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心の悩みへの対応(その3)抑圧とその反動

2011-11-29 11:43:00 | インポート
 不愉快な気持ちや感情を抑えつけておくのはなかなか難しいものです。そんな心の不安から逃れるために、正反対の行動をとって心のバランスをとる方法があります。それが、心理学用語で言う「反動形成」です。不愉快な気持ちや感情が生じたとき、その正反対の意識や態度をとることで「抑圧」して不安定になった自分の気持ちを防衛するメカニズムです。つまり、大嫌いなものを無理矢理、好きだと自分に思いこませてしまうことです。
 職場で嫌な上司や同僚と毎日顔を突き合わせていなければならないとき、あからさまにそうした気持ちを表すわけにはいきません。そこで、心の中とは裏腹に、さも尊敬しているかのように丁寧な言葉遣いや態度で接して自分の気持ちを隠してしまうやり方です。ただし、上司や同僚に対する嫌悪感や敵意が解消しているわけではないので、その「慇懃無礼な態度」が相手に気づかれてしまう恐れもありますので注意しましょう。
 人が誰かを嫌う場合、自分の中のいやな部分、知られたくない部分を相手が持っていることが多いといわれます。両親を嫌ったり、兄弟や姉妹が意外に仲が悪いのはそういうことが影響しているのではないかということです。もしかすると、あなたは他でもない、あなた自身が嫌いなのかもしれません。
 

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心の悩みへの対応(その2)抑圧

2011-11-26 23:26:44 | インポート
 ストレスやフラストレーションを「なかったもの」、あるいは「ないもの」として無意識の中に閉じこめてしまうという解決方法です。精神分析学では、これを抑圧といいます。自分を不安にする願望や衝動を意識から締め出して、自分の気持ちを守ろうとする、自我の防衛機制です。
 中学や高校の同窓会に出席して、どうしても相手のことを思い出せないとき、その同級生との間に思い出したくない過去が横たわっていたというような場合が抑圧です。
 無意識の中に抑圧された衝動は、完全に抑圧されれば、その欲求は自我によって変形されたり昇華されたりして、有効活用されますが、何らかのきっかけで不安神経症などによって意識に表れることもあります。
 性的なタブーが強い家庭で育った男の子が、女性に対する興味や関心を正当に表現できず、下着を盗んだりするのは抑圧が歪んだ形で現れたものといえると思います。
 また、結婚をしたいと思っているのに、仕事に専念して結婚願望を押さえるつけてしまうのは抑圧ですが、それがさらに極端になると、仕事が自分の生き甲斐だとか、仕事が命であるというように、抑圧とは正反対の行動をとるようになります。これを「反動形成」といいます。仕事に没頭しすぎる人は、何かを抑圧したいという気持ちがあるのではないでしょうか。
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心の悩みへの対応(その1)逃避

2011-11-25 20:14:35 | インポート
 不愉快なことがらや難しい場面に出会ったときに、そのストレスやフラストレーションから心身を守る一つの手段が「逃避」です。心理的・物理的に身を引くことです。職場や学校で不愉快なことがあると、自室に閉じこもって何時間も誰とも顔を合わせずに、電話やメールににも応答しないといったことです。
 根本的な問題解決にはなりませんが、会社をやめたり、学校をやめたりすることで深刻な心の悩みから抜け出せるならそれも一つの解決方法です。「逃避」のもっとも極端なかたちが自殺です。悩みに悩んで、最後に「自殺」というかたちで人生そのものから逃避していくというのではあまりにも切ないは思いませんか。
 簡単には会社や学校をやめられないからこそ悩んでいるのだ、という人もいるでしょう。課題や悩みから「逃避」するのは「卑怯」だという人もいるでしょう。問題は、それが自分で悩むことで解決する悩みなのか、いくら一人で悩んでも出口がない悩みなのかということです。悩んでも一人では解決できないことを悩んでも仕方ないとは思いませんか。いにしえのことわざにも「逃げるが勝ち」とあります。 
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心疾患になりやすい性格

2011-11-24 13:49:32 | インポート
 アメリカの心理学者、フリードマンとローゼンによると、無理な働き方やストレスによって狭心症や心筋梗塞などの病気になりやすいのは、以下のような特徴のある性格の人だといいます。
 ①成功願望や競争心が平均以上に強く、非常に野心的で負けず嫌いである。
 ②いつも時間と仕事に追われていて心のゆとりや余裕がない。
 ③攻撃性や敵対心が強く、相手が反対したり抵抗するとすぐに怒る。
 ④何があっても競争に打ち勝って成功しなければならない、という強迫性が強い。
 ⑤短気でせっかち、まくし立てるような話し方をする。
 ⑥責任感が強く、ミスや失敗に対して過剰なほどの警戒心をもっている。
こうした特徴を持つ人を「タイプA性格」といい、野心家で行動力と決断力があるため、企業社会に対する適応能力が高く、エリート・サラリーマンや企業経営者などの中に多いと言われているようです。成功の証としての地位や権力・名誉などに対する強い欲求があり、身体の疲労や精神的なストレスのことを意識せずに猛烈に働き続けて、病気になってしまうようです。
 仕事以外の人生の楽しみを見いだすことが大切なのですが、簡単そうで意外と難しいのです。
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うつ状態における適応と抵抗

2011-11-17 23:49:11 | インポート
 職場や学校にうまく適応できずにうつ状態となったとき、どのように対応したらよいのでしょうか。一つは、自分の認知の仕方、考え方を変えて環境に「適応」していく方法があります。「長いものには巻かれろ」と言うことわざがありますが、保護色をまとって目立たないようにするやり方です。
 心の病におちいる原因は、こだわりが強すぎること、被害者意識が強いこと、理想とする自分と現実の自分とのギャップを意識しすぎることと言われます。これだけは譲れないというもの以外はあまりこだわらずに、適当に適応するのも一つの在り方だと考えてみてください。
 自分を変えるのではなく、逆に、うつ状態におちいらせるような環境を変える方法もあります。自分が正しいと思った場合、自分を変えるのではなく、環境そのものを自分の正しいと考える状態へ変えていく方法です。これは環境に「抵抗」することですから、精神的エネルギーが必要です。こういう対応ができるくらいなら、うつ状態にならないと言われるかも知れませんが、信頼する仲間があれば可能になるのではないでしょうか。
 
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トラウマのフラッシュバックへの対応

2011-11-10 22:02:14 | インポート
 フラッシュバック は、暴力や交通事故等の強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合、その記憶が、ある瞬間、突然、鮮明に思い出されたり、夢に見たりして不安に襲われる現象で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害のある場合におこるといわれています。
 過去の辛い記憶が、突然、意識しないのに思い出され、それが現実に起こっているかのような感覚が非常に激しいときに「フラッシュバック」ということばが使われるようです。
 カウンセリングで、効果があるといわれているのは、EMDRといわれる眼球運動による脱感作と再処理による方法と認知行動療法による長期暴露方法だといわれています。
 EMDRはクライエントの目の前で指をふる方法で、そのメカニズムはわからないがもっとも効果がある方法といわれています。認知行動療法は、トラウマに対して正面から向き合わせる方法でクライエントにとってはなかなか辛い方法です。 
 幼年期にトラウマとなるような体験をしている人は、それらの記憶を意識化しないままもっている可能性もあります。ですから、てフラッシュバックにおいてそれらを再経験しても原因がわからずに不安におそわれるため、より根が深いといえます。

(ホームページにもお立ち寄りください)
 心理カウンセリングウィル 
http://www14.plala.or.jp/yorii-will/
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意欲の貧困について(2)

2011-11-06 19:12:33 | インポート
 がんばれない自分、「意欲の貧困」というのは、家庭や社会環境によるものだという考え方は正しいと思います。自分に非があるわけではないのです、「仕方がない」というのも正しいと思います。
 自己責任といわれるけれど、「意欲の貧困」に陥った人は、成育歴の中で「意欲」を育まれた経験がないのです。必要な肥料を与えられずに育った植物のようなものだと思います。そうであれば、「仕方がない」といってひきこもったり、就活や社会参加をあきらめたりするのも無理からぬことだと思います。
 それを社会のシステムの問題として、異議申し立てをするのも良いでしょう。ただし、経験的にいえば、自分で自分の置かれた立場が理解できたときに、今まで自分に不足していた栄養素を取り込む努力をしないと、システムの不具合だけに異議申し立てしているだけでは立ち枯れてしまう気がします。  
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意欲の貧困について(1)

2011-11-05 21:39:17 | インポート
 一般的には、貧困とは経済的なものをいいますが、「意欲の貧困」とは、社会参加するための労働意欲がもてない状態をいうようです。労働意欲が無いのではなく、労働意欲を支えていく前提としての、経済的状況、人間関係、家族状況、教育レベル、職業スキルが無い状態にあり、単に「やる気がない」ということとは違うのだということです。
 仕事はあるのに、「働かない」のは、怠け者なのだ。だから貧しいのは自己責任だという論調がある一方で、適切な労働環境を与えられていないから「働けない」のであって、社会の在り方が問題だという見方もあります。
 私たちが自信を持って生きていくには、自分自身に対する神話や幻想のようなものが必要です。幼いときに両親から注がれる無条件の「愛情」は自分がかけがえのない存在として誕生してきたという気持ちを抱かせます。学習成績がよかったとか、運動会で1等賞を取ったり、読書感想文で表彰されたり、絵のコンクールや合奏コンクールで入賞した経験は他者よりも優れたものが自分にあるという誇りを持たせてくれます。
 一方で、努力が報われなかった虚しさや達成感の欠如、友人や恋人、両親、兄弟等のサポートの不足の中で育った場合、自分に自信を持つことが出来ず、「意欲の貧困」といわれるような状態になるのではないでしょうか。経済状況の悪化で、大人の社会に余裕が無く、そうした若者を温かく迎えて育ててくれる環境がありません。
 
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