心理カウンセリング ウィル

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なぜか自滅的行動をとってしまう人~意志の弱い人~

2012-03-31 14:59:31 | インポート
  ダイエツトをしている最中なのに、目の前にあるおいしそうなケーキがあるとつい手がでてしまう人。お酒やたばこが身体に良くないと思って、禁酒や禁煙を誓っても三日坊主で長続きしない人。目の前に素敵なブランド品があると、金利負担があって高くつくとわかっていてもつい購入してしまう人。
 私たちは、こういう人を意志が弱いとか、だらしがないとか、依存症などと分類しがちですが、行動経済学では、「 双曲割引」(そうきょくわりびき: Hyperbolic discounting)という言葉で説明するそうです。遠い将来に何かを失うことが分かっていても、目の前の快楽や利益を優先して選択する傾向をいうのだそうです。
 わかりやすくいうと、夏休みの宿題をまだ時間があると後回しにしておいて、夏休みの終わり頃になって、「明日までに宿題を終わらせなくてはいけない」というとんでもない状態になっていることに気がついて、とたんに慌てだすようなことのようです。
 大阪大学の池田新介教授が新聞で紹介した記事によると、将来の利益を考えて現在の行動をコントロールできる人、飲酒や喫煙、ダイエツトを長期的な健康を考えて自制できる人は、十数パーセントに過ぎないそうです。我が身を振り返ってみると何だか安心できる数字ですね。
 行動経済学では、こうした傾向を基に、選択の自由は許しながら年金問題の解決などに、よりよい選択行動へ誘導をしていくような研究をしているようです。
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マインドコントロールはどのように行われるのか

2012-03-23 21:18:14 | インポート
  オセロの中島さんが女性占い師にマインドコントロールをされていたという事件が週刊誌やワイドショーで騒がれましたが、人はどのようにマインドコントロールされていくのでしょうか。
1 段階的要請法の罠
当初は週に2~3時間だけ指示に従うようにいわれます。半信半疑にながら何かの救いがあるのではないかと、その指示に従ってしまいます。その時は何も考えないので、とりあえずの悩みは消えます。しかし、次第に指示の時間が増えていき、やがては長時間の礼拝、教団への入団勧誘活動、広報活動に参加させられるようになります。
2 異なる意見や異質なものを排除し、外界とは遮断させる
指示や要求が拡大してくれば反抗心や抵抗感が芽生えます。そこで、教団や占い師のやり方に疑いをもったり、異を唱える信者にはスパイをつけ容赦なく叩きのめしたり、大勢の前で恥をかかせたりします。
  また、不安を持った者同士は分断し、子どもは親から離して親以外の信者に育てさせ、夫婦が絆を深めないようにフリーセックスを奨励したりし、外部との連絡や生活手段を遮断します。
3 奇跡を演出し、妄想やまやかしのような言動を正当化する
  病を治したり、予言をしたり、超人的な奇跡を起こすが、そのほとんどは、あらかじめ演出されたものであり、妄想やまやかしです。
4 苦痛や困難を伴うイニシエーションの儀式を要求する
  こうした儀式はグループへの忠誠心を高めるために用意されているだけであって、信者同士を互い競わせたり、教団内部での地位を争わせたりするだけのもので、宗教的な意味はないと思われます。


ホームページ「心理カウンセリングウィル」はこちらです。
http://www14.plala.or.jp/yorii-will/

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依存症と遺伝

2012-03-21 17:20:29 | インポート
  「快感回路~なぜ気持ちいいのか、なぜやめられないのか」
   (ディビッド・J・リンデン著 岩坂彰訳 河出書房新社刊)
 依存症について書かれた本ですが、その中に、双子の比較研究により、依存症リスク要因の40~60%は遺伝的なものが関係するのではないかと推定されるとありました。ただ、研究は始まったばかりで、「依存症遺伝子」のようなものがあるわけではなく、この複雑な発現形質に関係する遺伝子は多数ある可能性が高いようです。
 快感回路を構成する重要な要素であるドーパミン受容体の一種であるD2と呼ばれるサブタイプの遺伝子に関わるもので、ここに、A1という型の遺伝子を持っているとドーパミンの受容体が少なくなる。つまり、快感が得にくい。そのため、A1を持っている人はアルコールやコカインやニコチンへの依存症が高くなる確率が高いということです。
 あらかじめアルコールを自ら摂取するよう訓練したラットの実験では、D2受容体の発現を促して、増やしたところアルコールの摂取が大幅に減ったということです。通常の人に比べ、快感が得にくいために大量に摂取してしまい、依存症になっていくのではないかということです。
 しかし、遺伝子によるリスクがあっても、自分でコントロールすることはできるはずです。 心臓病のリスクを負った人が食事に気をつけたり運動したり薬を飲むことでそのリスクを軽減するのと同じで、依存症も本人がそれなりに努力することでリスクを軽減することができるはずで、遺伝的なものとして責任を回避してよいわけではありません。
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太っている人は意志が弱くてわがままか?

2012-03-16 22:04:16 | インポート
 太った人をみると、あの人はどうして食べる量を減らして運動をしないのだろう。きっと意志が弱くて、好きなものを好きなだけ食べてしまうわがままな人に違いない、というレッテルを貼りがちです。
 しかし、太るか太らないかの8割は遺伝的なものだということです。決して本人の節制によるものだけではないということです。ですから、意識的に食事に気をつけたり運動したりすることで、ある程度の体重を維持したり、一時的に減量はできるとしても、それを長期的に維持するのは難しいといわれています。
 ただし、太っている人はやはり普通の人よりはたくさん食べるし、運動もしないので消費カロリーも少ないということです。 では、なぜたくさん食べてしまうのでしょうか。原因の一つはストレスだといわています。ストレスは脳内のあらゆるホルモンの活動性を低下させ、満腹感を味わう機能が低下しているので、たくさん食べ続けてしまうといわれています。
 もう一つは、ギャンブル依存症や薬物依存症と同様に、食べるという行為自体に脳が過剰に興奮し、そのために食べ続けるようです。いわゆる過食症といわれるものです。

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ルーマニアの魔女

2012-03-09 21:02:17 | インポート
 ルーマニアでは魔女が力を持つ国で2千人以上はいるということです。昨年1月には職業として認め、もし占いがはずれたら罰を与え、税金もとるという法律を作る動きがあったようですが、魔女達の反対で導入が見送られたと言うことです。メディアはもっぱら政治家達が魔女の呪いを恐れたと書き立てたようです。
 新聞報道(3/29朝日)によると、いま、そのルーマニアで、呪いで莫大な謝礼を得ていてたとして、メリッサ、バネッサとい有名な魔女が逮捕されスキャンダルに発展しているといいます。彼女たちは呪いをかけたり、それを取り除くとして女優やサッカー選手の奥さんなどから5千万円前後の報酬を受け取っていたということです。
 日本でもオセロの中島さんが占い師からマインドコントロールを受けたという騒動が持ち上がっていますが、これだけ文明が進んだ中で、人はなぜ占いや魔女を信じられるのでしょうか。というか、信じたいのでしょうか。
 おそらく、自分と直面することを避けたいのではないでしょうか。イタコや巫女、占い等のシャーマニズムといわれる民間伝承は、カウンセリングや心理療法のようにその原因を本人に求めません。それは、過去の亡霊であり、祖先であり、悪魔だったり、妖怪だったりします。
 つまり、本人以外の所に原因があることが大きな救いとなるのです。マインドコントロールは、むしろ自ら求めている場合もあるということもできます。自分のせいではないことが救いとなるのです。
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コンピュータ・カウンセラー「イライザ」

2012-03-05 23:14:20 | インポート
 マサチューセツツ工科大学のコンピュータ科学者だったワイゼンバウムは、1966年にコンピュータ対話システム「イライザ」を作成しました。このコンピュータによるカウンセリングは比較的単純なプログラムであったにもかかわらず、ベテランカウンセラーがカウンセリングしているかのように、多くの人々がそれに感情移入を起こしたといわれています。それは、カウンセリング技法のごく基本であるオウム返しによるもので以下のようにプログラムされているといわれています。
イライザ  :  あなたの悩みを話してください。
クライエント:  私は人前にでるのが恐いのです。
イライザ  :  あなたは人前にでるのが恐いのですね。
クライエント:  ええ、そうなんです。
イライザ  :  そう思うのは何か特別な理由があるのですか。
クライエント:  うまく話すことができないのです。
イライザ  :  もう少し具体的に話してください。
クライエント:  緊張してしまうのです。
イライザ  :  そうなんですか。
 このように、具体的なことは何も言わず、クライエントが自ら語ることだけを促しているだけにもかかわらず、ほとんどの人がイライザを本当に真剣に受けとめることにワイゼンハウム教授は悩んだと言います。クライエントはコンピュータの「イライザ」に擬似人格を感じ、自分が理解してもらったと信じて疑わなかったと言います。
 これは、占いや心霊術のように意味のないものに意味を見いだしてしまう人間の心性について語られたものですが、カウンセラーとしていろいろ考えさせられました。

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