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ダイエットに失敗するのはなぜ? №196

2013-08-28 17:55:54 | インポート
 ダイエットに失敗する最大の理由は、空腹ではなく、偏食や栄養不足により、心のエネルギー源が不足し、うつ傾向となり、心がおれ、やる気を失ってしまうからのようです。
 稲毛病院健康支援科部長の佐藤努医師(8月28日付け埼玉新聞)によると、ダイエットのために食事を減らすことで、カロリーだけでなく、エネルギー消費に必要なビタミンB群、特にB3(ナイアシン)の摂取量も減らしてしまうことにより、脳内の心系アミノ酸が不足し、心の代謝に失調を来し、継続性に支障がでて失敗するのだということです。
  ビタミンB3(ナイアシン)は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠なものです。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがあり、欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じます。
 このビタミンB3(ナイアシン)が不足すると、それを補うために、体内の「トリプトファン」(必須アミノ酸の一種)からビタミンB3を合成します。このため、今度は体内の「トリプトファン」(必須アミノ酸の一種)が不足してしまいます。
 「トリプトファン」が不足すると、脳内神経伝達物質の一つであるセロトニンが減少し、うつ状態、不安症、恐怖症、多動、不眠症、痛みなどの症状を引き起こします。ダイエットのために偏食や栄養不足になり、食材から十分な「トリプトファン」をとれなくなるため、やる気が失なわれ、続ける気持を失ってしまうことが失敗の原因だということです。
 ちなみに、この「トリプトファン」を多く含むといわれている食品は、バナナ、緑黄色野菜、赤身肉、チーズ、パイナップル、アボガド、大豆、カボチャの種等です。
 ダイエット成功の鍵は、心の栄養に十分配慮し、心身のバランスをとり、心をコントロールできるかどうかにかかっているようです。

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肉食は心をいやし、うつや認知症を予防する? №195

2013-08-21 15:54:40 | インポート
 肉食は心をいやし、うつや認知症を予防し、幸福感を与えてくれるという記事が埼玉新聞の医療サイエンスのコーナー(8月14日付け)に掲載されていました。
 私たちは、高脂血症や糖尿病、高血圧などを指摘されると、低コレステロールや低カロリーの食品を摂取し、塩分は控えめにし、動脈硬化予防のために低脂肪の食品を摂るように努めます。また、糖質を抑えるためにご飯を減らし、コレステロールやカロリーを心配して、肉や卵の摂取を控えたりします。
 そうすると、例えダイエットがうまくいっても、同時にやる気がなくなったり、うつの傾向が現れるのだそうです。なぜでしょうか。脳生理学や栄養学、発達心理学の観点から次のように説明されるようです。
 肉類には、私たちに幸福感を与え、心をいやす「アナンダマイド」という物質が含まれているのだそうです。コレステロールや肉の脂である「アラキドン酸」は、動脈硬化や血栓の原因になるといわれています。しかし、コレステロールには「うつ予防」の効果があり、「アラキドン酸」には、「心を癒す」効果があるということです。
 「アラキドン酸」が体内に入ると、酸素の働きによって『アナンダマイド』が作られ、私たちに幸福感を与えたり、リラックスさせたり、不安を和らげてくれるのだそうです。さらに、記憶力を上げるということも指摘されているすごい物質で、「至福物質」ともよばれるようです。
 翌週の記事では、「心によい食事の取り方」が紹介されていました。タンパク質は、腸で分解されアミノ酸として吸収されますが、筋肉の修復などによい「身体系のアミノ酸」と、うつを予防したりやる気を起こさせる「心系のアミノ酸」に分けられるということです。心の栄養に良い必須アミノ酸が含まれているとして紹介されていたのが次のような食品です。
 1 心を穏やかにする食品(トリプトファン)   バナナ、ゴマ、里芋、そば
 2 うつ状態を改善する(メチオニン)      しらす干し、きんめ鯛、さば
 3 記憶力や学習能力を向上する食品(ヒスチジン)まぐろ、かつお、さば
 4 やる気を起こす食品(チロシン)       キウイ、竹の子、のり
 
 身体も大切ですが、心のバランスも大事です。心の栄養不足になって、心の病にならないようにしたいものです。食生活はもちろんですが、十分な睡眠や運動、家族や友人も心には欠かせない栄養です。

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「誤った記憶」と「つくられた記憶」 №194

2013-08-07 16:52:01 | インポート
 先頃、理化学研究所脳科学総合研究センターの利根川進センター長らのグループが、マウスの記憶を操作し、実際の出来事とは違う誤りの記憶を人為的に作り出すことに成功したというニュースが報道されました。
 グループはマウスを遺伝子操作し、記憶をつかさどる脳の神経細胞に光をあてると記憶を思い出すようにし、そのマウスを箱に入れて、安全な環境だと記憶させたということです。次に別の箱に入れ、脳の神経細胞に光をあてて安全な環境を思い出させながら電気刺激を与えて不快な気持ちにさせました。再び元の箱に入れると、安全な環境に戻したにもかかわらず、マウスは恐怖を感じる反応を示したそうです。
 このことにより、グループは、安全な環境にいた状態と恐怖の体験が結びつき、記憶が実際の出来事とは違う状態で再構成される「過誤記憶」が形作られることを確認したということです。
 しかし、人間は記憶をつくり出してしまうこともあるのです。アメリカで実際にあった事例では、19歳の女性が父親に性的虐待を受けたと訴えた事件があります。彼女はこう語っています。「セラピーを受け始めてから2年半たつ頃には、自分が父親に2度妊娠させられたと固く信じるようになっていました。最初の妊娠の時には、父親が中絶処置を施し、2度目は自らの手で中絶したのを思い出しました。」
 父親は聖職者だったのです。そのことにより地位を追われましたが、じつはまったく事実無根の出来事で、医療機関が行った検査で彼女は処女であることがわかったのです。他にも、ノースカロライナ州で29人の園児達の証言により、幼稚園の職員7人が性的虐待の罪で告発された事件がありました。しかし、これも後に事実無根であると判明しました。なんと、29人の園児全員が「記憶をつくりだした」のです。
 なぜ、このような「ありもしない記憶」がつくられるのでしょうか。冤罪事件では、警察官の誘導に追いつめられた被告が、無理矢理「記憶」を創作させられるといわれていますが、幼い子どもたちや暗示を受けやすい人々は、先生やカウンセラーなど権威ある人達に対して、真実を報告するよりも、その人たちが暗に求めているような答えをしようと迎合するため、「ありもしない記憶」を語ってしまう傾向があるからです。
 私たちは、「真実」をありのままに記憶するよりも、自分にとって都合のよい「物語」として記憶する傾向にあります。あえて、自分に嘘をつくつもりがなくても過ぎ去った時間は楽しく美しいものでありたいと願う心が、そうさせるのかもしれません。

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心の取扱い説明書「WRAP(ラップ)」について №193

2013-08-05 17:47:09 | インポート
 心の変調に備え、元気を回復するための方法をあらかじめ自分で整理しておく、アメリカ生まれの自己管理方法「WRAP(ラップ)」が8月3日(土)付けの埼玉新聞に紹介されていました。
 精神疾患経験者の知恵を集めた「当事者発」の手法という点が大きな特徴で、心の取扱説明書(とりせつ)づくりにも例えられるということです。
 国内のWRAP普及に取り組んでいるNPO法人WRAP研究会の坂本明子理事によるとWRAPは、「Wellness Recovery Action Plan」 の頭文字をとったもので、日本語では、「元気回復行動プラン」と訳されているようです。アメリカで自分自身が躁うつ病を患ったメアリー・コープランド博士が同様の体験をした人々の調査を基に提唱したものだそうです。
・いい感じのときの自分ってどんな感じなのだろうか?
・調子を崩すかもしれない出来事が起きたらどう対処したらよいのだろうか?
・もし調子を崩してしまったらよいのだろうか?
 その時々の状態にあった対応の仕方を考えておくことで、より早く元気を取り戻し、自分の本来の生き方を送ることを目指しています。
 具体的な「元気回復行動プランの」立て方は、自分の心の状態を6つにわけ、段階ごとに元気になるための方法をあらかじめノートなどに書いておくのだそうです。そうすると、不調になったとき、どのようにすれば元気が回復できるかの手助けになるほか、具体的な備えがあるという安心感が、心の状態を安定させるメリットもあるということです。

<段  階>   <自 分 の 状 態>    <対  応  策>
①いい感じの日常    ・元気がある、おしゃべり  ・散歩する、毎日入浴する
②調子を崩しきっかけ ・仕事のストレスが多い  ・落ち着ける場所で休息する
③注意信号  ・酒の量が増える  ・スポーツをする
④調子の悪化 ・怒りを抑えられなくなる  ・親しい友人に慰めてもらう
⑤助けが必要な不調 ・ベッドから起きあがれない  ・医療機関を頼る
⑥不調を脱した ・食欲が出てきた ・無理せずにできることをやる

 この心の取扱説明書のポイントは、「自分のことを一番よく知っているのは自分自身であるから、自分の元気をつくる責任も自分である。」という自己管理の考え方に基づき、自分自身プランを作るところにあるようです。

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やせてる人の方が飲酒による糖尿病リスクが高い? №192

2013-08-01 15:40:13 | インポート
 先日の日経新聞(7月28日(日))に飲酒と糖尿病に関する記事が掲載されていました。飲酒は糖尿病の発症を増やすものと考えがちですが、記事によると、日本酒換算で一日1~2合までのアルコール摂取は、血糖値を下げインスリンの作用を高め、むしろ、糖尿病リスクを軽減するというのです。アルコール好きの人にとっては願ってもないニュースではないでしょうか。
 ただし、このコホート研究は欧米からの報告で、日本人の場合、もともとインスリン分泌能力が弱いため、むしろ、飲酒によって膵臓がインスリンを分泌する能力を低下させ、慢性的に血糖が高まり糖尿病となる危険が高いというのです。
 特に、BMIが22(標準体重)以下のやせ形の男性で、一日1~2合飲む人の糖尿病発症割合は飲まない人の2倍、一日2合以上飲む人の場合は3倍の発症リスクに達するというのです。
 では、BMIが22をオーバーしている人はどうなのでしょうか。じつは、標準体重をオーバーしている場合には、一日のアルコール摂取と糖尿病発症のとの間に明確な関係は認められなかったということです。こと糖尿病に関しては、やせている人よりも肥満傾向の人の方が、アルコール摂取によるリスクが少ないようです。日頃ダイエットを気にしている人達にとっては朗報かもしれません。
 もっとも、毎日2合以上飲酒した場合、ガンや脳卒中、高血圧症、脳の萎縮、うつ病等様々なリスクが飛躍的に高まるということですから、ほどほどに嗜むことが大切なようです。
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