沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

北中城村のごみ処理計画の「瑕疵」と「適正化(見直し)」を考える

2016-01-31 16:49:31 | ごみ処理計画

市町村のごみ処理計画というのは住民に周知をして理解と協力を得ることが大きな目的になっています。したがって、住民にとってできる限り分かりやすい計画にする必要があります。

その意味では、下の画像(ごみ処理計画の表紙)にあるように北中城村のごみ処理計画はイラスト等を多用して住民に分かりやすい計画にするための努力の跡が見られます。

 

しかし、平成26年3月に改正した北中城村のごみ処理計画は、ごみ処理計画に詳しい専門家であってもとても分かりにくい計画になっています。

北中城村ごみ処理計画(平成26年3月改正)

その理由は、ごみ処理計画に「瑕疵」があるからだと考えています。したがって、北中城村がごみ処理計画を見直す場合は、まずこの「瑕疵」を修正して住民に分かりやすい計画にする必要があります。

という前提で下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

このブログの管理者は市町村のごみ処理計画における「瑕疵」は、市町村の単なる「過失」ではなく「重大な過失」によって生まれるものと考えています。なぜなら、普通に考えればあり得ないことだからです。

仮に、北中城村の関係者が沖縄県の廃棄物処理計画を知っていれば、県の計画を村の計画の上位計画にするはずがありません。

また、北中城村の関係者が廃棄物処理法の基本方針や環境省のごみ処理計画策定指針等を知っていれば、ごみ処理計画の改正に当たって最終処分場の整備やごみ処理施設の整備に関する財源の確保、広域処理に関する課題等を抽出しているはずです。

しかし、平成26年3月に改正した北中城村のごみ処理計画は、結果的に沖縄県の廃棄物処理計画や廃棄物処理法の基本方針等を知らない人物によって策定されている形になっています。

ごみ処理の責任者である市町村において、県の計画や廃棄物処理法の基本方針を知らない人物がごみ処理計画の改正に関わるはずがありません。しかし、北中城村のごみ処理計画は県の計画や廃棄物処理法の基本方針を知っていたら策定できない計画になっています。

このように、北中城村のごみ処理計画に「瑕疵」があるのは、北中城村に何らかの意図が働いていたことになるので、単なる「過失」ではなく「重大な過失」になるというのがこのブログの管理者の意見です。

もしかすると「重大な過失」による「瑕疵」ではなく、「故意」による「瑕疵」の可能性もありますが、その辺のことは村の議会が追求することなので、このブログにおいては「重大な過失」までに留めておくことにします。

ただし、議会や住民が県の計画や廃棄物処理法の基本方針を知らなければ、村のごみ処理計画に「瑕疵」があったとしても気付かないということは申し添えておきます。

なお、北中城村との広域処理を検討している浦添市のごみ処理計画は廃棄物処理法の基本方針や県の廃棄物処理計画等を熟知している人物が策定しているので、北中城村のごみ処理計画の「瑕疵」については、上の画像にあるように自ずと修正されるものと考えています。

※北中城村のごみ処理計画の「瑕疵」が北中城村の「過失」によるものだとした場合は、北中城村は再発を防止するために、ごみ処理計画の見直しを行う前にごみ処理体制の見直しを行わなければならないことになります。

※北中城村のごみ処理計画に「瑕疵」がなければ北中城村に「過失」や「重大な過失」はないことになりますが、その場合は県の計画や廃棄物処理法の基本方針に「瑕疵」があることになるので、県や国の「過失」や「重大な過失」を追求しなければならないことになります。


北中城村のごみ処理計画の見直し案を考える(財源編)

2016-01-31 13:14:14 | ごみ処理計画

市町村が廃棄物処理法の基本方針に従ってごみ処理計画の改正や見直しを行う場合は、国(環境省)が作成した「ごみ処理計画策定指針」をテキストにして改正や見直しを行うことになっています。

ところが、北中城村が平成26年3月に改正したごみ処理計画は廃棄物処理法の基本方針に従わない計画になっているために「ごみ処理計画策定指針」も無視しています。このため、ごみ処理施設の整備に当たって国の補助金を利用できない計画になっているにも関わらず財源の確保等に関する記述はありません。

しかし、来年度から浦添市との広域処理を目指して行くことになったので、ごみ処理計画の見直しに当たっては廃棄物処理法の基本方針に従う必要があります。したがって、「ごみ処理計画策定指針」をテキストにして財源の確保等に関する計画も住民に周知することになります。

という前提で下の画像をご覧下さい。画像の一番右が、財源の確保に関する見直し案です。

 

原寸大の資料(画像をクリック)

市町村が行うごみ処理施設の整備に関する財源については、国の補助金を利用することや地方債の発行等を行うことが前提になっているので、通常は詳しい記述はありません。しかし、ごみ処理施設の整備に当たって補助金の返還等が必要になる場合は財源の確保等に関する計画を策定して住民に周知することになります。なぜなら、補助金の返還に伴う財源は住民から確保することになるからです。

北中城村が広域処理を選択する場合は中北組合を解散して組合のごみ処理施設(青葉苑)を廃止することになるので一定の補助金の返還(主に建物に対する補助金の返還)が必要になります。

また、広域処理が実現しなかった場合は自主財源によりごみ処理施設の更新等を行うことになるので、一定の予備費が必要になります。

市町村が将来において負担することが分かっている予算については、通常は基金の積み立てを行っていくことになるので、北中城村が広域処理を前提としてごみ処理計画を見直す場合は、上の画像のような見直し案になると考えます。

まお、財源の確保に関する見直し案については中城村においても同様の状況になるので、北中城村と同じような見直し案になるはずです。

※北中城村と中城村は中北組合のごみ処理施設(青葉苑)の整備に当たって防衛省の補助金を利用していますが、防衛省の財産処分の承認基準は環境省の承認基準よりも厳しい内容になっているため、十分な注意が必要になります。

※中北組合の建物は平成15年に防衛省の補助金を利用して整備していますが、浦添市の建物は昭和58年に旧厚生省の補助金を利用して整備しているので広域処理によって廃止をしても補助金の返還はありません。したがって、基金の積み立て等も不要になります。

ごみ処理計画策定指針(平成25年6月改正)


北中城村のごみ処理計画の見直し案を考える(最終処分場編)

2016-01-30 13:54:25 | ごみ処理計画

今日は午前中に広域処理と最終処分場の整備に関する記事を書いたので、午後は北中城村における広域処理と最終処分場の整備に関する記事を書きます。

北中城村は平成26年3月にごみ処理計画を改正していますが、あえて廃棄物処理法の基本方針には適合しない計画に改正しています。

市町村のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していない場合は、ごみ処理施設の整備に当たって国の補助金を利用することができなくなりますが、なぜ、北中城村はそれでも廃棄物処理法の基本方針に適合しない計画に改正したのか?

それは、溶融炉を休止しても最終処分場の整備を行わない計画にしたかったからだと思われます。なぜなら、改正するごみ処理計画を廃棄物処理法の基本方針に適合させると最終処分場の整備を課題として抽出しなければならないからです。

ちなみに、廃棄物処理法の基本方針は5年ごとに変更が行われており、平成22年12月に変更された基本方針は今年の1月21日に変更されています。ただし、最終処分場の整備に関する方針は変更されていません。したがって、北中城村が見直すことになるごみ処理計画は最終処分場の整備が課題になります。

なお、廃棄物処理法の基本方針は市町村に対してごみ処理計画における処理体制を住民に十分に周知することを求めていますが、広域処理における「処理体制」とは関係市町村の「役割分担」と同じ意味になります。また、市町村にとっては住民に対するごみ処理計画の「告知」が最も効果的な「周知」の手段になります。

という前提で下の画像をご覧下さい。画像の一番右が、最終処分場の整備に関する見直し案です。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

北中城村は「旧知の仲」ともいえる中城村と申し合わせて、最終処分場の整備を行わずに溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行うごみ処理計画を策定していますが、浦添市との広域処理を目指して行くとなると浦添市とも一定の申し合わせが必要になります。しかも、浦添市とは「旧知の仲」ではないので、ごみ処理計画の見直しを行う場合は浦添市に対してそれなりの配慮が必要になります。その配慮が足りないと浦添市との間に感情的な「シコリ」が残ることになります。

特に、北中城村や中城村が廃棄物処理法の基本方針に従わずに焼却灰の民間委託処分を行っていることについては、なんらかの形で「ケジメ」を付けることが不可欠になります。なぜなら、このまま浦添市が北中城村や中城村と広域処理を行うと浦添市も廃棄物処理法の基本方針に従わないごみ処理を行うことになってしまうからです。

浦添市は廃棄物処理法の基本方針に従って溶融炉の長寿命化を行い溶融スラグや溶融飛灰の利用を推進していますが、仮にそうなった場合は、溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っている北中城村や中城村のために広域施設の整備に当たって国の補助金を利用することができなくなります。

広域施設は浦添市に整備することになるようですが、国の補助金を利用するためには1市2村のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していなければなりません。したがって、2村のごみ処理計画が基本方針に適合していない場合はアウトということになります。

以上により、北中城村が廃棄物処理法の基本方針に従ってごみ処理計画の見直しを行う場合は、上の画像にあるように北中城村において最終処分場の整備を行う「覚悟」があることを浦添市に対して明確に示す必要があるというのがこのブログの管理者の考えです。

※北中城村は平成28年度から浦添市との広域処理を目指して事務処理を行っていくことがほぼ決定しているので、今年度中にごみ処理計画を見直すことになります。もちろん、中城村と中北組合も同様にごみ処理計画を見直すことになります。

※北中城村が最終処分場の整備に関する北中城村の「役割分担」等をスルーしてごみ処理計画の見直しを行った場合は、沖縄県におけるウチナーンチュ同士の礼儀や北中城村の歴史や文化を知らない第三者(内地のコンサルタント等)が見直しに関わっていることになり、北中城村はその第三者にごみ処理計画の見直しを丸投げしていたことになると考えます。

北中城村ごみ処理計画(平成26年3月改正)

廃棄物処理法基本方針(平成28年1月21日変更)


広域処理と最終処分場の整備を考える

2016-01-30 11:33:06 | 備忘録

河北新報に広域処理に関する山形県の鶴岡市と三川町の記事が出ていたので備忘録に残しておきます。

鶴岡市が合併するときに三川町が合併を拒否しているため、地元では感情的な「シコリ」が残っているようです。

沖縄県では浦添市と中城村と北中城村との広域処理に関する検討が行われていますが、「シコリ」の有無はともかく、北中城村の立場は三川町の立場に良く似ているので、北中城村の皆様は浦添市に対する十分な配慮が必要になると考えます。

<ごみ処理>合併協議しこり 受託継続で対立

河北新報 2016.01.30

鶴岡市が隣接する三川町のごみ処理の受託継続に難色を示している問題で、阿部誠三川町長と榎本政規鶴岡市長は29日、それぞれ記者会見を開いた。阿部町長は「単独でのごみ処理は困難」と述べ、榎本市長との直接協議を求めたが、市長は過去の合併協議のしこりを背景に拒否した。

阿部町長は午後3時から町役場で記者会見し、「ごみ処理に関する協定書には委託期限の定めはない。町単独で処理すれば40億~50億円かかるとみられ、不可能という試算が10年前に既に出ている」と強調した。

鶴岡市が総事業費約112億円を投じ、2020年度までに整備する新ごみ焼却施設にも触れ「鶴岡市から協議の依頼があれば、人的な負担も含め、応分の負担をする用意がある」と語り、受託の継続を求めた。

榎本市長は午後4時半すぎ、市役所で記者会見。「新しい焼却施設ができれば、新たな協定が必要」との認識を示し、「応分の負担をすれば解決する話ではない。市が進めている最終処分場のエリア選定など、これまで職員がかいてきた汗は計り知れないコストだ」と反論した。

「鶴岡市に押し付けるばかりでなく、三川町で何ができるのか検討してもらいたい。最終処分場の立地などが受け入れられるのであれば、テーブルを設けて話し合いが進む余地がある」とも語り、2月中にあらためて三川町の方針を文書で問う考えを明らかにした。

鶴岡市と三川町のごみ処理は、両市町を含む旧7市町村の一部事務組合が行っていた。2004年に三川町が7市町村の合併協議から離脱。残る6市町村で05年に新鶴岡市を発足させると、ごみ処理は市直営に変わり、三川町が業務を委託した。07年に結んだ協定には期限の記載はないが、歴代の鶴岡市長は業務受託を「三川町が自立するまでの当面の措置」との認識を市議会などで述べている。

榎本市長は合併協議の離脱に触れ「感情的でないとは言い切れない。三川のごみを鶴岡で処理することに、不満を抱く市民感情もあり、それを抜きに事業は進められない」と語った。

阿部町長は「今は鶴岡市との合併を考えるステージにないが、いずれ庄内地域は一つにならなくてはいけないとの認識ではいる」と話し、将来的な広域合併に前向きな姿勢を見せた。

※浦添市と中城村と北中城村が広域処理を行う場合に最終処分場の整備が必要になれば、必然的にごみ処理施設のない北中城村が候補地になります。そのことを北中城村が拒否すると、感情的な「シコリ」が生まれるため広域処理が「白紙撤回」になる可能性があると考えています。


北中城村のごみ処理計画の見直し案に対する住民説明を考える

2016-01-24 13:26:49 | ごみ処理計画

新聞報道によって北中城村の住民の多くが来年度から浦添市との広域処理を目指して行くことを知っています。

ただし、北中城村が来年度から浦添市との広域処理を目指す場合は今年度中にごみ処理計画を見直す必要があります。なぜなら、地方自治法の規定により北中城村は村の規定(ごみ処理計画を含む)にない事務処理(浦添市との広域処理に関する事務処理)を行うことができないからです。

また、北中城村がごみ処理計画を見直す場合は廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画にするために、広域処理に対する北中城村の財政負担や役割分担、広域処理が実現しなかった場合の選択肢等についても明示しなければなりません。

そこで、北中城村がごみ処理計画の見直しに当って住民に発出することになる「説明書」を想定して作成してみました。

 

原寸大の資料(画像をクリック)

 

北中城村が実際に発出する「説明書」が上の画像のようになるかどうかは分かりませんが、広域処理における北中城村の役割分担に関する4と5については削除することはできないと考えます。なぜなら、広域処理が決まるとこれから25年から30年くらいは北中城村の村民が村の役割分担に伴う責任を負うことになるからです。

しかし、このブログの管理者は北中城村の役割分担に関する4と5については短期間で住民の理解と協力を得ることはできないと考えています。なぜなら、中北組合のときよりも対象人口が約4倍(約15万人)に増えるため、北中城村の負担が大きくなるからです。

また、「説明書」から北中城村の役割分担に関することを削除した場合は、広域処理は「白紙撤回」になると考えています。なぜなら、このような重要な問題を村が意図的に隠していたことになるからです。もちろん、村が住民に対して「説明書」を発出しなかった場合は村に対する住民の信頼が著しく低下することになるので広域処理は「白紙撤回」になると考えています。

北中城村は廃棄物処理法の基本方針に適合していたごみ処理計画を平成26年3月に基本方針に適合しないごみ処理計画に改正したことで、中北組合における村の役割分担(焼却灰の利用や処分に関する役割分担)は実質上ないのと同じ状況になっています。

そのため、北中城村はごみ処理施設の整備(長寿命化や更新等)に当って国の補助金を利用できない国内でも極めて珍しい自治体になっていますが、そのことについて村が住民の理解と協力を得ているのであれば何の問題もありません。

しかし、浦添市との広域処理においては国の補助金を利用するために廃棄物処理法の基本方針に従ってごみ処理を行っていくことになるので、北中城村の役割分担をなくすことはできません。

つまり、北中城村は中北組合においては役割分担がないに等しい状況であるのに、広域処理を選択すると想定外の大きな役割分担を与えられることになります。

浦添市が中城村や北中城村と一緒に自主財源で広域施設を整備するのであれば、北中城村の役割分担も違ったものになるかも知れませんが、北中城村のために浦添市がそこまでする理由はありません。したがって、北中城村が広域処理を選択する場合は上の画像にある4と5は決定事項になります。

以上により、北中城村が浦添市との広域処理を前提にして今年度中にごみ処理計画を見直す場合は、上の画像にある全ての項目について短期間で住民の理解と協力を得る必要があるというのが、このブログの管理者の結論になります。

※北中城村が溶融炉の廃止に当って代替措置を講じておけば補助金の返還が不要になり、今後どのようなごみ処理を行うことになっても補助金を利用することができるので、最少の経費で最大の効果を挙げることができます。