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病院で死ぬか、家で死ぬか  №282

2023-04-12 16:04:03 | 公認心理師
  なぜ病院で死ぬことは苦しいのか?死そのものは本来、苦しいものではない。しかし、病院で「体力の限界まで生きさせられるから」苦しむのである。「病院で治療する」という選択肢以外にも、治療をやめて「家で死ぬ」こともあるということを提言しているのが、「家で死のう」(フォレスト出版)の著者で、緩和ケア医の萬田医師です。
 医学界で「標準治療」や「エビデンスのある治療」と呼ばれているものは、統計学的に生存率が高く、死亡率が低い治療である。ただし、その治療がある特定の患者に有効かどうかは試してみないとわからない。また、統計の指標となる「生存率」や「死亡率」は、「心臓が動いているか時間が長くなるか否か(延命)」だけに視点を置いている。  患者が「つらいか」「元気になるか」、残された人生をどのように生きたいかということはほとんど考慮されていない、とお話しています。萬田医師は病気と死について以下のように書いています。
1 病気は「老化の段階」に名前をつけただけである。人は必ず老化し、老化は治せない。がんで死ぬのは、結局のところ老化である。
 がんにならなくても脳や臓器の老化により死ぬのである。脳が体より先に老化するので認知症である弱い臓器から老化が進行していく。
2 死とは「老化のゴール」である。人はどのようなプロセスで死んでいくのか。
 ①食べられなくなる。 ②腸閉塞を起こす   ③腹水がたまる  ④寝たきりになる ⑤痛みが強くなる ⑥頻繁に熱が出る 
 ⑦足がむくんでくる  ⑧便や尿が出なくなる ⑨呼吸が弱くなる ⑩黄疸が出る   ⑪終末期せん妄を起こす
3 在宅緩和ケアの選択
痛みの緩和ケア以外には治療せずに自然の死を迎える。
 私たちは、医師や医学博士と名の付く人が薦めるサプリメントや書籍の内容は、すべて真実だと思いやすい。肉食は控えて野菜中心にして、塩分のとり過ぎを注意する医師もいれば、歳をとったら何も気にせずに好きなものを食べなさいという医師もいます。病院で最後まで生き抜くことを選択するか、在宅で自然死を選ぶか。悩ましいところです。
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