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心理カウンセリング ウィル

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№300 女性の「不安症」は男性の2倍 !?

2025-07-01 19:30:16 | 公認心理師
 不安症やうつ病、パニック症,PTSDなどの有病率は,女性が男性の約2倍高いといわれています。一般的に、男性はストレスに対して行動的で問題解決的な対処をとりやすく、女性は認知的な対処をとりやすいといわれます。言い換えると、女性は「自分を変えることで適応をしようとする」といわれています。その、適応しようとする努力が不安やうつを起こしやすいのではないかといわれています。
 また、女性ホルモンなどの生物学的な要因や、脳の構造的な違い、女性の与えられた文化的・社会的要因など、様々な要因が考えられています。
 遺伝的な要因もあるのではないかといわれています。私たちの遠い祖先が狩猟や採集で食糧を得ていた頃、狩りに出かけるのはもっぱら男性でした。女性の多くは、住居の近くで過ごしていたと推測されます。狩りには、様々な危険がともない、時には命を落とすこともあります。種族の維持を考えた場合、出産できる女性がより多く生き残ることが大切でした。そのため、女性はより安全な環境にいる必要があり、また、不安を感じやすくできていたと解釈されています。
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No.299 なぜADHDは増えているのか?

2025-06-02 15:29:00 | 公認心理師
 ADHD(注意欠如・多動症)の診断数は、日本でも世界でも増加傾向にあります。日本では、2010年から2019年にかけて、84万人近くの人が新たに診断され、20歳以上では21倍に増加したと報告されています。世界的にも増加しており、特に米国では、3〜17歳の症例数が2016年の540万人から2022年には650万人に増加しています。
 スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンは『多動脳―ADHDの真実―』の中で、その要因として、遺伝的な影響だけでなく、社会環境の変化も重要な要素であると述べています。彼は、現代社会がADHDの特性を持つ人々にとって適応しづらい環境になっていることを指摘しています。それまでは、グレーゾーンとして特に、問題とされなかった人たちが診断されるようになったとして、以下の点を強調しています。
①情報過多と集中の困難:スマートフォンやSNSの普及により、常に新しい情報が流れ込む環境になり、注意が散漫になりやすく、ADHDの特性を持つ人々にとっては特に困難な状況が生まれている。
➁ 教育・職場環境の変化:画一的な教育システムや職場のルールが、彼らの強みである創造性や驚異的な集中力(ハイパーフォーカス)を活かせる環境を不足させている。
➂運動不足:運動はADHDの症状を軽減する「天然の治療薬」である、とハンセン医師は強調していますが、スマホやパソコンに触れる時間が多くなり、運動不足となり、症状を悪化させる要因になっていると述べています。
 ハンセン医師は、ADHDは障害ではなく、進化の過程で生き残った特性として考えています。ADHDの特性は適切な環境があれば強みとなる可能性があると以下のように述べています。
①注意が散漫になりやすい特性は、柔軟な思考や新しいアイデアの発想につながる創造性につながる。
➁好きなことに対しては、驚異的な集中力(ハイパーフォーカス)を発揮することがあり、芸術やスポーツの分野で優れた能力を持つことが多い。
➂リスクを恐れない行動力や衝動性が、起業家精神や革新的な挑戦につながる可能性がある。
 ハンセン医師は、運動がADHDの症状を緩和する「天然の治療薬」として効果があると述べています。運動が脳内のドーパミンの分泌を促し、集中力や衝動のコントロールを助ける働きを持っているということです。
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№298 「べらぼう」に文明都市だった江戸

2025-05-19 09:19:48 | 日記
 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」とコラボした展示会に国立博物館に出かけました。この時代に浮世絵だけでなく、青本や黄表紙などの娯楽本が売れたということは、いかに識字率が高かったかわかります。特に、貸本屋や瓦版の普及により庶民が情報を得る機会が多かったことは、他の都市と比べても特筆すべき点だと考えられます。黄表紙の発行部数は、蔦重が活躍を始めた当初は250部程度だったそうですが、時代とともに拡大し、5千部から7千部に達する作品もあったということですから、驚きです。
 江戸時代後期の江戸の人口は約100万人とされ、同時期のロンドンは約86万人、パリは約55万人、北京は110万人と推定され世界有数の都市の一つでした。また、江戸の町人の識字率は 70~80%に達していたとする研究もあります 。同時期のヨーロッパでは都市部でも50%以下の地域が多く、庶民が書物を読む機会は限られていたということです。
 江戸は識字率の高さだけでなく、上下水道の整備や商業の発展、文化の成熟など、非常に高度な都市機能を持っていたということです。あらためて日本という国の素晴らしさを感じました。 
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人生で最も孤独な時期は?  №297

2025-04-15 12:52:05 | 公認心理師
 人生でもっとも孤独な時期は、16歳~24歳の若者の時期です。といわれると、にわかに信じられない気がしますが、「ストレス脳」の著者で精神科医アンデシュ・ハンセンによると、30~40%の若者が孤立感や孤独感を覚えているという。
 他の世代はどうかというと、35歳~45歳では3分の1に減少し、45歳を過ぎるとさらに減少し、最も孤独感が低い年齢は60代だということです。
 なぜでしょうか。年齢が高くなるにつれ、社会的接触が選択的になり、大切な人たちだけを優先できるようになるからかもしれない、と分析しいてます。ただし、85歳を過ぎるとパートナーなど親しい人を失うことで孤独感は増すということです。
 孤独はうつ病や癌で死亡するリスクを高めるともいわれています。孤独は、一日に煙草を15本吸う人に匹敵するほどに危険だという研究もあるそうです。孤独や孤立感から免れる方法は、趣味や運動、サークル活動やボランティア活動等々幾つかあります。それでも、孤独感にさいなまれるようでしたら、「心理カウンセリング・ウィル」http://www.yoriwill.com/に気軽にお越しください。
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スクールカウンセラー業務委託を受けました No.296

2025-04-06 09:46:26 | 公認心理師
2025年4月から、熊谷市の八木橋デパートの近くにある、「アルスコンピュータ専門学校」及び「アルス高等学院(通信制サポート校)」の学生相談室のカウンセラーとして、週2回、勤務することとなりました。
 教職員や保護者の方々と連携し、学生の心の拠りどころとなり、充実した学校生活が送れるようサポートしていきたいと考えています。
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AIのカウンセリングで充分ですか? No.295

2025-04-03 14:22:20 | 公認心理師
悩みや、不安にいつでも応え、寄り添ってくれるチャットポットは色々あります。利用している方も多いかと思います。
 チャットボットで相談してみたけれど、何か物足りない、心がすっきりしない、そんな経験はありませんか?
 人間の心は繊細で複雑なものです。AIは、①深い共感を必要とする場合、➁非言語的な要素を含むやり取り、➂複雑な感情や葛藤の処理、④成育歴や個人の価値観の理解などについて充分に対応できません。
 カウンセリングルーム・ウィルでは、一人ひとりの思いに耳を傾け、あなたの気持ちを丁寧に受け止めます。悩みや不安に寄り添いながら、あなた自身が前向きな変化を生み出せるようお手伝いします。
 本当の対話が生み出す安心感と心の深い部分での納得感を、ぜひ感じてみてください。
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私って共感障害?  №294

2025-03-01 11:40:49 | 公認心理師
 私たちは、周囲の人の動作や表情を見るだけで、自分がその行動をしているときと同じように脳の領域が活性化し、他者の行動の意図や感情を直感的に理解できるといわれています。これは、ミラーニューロンという細胞によるもので、この活動が弱い人は、他者の行動や感情を正確に模倣し理解する能力が困難で、共感性が低いといわれています。共感障害といわれる人は、次のよう特徴を持つといわれています。
①他人の感情を読み取ることが難しく、他人がどのように感じているかを理解しないことが多い。
②社会的な場面での適切な行動や反応が難しく、友人関係や職場での人間関係に問題を抱えることがある。
③自分の感情を表現することが難しく、他人から見ても感情的に冷たい印象を与えることがある。
④自分の欲求やニーズが最優先になりがちで、他人の立場や感情を考慮しない行動をとることがある。
⑤一般的な社会のルールやマナーを理解しにくいことがあり、無意識に他人を不快にさせることがある。
 共感障害には、いくつかの原因や背景が考えられています。例えば、自閉症スペクトラム障害やトラウマ、感情の抑圧、反社会性パーソナリティ障害などがあげられています。
ミラーニューロンと共感性障害の関係は、共感のメカニズムを理解する上で重要な要素となっています。共感障害を克服することは簡単ではありませんが、カウンセリングやセラピー、社会的スキルのトレーニングなどにより、共感力を高め、他人とのより良い関係を築いていくことは可能だといわれています。
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悩みや不安は未来を予測することから生まれる  №293

2025-01-31 12:53:16 | 公認心理師
 私たちの心には、悩みや不安がつきものです。不安は恐れなどと同様に情動をになう脳の扁桃体から生まれますが、東京大学大学院 教授 池谷裕二博士は、「悩みや不安は、記憶が未來を予測することから生まれる。未来の予測には、二つの要素、『過去の記憶』と、『未來の想像』が必要で、これによって、未來の計画が立てられる。『記憶』は未來の自分のために蓄えるもので、悩まない人は『記憶力が低下』する」と言っています。
 未來を想像できるのは、過去の記憶があるからで、記憶は未來のために蓄積され、また、不安や悩むことは脳を刺激して、記憶力も増すことにつながるというわけです。脳を活性化するために、悩みや不安を抱えることは、あながち悪いことではありません。悩んだことは、記憶として残り、未来に向けて貴重な経験として記憶され、別の計画の選択肢の基盤にもなりうるのです。不安は、恐れとともに、『過去の記憶』に基づいて自己規制するという意味を持ち、それは危険を回避するということにつながります。
 池谷博士は、不安や恐れは「未来の予測」を生み、身の安全のために、リスクを可能な限り回避するための手段となるといいます。不安や悩んだりした記憶は、未来に役立ち、危険回避の記憶をすることから、何の不安も悩みも持たないことに比較し、とても有益だということです。皆さん、大いに悩んでください。一人で抱え込むには大きすぎる悩みや不安を抱えたら、「カウンセリングルーム・ウィル」を訪れてください。
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父親との関係がうまくいかなかった少女は? №292

2025-01-14 13:31:01 | 公認心理師
 スイスの心理学者ジャン・ピアジェ(1896-1980)は子どもが父親との関係で傷つくことで、その後の人生に大きな影響を及ぼすと考えました。 「永遠の少女」とは、父親に対して永遠に愛されることを求めますが、その要求が叶わずに傷つくという概念です。父親との関係において何らかの形で傷ついた女性は、自らのおかれている関係に絶望し、一定の年齢が過ぎても、心理的には少女のままで、根本的な依存状態にあり、他人にいわれたままの役割を引き受けるだけで、自分の生き方ができない女性のことをいいます。
 その対極に位置するのが、「アマゾネス」といわれ、父親に対して敵意を持ち、その敵意を他の男性に向けるという概念です。「武装せるアマゾーン」で、心の痛手や自分自身を守るために、鎧をきて武装するかのように、男性的・父性的なアイデンティティを築き上げる女性のことです。ちなみに、アマゾーンとは、弓をひくのに邪魔になるからと乳房を切り取った女性「乳房のない女性」という意味だそうです。これらは、相対するものとして現れるのではなく、一人の女性がその時、その場でいろいろな生き方を実現していくのだともいわれています。
 父と娘は、一歩間違うと疑似恋愛や擬似的な夫婦としての側面をもってしまうような、危うさもあります。
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不登校の増加と教育制度の問題 №291

2024-12-23 13:23:49 | 公認心理師
 中学生の不登校生徒数(令和5年度)は216,112人 (前年度193,936人)で、在籍者に占める割合は6.7% (前年度6.0%)で、どのクラスにも不登校の生徒が2人~3人いるということになります。中学生の親世代の30年前に比べると、なんと5倍に増加しているのです。不登校のきっかけは、いじめや学習の遅れ、家族との分離不安、適応障害、教師との相性など様々な要因が複合的に影響していることが多く、対応に苦慮することが多いのも事実です。
 ただ、現代の成熟した社会環境における多様な人材育成に対応するためには、もっと柔軟な教育制度が求められるのも確かです。近代の学校制度は産業革命とともに進化し、労働力の需要に応じた教育を提供するために発展してきました。産業革命により、工場労働が主流となり、学校制度が工場労働に適応するように変化しました。
 多様な個性の児童生徒30人~40人を一クラスにまとめ、始業時間や下校時刻を厳格に時間管理し、制服の制定をはじめとする校則による規律重視の指導は、うがった見方をすれば、工場労働者として勤務する訓練をしているようなものです。   
 教育の理想は、一人ひとりの個性や能力に応じたカリキュラムが組まれることです。オンライン教育や柔軟な時間割をもつフレックススクール制度、特別なニーズを持つ生徒を含む複数の生徒が学べるインクルーシブ教育、実際の課題解決を通じて学ぶプロジェクトベース学習など、学びのスタイルはもっと柔軟であるべきではないでしょうか。
 不登校の生徒の皆さん、保護者の方々、気軽にカウンセリングルーム・ウィルにサポートを求めてください。
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