鉢伏山は奥能登の名山として1986年「森林浴の森100選」に選定されました。
しかし頂上付近は保全管理が十分なされずネマガリダケが繁茂しています。
これではせっかく訪れてくれた人も見通しが悪くてがっかりしてしまいます。
そこで鉢伏山のネマガリダケを手作業で刈り取ろうというイベントを企画しました。題して「奥能登 竹取物語」。
昼食付きの有料プログラムでしたが趣旨に賛同してくださった地元の方など11名が集まりました。
鉢伏山の山頂(標高543.6メートル)へ着くとさっそく坂下さんが頂上付近の大穴の謎について興味深いお話をしてくださいました。
坂下家は代々鉢伏山山頂と水源地を所有されています。坂下さんは齢九十。かくしゃくとした無駄のないこの動き!!!
山の森は神秘的な霧につつまれて涼しく快適で、絶好の作業日和でした(笑)。
枝切りバサミを手に人海戦術で一本一本ネマガリダケを切り倒しました。
なぜ機械で一網打尽にしないのかというと、理由は二つあります。ひとつは機械で刈った場合、切り跡が鋭く残って危ないから。そうならないように落ち葉の中の根元から丁寧に切ってゆきます。もうひとつの理由は支配的なネマガリダケを選択的に減らすことで豊かな植生を回復させるため。だから他の植物は残しておきたいのです。
きつい単純作業には果てがありません。それでも少しずつ開けてくる視界に確かな成果を感じました。
林業のプロもいらっしゃったので作業もはかどり、完了時には格段と見通しがよくなりました。
ご参加頂いた皆さんのおかげです。どうもありがとうございました。
それにしても皆さんはお疲れのはずなのになぜかだんだん生き生きと。
「何もかも忘れ自然の中でリフレッシュできました。」「自然の中に一日いて癒されたぁ。」
「次回の竹取も期待しています」「またぜひ参加させてください」
などなどうれしいご意見を頂きました。
これからも「奥能登 竹取物語」を行ってまいります。
こうしたイベントを楽しみながら事業として続けていくことが、
多様な人々を交えた息の長い保全の仕組みにつながっていくと
私たちは考えています。
鉢伏山は能登町の宝。地域に愛される山、奥能登の魅力を伝える山になれます!
「鉢伏山の宝みがき」を、さあ、ご一緒に!