国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

ヒズボラと慈善

2006-08-07 02:39:27 | 時事問題
ニューヨークタイムズの8月6日記事、「慈善のためにヒズボラに対する深い忠誠が得られている」(Charity Wins Deep Loyalty for Hezbollah,http://www.nytimes.com/2006/08/06/world/middleeast/06tyre.html)を読んだ。

内容はタイトルの通りである。ヒズボラは、レバノン南部のシーア派イスラム教徒に対して、医療費、健康保険、学費、事業の元手などを与えるのである。このためにヒズボラに対する忠誠が生まれるという話である。これはよく耳にすることである。

中東に無知な私の気になったのは、次のような文章である。

「ヒズボラに対する深い愛着は、最近のレバノンの歴史に根がある。1982年のイスラエルのレバノン侵攻のとき、南部のシーア派はイスラエルを歓迎した。なぜならばイスラエルはパレスチナ人と戦うためにやって来たからであった。パレスチナ人は、何年にもわたりシーア派の生活を困難にしてきたのだ。しかし占領が長引くにつれて、イスラエルは当地のシーア派によって憎まれるようになった。この感情は今や、レバノン南部で育っている子どもに伝えられている。」

パレスチナ人とレバノン南部のシーア派イスラム教徒の間のビミョーな関係があったのか?パレスチナ人が大量にレバノンに難民として押し寄せたことが関係しているのであろうか?あるいはヨルダンを追い出されたPLOが1982年当時レバノン南部を基地として、対イスラエルゲリラ闘争を行っていたことに関係しているのであろうか?今後調べてみる必要があるが、イスラエル対アラブという簡単な二項対立で物事を考えると落とし穴にはまるかもしれないという(極めて当たり前の)ことに考えをめぐらせることができたのだ。
コメント
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