どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

まどのそとの そのまたむこう

2023年10月02日 | 絵本(外国)

   まどのそとの そのまたむこう/モーリス・センダック作絵・ わき あきこ・訳/福音館書店/1983年

 

 パパは海へ、ママは おにわのあずまや(そこでなにをしているのでしょう?)、アイダは 赤ちゃんの 子守。

 アイダが あかちゃんをみないで、ホルンをふいていると、ゴブリンたちがやってきて、氷の人形をかわりにおいて、あかちゃんを かかえて でていきました。

 気がついたアイダは、「ゴブリンたちが ぬすんだんだわ! およめさんにしようと おもっているのね!」と、ママのきいろいレインコートに くるまり、ホルンを ポケットに つっこみ、まどのそとの そのまたむこうへ でていったのです。うしろむきになって!

 パパの声で、アイダはぐるりとまわり、結婚式の 真っ只中へ。ホルンで、みえなくなったゴブリン。たまごのからにすっぽりおさまり、ふんふんうたったり てをたたいていたのは あかちゃん。アイダのいもうとに ちがいありませんでした。・・・。

 

 あかちゃんの誘拐がテーマで、コブリンの正体が不明と、どこか怖さが漂います。あかちゃんがいなくなってもママの存在感はまったくありません。あかちゃんを家につれかえると、パパの手紙が届いていますが、アイダは、あかちゃんだけでなくママもケアする存在。

 絵はち密で写実的。黄色いレインコート、ホルンには 深い意味がかくされているのでしょうが よくわかりません。アイダがあかちゃんをつれかえる野原の小屋には、ピアノを弾く人の姿がみえます。

 

 センダックが幼児期に受けた「リンドバーグ赤ちゃん誘拐事件」(1932年3月1日)が背景にあるといいます。