心理カウンセリング ウィル

ご相談はホームページの予約申し込みフォームからお願いします。
 

心の回復力・レジリエンスの強い人

2012-07-31 17:53:20 | インポート
 仕事上のストレスや人間関係からくるストレス、親しい人との死別や自然災害などの強いショックによる外傷体験などにより、うつ病やPTSDを発症する人がいますが、すべての人がなるわけではありません。
 では、強いストレスやショックに耐えられる人とそうでない人との違いは何かあるのでしょうか。それが「レジリエンス」といわれるもので、簡単に言うと「心の回復力」です。「レジリエンス」が高い人は、強いストレスやショックに耐えらることができ、深刻な事態になりにくいというのです。
 「レジリエンス」はもともと物理学の用語で、「外力による歪みを跳ね返す力」として使われていたようです。心理学では「ある程度の脅威や厳しい悪条件においても、それを乗り越えて、正常な平衡状態を維持することができる能力」という定義が用いられることが多いようです。
 では、レジリエンスが高い人というのは、どんな人なのでしょうか。①性格が前向きで明るい人、②自尊心が高い人、③夫婦間や親子間などの家族関係が円満な人、④友達が多い人、など多くの要素が複雑に絡み合っているといいます。
 コナー・デビットソンのレジリエンス評価尺度では、変化に対応できるか、親密で安心できる関係があるか、失敗してもすぐにがっかりしないか、挑戦することが好きか、強い目的意識を持っているか、生活をコントロールしているか、物事の明るい面をみようとしているか、挑戦することが好きか、等々25項目あり、それぞれが5段階となっていて、点数が高い人ほど心の回復力があるといわれています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

増加する心の病の労災申請

2012-07-26 17:05:39 | インポート
 厚生労働省の発表によると、平成23年度に心の病が職場のストレスなどによるものだと労災申請された件数は、1272件で(昨年度比91件増)過去最高となり、そのうち約4分の1が労災として認定されたということです。
 申請した人の内訳をみると、職種別では、「事務従事者」が323件と最も多く、次いで「専門的・技術的職業従事者」の318件、販売従事者167件と続きます。年代別では、30代が420件で最も多く、40代が365件、20代が247件となっています。
 申請が認められたなかで最も多かったのは、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」という理由で52件です。次いで、「職場で悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」という理由が48件、3番目に多かったのが、「職場で(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という理由が40件でした。
 近年、精神障害の労災請求件数が大幅に増加しており、認定の審査には平均約8.6ヶ月を要しているのが実情で、このため、審査の迅速化や効率化を図るための労災認定の在り方について、新しい基準が設けられたようです。ストレスを引き起こす業務上の出来事を具体的に36項目示し、そのストレスを「強」「中」「弱」に分類し、実際の出来事をこれに当てはめて認定の判断基準とするということです。
 「強」に分類されるストレスには、①会社の経営に響く重大なミスをし、事後対応もした ②退職を強要された ③ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた などがあります。しかし、「達成困難なノルマが課せられた」や「複数で担当していた業務を一人で担うようになった」は「中」程度のストレスとされ、労災と認定されません。
 過酷な競争原理にさらされて心の病を発症した人にとって、そのストレスの程度は「中」だとか「弱」だとか判断され、それを不服として訴訟などで争うことになったら、新たなストレスをつくり出すことになってしまうと思うのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うつは生活習慣病?

2012-07-20 19:23:46 | インポート
 生活習慣病は、すでによく知られているように、日頃の生活習慣のつみかさねによって引き起こされる病気の総称です。生活習慣病の原因としてあげられるのが、不規則な生活、過労、ストレス、飲酒、喫煙、運動不足、食生活などです。
 うつも、生活習慣の乱れやストレス、過労などによって次第に症状が重くなり、それが一定程度継続することにより、「うつ病」になってしまうことを考えると、生活習慣病と考えた方がわかりやすいといいます。
 生活習慣病の予防としてあげられるのは、規則正しい生活習慣やバランスのよい食生活、定期的に運動をすることなどですが、うつ病の人にも同様なことが言えます。そのうえで、高血圧症の人が毎日定期的に血圧を測定するように、毎日、どんな状況でどんな気分になるかを記録し、否定的認知を検証していくことが必要です。
 もちろん、生活習慣病がそうであるように、「うつ」も遺伝的な素因、環境要因なども考えていくことが必要です。

心の悩みをお持ちの方はこちらのホームページにアクセスしてください。
「心理カウンセリング ウィル」
http://www14.plala.or.jp/yorii-will


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死別の悲しみと希望

2012-07-16 18:34:06 | インポート
 「リブ・オン」代表の尾角光美(おかくてるみ)さんの講演を聴く機会がありました。尾角さんは、大学入学目前の19歳の冬、同居していたお母さんを自死で喪っています。さらに、その直前には事業に失敗した父親が出奔してしまい、経済的にも精神的にも大変厳しい状況中から立ちあがった28歳の女性です。
 彼女は、同じ境遇の自死遺児たちと東京や京都でネットワークを作り上げ、遺族支援の市民団体リブ・オン(生き続けるの意)を創設し、自殺予防や自死遺族のケアに関する講演活動を開始し、以来自治体、中高、大学などで講演や「いのちの教育」を続け、京都JC主催の京都学生人間力大賞で「京都市長賞」受賞しています。
 「人間はひとり取り残されて、生きづらさを感じてしまうことがあります。病苦や経済問題より深刻なのは、苦しい時に支えとなる人とのつながりのないことです。」と実感を込めて語られました。
 グリーフは終わりのない喪の旅であるけれど、「いつ、どこで、どのような形で大切な人をなくしても、その人がサポートを受けられる社会」をつくる必要がある。そのミッションを達成するために尾角さんが掲げたのが、「大切な人をなくした人のための権利条約」です。「悲しんでもいい」、「助けてもらうこと」、「自分の人生を歩んでいい」など7つの条文を示し、感情を無理に押し殺さないよう伝えています。
 こういう人が社会を救っていくのだと、深い感銘を受けました。

心の悩みをお持ちの方はこちらのホームページにアクセスしてください。
「心理カウンセリング ウィル」
http://www14.plala.or.jp/yorii-will

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スペインサッカー、ゼロトップという衝撃

2012-07-06 10:49:28 | インポート
 サッカーヨーロッパ選手権(ユーロ2012)はスペインが4-0でイタリアを下して前回に引き続き優勝しました。そのスペインの布陣はゼロトップという衝撃的なものでした。
 長らく、日本代表のサッカーは得点力不足が叫ばれ、エースストライカーの不在が嘆かれ、それが弱点だといわれてきました。しかし、スペイン代表は、フェルナンド・トーレスというストライカーがいたにもかかわらず、あえて彼を外して、パスサッカーに徹して優勝しました。得点はフォワードが取るものという私たちの常識を鮮やかに裏切り、新鮮な感動を与えてくれました。
 名将ビセンテ・デル・ボスケ監督は、ゼロトップの布陣を採用した理由について、「本来のFWの選手がプレーすれば、もっと攻撃に奥行きが出るだろう。だが我々はプレーの継続性を求めていた。試合を支配し、ボールを保持しながらチャンスをつくるためだ。」と説明しています。
 スペインのサッカースタイルはパスサッカーです。素早いパス交換で相手にボールを渡さず、隙をみて相手の狭いスペースに走り込んで得点するという方法です。「なでしこジャパン」がお手本としているサッカーです。
 そのパスサッカーの極めつけが、ゼロトップという布陣でしょう。相手のゴールにシュートを打つというより、ゴールマウスにパスをするという感覚が正しいのかもしれません。
 前回のワールドカップの準決勝であの無敵とも思えるドイツがなぜ、かくも為す術もなくスペインに破れたのかずっと不思議でした。それが今回少しだけ理解できたように思いました。ドイツ代表チームのサッカーは、いわば常識の典型といって良いでしょう。しかし、スペイン代表のように誰が、どこから攻めてくるか分からないゲリラのような攻撃に対してパニック状態になってしまったのではないかと思います。
 常識が裏切られるたびに、世界は活性化され、生き生きとしてきます。寝不足ではありましたが、興奮と感動の6月でした。

心の悩みをお持ちの方はこちらのホームページにアクセスしてください。
「心理カウンセリング ウィル」
http://www14.plala.or.jp/yorii-will

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする