基礎となる数字を元に、複数の選択肢が示される中で徹底した平場の議論が行われてきましたし、私たち消防議員連盟、所管する総務文教常任委員会においても幾度となくキャッチボールがありました。

確かに、今まであった場所から消防署が無くなってしまうことは、地域の方々にとっては不安以外の何物でもありません。

しかしながら、これまでは仮に、ある分署において救急車が出動している時に火災が発生した場合は、同じ建物から同時出動できる職員体制になっていませんでしたし、研修や休暇のため人員が欠けた場合には、他の分署から応援を頼まなければ、日常業務に大きな支障をきたすという課題がありました。

これは、広く市民の方々にはあまり知られていなかった事実かもしれません。

南分署、西分署をどこに置くのかという議論では、そのエリアにおいて一番遠い場所への出動に何分何秒かかるのかを地図上に明示した上で、ぎりぎりの落としどころを模索してきました。

地域への説明はもちろん、議会に対しても全ての情報をテーブルにのせ、何のためにやらなければならないのかという本質の議論を丁寧に重ねてきた事実は、消防議員連盟の一員としてはっきりと申し上げておきたいと思います。

このことによって、「建物が目の前から無くなる不安」よりも、「同時出動が可能になることによる消防機能の強化」に対する市民の理解が次第に深まっていったように感じています。



(西分署の車両体制です。これまでの分署では、同時に複数台を動かせなかったのです…)

かつて、平鹿分署改修の際に、「市の中心からどこへでも出動できるという地の利を活かし機能が強化されることから、『中央分署』という呼び方にした方がいいのではないか。その後に続く南・西の統合に向けても、地域の名前が無くなることに対するアレルギーを少しでも軽減できるのではないか?」という提案を本気でしたことがありますが、市長の理解を得ることはできませんでした。

ちなみに、この度新設された西分署が西部斎場の目の前に整備されたのも、手狭な斎場の駐車場を場合によっては補完する意図があったことは、私たちの共通認識となっています。

既存施設をたたむ前提として、単なる廃止ではなく「縮充」。やめた代わりにどこの何をどのように強化するのか。施設の全体総量が減ったとしても、単体の機能は充実していかなければなりませんし、時間も空間も使い倒すことは当然です。

その上で、新しく建てるのであれば、基本は多目的複合施設。エリアを俯瞰して捉え、相乗効果を発揮できるような新規事業でなければならないということは、公共施設マネジメントの鉄則だと理解しています。

そういう意味で、これまでの消防分署整備は、市民説明、議会への情報提供とキャッチボールのあり方を含めて、見事な事業展開だったなと評価されるべきものと感じています。

一方で、横手体育館、横手市民会館、市民プールの今後の方向性を模索している今の議論は物足りなさを感じざるを得ません。

新型コロナウイルスの影響により、市民説明のために多くの人に集まってもらうことは困難な状況にあります。

多目的体育館や市民ホールなどの施設の在り方を説明する機会の一つ、年に一度の市長の「市政懇談会」もどうやら中止?になるようですから、今後どのようにして市民の理解を得ていったらいいのか、時間をかけて合意形成を図る必要があります。

「合併特例債の発行期限」を理由に、市民との対話をすっ飛ばして事業化を決定することはあってはなりません。

単なる既存施設を建て替えるだけの視点で議論を展開していくのだとすれば、公共施設マネジメント、横手市財産経営推進計画(FM計画)の理念から大きく逸脱する、将来世代にツケを先送りする理解しがたい政治判断だということは、敢えて指摘させて頂きたいと思います。


チーム市議会で新年度へ。

2020-04-01 22:22:03 | 日記

令和元年度を締めくくる昨日は、広報分科会正副分科会長会議を開催し、3月議会の内容をとりまとめた横手市議会だより「あなたと市議会」の最終校正を行いました。

皆様のご協力により、今回もイイ感じの議会だよりをつくることができました。4月15日には市内各ご家庭に配布されることとなります。市議会ホームページでもご覧いただけますのでお楽しみに!



これからも広報広聴委員長として、先頭に立ってひるむことなくチャレンジしていきます!
全ては「開かれた議会」実現のために…

最後に、異動となる事務局職員、チーム横手市議会の仲間たちに感謝の気持ちを申し上げました。何から何まで本当にお世話になりましたし、共に戦えたことを生涯誇りに思います。新天地での更なる活躍をお祈りしています!いつか、また…




さて、今日は4月1日。エイプリルフールのジョークを言えるような雰囲気に無いような、新型コロナウイルスの影響が各地で広がる中でのイレギュラーな新年度の幕開けとなりました。

横手市管内でも感染者が確認され、どうやら北海道滝川市役所を退職し、この春からお隣美郷町役場に転職された20代の横手市民の方のようです。

県のホームページでは、県内6例目の事例として報道発表されています。

横手市役所内部の情報提供では、その方は転入手続きのために横手市役所の窓口を訪れているようで、横手保健所の指導により適切な対策を行っているとのことでした。

これ以上感染を拡大させないためには、当該自治体として、正しい情報をありとあらゆる媒体を活用していち早く市民にお届けすることが大切だと思います。正確な情報が伝わらなければ、ありもしない噂話により混乱を招くだけです。

何をしたらだめなのか、今何をするべきなのか…

私たち市民一人ひとりは、緊張感を持って最大限の予防に気を配る必要がありますし、もはや他人事ではいられないステージにあるものと思います。不眠不休で対応にあたられている関係の方々に深い敬意を表します。

国の政策パッケージが間もなく示されます。県との連携を密にしながら、市民生活を守るために総力を結集していきましょう!


追伸・志村けんさんのご訃報に接し、まさにドリフ世代のど真ん中として言葉がありません。
高校時代、テレビの放送の翌日には、部活中にチーム大雄中の三羽烏でネタを振り返ってゲラゲラ笑い、先輩によく注意されていました(笑)

思えば、いい時代でしたね…

20年たった今でも、年に1回の飲み会で毎年その話題が出る程、私たちはドリフを、志村けんさんを愛してきました。

加藤茶さんの「コロナが憎い」というお言葉に同感です。あの世でチョーさんと楽しくやって下さい(合掌)