世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年
イタリア版「浦島太郎」。
難破した帆船の船乗りが、離れ小島の浜辺につくとすぐ力がつきて気を失い、そのまま眠ってしまった。
誰かが起こす声がして目を覚ますと大きな亀。男は好奇心が強く亀に誘われままネプチューンの海の王国へ。船乗りは王に迎えられ、王の娘と結婚し、幸せな日々を過ごします。
ある日、船乗りは両親に会うため、地上に戻りたくなった。王女は考えを変えるよう泣いて頼みます。だがどうしようもないとわかると、蓋をした小箱をあたえ、けっして捨てないようにと頼んだ。
船乗りが故郷にかえってみると、なにもかも変わっており、亀に出会ってから百年がたったことに気がついた。気落ちした船乗りが小箱を開けると、昏睡状態におちいり、目を覚ますと、長く白い髭の老人にかわってしまっていた。老人はたちまち皺だらけになり、地面に崩れて、あっという間に息をひきとった。
男は、亀を助けることもなく、海の王ネプチューンのところへいき、すぐ王になりますが、よほど見込まれたんでしょうか。