どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

いのちの水・・ブルガリアの昔話

2024年05月16日 | 絵本(昔話・外国)

   いのちの水/八百板洋子・再話 ベネリン・バルカノフ・絵/福音館書店/2022年

 

 三人の王子が、永遠の命を与えてくれる水をさがしにでかけ、末の王子が水を手に入れます。ところが、上のふたりの王子に裏切られ、どこか遠くへ吹き飛ばされますが、金の鳥の助けをかりて、城に戻り、水の精と結ばれるという典型的な昔話。

 道が三つにわかれたところで、兄弟は別々の道をいきますが、分かれ道の岩の上に、指輪をおいてでかけます。

 岩には、「左は、生きてもどれるみち」「まんなかは、運試しのみち」「右は、いきてもどれないみち」

 末の王子は、誰も悲しむ人はいないのだからと、「生きてもどれないみち」をすすみます。
 火でくるしんでいるドラゴンの親子を助け、ドラゴンの兄、銀の国の王のもとへむかい、川のほとりで、銀の魚を助けると、銀の国の王から金の国の王を紹介され、金の国へ。金の国の城のそばで、つばさが火のようにもえさかり、くるしんでいる金の鳥へ、泉のつめたい水をすくって鳥のくちばしをぬらしてやると、金の鳥はいきかえり、とびたちました。

 金の国の王からおしえられ、水の精がすんでいるという大理石の城をめざすと、そこには、うつくしい女のひとがねむっていました。王子がそっとかたに手をおくと、女の人は目を覚ましました。

 末の王子は、水の精から命の水と、右手にはめて、ねがいをとなえれば、どんなことでもかなえられるという指輪をもらって、王さまがまつ城にむかいます。

 指輪で、兄弟がわかれた道に一足飛びすると、兄弟の指輪は残ったまま。これも水の精からもらった指輪で、兄たちと再会しますが、うえの王子は、指輪を見せてくれるようにすえの王子にいい、指輪をうけとると、すかさず、自分の右手にはめてとなえます。「指輪よ! すえの王子を、生きてはもどれないみちにまいもどせ!」。

 兄弟が旅に出るとき、王さまは、命の水をもちかえったものに、国を譲ること約束していましたので、うえの王子が王に。

 うえの王子は、ふしぎな力をもつという水の精にあいたくてたまらず、指輪の力で水の精を城へよびます。水の精は。じぶんが命の水をおくった若者の身を案じて、うえの王子の求婚をことわります。

 一方、すえの王子は、金の鳥のたすけで、指輪をとりもどし、城へむかいます。王さまは、水の精からいわれ、ふたりの王子のわるだくみをしり、国からおいはらいました。すえの王子は、水の精をおきさきにして、いつまでもしあわせにくらしました。

 

 あまりにもスムーズにすすむので、印象が薄い読後感。絵は現地を代表する絵本作家といいます。


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