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中国とダルフール

2006-08-05 13:28:30 | 時事問題
ダルフール問題と中国の関係をこれほどはっきりと分かりやすく書いている記事を見たことがない。以下はその大意。

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ニューヨークタイムズ
2006年8月4日
中国とダルフール

スーダンのダルフール地方のジェノサイドをとめるためには、強力な国連部隊が必要である。直ちに派遣されないなら、多くの潜在的犠牲者にとって手遅れとなるかもしれない。派遣遅延の直接的原因はスーダンのバシル大統領の拒否である。彼が逃げられるのは、国連安保理常任理事国中国が、拒否権使用をちらつかせ、彼を保護し続けているのが主原因だ。

中国がバジル氏の味方をする理由は、石油である。中国は、石油資源の多様化を図ろうと務めている。アフリカが一つの選択肢であることは明らかだ。すでに中国の石油輸入の約7パーセントがスーダン産だ。

もう一つの要因は、中国が、国連の国家主権侵害に対して極端に敏感であることだ。中国が恐れていることは、スーダン政府の抗議を押しのけて、国連のダルフール介入に同意すれば、例えばチベット問題に対する望まない介入に道を開くかもしれないということだ。しかし中国が、バシル氏の国連部隊に対する同意を勝ち取るために影響力を行使すれば、このような前例は作られない。

中国は一般的に人権批判については相当図太い。しかしジェノサイドは別だ、そして中国はそれが分かっている。中国はすでにバシル氏を支持していることで困惑しているのだ。温家宝首相が最近アフリカを訪問した際、彼はスーダンには行かなかった。

中国は、国連部隊派遣の主要障害と見られることを望んでいない。しかし今や、中国が主要障害なのだ。ロシアのような他国もまた尻込みしている。中国が反対を取り下げれば、彼らはおそらくそれに従うであろう。

ワシントンとしても、バシル氏に対する圧力を構築する必要がある。ダルフールに取り組んだ高官ロバート・ゼーリックが最近政府から去ったことで、動きが失われるという危険が実際あるのだ。ブッシュ大統領はスーダンに対する特使を直ちに任命する必要がある。すでに20万人を越えているジェノサイドの犠牲者が、さらに大きくなる前に。
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http://www.nytimes.com/2006/08/04/opinion/04fri3.html
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