能登で最も有名な海食崖「ヤセの断崖」。映画「ゼロの焦点」でも話題の断崖絶壁です。
しかし2007年3月の能登半島地震によりヤセの断崖は崩落し風景が変わってしまいました。
能登金剛のある旧富来町や隣の旧門前町は激震地域だったのです。
左がかつての姿、右が崩落後の現在の姿です。
大きくせり出してオーバーハングしていた崖の部分が無くなっています。
高さは健在ですが、見かけの迫力が減じてしまって少し残念です。
これをカヤックで沖から眺めると崖の側面に崩落した跡が白く痛々しく残っていました。
左が側面から眺めたところ、右が真下から見上げたところです。
さて、ヤセの断崖から少し足を伸ばすと「義経の舟隠し」という景勝地があります。
遊歩道から見下ろせる狭い入り江です。これを海から眺めるとこっちへおいでといわんばかり。
カヤックのパドルが当たるほど狭い水路を進んで中へ入っていくと奥にあったのは・・・
かなり大きな洞窟でした。これは上から見下ろしても完全に死角になるので気付かれません。。
海からでもこの狭い水路へは漁船も入れないでしょう。カヤックで進入してこその発見でした。
まさにこれが本当の舟隠しです。
奥州に逃れる義経一行が48艘の舟を隠したという伝承がにわかに真実味を帯びて感じられました。
義経や弁慶が暗がりの中でひと時の休息をしている姿が目にうかぶようで、しばし感動の時を過ごしました。
満たされた思いと共にグランドキャニオンのような水路を離れ、能登金剛を進みます。