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ザック・ジャパン欠けていたリアリズム? №221

2014-06-28 17:08:32 | 日記
 サッカーワールドカップ日本は1分2敗で、グループ最下位で戦いを終えました。優勝は無理だとしても、グループリーグを勝ち抜いてせめてベスト16には入ってくれるのではないかという期待をしていただけにがっかりした人も多かったのではないでしょうか。
 ただ、冷静に考えれば、日本のFIFAランキングは47位です。コロンビアは4位、ギリシャが10位、コートジボワールは21位ですから、グループリーグはランキング通りの順位となったといえます。
 グループリーグで敗れた後、選手や監督はもっとできるはずだったというコメントを残しています。芝生が日本のサッカースタジアムのように短く凹凸のないピッチで、湿度の少ない温暖な気候で、本田選手や香川選手の最高のコンディションで臨んでいたら、違った結果になっていたかもしれません。第1戦のコートジボワール戦にせめて引き分けていたら、第3戦で今野選手のプレーがPKを取られていなかったら、違った結果になっていたと思います。
 しかし、選手はともかく監督は最初のコートジボワールに負けるかもしれないことは考えておくべきでしょうし、少なくともリードされた場合のオプションも考えていたと思います。第2戦はギリシャですから引分も考えられました。1分1敗の場合の戦い方も考えていたものと思います。そうした場合の戦い方をあらかじめ選手に徹底していたのかどうかが気になるところです。
 グループリーグ最後の戦いでしぶとく抜け出したギリシャのフェルナンド・サントス監督は徹底したリアリストだということです。おそらく、コロンビアに負けるかもしれないことは織り込み済みで戦ったものと思います。日本との戦いで退場者がでたときにも引き分けに持ち込むことで次の戦いにチャンスを求めたものと思います。そして、最後の最後後半ロスタイムにPKを決めて勝ち上がりました。
 ギリシャのサッカーは観戦していて楽しいサッカーではありません。ギリシャの監督は、もてる戦力で最高の結果を出すサッカーを選択しました。ザッケローニ監督は、もてる戦力で最高のパフォーマンスを出すサッカーを選択しました。日本らしいサッカーをして破れてもそれは仕方のないことと割り切っていたのかもしれません。
 勝つためのリアリズムを欠いたサッカーでも、観ていて楽しいサッカーが出来たのであればそれはそれで意味があったと思いますが、ならば、終盤になってどたばたと姑息な戦術をとらずに、せめて美しく散ってほしかったと思うのは私だけでしょうか。

正しい「ひきこもりの」の方法? №220

2014-06-17 21:55:13 | 日記
 厚生労働省によると、「ひきこもり」は、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態。時々は買い物などで外出することもあるという場合も含める。」と定義されています。
 2013年の内閣府による15歳~39歳対象の調査によると、23.5万人が「ひきこもり」の状態にあるということです。また、普段は家に居るが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出するという「準ひきこもり」の人が約69万人で、これらの人を広義の
「ひきこもり」と換算すると、69.5万人と推計されるようです。
 評論家の芹沢俊介氏の「引きこもるという情熱」(雲母書房刊)によると、引きこもりには、「往路」、「滞在期」、「帰路」というプロセスを踏む正しい引きこもりのしかたがあり、どこかで路を間違うと、社会に戻ることができないとありました。
①往 路(ひきこもりになる時)  社会との関係や、社会的自己からの撤退時期。 
②滞在期(ひきこもっている時)  自己領域に滞在し、自己を治癒する期間。
③帰 路(ひきこもり終結の時)  自己領域の滞在を切り上げ、ひきこもりが終わる。
 芹沢氏は、誰にも邪魔されずに自分の中に閉じこもっている状態、いわば繭の中にこもっている状態が「自己領域」で、それが保証される空間が必要だといいます。その空間に十分引きこもることができた時、はじめて、「自分は自分でいいのだ」という自己肯定感にたどりつくことができ、帰路につけるといいます。
 本人が十分に自己の中に滞在してそれまでの社会的自己から脱皮できないうちに家族や精神科医、心理カウンセラーが無理やり引き出そうとすると、「新しい自己を再生」できずに、引きこもりから抜け出せなくなってしまうようです。
 では、その滞在期にはどれ位の期間が必要なのでしょう。保護者の人たちにとっては一番気になるところですが、「それは、引きこもっている本人が決めることです。」というのが芹沢氏の答えです。1年かもしれなしい、10年かもしれないということです。
 保護者にとって、それを気長に待つのは本当につらいものがあると思います。ただ、芹沢氏によると、完全に社会的自己と遮断した状態で「ひきこもり」にならないと、滞在期の入り口でいたずらに時間を費やして長引いてしまうようです。
 それまで肯定的な社会的自己をもてなかった人や社会的自己を否定されてきたが、あるがままの自分を認め、自己肯定感を持てるようになることは簡単な作業でないことは容易に察しがつきます。その作業には、情熱というよりむしろエネルギーが必要ではないかと思います。

アレルギー反応の暴走!「アナフィラキシー」 №219

2014-06-01 12:42:30 | インポート
 アナフィラキシーは、「反抗して防御する」というのがもともとの語源と言うことですが、「アナフィラキシー」~対応と予防~(柘植書房新社刊)の著者角田和彦医師はアレルギー反応の暴走だとして、次のように説明しています。
 「私たちは、自分にとって有害な物質を見つけ出すと、免疫を働かせて処理し、処理できないものは排除します。アレルギー反応もこのような免疫機能の一つです。しかし、何らかの原因で歯止めがかからなくなり、過剰な反応を起こすと、きわめて危険なことになります。アレルギーが暴走し、全身ににさまざまなアレルギー状態が急激に起き、自らの生命を立つような状態にまで至ってしまうのが「アナフィラキシー」という疾患です。」
 典型的な「全身性アナフィラキシー」の場合、アレルゲン(アレルギーの原因物質)または起因物質の注射後5~10分以内に始まり、早い場合には30秒以内に始まるので、注意を要するということです。
 アナフィラキシーショックは発症が非常に急激で、かつ気道の閉塞を伴い、それによる死亡は初期の1~2時間に起こり、多くは喉頭のむくみや不整脈による心停止などが原因となるようです。さらに重篤な酸素欠乏症と血圧低下によっても起こります。したがって、治療の目的は呼吸と循環を緊急に改善することで、まずは気道の確保と酸素吸入が重要で、それから輸液および薬剤を投与するための静脈確保が行われるということです。
 アナフィラキシーは予防が最も大切であるといわれますが、そもそも卵や牛乳、小麦をはじめて口にした赤ちゃんがなぜ「アナフィラキシー」引き起こすのでしょうか。原因物質を多く取る家族の食品から皮膚や気道の粘膜に接触することにより起こるので、本人のみが注意してもだめで、周囲の生活環境から取り除かなくてはならないということです。
 現在の私たちの生活環境の中には、食品に限らず空気や水、土などに様々な有害物質が含まれています。それらの原因物質を摂取しないように注意することはもちろんですが、乳幼児や低学年を扱う教育関係者は、アレルギーや原因物質、そして「アナフィラキシー」に関する知識を共有し、子どもたちを守っていくことが求められているのではないでしょうか。