どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

動物のことば・・セルビアほか

2014年02月17日 | 昔話(外国)
              動物のことば/子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎/実業之日本社/1964年初版


 何かの力をかりて動物のことばがわかるようになるという昔話も多いが、結末に注目してみると、喜劇でおわるものと、悲劇でおわるものがあって、モンゴルの「石になった狩人」では、動物から聞いたことを話した狩人が石になってしまうという非劇?で終わっている。

 一方、「動物のことば」は喜劇仕立て。

 ヘビを助けたことから、動物のことばがわかるようになった羊飼いの男が、動物の話していることを聞いて大金持ちになるという話。

 しかし、動物のことばがわかることを他人に話すと、たちまち死ぬことになる。

 男が結婚し、二人が別々の馬にのっているとき、おくさんの乗っていた馬が、おくさんのお腹に赤ちゃんがいるので重いとグチをこぼします。これを聞いた男が笑い出すと、おくさんはどうしても笑い出した理由を聞こうとします。

 おくさんが、なんどもなんどもしつっこく聞いてくるので、男は覚悟をきめて、棺桶の中に寝て、わけを話そうとする。

 しかし、メンドリが「死にたい人は死ねばいいのさ。ばかばかしい。おくさんのわがままのために、死ぬなんて。」と話すと、男は棺桶からむっくりおきあがって、「さあ、話してやろう」といって、おくさんをぴしゃぴしゃぶつと、それから、おくさんはすっかりおとなしくなって、笑ったわけを聞こうとしなかったというもの。

 似たような話の場合、聞いた後にどちらのほうが印象に残るのか知りたいところ。「石になった狩人」は、お話し会でもよく語られているようなので、同時に「動物のことば」も話してみるのも面白いのかも。          

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