どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

そば食い平太‥佐賀

2023年10月21日 | 昔話(九州・沖縄)

        佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年

 

 村の若者が、そばずきな平太に、ほんとうにどのくらい食うかもちかけると、平太は大きなどんぶりで25はいは食えるという。若者は、いくらそば食い平太でも、25はいは無理だろうと、かけをすることに。

 かけの約束してから、平太は困ったことになったと思うた。なんとか25はいのそばが食える方法はないかと考え悩んだ。あしたがそば食いのかけの日の前に、腹へらしたいと薪をとりに山へ出かけた。

 山道を歩いているとき、おおきなヘビが、おおきなネズミを呑み込もうとしたところにでくわした。ヘビは、一ぴきのネズミをペロッとのんでしまうと、また二ひきめもぺろり。ヘビは平太の前で、十ぴきのネズミをつぎつぎにのみこんでしまった。しばらくしてから、ヘビは重たい腹をひずづって、草むらへ行くと、そこにあった草をぺろぺろ食べはじめた。平太がずっとみていると、いままで丸太棒のように太かったヘビの腹は、その草をたべたとたん、すうっとちいさくなっていった。これだと思った平太は、そば25はい食うたら、草を食おうと、その草をもってかえっていった。

 平太は草をもっているので、安心してそばを食い終わった。ところが、つぎの日の朝、日が高くなっても平太はなかなか起きてこない。みんなで平太の部屋にいってみると、平太の姿はどこにも見えず、ふとんの中に、そばだけが山もりになっていて、みんなはびっくり。

 ヘビが食うた草は、ネズミのからだをとかす力があって、平太のからだをみんなとかしてしまい、そばだけがのこったという話。

 (そいから先は、ばっきゃあ)