心理カウンセリング ウィル

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集団からの孤立

2011-09-19 21:41:16 | インポート
 群れることで異なった価値観をもつ仲間と向き合い、自分を他人と比較しながら成長していくのが学校のクラスです。不登校となった子ども達は、自己の評価を固めていく上でもっとも基礎的な集団であるクラス集団から孤立して思春期を送ることになります。
 そのため、社会からも孤立し、地域のなかに肯定的な自己評価の場所を得るのが難しくなります。他人と関わることに不安や恐れをもち、同年齢の仲間から、さらには社会から見捨てられたような感情をもち対人関係を回避し引きこもり状態となります。
 ある心理学者によれば、見捨てられた感情の成分には、抑うつ、怒り、恐れ、罪責感、受動性と孤立無援、空しさと空虚感などがあり、自殺や他人を殺害したくなるような憤怒、パニック、空虚感などに襲われるといいます。
 簡単ではありませんが、同じ課題をもつ仲間とじっくりと向き合い、働く場所を確保し、保護者や支援者の手で生活の保障を受けながらともに成長していくことが求められます。

不幸な家族を三角関係が救う?

2011-09-12 21:40:50 | インポート
 妻と夫、父親と息子、嫁としゅうとなどの家族関係が緊張したときには、第三者が巻き込まれることによって緊張が緩和されます。
 たとえば、衝突が絶えない夫婦のどちらかが浮気をすると夫婦げんかが少なくなります。また、夫に向かっていたエネルギーを息子に向けると気持ちの安定化が図られ、夫婦間の緊張が緩和されます。夫が妻に対する不満を、自分の母親に告げることしなどによってうっぷんを晴らすと、気持ちが落ち着き一時的な平穏が得られます。でもこうした安定化は一時しのぎです。
 家族療法の基盤を築いたアメリカの精神科医マレー・ボーエン(1913-1990)は、家族関係は三角関係化の連鎖だといっています。三角関係化は二人の関係に一時的に安定をもたらしますが、問題の根本的な解決から目をそらすことでもあります。
 こうした安定は家族の機能不全をもたらし、誰かがそのひずみを背負うことになります。問題の本質から逃げてはいけません。

非行問題行動と見捨てられ不安

2011-09-09 20:41:35 | インポート
 青年期の非行問題行動や薬物乱用、性的逸脱行動の背景には、母親や肉親から見捨てられたという寂しさを紛らわしたいという感情があるといわれています。見捨てられ抑うつ感情を防衛するためにそうした行動に走るというのです。
 母親は子どもがある程度成長してくると、一般的には「愛情の供給」を停止します。それまでに充分な愛情をかけられていたと感じている子どもは自立していきますが、経済的な問題や、兄弟が多かったりしてあまり手をかけてもらえなかったり、自分は親に愛されていないと感じて育った子どもは見捨てられたと思いこみます。
 見捨てられたという気持ちをうまく運動や学習などに頑張ることで他に転化したり、教師や友人など保護者にかわってその気持ちをくんでくれる人に出会えれば良いのですが、そうした人に出会えないとなかなか大変です。
 「愛情」の反対は「憎しみ」ではなく、「無関心」である、とマザーテレサの言葉にあります。一人の人間としてかけがえのない存在だと大切にしてもらった記憶があるから、人は困難にも耐えられるのです。

病的なギャンブラーの見分け方

2011-09-06 21:02:18 | インポート
 精神疾患の分類と診断の手引きによると、病的と言われるギャンブラーは以下のうち5つ以上にあてはまる人をいいます。
①ギャンブルについて計画したり、考えたり、過去の体験を思い出すと楽しい。
②興奮したいために掛け金を増やしてギャンブルがしたい。
③やめようと思ったり、減らそうとしたりしたがうまくいかなかった。
④ギャンブルをやめたり減らしたりすると落ち着かない。
⑤おもしろくないことがあるとギャンブルで気を紛らわしたくなる。
⑥損をするとそれを取り戻すためにまたお金をつぎ込みたくなる。
⑦ギャンブルを隠すために家族や周りの人に嘘をついたことがある。
⑧ギャンブルの資金を得るために悪いと知りつつ違法なことをしてしまうことがある。
⑨ギャンブルのために仕事や人間関係に重大な支障をおこしたことがある。
⑩ギャンブルのために生活資金もなくなって他人を頼ったり、尻ぬぐいをしてもらったことがある。
 ちなみに、こうした人を中途半端に助ける人は「共依存」と言って、結果的により深みにはめているだけなのです。立ち直るには「底つき体験」といって、すべての人に見捨てられるような「地獄」をみる必要があるといわれています。

学業不振と学習障害の違い

2011-09-04 17:46:56 | インポート
 学業不振というのは、知能検査等では正常な知能を持ちながら、何らかの理由で学習能率が上がらず、教科の学業成績がそれに伴わない場合をいいます。
 学業不振の原因は、児童・生徒の個人的な要因として①近視、難聴等の身体的要因、②意志薄弱、注意散漫等の性格的・情緒的要因③学習への興味が持てない④過去の学習で基礎学力が身に付いていない⑤学習習慣の欠如などがあげられます。
 また、家庭的要因としては、①両親が教育に無関心②家庭内が不安定③経済的要因が挙げられます。
 学校や社会の教育環境要因としては①教育目標・方針②学校規模と環境③指導方法④教師や児童生徒同士の人間関係⑤地域の教育環境などがあげられます。
 一方で学習障害というのは、知能の全般的な発達水準は正常範囲にあるが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推理する等の能力のいずれかに偏りがあり、学習能力の習得と使用に様々な困難を示す障害です。中枢神経の機能障害が疑われ、全生涯にわたって起こる可能性があり、男子の児童に多いという特徴があります。
 お子さんが勉強しないことを頭ごなしにしかるのではなく、保護者としてその要因をよく考えてみてほしいものです。