沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

ごみ処理施設の長寿命化に関する中城村と北中城村の住民のリスクについて考える

2015-09-22 12:58:42 | ごみ処理計画

中城村と北中城村はごみ処理施設の長寿命化を行う時期を見据えてごみ処理計画を改正しています。そして、前村長が整備したごみ処理施設に対する財政負担を削減するために溶融炉を休止しています。

このことは、現村長が焼却炉だけを長寿命化することに決めたことになります。ただし、その長寿命化は自主財源により行う計画になっています。その理由はこのブログの読者であればよく分かっていると思います。

しかし、まだ長寿命化は行われていません。そして、来年は両村において村長選挙があります。そうなると、村民としては村長が変わったときのことを考えておく必要があります。

このブログの管理者は、万が一、現村長が選挙後に長寿命化を先送りするようなことがあったら、両村の村民は重大なリスクを背負うことになると考えています。なぜなら、村が財政負担を削減できるのは長寿命化を行うまでの期間であって、実際に長寿命化を行うと財政負担が増加することになるからです。

なお、両村(中城村北中城村清掃事務組合)のごみ処理施設は、一般的には去年から来年までが長寿命化を実施する期間になります。したがって、再来年以降に長寿命化を先送りすると老朽化が進行して財政負担が更に増加することになります。

※中城村と北中城村において次期村長が国の補助金を利用してごみ処理施設の長寿命化を行うことにした場合は、溶融炉を再稼動することになります。ただし、休止(廃止)した溶融炉は極めて特殊なものなので、再稼動しても長寿命化ができない可能性があります。したがって、両村においては現村長の任期中に財源の確保を含めた具体的な長寿命化計画を策定する必要があると考えます。


市町村別ごみ処理計画安定度ランキング(本島)

2015-09-22 10:13:00 | ごみ処理計画

次の評価基準(優先順位)に基づいて沖縄県(本島)における市町村別のごみ処理計画の安定度をランキングしてみました。

1.焼却施設と最終処分場の組み合わせが上位。

2.焼却施設の優先順位は、①焼却炉単独、②焼却炉+溶融炉、③ガス化溶融炉。

3.最終処分場は埋立開始年が近いほど優位。

最下位は最終処分場の整備を行わずに平成26年度から溶融炉を休止(平成27年度から事実上廃止)して焼却灰の民間委託処分を行っている中城村北中城村清掃事務組合になりました。同組合のごみ処理計画は平成35年度までは国の補助金も利用しない計画になっているので、ある意味では日本一安定度の低い(不安定な)ごみ処理計画であるということができます。

※中城村北中城村清掃事務組合は人口1人当りのごみ処理費のランキングも最下位(本島では最も高い市町村)になっています。

ごみ処理費ランキング(本島)


ごみ処理に関する最少の経費と最大の効果を考える

2015-09-22 07:50:40 | ごみ処理計画

中城村北中城村清掃事務組合と那覇市南風原町環境施設組合は、人口が異なるものの、ほぼ同じようなごみ処理施設を整備しています。しかし、イニシャルコストとランニングコストには大きな違いがあります。

中城村北中城村清掃事務組合はランニングコストを削減するために平成26年度から溶融炉を休止(平成27年度から事実上廃止)しているので、平成26年度からのランニングコストはかなり削減できていると思われます。

ところが、中城村北中城村清掃事務組合はランニングコストを削減するために国の補助金を利用しない計画を策定しています。そして、同組合の焼却炉は既に長寿命化を行う時期を迎えています。

そうなると、どういうことになるか?

一般的にごみ処理施設の長寿命化には建設時の50%程度の事業費が必要になります。中城村北中城村清掃事務組合の場合は焼却炉だけを長寿命化することになりますがそれでも20億円程度の事業費が必要になります。そして、この20億円を自主財源により調達しなければなりません。ごみ処理施設の長寿命化を行うと10年程度は長く使えるようになりますが、20億円を10年で割ると年2億円になります。これを人口で割ると1人当たり年約6,000円になります。つまり、ランニングコストを削減してもイニシャルコストが増加してしまうのです。

このブログの管理者は中城村北中城村清掃事務組合が溶融炉を休止(廃止)しても人口1人当りのごみ処理費を年6,000円以上削減することは困難だと思っています。したがって、同組合が溶融炉を休止(廃止)しても、地方自治法の規定(第2条第14項)に基づいて最少の経費で最大の効果を挙げることはできないと考えています。

※中城村北中城村清掃事務組合が焼却炉の長寿命化に当って国の補助金を利用するためには、焼却灰の民間委託処分をやめて溶融処理以外の方法で焼却灰の資源化を図る必要があります。ただし、組合が県に相談をしても県から適切な技術的援助を受けることはできません。なぜなら、県は溶融炉の整備を推進しているからです。