どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ぼくのともだち ガムーサ -エジプトのおはなし-

2023年10月22日 | 絵本(日本)

   ぼくのともだち ガムーサ -エジプトのおはなし-/市川里美/BL出版/2023年

 

 エジプトのナイル川のほとりに住んでいる男の子アジーズは、父親がやっとお金をためて買った水牛のガムーサの世話をまかせられます。

 アジーズは、ガムーサに草をもってきてあげたり、ナイル川に水遊びに出かけたりしますが、ガムーサは、どろ水に足を突っ込むのをいやがります。これでは はたけしごとには不向きです。

 ある日、父親が「いつまでもしごとをしないなら、市場につれかえすぞ!」というのをきいたガムーサは、ピラミッドのほうへ一目散に走って、スフィンクスの大きな前足のあいだに すわりこみます。

 アジーズが、つれかえそうとしても、ガムーサは身動きもしません。もうすぐ日が暮れ、空にはいちばん星がみえはじめます。アジーズは、ひとばんねたら、いい考えが浮かぶかもしれないと、のこることにしますが、そのとき、どこからかおもおもしい声がしました。それはスフィンクスの声でした。

 「わたしの夢は、ピラミッドの番人になることです」という、ガム-サに、スフィンクスは、ファラオとの友情について話しだします。・・・。

 

 旅する絵本作家とあり、これまでありそうでなかったスフィンクスが語りだすというシチュエーション。スフィンクスは何千年もエジプトの大地を見つめてきた存在。なにがあっても動じません。