入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「夏」(58)

2021年08月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨ばかり降り続く天気で鬱陶しい。そんな中、いつの間にか曜日の感覚が消えてしまい、きょうが土曜日だということも下からの電話で知った。ここまで多忙と漫然が混在した日が続くと、本来の牧守の仕事に戻り、真っ青な深い秋空を眺められる日が待ち遠しい。そう、もう夏は終わった。

 五輪が終わり、また報道はCOVID-19と自然災害が中心になって、「災害は忘れたころにやって来る」のではなく、「忘れないうちにやって来る」ようになってしまった。日本は一応世界では経済的に見て主要国であり、文明国でもあるはずなのに、大雨が降れば待っていたように河川が氾濫し、土砂の崩落が起き、家屋が倒壊したり多数の被害者が出る。「安心安全」な国だと思っていたら、どうもそうではないということが分かってきた。
 
 雨の中、第1牧区へ上がっていったら、落葉松の木の根元に、キノコが顔を覗かせていた。植物と同じく、キノコも詳しくなく、種類もあまり知らないが、それでもそれがヌメリカラマツタケだということぐらいは分かった。採らずにそのままにしてきた。
 今年のキノコの出来はどうだろうか。早い年には、盆が過ぎれば目に付くようになる。また秋になれば、たくさんの人がキノコ狩りに上がってきて、森はしばらく静寂さを失う。
 
 そんなことを思っていたら、2頭のホルスが不安そうに近付いてきた。3日前に入牧したばかりの若い牛で、まだ群れには入ることができずいる。こういう牛は要注意で、青草を充分に食べているのかもまだ分からない。突然こんな場所に連れてこられ、雨に濡れながら困惑気味のようだが、少しづつ野生を取り戻してもらうしかない。
 盆過ぎには出産のため下に帰す囲い罠の中の3頭のホルスは、ここから見る限り雨に濡れながらも普段と変わらず落ち着いて草を食んでいる。暴れて、第4牧区に残留している3頭の和牛は、時々水場に来たり囲いの外に姿を見せることもある。放っておけば野生化が進み過ぎるから、配合飼料で手懐けるつもりでその手配をした。

 この雨の中でも、食事は小屋でなく屋外でしたいらしく、大きなタープを張りその準備をしている声が聞こえてくる。それで愉しんでもらえれば、言うことはない。
 しっかりと準備して、これからもう一度牛たちの様子を見に行くことにした。外に出れば、それほど雨も苦にならなくなるはずだが、サテ。
 
 タカユキ君、丁寧な通信をありがとう。一服した気分になりました。本日はこの辺で、明日は沈黙します。

 

 
  
コメント
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