奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

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広報広聴の充実こそ、議会改革の第一歩。~広報分科会行政視察報告Part2~

2018-02-19 22:29:32 | 日記

来週からいよいよ3月議会が開幕する訳ですが、本日自宅に予算書が一冊届けられたきり、明日行われる議案説明の資料は夜になってようやくタブレットで見られるようになりました。待っている事務局にはご苦労をかけています。

原稿の締め切りに追われるイササカ先生と、少しでも早くそれを持ち帰らなければならないノリスケさんの「絶対に負けられない戦い」じゃあるまいし、大事な3月議会を審議する前提となる議案説明資料がいつ届くのかという不毛なやりとりを、横手市当局と議会は相も変わらず繰り広げているのである(笑)

イササカ先生にしてみれば、原稿を出してしまえば一仕事終わりかもしれないが、ノリスケさんにとっては受け取ってからが仕事なのであって、もう少し互いの立場を理解し尊重し合うべきなのではないでしょうか?

先般のタブレット端末活用推進会議では、まさしく今後の紙資料の併用の在り方について議論になり、製本する予算書決算書は残すことにしてはいますが、1年以上経過しだいぶ慣れてきたことから移行期間もそろそろ終了で、完全ペーパーレスでも支障ないんじゃないの・・・という話になりつつあります。

ただし、膨大な予算審議をする上で、説明資料は手元に紙で欲しいよねという声もあることから、今後は分厚い予算書を完全ペーパーレスにして最小限を紙で渡すか、他に必要なものは自分で印刷できるようにするか、そんな感じになっていきそうです。

それにしても、事前に資料を読み込めないとするならば、これで一体どうやって建設的な議論をしたらいいんでしょうね。それとも、「この事業の中身は何ですか?」を連発したらいいのでしょうか。

新年度予算を全体で協議する場がないのであれば、資料を十分前もって用意してもらうことを要求する位ご理解いただけるような気もしますが・・・


気が付くと、議会改革に関する投稿が4連続となります。

こういう部分も、本当は議会改革そのものなんですけどね。

議論する前提の下地ができていないのだがら、二元代表制を論じる以前の問題である。


さて、広報行政視察報告をはりきって完結させようと思います。

1月31日(水)、埼玉県鴻巣市にある㈱会議録センターにおじゃまし、私たちの議会だよりの紙面クリニックに始まり、広報や編集の基礎など、1日びっしりの研修であった。



メインテーマは、もっと読まれる、中身が伝わる議会だよりへ。である。

住民の皆さんが議会だよりを読んでいるかというある調査では、必ず読むという人が4割、関心のある部分だけという人が3割という結果が出ているそうで、目にはしている議会だよりをいかにして手に取って頂いて中身に目を通してもらうのかというのが、議会広報の永遠のテーマである。

表紙が全面写真の広報はコンテストで入賞している傾向が高いらしく、確かにインパクトがあるし写真も活きるが、表紙に使うことを想定した写真でなければ、文字の配置や縦横のバランスなど、難しさもあるのが実情である。

市民の笑顔が、特に子どもたちが載っている表紙というのは、確実に手に取って頂ける確率が上がるようで、いい表紙には好評の声が多数寄せられることから、それは私たちも肌で感じている。

私たちのタイトル、「あなたと市議会」については率直にお褒めの言葉を頂き、議会広報は常に市民と議会が「双方向」であるべきで、それをうまく表現しているいい言葉だと言われてとても嬉しくなった。

課題は、いかにメリハリをつけるかである。

私どものこれまでのリニューアルでは、思い切って字数を減らして文字を大きくするという取り組みはしてきたものの、全体の中でまずはどのページを読んでほしいのか、一番目立出せたい内容は何か、安定したレイアウトではあるが、どこを一番知ってほしいのかがいまいち伝わりにくいようだ。

我々も心がけて、議会用語など難しい言い回しは避けて注釈もつけるなど、分かりやすい内容に心がけてきたつもりではあったが、メリハリがあったかと言われれば正直苦しい。

中身をしっかりと読み込んでいただければ、議会で何が決まったのか理解できるのかもしれないが、それは「双方向」ではなかったと大いに反省している。

いわゆる見出し読みである。写真と見出しをうまく使って本文に引き込む意識というものが、これまでは決定的に欠けていたのである。

例えば、なぜ決算が不認定だったのか?僅差ってどれ位?

我々の見出しからは、大切な情報が読み取れないのである。

文中にある小見出しについても、これまでは何の気もなしただ議案名を書いていただけで、そうではなくて、例えば「災害復旧費に〇億円」といったような見出しに変えた方が、本文に引き込む力があるということだ。

賛否一覧の表にしても、確かに読み込めば情報は伝わるかもしれないが、見やすさを意識しているかと言われれば、せっかくの2色刷りがフルに活かされておらず、何の表なのか一発で理解できる工夫は必要だと感じている。

手始めに、単なる作文はやめにしなければならないと思う。

編集会議では、文中に書かれている内容を、我々がお知らせしたいことをワンフレーズで伝えるために、徹底してみんなで知恵を絞って、惹きつけるキャッチコピーを考える場にもしていかなければならない。


我々の一般質問の記載については、Q&Aについて評価を頂いた。

ここまでバリエーション豊かな見出しはなかなかないらしく、「〇〇について」を羅列している紙面も多いようだ。

課題としては、文字数の絞り込みかなと思っている。センセーショナルな見出しは長ければいいというものではない。

常任委員会の審査報告や行政視察報告のページについても同様で、まず何を伝えたいのかという我々の意図が感じられない構成であるということ。

会議室の写真よりは、現場を視察しているものの方が臨場感が伝わるし、やはり大切なのは一歩踏み込んだ見出しである。

どこに視察に行って、そこで何を学んで、議会としてどう活かすかという表現方法にしなければならないし、その辺りは広聴分科会や議会改革推進会議とも綿密に詰めていかなければならない課題でもある。

他には、書体(フォント)の種類や使い分け、色のイメージや配置のバランス、余白を生かしたレイアウトの仕方などについて改めてご教示を頂いた。

この部分はいつも印刷業者任せにしてしまっていて、紙面に自分たちの意思が加えられていなかったと反省をしている。


何といっても、一番のポイントは、「伝わる原稿のまとめ方」である。

「伝える」から「伝わる」へ。

議会が行っている情報発信が、市民に理解されているかという原点に立ち返らなければならない。

前述した通り、表紙を工夫するというのは、手に取ってもらうというハードルを下げるためである。

難しいワードをいちいち辞書を引きながら誰が読むのかと、常に読み手の立場を意識し、この記事の中で何を一番に伝えたいのか?分かってもらいたいことを明確にした上で、どのように伝えるかを工夫していかなければならない。

「読み手の立場に立った文章とは伝わる文章であり、一度読めばわかる文章は、読んでいて疲れない」のだ。

他市町村の事例をお聞きしていると、広報委員が他の議員の一般質問の原稿を書いているという事例もあり、それは大変な負担であろう。朝から晩まで編集会議を行っている話も聞いたことがある。

だから、とりあえず若い奴と新人が広報をやれ、みたいな空気になるのだろう。

紙面の質、すなわち伝わる議会だよりというコンセプトをいかに維持していくのか、雫石のお話からも、常に業者任せで広報委員が総入れ替えになるというのは考え物である。

実は我々も、議員から出てきた原稿には手を加えず、ありのままを市民の皆様に見て頂こうという議論をしたことがある。

いつもの校正作業では、内容の本質は変えずに表現の仕方などを分かりやすくするために、必死になって知恵を絞って書き加えるものだから、広報上では質問と答弁がばっちりかみ合っていて、それって議場でのやりとりと随分違っていないか?という笑い話になっている。

ご指摘の通り、議会の広報は記録ではなく「お知らせするためのもの」という視点に立てば、手を加えないというのは、「伝える」ことはできていても、「伝わる」ことにはなっていないような気もしている。

当初予算と決算を審査する3月9月と、議案としてはそれ程案件は多くはない6月12月のページ数がいつも同じ16ページでいいのかという課題もある。

雫石町議会をはじめ、町村議会のページ数の多さはレイアウトに余裕が生まれるし中身の充実にも繋がっていて、うらやましい限りである。

予算の範囲内で、まだまだやれることはあるはずだ。

私たちの委員会は、できることからすぐに取り組みます!

明日は第一回目の編集会議が予定されており、今回の研修を振り返りながらその辺の意識を共有しつつ、4月15日発行の議会だよりが、何か今までとちょっと違うなと、より分かりやすくなったなと感じて頂けるような紙面にしていきたい。

そうしなければ、何のために遠くに出かけていって研修をしてきたのかということになってしまう。

「伝える」から「伝わる」、そして「双方向」の議会だより、これからの「あなたと市議会」に是非ともご注目を頂き、様々な見地から忌憚のないご意見ご指導をお寄せいただければ幸いです。


私自身、昔から文章を書くこと自体に抵抗感を持ったことはなかったが、改めてこのブログも含め、広報の手法や表現方法について得るものの大きかった、充実した研修であった。

広報分科会一同、目を輝かせながら雪国への帰路につきました。

生まれ変わった広報分科会に乞うご期待!


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