沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

宮古島市のごみ処理に関する不祥事を考える

2015-09-14 19:12:44 | 日記

宮古島市の不法投棄ごみの処理に関する事業の一部は国の一括交付金を利用して行われています。沖縄県における一括交付金事業は県の沖縄県振興計画に基づいて行われており、県は市町村が行った事業を検証することになっています。

今回、2012年度に行われた事業が問題になっていますが、県がこの事業に対してどにような検証を行い、宮古島市に対してどのような技術的援助を行っていたのか、とても気になるところです。

沖縄県においてこのような不祥事が多発すると、県内における市町村の一括交付金事業に多大な影響が出てきます。

溶融炉の不適正な休止(廃止)を行っている市町村が全国で一番多いという現実を考えると、沖縄県民は県と県内の市町村のコンプライアンス意識について再考する時期に来ているように考えます。

宮古島市の不祥事(新聞記事)


行政の法令違反に関するチェックシート

2015-09-14 09:50:05 | ごみ処理計画

このブログの管理者は、①沖縄県民の溶融炉に対する依存率が極めて高いこと、②国内で沖縄県が不適正な溶融炉の休止(廃止)を行っている市町村が一番多いこと、③不適正な溶融炉の休止(廃止)を行っている市町村に対する国や県の技術的援助が不足していること等を主な理由としてこのブログを開設しました。

市町村のごみ処理は地方自治法の規定に基づく「自治事務」ですが、国の補助金を利用している場合は国や県の計画等に拘束されます。しかし、市町村の職員は国や県の計画を十分に理解していない場合があります。したがって、国や県の職員は市町村の職員に対して適正な技術的援助を与える必要があります。

沖縄県が溶融炉の整備を推進しているにもかかわらず、不適正な溶融炉の休止(廃止)を行っている市町村が一番多いということは、国や県の職員による技術的援助が不足している証拠と言えます。

平成28年度からは地方版総合戦略がスタートします。そして、法令違反の多い地方公共団体や法令違反を直ちに是正しない地方公共団体は「負け組」に整理されることになります。

そこで、沖縄県民として沖縄県や県内の市町村が「負け組」にならないように、ごみ処理に関する行政の法令違反に関するチェックシートを作成しました。ご活用下さい。


改めて中城村北中城村清掃事務組合のごみ処理計画を考える

2015-09-14 06:41:03 | ごみ処理計画

中城村北中城村清掃事務組合(以下「組合」という)に関する投稿が大分増えたので、この辺で一度このブログの管理者の考えを整理しておきます。

沖縄県の計画

 沖縄県は溶融炉の整備を推進して最終処分場の延命化を図る計画を策定しています。つまり県の計画は溶融炉依存型の計画ということができます。

組合の計画

組合は整備していた溶融炉を休止(廃止)して最終処分場の整備は行わずに焼却灰の民間委託処分を行う計画を策定しています。つまり県の計画とはまったく逆の計画になっています。

 沖縄県の最終処分場

県の計画は沖縄県において最終処分場が不足していることを補う計画になっていますが、組合の計画は最終処分場が不足していることは気にしていない計画になっています。

 最終処分場の整備に関する国の考え方 

県の計画は国の計画に即して定められています。したがって、市町村において最終処分場の整備が困難である場合は溶融炉を整備して焼却灰の資源化を推進する計画になっています。しかし、組合の計画は国や県の計画をほとんど無視した計画になっています。このため、組合の計画は国の補助金を利用できない計画になっています。仮に、国が組合に補助金を交付した場合は国や県の計画に適合しない計画にも財政的援助を与えることになるので、沖縄県だけでなく日本の市町村の計画がバラバラになってしまいます。

 組合のごみ処理費

本島において組合のごみ処理費は突出して高い状態になっています。組合は溶融炉の「運転経費が高い」という理由で溶融炉を休止していますが、焼却炉については休止していないので今後の焼却炉の整備(長寿命化や更新等)に当っては国の補助金を利用せずに自主財源で行うことになります。

溶融炉の休止と廃止の違い

昨年(平成26年)の9月に会計検査院は「運転経費が高い」という理由で溶融炉を1年以上休止している場合は、再稼動するか、再稼動しない場合は財産処分の承認手続が必要になるという意見表示(国に対する是正改善処置要求)をしています。組合は休止から1年を経過した平成27年度においても溶融炉を再稼動していないので、現在は事実上溶融炉を廃止していることになります。

溶融炉の休止(廃止)と建物の目的外使用

溶融炉を休止又は廃止する場合は、溶融炉のために整備した建物部分を補助金の目的に反して使用(目的外使用)することになります。したがって、溶融炉を休止又は廃止する場合は補助金適正化法の規定に基づいて財産処分の承認手続(建物の一部転用)を行うことになります。

包括承認事項(財産処分の特例)

財産処分の承認手続には供用開始から10年を経過した場合に所要の条件を満たしていれば建物の目的外使用を行う場合であっても財産処分の承認手続を免除する特例がありますが、組合はこの条件を満たしていません。

溶融炉の再稼動と長寿命化

組合が国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を行う場合は、焼却灰の民間委託処分はやめなければなりません。他に溶融処理以外の方法で焼却灰を資源化するという選択肢もありますが、それができない場合は溶融炉を再稼動することになります。しかし、このブログの管理者は溶融炉を再稼動しても長寿命化を行うことは難しいと考えています。なぜなら、組合の溶融炉が国内に1基しかない特殊な溶融炉で運転経費が一番高く水蒸気爆発のリスクの高い溶融炉だからです。仮に溶融炉の長寿命化ができなかった場合は国の補助金は利用できないことになるので、補助金を利用するために再稼動した意味がなくなります。

長寿命化の時期

環境省の指針やマニュアル等によれば、焼却設備(焼却炉及び溶融炉等)の長寿命化は供用開始から13年目頃に行うのが最も財政負担が少なくなるとしています。組合が整備している焼却設備は今年がその13年目に当ります。

※以上が、現在の組合の状況です。このブログの管理者は「沖縄県に溶融炉は似合わない」という考え方をしているので、溶融炉を休止(廃止)した組合の計画は基本的に支持しています。しかし国や県の計画との整合性を確保せずに、しかも国の補助金を利用しない(利用できない)計画を策定していることについては支持できません。なぜなら、溶融炉を休止(廃止)しても、中長期的に考えた場合はおそらく組合の財政負担が増加すると考えているからです。