心理カウンセリング ウィル

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ノイローゼが治ったら

2011-06-06 11:11:59 | インポート
 オーストリアの精神医学者アドラーという人は、ノイローゼの人が相談に来ると、「あなたは、もしノイローゼが治ったら何をしたいと思いますか」とよく尋ねたようです。その人が、「ノイローゼさえ治ったら、自分の仕事にもっともっと打ち込みたい」などと答えると、アドラーは「あなたは仕事に打ち込むのを避けるのにノイローゼになっていませんか」と言ったそうです。
 ノイローゼさえなかったら、あれもするこれもすると言っている人は、本当はそれを避けるためにノイローゼになって、それを嘆く事によって安定を保っているのではないかということです。
 「疾病利得」という言い方があります。それは、病気でいる方が何かと都合がよいので、病気を治そうとしないことをいいます。本人がそうと意識していればともかく、無意識のうちにそうしている場合、なかなか判断が難しいところです。
 

あなたは肝心な時に失敗する人ですか?

2011-06-05 20:59:28 | インポート
 なぜか、それまでは上手くいっていたのに、土壇場で失敗する人がいます。プレゼンの朝に寝過ごしたり、就職試験の前の日に飲み過ぎたり、結婚を間近に控えて恋人にとんでもないことをしてしまったりする人がいます。
 世の中を甘く見ているからでしょうか。最後の詰めが甘いのでしょうか。失敗するに違いないという思いがトラウマとなっていて、ついつい失敗してしまうのでしょうか。
 交流分析では、たまたま失敗するのではなく、いつも土壇場で失敗を繰り返すのは、自分で自分の人生のシナリオ(脚本)をそのように設定しているからだと考えます。
 つまり、自分はいつも失敗する人間だというシナリオに沿っていないと、精神的に落ち着かないのです。だから、自分からわざと失敗するような事態を引き起こすのです。そして、失敗したことを嘆くよりも、やっぱり今度も失敗したと、失敗したことにほっとしているのではないかと考えます。
 では、どうすればこのジレンマから抜け出せるのでしょうか。あなたの人生のシナリオを書きかえることが必要なのです。

その性格があなたを守ってきたのです!!

2011-06-04 22:59:26 | インポート
 「私は引っ込み思案で言いたいこともいえない性格で、これまで随分損をしてきました。」という人がいますが、 本当にそうでしょうか。
 私たちの性格は生まれつきのような気がしますが、決してそうではありません。生まれながらに持っているある傾向は気質とよばれます。有名なクレッチマーの気質分類 では、①循環型気質の人は、社交的で明るく感情的になりやすく。 ②分裂型気質の人は非社交的ですが、まじめで静かです。③粘着着型気質は几帳面で、凝り性、集中力があります。
 これらの気質に、生育環境が加わって性格ができあがります。その性格は、その人を取り巻く様々な環境から自我を守るためにつくられていきます。攻撃的な行動で相手を排除して自分を守ったり、他人に優しい振る舞いで敵からの攻撃をさけることもあります。無口で黙っていればトラブルに巻き込まれず、敵もつくりません。
 そうです。私たちの性格は、自分の自我を守るためにできあがったものなのです。もし、あなたの自我がどのような環境にも順応することができるようでしたら、あなたの性格も変わってくるはずです。

マザコンと草食系男子とピーターパン

2011-06-03 23:26:22 | インポート
  「ピーターパン」はイギリス・スコットランドの作家ジェームス・マシュー・バリーの作品で、副題は「大人になりたがらない少年」です。
 ピーターパン症候群(シンドローム)というのは、人間的に未熟でナルシズムに走る傾向を持っており、『自己中心的』・『無責任』・『反抗的』・『依存的』・『怒り易い』・『ずる賢い』というまさに子供同等の水準に意識が停滞してしまう大人を指します。ゆえにその人物の価値観は「大人」の見識が支配する世間一般の常識や法律を蔑ろにしてしまうこともあり、社会生活への適応は困難になり易く必然的に孤立してしまうことが多いといわれています。
 一方で、マザコンとは母親に依存して自立できない男、すなわち「大人になれない」男のことをいいます。また、草食系男子とは、「心が優しく、男らしさに縛られておらず、恋愛にガツガツせず、傷ついたり傷つけたりすることが苦手な男子のこと」と定義されています。
 かつては、女性が結婚を求めるのは、少々子どもっぽいところはあるけれど、夢を追い続けるたくましい肉食系の男性だったように思いますが、いまどきそんな男性はいないのか、はたまたトレンドから見放された過去の遺物なのでしょうか。

心の成長について

2011-06-02 21:57:55 | インポート
  私たちが、喜んだり、悲しんだり、怒ったりしたときの表情は、民族や文化の違いに関係なく、ほとんど同じような表情になるといわれています。それどころか、幼い子どもでも、先天的に耳も聞こえず、目がみえない子どもも、嬉しいときや悲しいときには同じような表情をすることが報告されています。
 こうした、喜び、驚き、悲しみ、怒り、嫌悪などは発達心理学では基本情動といわれます。この基本情動は生まれてから周囲の人たちの反応や学習によって模倣されるのではなく、生まれた時にはすでにプログラムされているものだといわれています。
 私たち人間は、他の動物と違って、自立して生活できるようになるまでに長い年月を要します。牛や馬は誕生するとすぐに立ち上がり、歩くことができます。ところが、人間の子どもは母親かそれに変わる保護者が何年もの間世話をやいていないと育ちません。赤ん坊が、愛らしい表情をプログラムされて生まれてくるのは、周りにいる人たちが思わず世話をやきたくなるような気持ちにさせるためだともいわれています。  
 母親が言葉を介さずに我が子が何を望んでいるか通じるように、情動は重要なコミュニケーションの媒体としての機能を持っていますが、年齢とともに発達します。
美しいものを見たり聞いたりすることで感情が豊になり、社会の決まりやマナーを学ぶことで、規範意識や道徳観が発達し、他人に迷惑をかけないような行動を身に付けていきます。また、困難なことをやり遂げることで、誇りや満足感を得ることができるようになります。
 情動を制御することもおぼえてきます。気にくわないことがあったからといって、すぐに泣き出さずに、我慢することをおぼえます。叱られたり、褒められたりすることで、やって良いことといけないことを区別できるようになります。生まれて一年もしないうちに、子どもは母親の表情から自分の行動を制御できるようになるといわれています。逆にいうと両親のしつけや子どもが生育する環境の価値観や文化の違いによって、情動の成長に差があるということです。アメリカの母親は子どもが自己主張することを褒めますが、日本の母親は周りの子ども達と仲良くすることを重視するため、どちらかといえば自己主張を叱る傾向があるといわれています。 
 私たちが、一人の社会人として自律するためには、喜怒哀楽などの情動をコントロールすることができなくてはなりません。また、他の人と良好な関係を築くことができなくてはなりません。心が成長するということは、保護者や友人など周りの人を傷つけることなく、また、迷惑をかけないようにすることなのです。


家庭に問題や危機がおきやすい時期

2011-06-01 22:05:38 | インポート
 人間の成長と、家族の変化・成長には密接な関係があります。個人が成長していくプロセスには、必ず家族の援助があります。逆に、家族の誰かが問題を起こす場合にも、家族の中に何らかの不和が起こっていることが考えられます。家族の中に問題や危機が現れる時期には、いくつかの段階があるといわれています。
  第1段階  結婚から子どもの誕生までの時期
  第2段階  育児期(二者関係から三者関係への移行期)
  第3段階  子どもの児童期
  第4段階  子どもが十代の時期
  第5段階  子どもが巣立つ時期
  第6段階  加齢と配偶者との死別の時期
 各段階において、夫婦間の問題、子どもの成長過程にともなう親との問題、家族の病気やけが等の危機などがあります。祖父母や叔父、叔母などが同居する多世代家族では、問題はより複雑な関係となって現れます。
(ホームページにもお立ち寄りください)
http://www14.plala.or.jp/yorii-will/index.html