大賀ハスのふるさとの会

東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催・ ハス文化の継承と普及を行うため組織されたボランティア団体です

8月6日 検見川周辺の大賀ハス開花状況

2017-08-06 08:35:17 | ハス

2017年8月6日、検見川周辺の大賀ハスの開花状況をチェックしました。一気に5か所をめぐり、開花状況を比較してみました。それぞれの場所や位置関係については、観蓮会2017のチラシの裏面「大賀ハス発祥の地 周辺案内」をご覧ください。

まずは、1か所目。千葉市花園公民館です。検見川周辺では、おそらく同じ面積あたりの開花数では一番でしょう。先月の7月26日の報告後も順調に咲いています。

公民館の前庭から道路に向かって撮影しました。

道路側から、公民館の入口に向かって撮影。花の大きさも色もいい感じです。

昨日は池の垣根からせり出して咲いていた大賀ハスが、今朝は足元に散っていました。

 

2か所目は、坂を下ったところにある東大総合運動場の大賀ハスの池です。大賀ハスの実の発掘現場から、一番近い地点に咲く大賀ハスです。奥に石碑が立っています。

 「大賀ハス発掘碑」にはこう綴ってあります:

  "1951年3月30日、前方300mの地点で古代ハスの実が1粒大賀一郎博士によって発掘された。2000年以上地下に眠っていたハスの実は、その年の5月発芽し、翌年7月18日、淡紅色の美しい花を開いた。この大賀ハスは、世界の各地に移植されて、生命の神秘を開示している。

大賀ハス発掘碑建設委員会 1964年7月18日”

この池は、大賀ハス通りに面しているのですが、水面まで見下ろす距離があるので、撮影は下の写真が精いっぱいでした。大賀ハスの花の直径は、全体的に花園公民館のものより大きいという印象を受けました。

 

 3か所目は、しらさぎ公園の大賀ハス池です。ここの大賀ハスは、6月にこのブログでご紹介してから約2カ月が経過。

残念ながら、一週間ほど前までが全盛期だったようです。蕾がふたつ残っているだけでした! でも、池を埋め尽くす葉の量や果托の数が、すばらしい開花状況の名残を見せています。

直径10センチを超える果托がいくつもあります。

人の手が届く距離の果托が多く切り取られていたのが気になりました。明らかに刃物で切断された跡です。

早朝にもかかわらず、おなじみの会員さんに出会って一枚。

 

4か所目は、坂をのぼって住宅街を抜けてたどり着いた、花園中学校です。今年の3月に植え替え工事を行ってから、約5カ月たちます。手前の睡蓮はずっときれいに咲いています。奥の大賀ハスは、現時点で4輪咲いたという報告が。

下の写真の奥のマスには、知里の曙が植えられました。今よく見ると、手前の睡蓮マスのなかに、知里の曙が進出しています! 花園中学校でも驚きの声があがったようで、調査したところ、ふたつのマスの間に2センチほどの穴があり、そこから知里の曙の茎が睡蓮のマスに這っていって開花したのだろうとのことでした。

 

5か所目は、花園公園です。JR新検見川駅から徒歩3分の賑やかな憩いの場です。この公園の片隅で、黒い柵のなか、大賀ハスが育っています。

下の写真にある「大賀ハスの由来」と記された看板には、こう綴ってあります:

  ”1951年(昭和26年) 千葉市検見川の東京大学厚生農場(現在、東大検見川総合運動場)で、大賀一郎博士の古代ハスに対する情熱に動かされた市立第七中学校(現、花園中学校) 及び畑小学校の生徒達によって行われた発掘作業が、明日で打ち切りという3月30日の夕刻、一粒の古代ハスの実が発掘された。

  翌年7月18日、博士らの手によって順調に育てられた古代ハスの実は、2千年以前のはるかなる時空を超え、みごとに淡紅色の美しい花を咲かせた。

  この花は博士の偉業をたたえ「大賀蓮」と名付けられ、1954年(昭和29年)に、「検見川の大賀蓮」として、千葉県の天然記念物に特定されるとともに、1993年(平成4年)公募により、市の花に指定された。 

  千葉市で発掘され、千古のロマンを秘めた「大賀蓮」は花の大使として、アメリカや中国などに贈られ、それらの国のハスと交配種が生まれるなど友好親善の輪をひろげている。

千葉市”

花園公園の大賀蓮は、現在咲いていませんが、下の写真の左端に大きな果托がひとつあります。水が濁っています。

 

最後に。おまけの6か所目は、大賀ハスのふるさとの会が活動拠点とする元東大植物実験所の見本園です。下の写真は、本日ではなく、7月29日に撮影したものです。

見本園には、大賀蓮のマスが複数ありますが、ひとつのマスでのみ咲いています。

 

5か所をめぐるのに2時間以上かかりました。犬と一緒だったので、ゆったりまわりましたが、湿度が高かったので疲れました……! 人の足で歩いてまわることができるこの狭い範囲内でも、環境によって開花時期や生育状況が大きく異なることが分かりました。大賀ハスの生態をもっと知ることができれば、環境を工夫しながらより長い間、花を楽しむことができるのではないかと思いました。2000年前にこの検見川の地で咲いていた大賀ハス、これからも美しく咲きつづけてほしいものです。

 

(担当: れい)

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2 コメント

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Unknown (gg55szk)
2017-08-06 17:09:46
酷暑のなか2時間の観察ご苦労様でした。愛犬がちょっとお疲れかな?素晴らしい観察ですよね。3月の蓮講習会後、我が家でも2鉢有りますので咲いたら報告します。葉っぱはサラダに出来るほど増えてきたのですがね。
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夏本番ですね (蓮ガール)
2017-08-07 06:17:36
お散歩ずきのうちの犬も、さすがに蓮めぐりのあとは、クーラーの効いた部屋でべったり伏せて眠ってました!
講習会の蓮根が咲くの楽しみですね。
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